シドニーでの平日は特に郊外に行くこともなく、シティをぶらついて単調に過ぎていく。
早いものでシドニーでのプチ滞在をはじめて3週間が経ってしまった。
日曜日は例のごとくオーパルカードにて2.5ドルで自由にシドニー中を移動できるので、
ワーホリ時代からお気に入りのスポットでもあるマンリーに行ってみる。
運がいいことに日曜日は毎度晴れているのが嬉しい。
サーキュラーキーのワーフからマンリー行きのフェリーへ。
先週日曜日のワトソンベイ行きとは比べものにならない人の数で、
マンリーの人気度の高さが察しつく。
不思議なことに、ワーフに入る際のオーパルカードの改札手続き、タップオンはなく、
無料で乗れるようだった。
人をかき分けるように前に進み、混雑しているフェリーでなんとか二階席の外のベンチを確保。
離れゆくシドニーの景観を眺めた。
日曜日の明るい陽光を浴びながらのマンリーへの船旅は30分。
時間を感じさせない移動である。
マンリーに住居を持ち、平日は毎日フェリーで出勤する人はうらやましい。
フェリーを次々に降りる人と同じペースでマンリービーチに向かうと群集の波に飲み込まれてしまいそうなので、しばらくマンリーの船着場をぶらついてみる。
子供たちはアイスクリーム選びに一生懸命。
日曜の遅い午前中をカフェで寛ぐシドニー人も多い。
船着場のすぐ隣にはシドニー湾に面した小さなビーチがある。
北東に横たわるサーファーに人気のマンリービーチとは異なり、
南側の海の波は穏やか。
都会の喧噪のすぐ近くにあるのが信じられないほどの透明度もある。
フェリー乗り場からマンリービーチを結ぶ道はCorsoと呼ばれ、歩行者天国になっている。
なんとなく南フランスのリゾートような雰囲気も漂っている。
子供が噴水で遊んでいる光景は平和そのもので、
暑い日差しはクリスマスの到来を感じさせない。
観光客や地元の人でごった返している日曜日のマンリーは独特である。
歩行者天国Corsoをゆっくり歩いて目の前に現れるマンリービーチは
先週日曜日に訪れたボンダイビーチに匹敵する人混み。
若者が多いボンダイビーチに比べると家族連れが多い気がする。
残念なのは波打ち際が海藻だらけであまりきれいではないことか。
それでもマリンブルーの海はシドニーらしい。
小さな入り江があり、マンリービーチ同様家族連れで埋め尽くされた小さなビーチにたどりつく。
ダイビングのレッスンも行なわれており、海水の透明度は抜群である。
今日はビーチでのんびりするというよりマンリー周辺を歩き回るために訪れたため海水浴できないのが惜しい。
リゾート雰囲気さえ漂っているマンリーでは安い食堂は見つからず、
ファーストフード店のハングリージャックでチーズバーガーを食べてから
午後はマンリーフェリー乗り場近くからバスでSpit Bridge(スピット橋)まで移動し、
スピット橋からマンリーのフェリー乗り場まで続く軽いトレッキングコースを歩いてみる。
マンリー•シーニック•ウォークウェイと呼ばれているそうで、すべて歩くとなると10キロはあるらしい。
ローカルな市バスに揺られ、ちょうどスピット橋を渡ったところでバスを降りる。
マンリーのリゾート的喧噪から一変して地元の人々がヨットを楽しむ洒落た湾である。
青いシドニーの海を見渡せる家に住み、週末はヨットでクルージングとは贅沢すぎる人生だろう。
「橋の真ん中で信号機?」と不思議に思っていると、
目の前の道路がゆっくりとせり上がっていく。
どうやらスピット橋は跳ね橋になっていたようで、タイミングよく稼働中の様子を眺められた。
通過するのは巨大な船ではなく、帆が高いために橋をくぐれないヨットだという演出がにくい。
一隻のヨットではなく沢山のヨットが通過していく。
東から西へ移動するヨット群が過ぎ去ると、今度は西から東へ。
時間にして10分ほど、歩行者や自動車はのんびりと橋が閉じるのを待っている。
スピット橋を渡ってからマンリー•シーニック•ウォークウェイを歩く。
海を眺めながらののんびりとした遊歩道と思っていたら林の中の道を突き進んでいく本格的なトレッキングコースのようだ。
自然の造形を壊さないアップダウンが多い。
橋のふもとから10キロ歩くのはしんどいので途中でウォークウェイから脱出し、
バスでマンリーに戻ろうとすでに弱気になってくる。
静かな日曜日に木漏れ日を浴びながらマンリー•シーニック•ウォークウェイを歩くのは清々しい。
単なる湾に沿ったトレッキングコースではなく、苔むした岩があったり、
巨大な岩に阻まれたトンネルがあったりと面白い。
静寂を乱すものはなく、たまにハイキングをしている人々とすれ違うくらい。
閑静な自然のウォークウェイである。
ウォークウェイは林の中の道から道のない砂浜になったり、
日曜の午後を楽しむ地元の人々の憩いの場に溶け込んだりする。
お祭り気分のマンリーもいいけれども、
名も知れない小さな入り江やビーチを持つシドニーの隠れ家にも癒される。
日差しはきついものの、林の中のウォークウェイでは歩くのが苦痛にならず、
ときどきひらける見晴し台からシドニー湾を眺めて一服。
一部は自然保護地区らしく、ウォータードラゴンというトカゲがいたるところにいる。
また、アボリジニーの絵が岩に彫られているスポットがあり、ブーメランや魚の絵らしいが、
失礼ながら子供のイタズラ書きではないかと思ってしまった。
マンリー•シーニック•ウォークウェイをひたすら現れる海を見ながら飽きずに歩けるのは
シドニー湾の表情が豊かだからに違いない。
小高い見晴し台でグラデーション色とりどりの海水を眺め、
途中から住宅街の歩道を歩いたりと、3時間以上かけてマンリー•シーニック・ウォークウェイの10キロを歩き続けた。
夕暮れ前にたどり着いたマンリーのワーフ周辺では多くのヨーロッパ人がビールやワインを芝生で飲み、西日に照らされた船はパーティー会場となっており、
大音量のラウンジミュージックが流れる中、船のデッキで踊る人々がいてお祭り騒ぎだった。
思えば、クリスマス休日前最後の日曜日なので活気がないわけがない。
マンリーからサーキュラーキーへのフェリーは満員で外のベンチ席には座れず、
中から日が沈んだ直後のシドニーのスカイラインを眺めた。
新しい週があければ夏のクリスマス。
アジアで充実した日々を過ごした2014年もまもなく終わる。
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