2014年2月8日土曜日

香港最後の離島めぐり(2014年2月6日)

すでに香港滞在2ヶ月が経過した。

旅行中の滞在としては十分過ぎるほど長いが、
生活するという意味ではもっと長く滞在したい。
ただ、アジアでは物価が高い香港で仕事もせずにだらだらと過ごすのは現実的でないし、この長期滞在は住み渡りの一部なのでそろそろ移動する必要がある。
間違いなく香港は自分にとって世界都市ベスト10に入る街だけれども、
世界にはプチ滞在してみたい魅力的な街が他にもたくさんある。
クリスマス、年末年始、旧正月を満喫し、2ヶ月間自由きままに過ごしたので、
2月15日の土曜日にとうとう去る。
ちょうどこの日、東京から友人が広州に飛んで来て、
一緒にベトナム旅行するために広州で落ち合うのでタイミングがいい。
いや、むしろ友人との旅行がなければ、香港を去る日をなかなか決めれなかったかもしれない。

旧正月のためチムサーチョイの繁華街は中国人観光客で溢れているが、
セントラルの金融街では普通に働いている人がほとんど。




天気予報では香港滞在最後の週は雨が降りそうなので、
最後にもう1度ビーチのある離島に行ってみる。
思えば、香港に到着した昨年12月上旬は雨の日が数日あったが、
もう50日以上雨にあたってない。
いつの間にか、折り畳み傘をリュックに入れることもなくなった。
実際に冬場に長居してみて、雨も降らず好天続きの香港もあるのだと知った。

今回は初めてラマ島に行ってみる。
3番目に大きな島だそうだが、前に訪れた長洲島同様、車やバイクが走っていない離島らしい。

セントラルのフェリー乗り場では平日なのに中国人観光客ばかりだった。
午前11時と正午近かったので、人が多い。
それでも、早めに並び、船に乗り込んだので、二階席後方のデッキの席を確保。
水しぶきで汚れた窓はないので、眺めがいい。
香港島西側を進んで行くので、離れていく高層ビル群が見える。




ちなみにラマ島には船着場が2つ、北西のユンシューワンと南東のソックーワンにある。
どちらに着いても、島を斜めに縦断するハイキングコースで繋がっているので大丈夫らしい。
自分が乗り込んだのはユンシューワン行きだった。


ラマ島のユンシューワンには30分くらいで到着。
つい先ほどのビルのスカイラインから一転して、自然と調和する村という感じだ。
車が一切走っていない島だけあって、
金融街のオフィスビル群の谷間でこだまするエンジン音やクラクション、工事音とは皆無の世界である。
高層ビルは大好きだが、2、3階だての家屋しかない村もいい。


ラマ島は離島だが、香港島に近いので、西洋人が多く住んでいるようだ。
海沿いには観光客が集まる海鮮レストランが連ねているものの、
狭い村の通りには小さなバーやカフェ、ビザ屋なんかがあった。
また、住んでる西洋人の嗜好を反映してか、ワインを表に出して売る商店が多い。





庶民的な食堂でランチ定食を食べ、甘いコーヒーで一服してから歩き始める。
一本のハイキングコースをソックーワンに向かって進んでいくと、手つかずの大自然に包まれる。
毎度のことだが、深い緑に覆われた離島を訪れると、2、30階建ての建物が当たり前のように乱立する九龍半島や香港島とのギャップに口元が緩んでしまう。
自然の向こうに見える発電所の3本の煙突が逆に非現実的だったりする。


しばらく進むとビーチが顔を出す。
青さはなかったが、透明で静かなビーチでのんびりする。
これまで香港でいろんな美しいビーチを見てきたからか、ラマ島のビーチはこぢんまりとして見えた。



島を縦断するハイキングコースはアップダウンが多いので、
島の散歩というよりトレッキングに近い。
普段着で訪れている中国人観光客のおばさんは悲鳴をあげている。
ビーチで脱いだパーカーをリュックから取り出す必要はなさそうだ。
ユンシューワンの村で飲み物を買い忘れたことを悔やんでしまう。
途中には高台があり、車が走っていない島には不似合いの発電所や海岸線に点在するビーチを見渡せる。





ソックーワンまでは途中いくつかの小さなビーチ
…というより手つかずの砂浜があり、庭にバナナやパパイヤの木を植えている閑静な村があり、
無造作な洞窟があったりと、充実したハイキングである。

砂浜で休んだり、脇道に寄ったりして、3時間くらいでソックーワンの波止場に到着。
ソックーワンは西洋人が多いユンシューワンの村と異なり、寂れた漁村のイメージを受ける。




どういうわけか、ソックーワンからセントラルへの船の便数は少なく、
夕暮れまで時間があったので、来た道をユンシューワンまで引き返す。
ラマ島縦断の往復はいい運動になりそうだ。

再びの高台でわずかに雲間から見えた夕陽にちょっと感傷的になる。
ユンシューワンに近くなった頃には完全なる夜が訪れており、
樹木の周りをコウモリが飛び回り、
生い茂る草原からの虫のコーラスはねっとりとした空気の中途切れることなく流れていた。

香港での日々は残り一週間ちょっとである。








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