2014年4月9日水曜日

ベトナム最後の街、ホーチミンシティ歩き(2014年4月8日)

快適だったベトナムの旅が終わりに近づく。

中部のフエから始まり、2週間ちょっとかけて南下して、
いよいよ大都市のホーチミンシティ。
過去3度訪れて何かと疲れる街だと記憶されているし、
のんびりし過ぎた漁村のムイネー、避暑地のダラットの後なので、
おのずと気が引き締まる。

ダラットからバスで8時間、
高地からゆったりとした時間が流れる田園地帯へ進み、
メコンの支流を次々に通り過ぎて行くと、
大都会が見えてきた。
これまでのベトナムの街ではなかったガラス張りのオフィスビルが立っている。
ビルが立っている都市は中国の昆明以来だろう。



バスは途中で地下トンネルに入り、地上出ると馴染みのある界隈だった。
しばらくしてファングーラオに到着。
ファングーラオはバンコクのカオサンのように安宿が集まるバックパッカー街で、
旅行会社やレストラン、土産屋が並ぶデタム通り周辺に広がっている。
カオサンもそうだが、庶民が生活する路地に安宿があったり、
安食堂も紛れ込んでいる。
前回訪れた2009年に比べ、新しいコンビニやカフェは増えているようだが、
基本的なものは変わらず安心してしまう。
むろん、物価は上昇した感じがする。




ファングーラオでは探せば安い宿はたくさんありそうだった。
デタム通りでツーリストバスを降りてから、ミニホテルが並ぶ路地に入り、
路地に入ってすぐにミニホテルの人から誘いがある。
料金を聞いたら、何泊するかと尋ねられたので、
一週間と言うと1泊15ドルのところを12ドルに値下げしてくれた。
これまでのベトナムの宿はどこもそうだが、
かなり清潔でエアコン、テレビ、Wi-Fi、バスルームが最後の最後まで完備されている。


ついついホテルの名前もチェックせずに決めてしまった。
一週間滞在ということであればもっと安い宿はたくさんあるはずだが、
最近は宿泊料金の安さにあまり頓着していない気がする。
いずれヨーロッパやアメリカでドミトリーで3000円くらい払うことを考えれば、
シングルの数ドルくらいと思ってしまう。
今はいいが、オーストラリアに入ったあたりから苦労しそうだ。

ホーチミンシティへの観光客は他のベトナムの街にないほど多国籍で、
オーストラリア、北米、ヨーロッパなどの西欧、
中国、韓国、日本などの東アジア、
タイ、シンガポール、マレーシアなどの東南アジア、
さらにはインド人、アフリカ系や中東系の人々も目にする。
不思議なことにニャチャンやムイネーで
大多数を占めていたロシア人はほとんど見かけないようだ。
多国籍を反映してか、マレー系の人々が集まる界隈があったり、
モスクがあったりする。




ところで、
5年前にホテルや雑貨屋が多いドンコイ通りやショッピングモールを歩いていると、
マレーシア人やタイ人と名乗るフレンドリーなフィリピン人のおばさんや家族連れに声をかけられたが今はどうなのだろう?
タイ、マレーシアで有名なトランプ詐欺や睡眠薬強盗は
日本人旅行者が多いベトナムでも当時は流行っていたようだ。
もちろん、向こうはこちらが日本人であることを知っていて声をかけてきているし、
身内同士でタガログ語を喋ったり、
特有のフィリピンなまりの英語を喋っている段階で
国籍を偽っていることはばればれなので適当にあしらっていたが。

恥ずかしいことに、かつてフィリピンを旅行した際、
マニラ2日目にフレンドリーなフィリピン人のおじいさんとおばさん、
娘さんグループに一緒に観光しないかと誘われ、うかつにもついて行ってしまい、
スラム街のようなところにある家屋で食事とビールをご馳走になってしまった。
被害が多すぎる睡眠薬強盗の典型的なモデルになってしまい、
トラベラーズチェックで80万円相当を盗られたという間抜けな体験があるので、
今でもにこやかに時刻を聞いてきたり、着ているTシャツどこで買ったの?、
と質問してくるフィリピン人には瞬間的に警戒心が湧いてしまう。
もう10年も前のことだがなかなかトラウマは消えない。

で、そのドンコイ通りである。
たぶん普通の観光客と思うが、
ショッピングモールの入口でポーズを決めて、
スマホで写真を撮りまくるフィリピン人の家族連れに視線がいってしまう。
ドンコイ通り周辺は以前と同様、ブランドショップ、雑貨屋、
高級ホテルが多く、他のベトナムにはない洗練さがある。




ファングーラオに近いベンタン市場にも寄ってみる。
地元のベトナム人向けというよりは観光客向けの市場で、
売られているものが自ずと高く感じてしまう。
偽ブランド時計ショップには西欧人のおじさん、おばさんがたむろしていたりする。
自分はニャチャンで偽ブライトリングを衝動買いしてしまったので、
ベンタン市場では物色するのみ。




スカーフを頭に被ったマレー系の女性がシルクを吟味しているのを眺めてから、
飲食屋台コーナーに言ってみるが、やはり高い。
高いにも関わらず、
25000ドン(130円)のマンゴーシェイクを飲んでしまったりする。




ベンタン市場よりもローカルなビンタイ市場の方が面白いかもしれない。
ビンタイ市場は中心部からは離れており、中華街チョロンにある巨大な市場。
ベンタン市場から市バスでも行ける。
自分は探索もかねてファングーラオから歩いてビンタイ市場のあるチョロンに行く。
到着するまでの街歩きがハードで、歩行者用の信号機がない交差点、
信号機があっても信号無視、逆走で機能していない交差点をその都度渡って行かなければならない。
ある意味、バイクの多さはホーチミンシティの名物だろう。



道路横断はしんどいものの、
外国人を見かけるたびに声をかけてくるバイクのおじさんや、
サンダルで歩いてるのに強引に靴磨きをしようとする青年達がいるファングーラオ、
ドンコイ周辺から離れると、普通の都会の生活風景が広がる。
人々もこれまでのベトナムで見てきた人達と同様、
ちょっとシャイだけど穏やかな庶民。




ひたすらビンタイ市場まで歩くのは肉体的にも精神的にも疲れるので、
普通のベトナム人が集まるカフェで休息。
英語が通じない庶民のカフェでは
ファングーラオで20000ドン(100円)するコーヒーが12000ドン(60円)で飲める。
気の利くカフェの娘さんは何度もお茶のおかわりを入れてくれるし、
Wi-Fiも利用できるのでついつい長居してしまう。




ファングラーオからカフェタイムも含めて
2時間くらいでたどり着いたビンタイ市場は昼過ぎもあってかのんびりしている。
遅い昼食として名前も分からない麺を市場の屋台で食べる。
カニの肉が入っており、麺も米粉のフォーやブンとは違い独特で美味しい。
食後は特に買うものもないのに市場を散策したりした。





ホーチミンシティには8日間滞在するので、
まだまだこれからといった感じである。
歩くと遠すぎるビンタイ市場にはもう行くことはないだろうけど。











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