2014年7月10日木曜日

思い出深いクアラルンプール到着(2014年7月7日)

バンコク以来の大都会クアラルンプールへ。

クアラルンプールは自分にとって思い出深い東南アジアの都市。
2001年にオーストラリアでのワーキングホリデーに行く際に利用したのはマレーシア航空であり、
シドニーへのフライト前に3日間、クアラルンプールにストップオーバーした。
当時休学中だった自分がアメリカ、ヨーロッパ以外で初めて訪れる東南アジアの町であり、
日が暮れて空港からのバスでクアラルンプール市街に入って早々、
近未来的なツインタワーのイルミネーションに魅了され、
同時に薄汚れた雑居ビルの多い魔都を彷彿させる街並と
生まれて初めて見る東南アジアの人々の褐色の肌と大きな眼光にびびりまくっていた。
クアラルンプールはワーキングホリデー前のストップオーバーとしての町なので
ガイドブックも持たず、中華街やインド人街をぶらついた。
モダンなビルの前がでこぼこのアスファルトだったり、
スカーフを頭に巻き、民族衣装を来た女性が買物していたり、
ほとんどの人がスプーンやフォークを使わず素手でご飯とおかずを食べていたり、
異臭を放つホームレスや奇形の物乞いが声をかけてくるシーンが
一種のトラウマのように臨場感を持って脳裏にこびりついている。





翌年の2002年、オーストラリアでのワーキングホリデー生活を終えてから
帰国前に半年間、シンガポールからスタートして東南アジア、インドを周遊したのだが、
そのとき2度目のクアラルンプールを訪れた。
初めての先進国以外の本格的な旅に疲労を感じつつ立ち寄ったクアラルンプールでは
中華街の古い宿でエジプトからクアラルンプールに飛んできた日本人旅行者に出会った。
彼は世界一周していると言った。






シンガポールからマレーシアに入り、下痢や熱、何よりも東南アジアの汚さ、 カオスにダウンしていた自分は彼みたいな長い旅は無理と思いながら
彼が話す「世界一周」について耳を傾けていた。
23歳だった自分が初めて世界一周している旅人に出会った瞬間であり、
「世界一周」というものが現実世界にありうると最初に知ったときでもある。
あれから12年経った今では世界一周関連の本はたくさんあるし、
ネット検索で容易に情報が得られ、世界一周のブログもあふれ、
実際に世界一周中の旅行者と数えきれないほど出会ってきたが、
東南アジアでバックパッカーデビューしたばかりで、
ワーキングホリデーあがりの大学生には驚愕の事実でショックでもあった。
当時の旅行者のバイブルのような沢木耕太郎の深夜特急も読んだことがなく、
バックパックの存在を知らずにアメリカやヨーロッパはボストンバックで旅行するという世間知らずだっただけかもしれないが。
そんな思い出もあるクアラルンプール。






あれからバックパッカー旅行にはまってしまい、
2005年にユーラシア大陸横断したときや、
2009年に2年間の世界周遊として最後の東南アジアを廻っていたとき、
その都度クアラルンプールに立ち寄ってきた。
東京で仕事をしつつ、2011年の友人との短期旅行でさえ、
クアラルンプールを訪れたくらいである。
そんなに大好きとは断言できない都市だけに不思議な感じがする。






だが、訪問の度に2、3週間は長居してしまうバンコクとは異なり、
クアラルンプールでは2、3日、最長で4日間。
バンコクに比べて、都会の規模が小さく、物価が高いというのもあるし、
何よりも快適な宿が見つからないという理由がある。

最初に宿泊した中華街のトラベラーズロッジは古く、
独房のような部屋だったが、2001、2002、2005年とずっと泊まり続けていた。
トラベラーズロッジがクアラルンプールの定宿になりつつあったものの、
2005年に南京虫にやられたのでピリオド。
2009年は同じく中華街のとびきり安い宿に泊まったが、
連れ込み宿だったので落ち着かなかった。
香港のチョンキンマンションやカオサンのゲストハウスみたいに
長居したくなる快適で安い宿を見つけるハードルは高そうだ。




そして、2014年7月7日。
2011年に友達と短期旅行で訪れて以来、3年ぶりのクアラルンプール。

クアンタンのセントラルバスターミナルで9時半発のバスに乗り、
エアコンが効いた車内でうとうとしていると、
正午過ぎには早クアラルンプールの中華街近くのバスステーションに到着した。
前回から3年ぶりというのもあったが、
正直2001年からあまり変わっていない印象があるクアラルンプールの中華街周辺。
視覚的にはより高層ビルが増えて、ホームレスや奇形の物乞いが少なくなったくらいだろうか。
コピーDVDや偽ブランド時計、Tシャツ、ツインタワーの置物を売る露店が所狭しと並ぶ中華街の猥雑さと
中華の炒め物や石焼き栗の香り、生ゴミの悪臭が懐かしさをかき立てる。




肝心の宿はバンコクで出会った旅行者に教えてもらったウィーラーズゲストハウス。
入口が地上階のドアだけで、探すのにちょっと苦労した。
クアラルンプールでの宿探しの基準として南京虫が出なければOKだったので、
廊下側に窓があるだけの部屋でも不安ではない。


料金は扇風機だけの部屋で30リンギット(1000円)。
バンコクより高いものの、これまでのマレーシアの宿と比較して相応。
マレーシア東海岸の宿ではなかったWi-Fiもある。
部屋では繋がらず、コモンルームのみだが。



思い出深いクアラルンプール初日はお馴染みのペトロナスツインタワーを見に行く。
2001年に初めて訪れたときは世界一高かったツインタワー。
ドバイ、上海、メッカ、ニューヨーク、台北、香港に新しく建てられたビルに次々に抜かされ、
2014年ですでに8位まで下がっているのが惜しい。
とはいえ、ツインタワーなので、二本足せばドバイのバージュハリファを抜いて世界一だろう。


クアラルンプールではダントツに高いペトロナスツインタワーでも、
周囲にモダンな高層ビルが建設されており、
以前のようにどこからでも目につく目印ではなくなってきている。




一度、中華街に戻ってぶらぶらしていると、
すでに朝にクアラルンプールに到着している翼、あゆみ夫妻とばったり会う。
バンコクのカオサンで大勢の日本人旅行者との夕食時に一回会ったきりだったが、
最近になってタオ島、タイ南部、プルフンティアン島とルートが近くなってきて、
Facebookで連絡を取り合い、ついにクアラルンプールで再会。
改めて以前の旅では利用しなかったFacebook、
iPhoneなどのデジタルの凄さとありがたみを知る。
偶然に身をまかせるアナログな旅も純粋に楽しかったと同時に、
時代の流れに沿ったデジタルな旅も興味が尽きない。
日記はノートに書き、写真はフィルム一眼レフ、
唯一の連絡手段がHotmailのアカウントひとつで、
ネットカフェでのみメールのチェック可能…。
そんな時代を懐かしく感じる現在の旅スタイルの変貌ぶりも快感になってくる。

翼、あゆみ夫妻も世界一周中。
今朝受け取ったメッセンジャーでいきなり明後日帰国すると連絡があり、
何かトラブルでもあったのかと驚いたが、
友達の結婚式のための一時帰国らしい。
一時帰国の間に農家で働かれるようで、
まるで旅先から日本へのプチワーキングホリデーみたいで羨ましい。
おいしい料理を食べたり、友人と飲んだり、旅の備品を買い揃えたりして、
新たな旅へのエネルギー補充し、3ヶ月後に世界一周を再開。
あまりにも感銘させられるアイディアに、
自分も運転免許証とクレジットカードの更新時に一時帰国して、
ビザなしでワーキングホリデーできる日本を楽しんでみたくなった。

お二人の日本一時帰国前夜に一緒に食事をし、
思いつきのようにツインタワーに行こうと誘い、
午後と同様のルートで夜のツインタワーに歩いて向かう。
誘っておいて、実はツインタワーまで結構距離があるので、
1日2回も歩けるか心配になる。
それでも、夫妻といろいろ話しながら歩いているうちにライトアップされたツインタワーに到着。
やはり夜のペトロナスツインタワーはメタリックな外観もあって断然美しい。
SF映画から飛び出してきたような斬新さが2001年からいまだに色褪せていない。
高さでは世界8番目に沈んでもおかまいなしの輝きである。



1人では恥ずかしいツインタワーポーズの写真も一緒に撮らせてもらう。
そもそも、1人ではツインタワー記念撮影はできないので顔のにやにやがおさまらない。




ツインタワー階下のショッピングモールKLCCは22時で閉まってしまうので、
その前にショッピングモールを貫通して公園側からツインタワーを見たかった。
正直、1人であれば夜のツインタワーを見に行く気力はなかったので、
翼、あゆみ夫妻に同行できて嬉しい。

公園側からのツインタワーはやはり圧巻で、
運良く光と音と水のショーが始まった。
これまで数度訪れたツインタワーで夜の時間帯は初めてで、
素晴らしいショーが見れるとは思っていなかったので二度嬉しい。



また、ショーに見とれる夫妻の後ろ姿を見ながら、
2人で旅するのはこういうシチュエーションで最高だなぁ、と実感。
1人で体育座りしてカラフルな噴水ショーを眺めて、ロマンチックになれるわけがない。



帰りはさすがに3人とも歩く気力は残されておらず、
LRTで中華街近くまで直行で帰った。

思い出深いクアラルンプール滞在は始まったばかりである。





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