2013年10月25日金曜日

近いけど外国の街、釜山

博多港国際ターミナルからフェリーでわずか5時間半の海外、韓国。
成田空港から海外の都市に飛び立つような高揚感はなく、のんびりとした出発だったが、今回の住み渡りにおいて最初の外国の街である釜山はこれまで東京、大阪、京都、福岡と国内の移動してきた流れを断ち切るような別世界だった。

空港とは違い、船での出発は出国審査、荷物チェックも緊迫感は感じられない。
ドイツ人のカップルのバックパッカーがいる以外は日本人と韓国人が乗客を占めている。
とはいえ、圧倒的に韓国人が多く、フェリーの係員も皆韓国人。
フェリーは想像以上に巨大で、レストラン、カラオケルーム、浴場なんかがある。
4年前に上海から大阪へ2泊も乗っていた客船以上のでかさかもしれない。
とてもカメラのフレームに収まらない。


この船旅をどう楽しもうかと思っていたが、海が荒れているらしく、外のデッキに出れなかったし、12時半の出航直後のランチを終えると、フェリーは大きく揺れだし、浴場に行ったが、湯船のお湯は揺れに合わせて溢れ出し、とても寛げる状況ではない。
まるで大地震のように船内を歩くこともままならなくなると、二等の和室で寝るしかなかった。

日の入り直後に釜山入港。
多少緊張感を持ってフェリーを降りるものの、入国審査、税関と飛行機に比べるとあっさりしている。
釜山港国際ターミナルから釜山鉄道駅近くの宿まではそう遠くないので徒歩でたどりつける。
アジアといえば、1000円前後の安宿を想像してしまうが、釜山の安宿はモーテル。
円安のせいで、物価は2011年にソウルを訪れたときの1.5倍で4000円もするモーテルは新宿、上野、博多のカプセルホテルよりかなり高い。
ま、設備は申し分なく、最初の海外の街の最初の寝床なのでよしとしよう。
4泊する釜山で宿の居心地よさは重要。


釜山駅周辺は奇妙なところで、駅前に小さな中華街があり、ロシア人が集まる怪しいカフェが並び、フィリピンパブも沢山ある。
よく見るとハングルより漢字やロシアのキリル文字が多い気がする。
ちょっと的が外れた異国情緒に初日の夜からテンションが上がる。


一夜明け、外から聞こえてくる韓国人の話し声に海外の街にいることをモーテルのベッドの上で実感する。
釜山と言えば海産物なので、有名なチャガルチ市場などをうろついてみる。
一人旅の難はやはり食事で、韓国のようにハングル表記でメニューの解読ができないところでは食探しに苦労する。チャガルチ市場は観光客も多いので、市場併設のレストランでは日本語メニューもあるが高いし、一人では入りづらい。
前夜も最初の夕食探しに悪戦苦闘したものだ。
結局、水産市場では地元のおじさんたちが集まる屋台で、名物の魚介類からかけ離れた臓物系の安いスープをすすることになった。



釜山は水産市場で賑わった街以外にリゾートの顔もある。
釜山鉄道駅から地下鉄に乗って海雲台(ヘウンデ)に行ってみると、高層コンドミニアムが連なるビーチがあり、やはり釜山は外国だと頷いてしまう。
オフシーズンの海辺は閑散としているものの、洗練されたリゾートの空気を味わうには悪くない。
海雲台から離れているが、弘安のビーチも美しい。
目の前の海に掛かる長い橋、婉曲したビーチ。
シドニーのハーバーブリッジやリオデジャネイロのコパカバーナビーチに匹敵する、
…と言ったら大袈裟か。

住み渡りはまだ始まったばかり。
新鮮な異国の情緒をじっくり満喫したい。

















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