シルクロードの旅がベネチアで終着。
2年以上過ごしたユーラシア大陸を離れて北アメリカ大陸へ飛び立つ。
19時のフライト前に名残惜しみつつベネチアを歩き回る。
この4日間で一番晴れ渡っており、サンマルコ広場は観光客で溢れていた。
ベネチアのマルコポーロ空港へはローマ広場からの市バスで向かう。
8ユーロで30分ほど。
最後まで高いベネチアの交通機関。
観光客が多い割に混雑していないマルコポーロ空港。
ほとんどのLCCが別の空港に離発着しているからか、
あるいは列車でローマやミラノに向かう人が多いからかもしれない。
ヨーロッパの若者集団はいなく、落ち着いた空港にヨーロッパを去る感慨が湧く。
トルコ航空のチェックインカウンターもがらがら。
最終目的地がニューヨークなのでアメリカビザの有無、滞在先住所を尋ねられる。
ビザさえあればアメリカ出国チケット提示を求められないから楽である。
もちろん窓側の席をリクエストしておく。
イスタンブール行き、ニューヨーク行きの2枚のボーディングパスをゲット。
尚、イスタンブールでの乗り継ぎ時間は8時間以上あり、
無料のトランジットホテルが提供されるかどうか尋ねたら、
ルール上乗り継ぎ9時間以上なので着いてからトランジットデスクで聞かないと分からないそうだ。
ちょうど日没頃に搭乗開始。
偶然安いトルコ航空のチケットがネット上で見つかるまでスペインからアメリカに飛ぶと思っていたので、
こうしてベネチアがヨーロッパ最後の街となるのは不思議な感じがする。
乗客が多くない機内に乗り込む。
久しぶりにLCCでない大手航空会社なので座席前にはパーソナルエンターテインメントがついており、
座って早々音楽や映画をいじってしまう。
また2時間半の短いフライトだけれども機内食が出る。
トルコ料理風のチキンとデザート、ワインやウィスキー、ジン以外にトルコの濁り酒のラクを頼めるのが嬉しい。
物価高のイタリアで自炊ばかりだったので久しぶりに真っ当な食事となる。
1時間の時差があり、22時半頃イスタンブールのアタチュルク空港に到着。
着いて早々、トランジットルームは中東の人でごった返しており、
閑静なベネチアとのギャップが大きい。
アジア、ヨーロッパ、中東の架け橋であるイスタンブールを実感。
離発着のフライト数も半端ない。
驚いている暇もなく、足早にトランジットデスクに向かう。
可能であれば無料でトランジットホテルに泊まってみたい。
何度かトルコ航空のデスクをたらい回しにされ、
ようやくフードコート近くから下に降り、トランジットデスクを発見。
尋ねてみると、パスポートコントロールを抜け、
アライバルホールのホテルデスクから送迎バスに乗れるとのこと。
ただしニューヨーク行きのフライトは翌7時25分なので、
午前4時にホテルからピックアップと言われた。
つまり無料トランジットホテルに宿泊できるのだろうか。
まさかのトルコ入国スタンプをもらい、ホテルの表示があるオフィスに入る。
イスタンブール発のボーディングパスを見せて調べてもらうと、
なんとフライト乗り継ぎ時間が10時間に達していないため無料トランジットホテルはついていなかった。
ちょっとばかり、いや、かなり残念。
手数料を払えば、トルコ航空に払い戻し要求をすることを前提に空港近くのホテルに宿泊できるらしいが、
クレジットカードで200〜300ユーロを決済するのは乗り気にならない。
払い戻し要求手続きも面倒になりそう。
すでに24時であり、ピックアップまで4時間なので断念した。
再びパスポートコントロールに戻り、わずか15分くらいでトルコを出国した。
多くの中東やアフリカからの人々のように自分も空いているベンチで横になった数時間の仮眠をとるしかなかった。
眠気まなこのまま、午前5時頃に出発ゲートへ。
ニューヨーク行きのフライトだからか、
ゲートでは尋問のようにいろいろ聞かれる。
旅の期間やアメリカの滞在先、次の目的地、他者から荷物を預かったりしたか、
荷物のパッキングはいつしたかなど。
その後より厳重なセキュリティチェックでパソコンやiPhone、デジカメの電源をONにして検査される。
一気に眠気も覚めて、ニューヨーク行きに緊張感も生じる。
再び窓側席にいち早く座り、11時間のフライトで見たい映画をパーソナルエンターテインメントで探したりした。
夜が明けて間もないイスタンブールは雨が降った後のようで滑走路が濡れている。
ニューヨークへ向けて離陸。
雲間から差し込む朝日が巨大なイスタンブール郊外のマンション群を照らしている。
これで完全にユーラシア大陸を離れたことになる。
飛行機が厚い雲を抜けると、眼下に雲海が広がる。
いまだに窓から雲を眺める興奮はなくならない。
LCCに多く乗るようになってからなかなか窓側の席に座れなくなったが、
大手の航空会社であれば必ずチェックインカウンターでリクエストしたい。
早速の機内食でアルコールを頼みたくなるのを抑えて、
朝目覚めて間もないのでコーラにする。
朝食を食べながらジェットストリームを横目に007の映画を見るなんて贅沢なバックパッカー旅行である。
とはいえ、朝食が終わり、しばらくしてからアルコール飲料も含んだカートが運ばれてきたのでウォッカを注文。
グラスいっぱいに注いでくれたウォッカに高度10000mの世界、
寝不足もあって007の映画が終わるとすぐに眠りに陥った。
イスタンブールを発ってから7時間くらい経過しただろうか。
トルコ時刻14時からニューヨーク時刻午前8時に変更しておく。
しばらくしてから窓のカーテンを開けてみると、
青い大西洋ではなく、白い流氷が広がっていた。
座席前のモニターによるとカナダのセントローレンス湾のようだ。
到着前の機内食もトルコ料理。
懐かしのキョフテとピラフ、赤ワインを味わう。
赤ワインを飲んだのに再びの眠気はなく、
ニューヨーク到着に向けて物思いに耽る。
初海外旅行の1999年に訪れて以来3度目のアメリカ、
前回の2003年から13年ぶりのニューヨーク。
外にはひたすら分厚い雲が広がる。
高度を下げていってもまったく陸地が見えず。
ニューヨークで一番高いワンワールドトレードセンターの高度になっても雲の中を飛んでおり、
400mを切ってようやく雲間を抜けた。
そしてすぐ下に街が広がる。
JFK空港到着直前には雲に被ったマンハッタンのスカイラインも見えた。
無事アメリカ到着。
何よりも心配だったアメリカ入国はモロッコのカサブランカでわざわざ取得したビザのおかげで楽勝。
イミグレに置いてある機械でパスポートに貼られたアメリカビザシールのページを読み込み、
続けて指紋採取、顔写撮影を行なった後発行されるレシートのような紙切れを持ってイミグレの列に並ぶ。
入国審査官の前でなぜか再び写真を撮られ、指紋も採取されてからいよいよ尋問が始まるのかと身構えていたら、
アメリカの滞在期間だけを聞かれてすぐにスタンプ。
拍子抜けするほど簡単な入国審査だった。
もし今後もこんなにスムーズにアメリカ入出国が出来るのなら、
160ドル払って取得した10年間有効のビザの元がすぐにとれそう。
JFK空港に着いて早々、メールのやりとりで予約したクイーンズのシェアハウスに向かい、
荷物を下ろし、シャワーを浴びてさっぱりしたら電車でマンハッタン直行。
地下鉄を降りて地上に出てすぐ現れる摩天楼、
以前見たよりド派手になったタイムズスクウェアにテンションが上がりまくりだった。
冬が終わりつつあるニューヨークでの5週間の滞在は始まったばかり。
にほんブログ村
↑↑
いいね!と思われましたら
閲覧ごとにクリックお願いします!
0 件のコメント:
コメントを投稿