2014年7月27日日曜日

失望のランカウイ島(2014年7月26日)

悩みに悩んだが、せっかくの機会なのでランカウイ島も訪れる。

ランカウイ島はペナンの北にあるリゾートアイランド。
イメージとしてはバックパッカーが訪れる南の島というより、
カップルや家族連れがバケーションで滞在するリゾートという感じがする。

悩んだ理由は物価が高そうな島というのもあるし、
西欧の夏休みシーズンとあって混んでそうで、
それでいて雨期なので奇麗な海は期待できそうにないのもある。
3週間前に見たマレーシア東海岸のプルフンティアン島の海があまりにも美しかったため、
残像を求めている感も拭いきれない。
ただ、ランカウイ島は有名過ぎるし、
過去、マレーシア半島を4回縦断していまだ訪れていないので、
覚悟を決めていってみることにした。


ペナンからのフェリーチケットは往復115リンギット(3500円)と高く、
そのためアロースターで二泊し、
ボートチケットが片道23リンギット(700円)と安いクアラケダー経由で訪れる。

アロースターのBee Garden Motelをチェックアウトしてから、
テレコムタワー近くのバス停から市バスでバスステーションに移動。
アロースターのバスステーションからは市バスのような乗り合いバスでクアラケダーへ。
クアラケダーのボート乗り場までは2.5リンギット(80円)。
ペナンから無料の渡し船でバターワースに行き、
バターワースからアロースターへのバスが11リンギット(330円)だったことも考慮すると、
ペナンからダイレクトのランカウイ行きの片道チケット60リンギット(1800円)を買うより700円程安い。
まぁ、たいした差ではないし、宿代が高いアロースターに二泊したので得したとは言えないが。

しかし、このルートには誤算があった。
クアラケダーからランカウイ行きのフェリーには外国人がいなかった。
マレー系やインド系の家族連ればかり。
事前に調べたところによると、
比較的大きなランカウイ島にはペナンのように市バスが走っていない。
タクシー以外に公共交通機関がないリゾートである。
ランカウイ島のフェリーターミナルで降りてから、
安宿もあるペンタイチェナンというビーチリゾートまで
同じようなバックパッカーと料金が高いタクシーをシェアしようと思って計画は崩れてしまった。
フェリーターミナルを出てすぐのタクシーカウンターで
しばらく待っても一緒にペンタイチェナンに行ってくれそうな西洋人は見当たらず、
仕方がなく、気の良さそうなタクシーのおじさんと交渉し、
表示価格30リンギット(900円)のところを25リンギット(750円)でペンタンチェナンまで連れて行ってくれた。
それにしても市バスがないと島の移動は痛手の出費である。

意外にもペンタンチェナンのメインの通りは人通りが少ない。
プルフンティアン並みに若い西洋人が多いと恐れていたのに、
家族連れが目につくくらいでバックパッカーはあまり見かけない。


どうやら西欧諸国の夏休みシーズンよりも
ランカウイのオフシーズンの要素が勝ってしまったようだ。
おかげで宿探しは楽ですぐに安めの部屋が見つかった。
AZMAR MOTELの45リンギット(1500円)の部屋でエアコン付き。
プルフンティアン島では40リンギットのボロ小屋でエアコンなし、
隙間だらけの壁にあちこちが破けた蚊帳があるだけの部屋だったので、
はるかにコストパフォーマンスが高い。



ペンタイチェナンではビーチで寛ぐ以外に目的がないので、
文明社会から離れたプルフンティアン島では存在しなかったマックでチキンバーガーを食べ、
早速ビーチへ。

あの透明度100%のプルフンティアンには劣るとはいえ、
ある程度は透明度があり、エメラルドグリーンのランカウイの海。


…を期待していたのだが、まったくもって透明度がない。
砂浜はそこそこの白さがあり、ヤシの木々もエキゾチックで、
リゾートの舞台はそろっているのに、海水は奇麗とはいえない。
正直、ペナンのバトゥフェリンギで見た海と同じだった。
しかも、砂浜には瓶やプラスチックなどのゴミが打ち上げられていた。



それでも、海水浴と日光浴を繰り返した。
ペンタイチェナンで泳いでいる人はほとんどいない。
たまに西洋人のカップルが水浴びしてたり、
砂浜で子供達が砂遊びしているくらい。





リゾートでは物価高や宿探しが難しくなるのを我慢してでも
ベストシーズンを選ぶべきだと学んだ。


唯一、ランカウイ島の利点は免税店であふれ、
アルコールが東南アジアで一番高いマレーシアにおいて
一番安くビールが飲めること。
マレーシア本土の3分の1以下でタイガービールやハイネケンが飲めるのは楽園だった。



海水の透明度は残念だったが、夕暮れ時はリゾート雰囲気を満喫できる。
マレーシアにはまだいるのでもう一度東海岸の美しい海に囲まれた島を訪れたくなった。






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2014年7月24日木曜日

12年ぶりのアロースター(2014年7月23日)

マレーシアの北部にアロースターという町がある。
ペナンからタイのハジャイに向かう際に多くの旅行者が素通りしてしまうそうだが、
2002年にマレーシアからタイの国境を越える前に、
あえてアロースターに一泊し、翌日列車でハジャイに向かった。
当時マレーシア最後の町として見て回った印象はマレー系が圧倒的に多く、
ショッピングセンターは閑散として活気がなく、
特にカラフルなペナンの直後は明るさを感じられない町だった。
旅行者を見かけることもなく、
モスクとテレコムタワーの展望台に訪れる以外はみどころなかったと思う。

何よりも最悪だったのは宿がひどすぎたこと。
観光客が訪れる町ではないので、高いホテルばかりで、
ようやく見つけた中華系の安宿は連れ込み宿。
シャワーの設備がなく、天井が筒抜けで騒がしく、
臭くて、暗くて、汚い部屋だった。


旅とは不思議なもので、
もう二度と訪れないと思っていた町を12年ぶりに訪れることもある。
2002年以降、何度かタイとマレーシアの国境越えのたびに
当たり前のように素通りしていたアロースターに…。

今回はランカウイ島へ向かうボートが出るクアラケダーの途中なので寄ってみる。
やはりガイドブックには安宿は載っていないので、
宿泊料金が高めだった中国以来、久しぶりにインターネットでホテルを探し、
そう高くないホテルをネット予約しておいた。

ペナンのジョージタウンからはバターワース行きの渡し船、
というには大き過ぎる船に乗り、マレーシア本土へ。
バターワース港で降りてすぐにバスの客引きから声がかかり、
バターワース行きのバスに乗れた。
11リンギット(330円)と安いのは距離が短いからだろう。

ほぼ常識と化してきている町の郊外にあるバスステーション。
アロースターでも予バスステーションから約したホテルまで歩ける距離ではないので、
周囲の人に尋ねて、
市バスに乗り換えて町の中心に向かう。

Googleの地図を頼りに予約したホテルに向かうが見つからず。
場所が変わったのか、Googleが間違っているのか。
人に尋ねると、ホテルの名前だけで場所が分かったらしく、
行き方を丁寧に教えてくれた。

マレーシアにしては珍しく、やたら野良犬が多い界隈を抜け、
テレコムタワーを見渡せる場所にBee Garden Motelがあった。
1600円と安くはないが、旅行者をまったく見かけないアロースターだし、
エアコン付きの部屋なのでしかたがない。
ただWiFiが部屋で繋がらなかったり、エアコンの温度調整ができないのがたまにキズ。




12年ぶりにアロースターを街歩きして感じたのは
あまりにも町が変貌していないこと。
有名なモスクは2002年から外装が変わっていない。



マレー系の人が多い屋内市場は以前同様のんびりしており、
むしろラマダーン中のため、より活気がなく感じられてしまう。




そして、まさかとは思ったが、
当時の記憶をたよりに狭い中心部を歩いていると、
2002年に一泊した連れ込み宿の三山ホテルがあった。
今でもシャワーがなく、天井が筒抜けの薄暗いボロ宿なのだろうかと近づいてみると、
さすがにつぶれてしまったのか、下の階は別の中華系商店になっていた。
ホテルの名前がいまだに建物についているのは伝説のようだ。



かつてハジャイ行きの列車に乗った町外れの駅に寄ってみる。
アロースター駅は比較的大きめの町の駅とは思えないほどこじんまりとしており、
北海道の田舎にあるような駅だった。
12年ぶりに訪問すると、なんと駅の建物自体はまだ存在しているものの、
つい最近閉鎖してしまったようだ。


すぐ隣にはつい先日オープンしてまもないようなモダンな駅がある。
昔ながらののんびりしたアロースターには不似合いなほど近代的で逆に面白い。




アロースターの中心部はラマダーンの影響か12年前よりも静かで、
2時間もぶらぶらしていたら退屈になってくる。
以前より中華系が増えたのか、
冷たいコーヒーやミルクティーを飲みながら寛げる中華茶餐室が目につく。
セルフサービスの中華料理はマレー料理が食べられないランチタイムには好都合。





アロースターの夜のライトアップは美しい。
夜のテレコムタワーはモダンな輝きで、
展望台が低くなければ、2002年に続きもう1回登っていたかもしれない。
ただテレコムタワーからの眺めは哀愁が漂う寂しさがあったので2回目はない。



奇妙なことにテレコムタワー近くのBee Garden Motel周辺には中華系の夜市、
フードコートがたくさんある。
同じ一本の通りに開いているところだけで4つもあった。
クアラルンプールやペナンでも夜市の密集地帯はなかった。
中心部とは雲泥の差の活気である。




夜市、フードコートで満足な夕食を終え、
ライトアップされたモスクを見に行く。
ちょうどお祈りの時間で多くの人々が訪れており、
モスク前の噴水では子供が戯れている。
夜になっても子供が遊び回る平和な町はいい。





かつてもう来ないと思っていたアロースターを12年ぶりに訪れ、
しかも1泊ではなく、2泊もし、
これだから旅はやめられないと思った。


エアコンが効き、快適な部屋にいるのになぜかなかなか寝つけれなかった。
数日前から自覚していたのだけど、ちょうど7月22日で旅人生16年目を迎えた。

大学3年の夏休みに人生初海外旅行でアメリカ縦横断してから15年が経過…。

あれからオーストラリアでワーキングホリデーをしたり、
東南アジアとインドを半年放浪したり、
北海道を出て東京に住み始めたり、
ロンドンで語学留学したり、
ユーラシア大陸をロンドンからバリまで横断したり、
新宿の会社に出戻りしたり、
2年間かけて中東、アフリカ、ヨーロッパ、南米、アジアを周遊したり、
再びの東京で4年以上生活したり、
仕事の合間に友達と短期旅行にも行ったりしてきたけど、
いまだに旅に浸かっている日々。

何度か長い旅はこれで終わりにして1箇所に落ち着こう、と思ったり、
わざわざ家族や友人に告知してみたものの、
映画やF1観たり、友達と美味しいレストラン行ったり、
居酒屋で騒いだりするよりも
大好きな旅、旅生活…。

20代の頃は自分探しだの、
今後の人生のための糧だのと、
少なからず手段として旅してきたつもりが、
いつの間にか旅自体が目的となっている。

昨年10月に日本を出て、
中国、東南アジアと南下してきた「世界遊牧住み渡り」と勝手に名づけた長期旅行は何かのための手段ではなく、
旅の日々に浸かり、旅を満喫することだけが目的。
ただぶらぶらと市場や路地を歩き回っているだけで満足。

体力的にも、金銭的にも、あてのない長期放浪を一生続けるのは不可能だろう。

でも、モチベーションが下がるどころか、
街歩きが楽しくてしょうがない今現在はまだまだ旅を続けたいと思う。
少なくとも、あと3年くらいは…




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2014年7月22日火曜日

濃厚なミックスカルチャーのペナン島(2014年7月20日)

タイに近いマレーシアのペナン島はより中華系、インド系の割合が多く、
また、夏休みシーズンの始まりからか観光客も多いので、
濃厚なミックスカルチャーに浸りつつも夏休み気分を味わえそうだ。

イポーを出発したバスは2時間半くらいでペナン島に到着。
ジョージタウンの中心にあるコムタルにバスが着くと思っていたら、
実際の終着点はマレーシア本土とペナン島を結ぶ橋を通過して間もないバスステーション。
安宿が多い中華街からはかなり遠い。
市バスに乗り換えて、1時間くらいかけてジョージタウンの中華街に向かう。

7月も後半に入り、夏休みシーズンが始まった気がする。
ペナンではエアアジアのハブのクアラルンプールなみに西洋人の観光客が目につき、
バックパッカーだけでなく子連れの家族も多い。
さらに海の日の連休と重なり、久々に日本からの観光客も見かけるようになった。
全くもって観光客がいないイポーから来ると大きなギャップである。

宿探しも久しぶりに苦戦。
安そうなバナナゲストハウスが満室だったり、
ゲストハウスが多いLove Laneでは個室が高い宿ばかりだったり、
やっと安めの宿が見つかり、部屋に案内されるとベッドが南京虫の巣窟だったり…。

初日はチュリア通りのクリスタルゲストハウスの部屋で妥協。
マレーシアで初めてのエアコン付きの部屋で、47リンギット(1400円)とそう高くはない。
ただし、窓が一切ない部屋だったので、
翌日からは75トラベラーズロッジという宿に移動した。
75トラベラーズロッジは改装間もないからか、
数日前に出来たばかりのように清潔でペンキの匂いが心地よかった。


窓から陽光が入るので明るく、扇風機の部屋で32リンギット(1000円)と安い。
屋根裏部屋なので日中は暑いけれども。


ペナン島のジョージタウンはマレーシア第二の都市とはいえ、
クアラルンプールに比べてコンパクトにまとまっている。
旧市街では中華街とリトルインディアが隣接している
…というより一部ミックスされていたりと濃厚な熱気がむんむんしている。


インド人街では南インド風のカレーを食べてばかりだったが、
たまには別のものも食べる。
インドというよりパキスタン、バングラデシュ風のチキン・ビリヤニ。
スパイスがきいたピラフのようで、カレースープもついて美味しかった。



ジョージタウンのリトルインディアはクアラルンプールより凝縮されている感じがする。
南インド風のレストランの他にサリー屋、インド音楽を流すDVDショップ、
アクセサリーショップ…。
インドに行かずしてインド気分を味わえるのがいい。




ペナンの面白いところはディープなリトルインディアのど真ん中に中華食堂があったり、
中国寺院があったりする。
また、モスクもすぐそばにある。




リトルインディアを出てしばらくすると、
マレー系の人々が集まる立派なモスクがある。
ラマダーン中は礼拝の場所を見学できないらしい。


そしてすぐまた中国寺院が現れるのがジョージタウン。
何かと紛争の原因になる宗教がペナンでは平穏に共存している。
ある意味で、異教徒どうしでも同じ街で平和で暮らせるというメッセージを世界に向けて放てる街かもしれない。




炎天下、ジョージタウンを歩き回るのはしんどいので、
中華系のカフェでかき氷を注文。
多くの人で混み合っている店だけあって旨いし、
2.3リンギット(70円)と安い。



夕方から並ぶチュリア通りの中華屋台はペナンの夜の喧噪に溶け込んで趣がある。



ペナンは大きめの島なので移動に市バスを使う。
島北部のリゾート地であるバトゥフェリンギを訪れてみる。
中華街近くの101番のバスに乗ったはいいものの、
ちょうどの運賃である2.7リンギット(80円)がなく、
財布の小銭すべてをかきあつめて2.6リンギットで許してもらった。
車掌がいない市バスでは釣りがもらえないので小銭がないと厄介である。


ペナン沿岸部には高層コンドミニアムが並ぶ。
香港島やオーストラリアのゴールドコーストのようなコンドミニアム群に
高級リゾートの雰囲気を感じてしまう。



バトゥフェリンギは静かで落ち着いたリゾート。
夏休みらしく家族連れの西欧人や中華系が目立つ。
しかし、ビーチは期待外れ。
好天でないため青さはないし、お世辞にも奇麗な海とは言い難い。
プルフンティアンの透明度が100%ならば、
バトゥフェリンギの透明度は0%である。



がっかりしてしまったペナンの海。
ひょっとしたらランカウイの海も期待できないのかもしれない。


別の日には郊外の寺巡り。

Kek Lok Si templeというペナンで一番でかい中国寺院はペナンヒルに向かう途中にある。
巨大だがその分観光客も拡散されて、じっくり見ることができる。
パゴタから見るペナンの展望は靄っぽい大気に遮られている。





また、ペナン北部にはタイの寺院とミャンマーの寺院がある。
お互い向かい合わせにあり、両方同時に訪問できるのが便利だ。

タイの寺院はお馴染みの派手さで、寺院の中には横たわった仏陀がある。




ミャンマー寺院には金色の尖塔があり、
かつて訪れたヤンゴンを思い出させてくれる。
同じ仏教でも寺院のスタイルや仏陀の姿が異なるのが興味深い。



寺院廻りだけでもいろんな国を訪れている気分になれる。
やはりペナン島はジョージタウン以外でも濃厚である。

お気に入りのペナン島は4日滞在して離れるが、
宿代が高いアロースター、ランカウイ島を廻ってから再び戻ってくる。






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