2013年12月9日月曜日

韓国から中国へ(2013年11月7日)

12日間過ごしたソウルを発ち、世界遊牧住み渡り2番目の国である中国に向かう。

ソウルでは何度か韓国人の友人と会って、カフェで寛いだり、家に招かれて手料理を頂いたりと、有意義な日々を過ごした。
また、居心地のいい宿からの街歩きは旅の路上での街歩きというより、日常生活での休日の街中ぶらぶらに近かった。
デパートをぶらついたり、本屋に立ち寄ったり、買い食いしたり、日本の友達とLINEで無料電話したり、と。
違和感なく落ち着けるソウルにはまだまだ滞在しても良さそうだけど、日本を発って早々の怠惰な生活にも気が引けるし、すでに11月7日の仁川〜大連行きのフェリーチケットを予約したので、潔く出発する。
ソウルに住む友人のお陰で充実した時間を過ごせたので、韓国を去るのに若干感傷的になったりもする。




仁川港国際ターミナル1は水産市場近くのこぢんまりとした港。
言うまでもないことだけど、国際線の飛行機が離発着する仁川国際空港とは比べものにならない。
ちなみに、仁川港は中華街で有名な仁川の町中から近く、仁川国際空港は仁川と長い橋で繋がる島にある。
3日前に下見もかねて日帰りで訪れた仁川では韓国の中華料理の定番と言われるジャージャー麺を食べた。
中華街じたいは平日だからか閑散としていた。





仁川港の待合室には韓国人、中国人のおじさん、おばさんばかり。
福岡から釜山に渡ったフェリーのように若者や西洋人のバックパッカーの姿は皆無。
実際にフェリーに乗ってからもおじさん、おばさんのみで間違いなく自分が最年少で、場違いな感じがする。
韓国の仁川と中国の大連を結ぶフェリーでは韓国語、中国語のアナウンス以外一切ない。
国際線のフライトではもちろん、日本を発ったときの釜山行きの船内でも英語のアナウンスがあったので、以前旅して回った西アフリカや南米の英語皆無の越境を思い出させてくれる。
飛行機とは異なり、フェリーはもの静かに、何の前触れもなく仁川港を発つ。
正午前に仁川港の着いたのに出航は夕暮れ前。



とうとう韓国を去る。
しんみりとしながら西日に輝く海を眺めていると、まもなくカモメのショーが始まる。
男性が与えるかっぱえびせんを求めてカモメたちが戯れる。
デッキでは多くの人々が微笑みながらその光景を眺めている。
高揚感を携えて搭乗する飛行機の旅もいいけれど、のんびりとした船旅もまたいい。


4年前の世界周遊旅行の最後の最後、上海から大阪へのフェリーが瀬戸内海に入る直前に夕暮れ時の関門海峡に架かる橋を眺めて長旅の終わりを実感した。
今回仁川から韓国を去る際に眺める橋はその橋に似ている。
海に架かる橋は船旅のゲートなのかもしれない。
橋から目を離すと、夕日がまさにこれから向かう中国大陸に沈もうとしている。
飛行機を多く目にするのは橋が仁川国際空港のある島と繋がっているからだろう。




船旅は約17時間。
配膳で受け取った給食のような夕食を済ませると、薄汚れた船内ではもうすることがない。
おじさん、おばさんたちは広間で韓国のお茶の間ドラマのようなものを見ている。
仁川港を発ってまもなくのドラマチックな夕暮れを思い出しつつ、缶ビールを飲み、カプセルホテルのような二等の狭いキャビンで眠りにつく。

翌朝、韓国時間8時、中国時間7時にデッキに出ると、朝日で海が輝いており、
そして建築ラッシュで進化し続けている大連のスカイラインが迫っていた。










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