2014年12月27日土曜日

シドニーでのクリスマス(2014年12月26日)

年越しカウントダウン花火を見る目的でプチ滞在中のシドニーでクリスマスを迎える。
南半球の夏のクリスマス。
オーストラリア人は家族でクリスマスを過ごし、街中の店が閉まる25日は海辺やビーチで寛ぐらしい。

オーストラリアでのクリスマスはワーホリ時代の2001年についで2回目。
しかし、今回は世界周遊中のプチ滞在としてのクリスマスなので一緒にパーティーをする仲間はいないし、
偶然仲良くなったオーストラリア人の家庭に招かれたアットホームなクリスマスを過ごす
…なんていうドラマチックな出来事が起こるはずもないので、1人で味気なく送る。
ちなみに、昨年のクリスマスは長期滞在中の香港においてビクトリアハーバーでのクリスマスイブ•カウントダウンを香港の若者の群集に紛れ込んで体験したが、
カウントダウン後に花火が上がったり、何かイベントが起こることなく、
ただただ若者たちがメリークリスマスと歓声を上げている中、
1人あっけにとられていたのを覚えている。
そもそも東京で生活していたときはクリスマス休暇という概念がない日本なので当然仕事をしており、
夕飯としてケンタッキーフライドチキンを食べる程度だった。
もう10年以上続いている毎年の儀式のように今年もKFCでフライドチキンを食べる。
尚、何らかのテレビ番組でやっていたが、
クリスマスにケンタッキーフライドチキンを食べたがるのは日本人だけらしい。



シドニーの街中はクリスマスの雰囲気が少なからず漂っている。
真夏のクリスマスはさぞかし暑いだろうと想像していたものの、
12月半ばのシドニーは気温が17〜28度くらい。
夜になると長袖がいるほどで真夏はもうちょっと先かもしれない。
オフィス街のマーティンプレイスには巨大なツリーがあり、
観光客で賑わっている。
ピットストリートにはレゴで作ったツリーがあり、
子供たちがはしゃいでいる。




日本やヨーロッパのようにショッピング通りがイルミネーションで飾られている光景は残念ながら目にしない。
ちょっとしたショッピングアーケードに入るとツリーや飾られたショッピングウィンドウがある。




一番それらしい雰囲気を味わえるのはヨーロッパ風のショッピングモール、QVBだろう。




クリスマスらしい赤や緑より青色が際立つシドニーでかつてのクリスマスを思ったりする。
実はこれまでも何度か海外でクリスマスを過ごしている。
ワーホリ時代のメルボルンが海外での最初のクリスマス体験であり、
留学中のロンドン、
残りは長旅の道程での上海、エジプトのカイロ、ペルーのリマ、昨年の香港。
クリスマスが目的というよりその後の年越しカウントダウンがメインではあるが。
仲間やシェアメイトとちょっとしたパーティーをしたメルボルン、ロンドンはもちろん、
旅行中でもそれなりのイベントがあった。
ユーラシア大陸横断の最終地としてたどり着いた上海ではミャンマーで一緒だった旅人と何の変哲もない上海庶民の路地で偶然再会し、イブに旅の終わりも兼ねた晩餐をしたり、
カイロでは宿で知り合った旅人とクリスマスの雰囲気がゼロのバザールをうろついたりした。
また、リマでは日系人が営む日本人宿で南半球のクリスマスパーティーを体験し、
ワインを飲んで盛り上がり、クリスマス•カウントダウンもした。





今現在のシドニーでの唯一のイベントは恒例のKFCだけではなく、花火。
クリスマスイブ24時のカウントダウンではなく、21時にダーリングハーバーで行なわれるという。
20時頃からダーリングハーバーはすごい人混みで、
どちらかというとサマーフェスティバルの雰囲気だった。
来週に迫った年越しカウントダウン花火とは雲泥の差だとは信じているけれども、
クリスマスソングにそったちょっとした花火は悪くなかった。

25日のクリスマス当日は店のほとんどが閉まっており、
行き場を失った観光客がうろうろしている。
午前中は快晴だったのでハーバーブリッジを歩いて渡り、
北側の湾でのんびりしようと思ったが、夕方からは雷雨でひどいものだった。
今回のシドニープチ滞在のメインイベント、ニューイヤーイブの花火に期待したい。





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2014年12月23日火曜日

日曜日のマンリー•シーニック•ウォークウェイを歩く(2014年12月23日)

シドニーでの平日は特に郊外に行くこともなく、シティをぶらついて単調に過ぎていく。
早いものでシドニーでのプチ滞在をはじめて3週間が経ってしまった。
日曜日は例のごとくオーパルカードにて2.5ドルで自由にシドニー中を移動できるので、
ワーホリ時代からお気に入りのスポットでもあるマンリーに行ってみる。
運がいいことに日曜日は毎度晴れているのが嬉しい。

サーキュラーキーのワーフからマンリー行きのフェリーへ。
先週日曜日のワトソンベイ行きとは比べものにならない人の数で、
マンリーの人気度の高さが察しつく。
不思議なことに、ワーフに入る際のオーパルカードの改札手続き、タップオンはなく、
無料で乗れるようだった。
人をかき分けるように前に進み、混雑しているフェリーでなんとか二階席の外のベンチを確保。
離れゆくシドニーの景観を眺めた。


日曜日の明るい陽光を浴びながらのマンリーへの船旅は30分。
時間を感じさせない移動である。
マンリーに住居を持ち、平日は毎日フェリーで出勤する人はうらやましい。


フェリーを次々に降りる人と同じペースでマンリービーチに向かうと群集の波に飲み込まれてしまいそうなので、しばらくマンリーの船着場をぶらついてみる。
子供たちはアイスクリーム選びに一生懸命。
日曜の遅い午前中をカフェで寛ぐシドニー人も多い。



船着場のすぐ隣にはシドニー湾に面した小さなビーチがある。
北東に横たわるサーファーに人気のマンリービーチとは異なり、
南側の海の波は穏やか。
都会の喧噪のすぐ近くにあるのが信じられないほどの透明度もある。



フェリー乗り場からマンリービーチを結ぶ道はCorsoと呼ばれ、歩行者天国になっている。
なんとなく南フランスのリゾートような雰囲気も漂っている。
子供が噴水で遊んでいる光景は平和そのもので、
暑い日差しはクリスマスの到来を感じさせない。
観光客や地元の人でごった返している日曜日のマンリーは独特である。



歩行者天国Corsoをゆっくり歩いて目の前に現れるマンリービーチは
先週日曜日に訪れたボンダイビーチに匹敵する人混み。
若者が多いボンダイビーチに比べると家族連れが多い気がする。
残念なのは波打ち際が海藻だらけであまりきれいではないことか。
それでもマリンブルーの海はシドニーらしい。





マンリービーチからのちょっとした遊歩道を南東に進んでいくと、
小さな入り江があり、マンリービーチ同様家族連れで埋め尽くされた小さなビーチにたどりつく。
ダイビングのレッスンも行なわれており、海水の透明度は抜群である。
今日はビーチでのんびりするというよりマンリー周辺を歩き回るために訪れたため海水浴できないのが惜しい。




リゾート雰囲気さえ漂っているマンリーでは安い食堂は見つからず、
ファーストフード店のハングリージャックでチーズバーガーを食べてから
午後はマンリーフェリー乗り場近くからバスでSpit Bridge(スピット橋)まで移動し、
スピット橋からマンリーのフェリー乗り場まで続く軽いトレッキングコースを歩いてみる。
マンリー•シーニック•ウォークウェイと呼ばれているそうで、すべて歩くとなると10キロはあるらしい。


ローカルな市バスに揺られ、ちょうどスピット橋を渡ったところでバスを降りる。
マンリーのリゾート的喧噪から一変して地元の人々がヨットを楽しむ洒落た湾である。
青いシドニーの海を見渡せる家に住み、週末はヨットでクルージングとは贅沢すぎる人生だろう。


スピット橋を渡り始めてすぐに信号が赤に変わる。
「橋の真ん中で信号機?」と不思議に思っていると、
目の前の道路がゆっくりとせり上がっていく。




どうやらスピット橋は跳ね橋になっていたようで、タイミングよく稼働中の様子を眺められた。
通過するのは巨大な船ではなく、帆が高いために橋をくぐれないヨットだという演出がにくい。
一隻のヨットではなく沢山のヨットが通過していく。
東から西へ移動するヨット群が過ぎ去ると、今度は西から東へ。
時間にして10分ほど、歩行者や自動車はのんびりと橋が閉じるのを待っている。



スピット橋を渡ってからマンリー•シーニック•ウォークウェイを歩く。
海を眺めながらののんびりとした遊歩道と思っていたら林の中の道を突き進んでいく本格的なトレッキングコースのようだ。
自然の造形を壊さないアップダウンが多い。
橋のふもとから10キロ歩くのはしんどいので途中でウォークウェイから脱出し、
バスでマンリーに戻ろうとすでに弱気になってくる。



静かな日曜日に木漏れ日を浴びながらマンリー•シーニック•ウォークウェイを歩くのは清々しい。
単なる湾に沿ったトレッキングコースではなく、苔むした岩があったり、
巨大な岩に阻まれたトンネルがあったりと面白い。
静寂を乱すものはなく、たまにハイキングをしている人々とすれ違うくらい。
閑静な自然のウォークウェイである。




ウォークウェイは林の中の道から道のない砂浜になったり、
日曜の午後を楽しむ地元の人々の憩いの場に溶け込んだりする。
お祭り気分のマンリーもいいけれども、
名も知れない小さな入り江やビーチを持つシドニーの隠れ家にも癒される。




日差しはきついものの、林の中のウォークウェイでは歩くのが苦痛にならず、
ときどきひらける見晴し台からシドニー湾を眺めて一服。
一部は自然保護地区らしく、ウォータードラゴンというトカゲがいたるところにいる。




また、アボリジニーの絵が岩に彫られているスポットがあり、ブーメランや魚の絵らしいが、
失礼ながら子供のイタズラ書きではないかと思ってしまった。




マンリー•シーニック•ウォークウェイをひたすら現れる海を見ながら飽きずに歩けるのは
シドニー湾の表情が豊かだからに違いない。
小高い見晴し台でグラデーション色とりどりの海水を眺め、
途中から住宅街の歩道を歩いたりと、3時間以上かけてマンリー•シーニック・ウォークウェイの10キロを歩き続けた。








夕暮れ前にたどり着いたマンリーのワーフ周辺では多くのヨーロッパ人がビールやワインを芝生で飲み、西日に照らされた船はパーティー会場となっており、
大音量のラウンジミュージックが流れる中、船のデッキで踊る人々がいてお祭り騒ぎだった。
思えば、クリスマス休日前最後の日曜日なので活気がないわけがない。
マンリーからサーキュラーキーへのフェリーは満員で外のベンチ席には座れず、
中から日が沈んだ直後のシドニーのスカイラインを眺めた。

新しい週があければ夏のクリスマス。
アジアで充実した日々を過ごした2014年もまもなく終わる。








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