2014年1月28日火曜日

香港の美しきビーチ(2014年1月27日)

香港にビーチ?
意外にも香港には美しいビーチが多い。
九龍からバスや船で1時間くらいの場所に、高層ビルが林立する大都会の喧騒からは想像できない閑静なビーチが点在している。
世界都市の中で気軽にビーチに行ける街は少ない気がする。
すぐに思いつくのはシドニー、リオデジャネイロ…。
ビーチは大都会のイメージに相反するもので、自然の景観が都市の機能性とコラボしていないとなかなか両立が難しそう。
考えてみれば香港もシドニーやリオデジャネイロと並び三大美港だが、
自分としては、香港にビーチ?、と違和感があった。

1月とはいえ、日中は20度以上の日が多いので、週に一度はビーチを訪れてのんびりしている。

最初に訪れたのは有名なレパルスベイ。


映画にも出てきたと言われるレパルスベイは香港島の南にあり、ifc近くのセントラルバスターミナルからスタンレー行きのバス一本で行ける。30分もかからずにたどり着ける高級リゾートは夢見心地である。
ただ、あまりにも有名だからか、中国人のツアー団体が次々と押し寄せるので、砂浜でのんびりとはいかないかもしれない。
高級感漂う雰囲気と海の青さはアジアというより南フランスやアドリア海のリゾートのようだ。




同じく香港島南にあり、レパルスベイよりはカジュアルなスタンレー。


セントラルからのスタンレー行きバスの終点なので、2階建ての車窓からひたすら香港島南の海岸線を眺めているとたどり着ける。
レパルスベイに途中下車も出来るのでお得感がある。
海沿いの遊歩道にはカフェやバーが連なり、西洋人が昼間からビールやワインを飲んでいる。そもそも、西洋人を見かけないビーチは存在するのだろうか。
人が溢れる週末でなくても、賑やかなリゾートで、平日の昼間からビーチでビールを飲みたくなる。




ちょっと離れて長洲島。


長洲(チャンチャウ)はセントラルのフェリー乗り場から40分くらいで行ける小さな離島。
歩いて回れる長洲島では車やバイクが走っていなく、自転車が島民の交通手段のようだ。
クラクションを気にせずに町歩きを楽しめるのがいい。
南側にはちょっとしたトレッキングコースがあり、また、懐中電灯を持って通り抜けれる狭い洞窟があり、大きな奇岩がゴロゴロしている浜辺もある。コンクリートのビルとは無縁の大自然である。
小さいが手つかずのビーチもあった。
誰もいない砂浜に座って波の音だけ聞いてると、無人島に漂流した気分になってくる。





香港にあって、西欧諸国の飛び地のような異質のディスカバリーベイ。


ディスカバリーベイはセントラルのフェリー乗り場から30分もかからずに行けるランタオ島東側の特異な町。
何が特異かというと、香港在住の西洋人がコミュニティを作っている町らしく、見かけるのは西洋人の主婦や老夫婦、インターナショナルスクールの子供たち、フィリピン人やインドネシア人のメイドがほとんど。たまに見る香港人の掃除のおばちゃんがかえって浮き立っている。
町は綺麗で整然としており、中華食堂の代わりにメキシコレストランやドイツレストランなんかがある。
大きなランタオ島の一部だが、ディスカバリーベイでは香港では珍しい1階建ての市バスとシャトルバン以外の自動車は走っていなく、どういうわけか住民の多くはゴルフ場を走るカートを運転している。
鎖国中の西洋人のテリトリーを思わせる奇妙な町である。
小さいが静かなビーチは美しい。





そして、香港島東にある石奥(セックオー)のビーチ。


石奥は週末の海水浴で賑わうビーチのようだ。
香港島の東端に近いサウゲイワンのMTR駅からのバスでしかいけないらしく、アクセスが悪い。
フェラーリやランボルギーニの高級車が停まっているので金持ちも遊びにくるのだろう。
小さなセックオーの村にはスーパーもコンビニもないが、串焼きが食べれる屋台やレストランがあり、タイやマレーシアの島のような南国アジア的な空気が漂っている。
石奥に限らないが、何も考えずに砂浜でビールを飲むのが最高である。





これらのビーチで夕暮れまで過ごし、香港島セントラルに戻ってくると夢のような時間を過ごしていたと改めて実感できる。
旧正月を挟んで来月で香港滞在が2ヶ月になるが、快適で居心地がいい大都会を離れるのが今から惜しい。












2014年1月22日水曜日

夜明け前の香港(2014年1月21日)

初めて夜明け前に起きて早朝の香港を歩いてみた。

福岡を釜山行きのフェリーて発ってからちょうど3ヶ月経つが、朝日を見ることはなかった。もともと早起きが苦手だが、今回の旅ではまだ日の出る前のバスや列車に乗っていないのもある。
夜行バスや船では目覚めたらすでに日が昇っていた。
明るくならないと目が開けれない質なのかもしれない。
思えば、旅立ち前、東京で暮らしていた4年間も朝日を見たことはなかった。
忙しい日常生活において、早起きして日の出を見る気力はなかったし、そうしようと思う余裕もなかったのだろう。

ネットで調べたところ、日の出時刻は7時5分ということで、5時20分のアラームでベッドから出る。
部屋はまだ闇に包まれている。



常にインド亜大陸やアフリカからの男たちで溢れているチョンキンマンションも夜明け前は静まり返っている。
人がほとんど歩いていないネーザン通りを歩くのは不思議な気分である。人混みにもまれる経験しかないネーザン通りから一転して別の惑星に飛んできたようだ。
たまにタクシーが通る以外は、横断歩道の信号機の音が他の惑星にシグナルを送るかのように響いているだけ。
久しぶりの早起きで頭はぼんやりしているものの、五感は普段より研ぎ澄まされている。

脇道に入ってみると、24時間やってる店もある。




6時前から中国人観光客が4人、建物の入り口の前に座っていた。
こんな早朝から何を待ってるのだろう、と思ったらJenny Bakeryがある建物だった。
開店前からクッキーを買うのを待っているらしい。
なぜJenny Bakeryのクッキーがそんなに人気があるのか謎だが、昼間は異様な長列ができている。

意外だが、香港の夜明け前はあまりにも静かだ。
6時前後の東京であれば、通勤する人や朝帰りの人を電車や街中で見る気がする。
また、タイやベトナムの早朝は屋台で飯を食べている人が多い。
香港人は朝が苦手なのか、MTR構内は人が少ないし、市場では花屋と一軒の屋台しか開いてなかった。





1月ということで空気はひんやりとしている中、生ゴミの匂いが温かみをもって漂っている。
こんな時間までやってるバーからは若者のカラオケが聞こえてくる。
6時過ぎの闇は深夜まで輝いてるネオンと別の光景を演出してくれる。
決して動き出すことがないマネキンや人形なんかに生命が宿っているように思ってしまう。
やはり人が少ないスターフェリー乗り場を自由に歩けるのは微笑ましい。




日中だと人が多すぎてじっくり眺められないアベニューオブスターズのブルースリーなどの像を間近で見たりする。
7時になるとようやく空が明るくなり始め、ジョギングする人や通勤する人をちらほら見ながら香港で初めての朝日を待つ。
巨大なクルーズ船にも迎えられ、1ヶ月以上毎日のように見ているビクトリアハーバーで新しい1日の始まりを実感した。









2014年1月18日土曜日

長期滞在とデジパッカーについて(2014年1月18日)

香港に長居してからもう6週間が経った。

住み渡りと勝手に名づけてることだけあって、好きな街にしばらく滞在するのがテーマでもある。
旅行中にアパートを探して、仕事を見つけて、実際に生活するというのは難しいけれども、生活ごっこみたいな長期滞在はしてみたい。

長居しようと思っているのは何度か旅行で訪れたり、現に生活したことがある都市が多い。
香港は2002年の半年間のアジア周遊の最後に訪れて、日本の大都市で嗅ぐような洗練された空気に魅了された。
高層ビル好きの自分にとって街の断面を眺められるビクトリアハーバーは最高のロケーションである。
ベタな観光地とはいえ、ビクトリアピークから至近距離で展望できる街並みもたまらない。



たいした目的もなく2ヶ月以上も滞在すれば飽きるのではないかと思ったが、今はもっと長く住みたくなるほど気に入っており、毎日の街歩きや郊外探索にはまっている。

香港の後は再びの中国、東南アジアの国々の旅を楽しむつもりで、これまで何度も訪れたバンコク、シンガポールも住み渡りの舞台として長期滞在してみたい。
アジア以外で長居候補のお気に入りの街はシドニー、ロンドン、ニューヨークという恐ろしく物価高の都市なのでハードルが高そうだ。
なお、シドニーはワーキングホリデー時代に5ヶ月間住み、ロンドンも語学留学で同じく5ヶ月間滞在したので、思い出を求めての生活ごっこになるかもしれない。
大都市以外でも旅の途上で居心地いい町があったら長居するのも悪くない。

香港でこうしてパソコンに向かっていると、デジタルグッズのおかげで便利になったなぁ、と実感してしまう。
前回の2007年〜2009年秋までの2年間の世界周遊ではほぼ電子機器を持たずに旅をしていた。

ノートブックやスマホは言うまでもなく、デジタルカメラさえ当初は準備していなかった。旅先では一眼レフカメラのNikonFE2を愛用していて、今思うと笑ってしまいそうだが、出発前にはヨドバシカメラでまとめ買いしたフィルム60本をバックパックに投入したりした。2007年に日本を飛び立ち、最初のバンコクで会ったタイ人の友人にフィルムカメラを使ってる人はタイにもいない、と言われ、慌ててソニーの安いサイバーショットのデジカメを買ったものだ。
バンコクで生まれて初めてデジカメを購入する日本人はそういない気がする。
そのサイバーショットは2年間単三電池を買い換えて使っていたので、前回の旅行中の宿でコンセントは使用しなかった。

あれから4年以上経ち、アナログなバックパッカーだった自分は現在デジタルパッカーと化してきている。
勝手に略してデジパッカー。

デジタルパッカーという言葉が存在するかどうかは分からないが、住み渡りを思いついた2011年頃にWikipediaで調べたらフラッシュパッカーという言葉があった。
今ではメディアで一般的に使われているフラッシュパッカーという言葉だが、旅の三種の神器iPhone、デジタルカメラ、ノートパソコンを持って旅するデジパッカーとしてデビューしようと意気込んでいた当時の自分にとって、この言葉の存在は目からうろこだった。
逆にWiFiがあちこちで繋がる現代の旅行では、多くの旅行者が普通に三種の神器を持っているので、フラッシュパッカーという言葉自体が死語になるかもしれない。

で、アナログバックパッカーからデジパッカーにデビューすることができたと思うので、改めて三種の神器を見てみる。

・NikonD3100のデジタル一眼レフカメラとゴリラポッド

2011年1月に購入し、短期海外旅行でも愛用していた。一眼レフなのに軽いのがいい。
デジパッカーへの第一歩。
ゴリラポッドは持ち運びが楽で、三脚以上の効果があると自負している。


・iPhone4s 32GB

2012年1月に購入し、ガラケーからスマホデビュー。
iPhone4sはSoftBankを解約したものだが、オフラインの地図アプリは路上でも使えるし、WiFiが繋がれば普通にメール、ネットも問題なし。


・MacBook Air 11

MacBook Airは、当初持って行く予定だったFUJITSUのLIFEBOOKネットブックが故障したため、慌てて出発直前の2013年10月に札幌で購入。
すでにバッテリーが一度故障し、北京のアップルストアで修理してもらったりと不安がつきない。


・iPhone5s 32GB SIMロックフリー

2013年12月に香港のアップルストアで購入。
安いSIMカードを買えば、どこでもネットが繋がるし、テザリングを利用してノートパソコンもどこでも使えるので大変便利。


これらの三種の神器で旅が革命的に便利になった。
安宿は汗をかきながら街中を歩き回り、その都度フロントで宿泊料金を尋ねなくてもネットで探せるし、撮影したフィルムは定期的に写真屋で現像し、実家に郵送しなくても、SDカードのデータをポータブルハードデスクに移したり、Googleピカサのクラウドにアップするだけで済む。
アナログな旅をずっと続けてきたからこそ、デジタル時代の恩恵を深く実感できる。
でも、Hotmailで旅の近況を友人や家族に伝えるために宿から離れたネットカフェを探してた日々が懐かしくもある。



2014年1月15日水曜日

食の香港?(2014年1月14日)

今さら言うまでもなく、香港はグルメ都市として有名である。
2012年に友達と短期旅行で訪れた時にはガイドブックに載ってるようなレストランでそこそこの金額のロブスターやフカヒレスープを味わったし、有名な飲茶食堂で美味い点心をたべまくったりした。
グルメを目的に香港を訪れる人も多そうである。

ただ、長旅の途上で、しかも何人かでワイワイとではなく一人飯となると食事情は異なってくる。
基本的に1人でも気軽に入れる食堂となるわけだが、アジアの中では物価高の香港なので、東南アジアの屋台飯のようにメニューの料金もチェックせずに席につくというわけにはいかない。
もちろん、安くて不味くはない食事ができる食堂は多い。
蒸し煮した豚肉やアヒルをデカイ包丁でチョップしてご飯に載せたもの(チョップ飯)は400円〜500円で食べれる。
お粥は100円くらいで、ワンタン麺も200円〜300円くらい。
でも、何度か通ってしまうほど美味いメニューがある食堂探しは苦労するし、同時に探しあてたときの満足感、満腹感、達成感は何とも言えない。

すでに5週間滞在しているチョンキンマンションがあるチムサーチョイは繁華街だけあってレストランは多いが、安くて感動する味にはいまだ遭遇してない。どこにでもあるKFCは無難で美味しいけれども。

季節限定ハニーチキン2ピース、チキンナゲット、マッシュポテト、コーラのセット37ドル(480円)

チムサーチョイから歩くと遠いが、電気街、地元の人向けのストリートマーケットで活気があるシャムスイポーは安食堂が多い。
ガラスケースに並べられたおかずから3品選び、スープでセットの食堂、喜記?水飯店はシャムスイポーの露店をひやかした後によく足を運ぶ。肉ばかりの香港チョップ飯と違い、中華野菜が食べれて栄養もある気がする。

インゲン、カボチャの炒め、パイナップル入り酢豚、スープ付き30ドル(390円)


緑菜、豚足煮、エビのカリカリ揚げ、スープ付き30ドル(390円)

チムサーチョイからスターフェリーで渡った香港島のセントラルは食堂、屋台が多く、味も悪くないが、あまり安くない。
ちょっと高めのセントラルですでに10回は通ってるのが、ifc近くのワールドワイドハウスというビル。
最初に入った時は驚いたが、フィリピン人ばかりの建物で、フィリピン雑貨店、海外送金窓口にはメイドさんの列が常に長い。日曜日は歩けないほどのフィリピン人…。
このビルにはフィリピン食堂が3軒ほどあり、例のごとくトレーに並べられたおかずを選べるぶっかけ飯が食べられる。混み合った食堂でメイドさんと肩を並べて食べるのも悪くないが、晴れてる日はテイクアウトして近くのHSBC前の公園やフェリー乗り場のベンチで食べると気持ちいい。
まぁ、中華からかけ離れた東南アジアのフィリピン料理は香港の食として邪道かもしれないが。

レバーの炒め物、オクラなどの南国野菜の炒め物20ドル(260円)

香港島のショッピングモール街コーズウェイベイのさらに東、ノースポイントにある一流一海難鶏専門店という小さな食堂で食べた三文魚丼はひとくち食べただけで感動もの。脂身の多い焼いた鮭に生姜、醤油をかけたシンプルなどんぶり飯だが、うな丼みたいだった。
三文魚→サンモン魚→サーモンで鮭というわけか。
ちなみに、一流一海難鶏専門店は名前の通りチキンライスの専門店らしいが、別の日に食べてみたシンガポール風チキンライスは本場シンガポールの味からほど遠かった。

三文魚飯32ドル(410円)

麺類は安く美味いものが多い気がする。
ワンタン麺は今のところハズレはない。
通ってしまうほど安くて美味いと感じたのは香港麺ではなく、中華麺だった。
ヤウマテイの上海通りにある中国人がやってる大衆麺家の麺は冷菜、水餃子つきでお得。

キュウリの冷菜、水餃子2個、鳥の手羽先、四川タンタン麺のセット30ドル(390円)

タケノコの冷菜、煮玉子、水餃子スープ、北京ジャージャー麺セット30ドル(390円)

おまけとして、チョンキンマンション向かいのショッピングモールiSQUARE内の釜揚げうどん丸亀製麺で食べた豚骨うどん。
安くはないけど、豚骨ラーメンのスープに豚肉生姜焼きを載せたような味は感動的だった。
ソウルや上海の丸亀製麺のメニューにもあった豚骨うどんは海外ではポピュラーなのかもしれない。

豚骨うどんサイズ大44ドル(570円)

食費を気にしなくていい短期旅行は別として、節約型の旅では地元の人が集まる食堂で安くて美味い食事にありつくのも醍醐味なので、これからも開拓していきたいと思う。
さらに、上手い飯を完食し、残りのスープをすすったり、ジュースや茶、水を飲みながら地元の人が同じようなものを食べているのを眺めていると、あぁ〜旅してるんだな、と深く実感できるので。

2014年1月11日土曜日

正月明けの海外旅行はマカオ1泊2日(2014年1月7日)

香港では元旦だけ休みで1月2日からは普通の平日となる。
サラリーマンは当たり前のように会社で働いてる。
思えば、クリスマス休暇がある西欧諸国では正月休みなんてない。
初詣に行ったり、雑煮を食べたり、テレビを見ながら数日間のんびり過ごす正月の風習は日本独特なものなのだろう。だからか、海外で年末年始を過ごしていると日本の正月が懐かしくなったりする。
まぁ、自分の場合、ここ4年間正月の仕事休みは元旦だけ、運がよくて大晦日も…って感じだったけど。

2014年を迎え、香港の滞在も1ヶ月が経過する節目なので、マカオに行ってみる。
船で1時間のマカオには日帰りで訪れることができるし、現に2012年に友達と旅行したときは日帰りだったが、今回は一泊してみる。
とはいえ、カジノで旅費を稼ごうという目論みも度胸も運もないバックパッカーなので、泊まるのはむろん安宿。

1月6日の月曜日は久しぶりに早めに起きて、チムサーチョイの西側にあるチャイナフェリーターミナルからマカオ行きの船に乗る。
香港もそうだが、週末は中国人で溢れ返るので、あえて月曜日にしてみた。
その月曜日でもフェリーターミナルは中国人の団体ツアー客でごった返している。
中国人個人に対しての嫌悪はないものの、団体になるとやかましく、マナーの悪さが目立ち、一緒にイミグレの列に並んでるだけで疲れてしまう。

あっというまにマカオに到着し、フェリーターミナルから街中まではリスボアホテルの無料シャトルバスで向かう。
マカオ半島のカジノ、マカオ半島南の島のコタイ・ストリップにある巨大カジノには無料シャトルバスで往来できるから楽だ。市バスでの移動だと現地通貨パタカのコインが必要だが、無料バスのおかげで小銭はいらない。また、マカオでは香港ドルがどこでも使えるのであえてパタカに両替する必要もない。

香港と違い、安宿があまりないマカオなので予めネットで調べた比較的安めの宿に行ってみたが、すでに閉鎖していたり、料金が値上がりしており、高かった。
カジノで徹夜も考えてみる。
でも、スロットの前で睡魔と戦うのは相当つらそうだ。
結局、新華大旅店というボロい宿で妥協する。
ボロいが、ウォンカーワイの『2046』や他にも『イザベラ』という映画の舞台にもなり、人気があるようだ。実はここには2009年に世界周遊していたとき宿泊していた。
ただ、値上がりしたのか、190パタカ(2500円)とコストパフォーマンスが悪すぎた。




ポルトガル領であったマカオの旧市街はヨーロッパ的で香港から来ると新鮮味がある。
以前、ポルトガルの植民地だった国をいくつか旅してまわった。
今年ワールドカップ開催のブラジル、アフリカ南部のモザンビーク、西アフリカのギニアビサウ
フランスの植民地だったインドシナ半島や西アフリカ、スペインの植民地だった南米に比べると少ないが、ポルトガルの影響を受けた国の町並みはパステルカラーとタイルが美しい。




マカオを歩いてると、ポルトガル人と思われるラテン系のおじさんをたまに見かける。
また、ラテン系のアジア人をよく見かけるので、中国系とポルトガル人とハーフ?と思ったら、普通にタガログ語を話していた。香港同様、マカオにもフィリピン人は多いらしい。
恥ずかしい話だけど、中華料理や広東料理とは明らかに異なるカレーのような肉炒めやオクラやゴーヤの炒め物をトレーで並べる安食堂を見つけ、現地人が集まるマカオ食堂かと思って入ってみたら、若いフィリピン人が集まるフィリピン食堂だった。フィリピンのマニラの路地で見かけるようなぶっかけご飯を食べれる安食堂はマカオで何度か見かけた。
香港でもよく食べるフィリピン料理だけれど、美味かったのでよしとしよう。

街の中心のセナド広場から聖ポール天主堂跡までの土産屋街はやはり凄まじい人混みなので、お土産屋をひやかし、お菓子を試食しまくり、せっかくの1泊なので夜改めて訪れる。
多くの団体ツアーの人波がひいた夜は閑静で、教会や聖ポール天主堂跡がライトアップされており、町並みは完全にヨーロッパだった。




聖ポール天主堂跡に登る階段では若者達がビールやワインを飲みながら楽しんでいるので、おお、さすがラテン系のマカオ人は違うな〜と思ってたら、聞こえてくるのはまたタガログ語。マカオにラテンの空気を醸し出しているのはフィリピン人かもしれない。

なんだかんだ、マカオではやはりカジノ。
一攫千金の野望はなくても、カジノの独特の雰囲気に包まれるとついつい遊んでしまう。
ひょっとしたら…と多少は期待しつつ、スロットマシンの前に座ることに。
10セントや20セントのスロットしかやっていないのに、図々しくフリーサービスのコーヒーや菓子を満喫しながら絵柄がそろうのを見守り、何度かそろってガッツポーズもあり。
ただ小額スロットで合計3時間くらいいくつかのカジノで熱中し、マイナス1500円。
多くの金を吸収し、ギラギラ輝くカジノホテルの前にたたずんで、運のない自分がここで小銭を稼ぐことも無理だろうな、と悟った。