4月13、14、15日の3日間はタイの正月ソンクラーン。
何度も訪れたバンコクで初めて水かけ祭りを体験する。
バンコクでのプチ滞在は旅からかけ離れた日々で、エアコンがきいたショッピングモールで寛いだり、
夜な夜なカオサンで瓶ビールを飲んだりした。
また、3日連続でバンコク郊外の友人宅に泊まらせてもらい、
和食やローカルなタイ料理を一緒に食べたり、タイマッサージやサイクリング、
地元のバーに連れて行ってもらったりした。
2002年から15、16回旅の途中に立ち寄り、
その都度2〜3週間、重い腰とバックッパックを降ろしていたバンコクは旅先という実感はなく、
完全に非現実的な日常を満喫する場所となっている。
ソンクラーン期間、
かつてワーホリ時代にメルボルンの語学学校で一緒だった仲間が日本から友人とバンコクにやってくる。
同じく語学学校で出会って以来、何度もバンコクで再会し続けているタイ人の2人とも一緒に集まれるように段取りしてちょっとした同窓会。
日本からの友人のバンコク旅行期間に合わせてソウルに住む友人までもバンコクに一週間遊びに来る。
彼女もまたメルボルンの語学学校仲間で、
東京からの短期韓国旅行や今回の世界周遊最初に滞在したソウルで何度か再会した。
カオサンのソンクラーン会場の真ん中にあるゲストハウスから着替えをビニール袋に入れ、
海パン姿で水かけ祭りの舞台を脱出したソンクラーン初日はターミナル21、MBKでランチにカフェ、
さらにカニと卵のプーパッポンカレーが美味しいソンブーンレストランでディナー、
最後はシロッコのスカイバーで夜景を眺めながらカクテルを味わった。
日本人、タイ人、韓国人の語学学校の仲間が集うのはワーホリ時代の2002年以来で、
皆13年の歳を重ねて可笑しかったが、内面は変わっておらず当時の延長のように楽しめた。
月日を感じさせずに素で楽しめる仲間はやはりいい。
語学学校仲間との同窓会の日はスカイバーに合わせて皆水濡れNGの格好だったので、
ソンクラーン2日目から水かけ祭りに参加する。
ソンクラーンは3日間のみのはずだが、
外国人旅行者が多いカオサン通りでは前日からすでに水鉄砲での撃ち合いが始まっていた。
何度も滞在しているカオサンがこれほど人で溢れ返っているのは初めての光景。
カオスであり無法地帯に近い。
前夜からして水鉄砲で撃たれまくれ、白い粉を顔に塗られたりした。
スカイバーでのカクテルの酔いもあり、遅く目覚めたソンクラーン2日目の午後はカオサンから。
カオサンのメイン通りは想像を絶する人混みで、
ちょくちょく一人ビールを飲むカオサンセンター周辺は身動きすら難しい状態。
とても水鉄砲を打ち合うスペースはなく、ステージからの行水を楽しんだり、
音楽に合わせて大混雑の中で踊る乱痴気騒ぎ。
あっというまに全身ずぶ濡れだった。
平日の日中であれば東端から西端までのんびり歩いて5分もかからないカオサン通りを貫通するのに30分かかる。
警察署側からステージを出ると、ようやくスムーズに歩けるようになるものの、
警察署とお寺に挟まれた通り、寺裏通りの方が水かけ祭りの戦場地。
巨大なマシンガンで撃たれまくれ、バケツで頭から浴びさせられる。
通過するタクシーも思いっきりバケツで水をかけられ、交通事故にならないか冷や冷やである。
海パンにTシャツ姿とはいえ、濡れたままだと体も冷えるし、
ときおり氷水をかけられて心臓にもやばそう。
ちなみに自分は水鉄砲は持たず、防水ビニール袋に入れたiPhoneで写真や動画を撮ったりする。
見知らぬ人に水をかけられることで幸福感に満たされるのはなぜだろう。
ひょっとしたら、Mなのかもしれないと思ってしまう。
水鉄砲で他人を売って喜ぶ人がいる反面、自分は撃つより撃たれる方がいい。
自分同様、水鉄砲で撃たれて微笑んでいる人が多い、何ともハッピーなソンクラーンである。
もちろん水をかけられたくない人もいるわけで、
全身カッパに身を包んだ観光客が足早に歩いていたり、
大きなバケツで頭から水をかけられそうになり悲鳴を上げている西洋人の女性もいた。
すでに空になったバケツで水をかける振りをするタイ人のユーモアであったが。
言うまでもなく水をかけられて怒るのはルール違反である。
ソンクラーンで水をかけられるのは尊敬でもあり、汚れを洗い流すそうだ。
1時間ちょっとカオサンを歩き回っただけで海水浴したみたいにどっと疲れる。
とりあえず濡れる心配のない寺裏の屋台で食事をとってから
カオサン西側の波止場からボートに乗ってチャオプラヤ側を下り、
セントラルでBTSに乗り換えてシロームへ。
BTSを降りて早々、サラデーン駅の高架下は人で埋め尽くされている。
あまりの群集で立ち往生している様子だった。
シロームの水かけ祭り会場もまた混沌とした戦場地である。
サラデーン駅の階段を下って戦場地に入る。
カオサンと違い、ステージの入口では顔に塗る白い粉を溶かした泥水は没収されていた。
頭上を覆うスプリンクラーから噴水され、さながら天気雨が降っている状態。
プラスティックのマシンガンで人を撃ちまくる光景は
荒廃した都市を舞台としたゾンビ映画やバイオハザードのようなゲームの世界を想起させる。
カオサンでは水をかけられて喜んでいただけだが、
シロームの会場では水鉄砲で人を撃ちながら楽しみたくなる。
夕方には韓国人の友人と洒落たレストランで夕食の予定があるので結局買わなかったけれども…。
シロームの水かけ祭り会場ではインド衣装を来たオカマが撃たれまくっていたり、
飲み物を売るおじさんが冷水を通行人に浴びさせていたり、ステージで踊っている人がいたり、
とエンターテインメント性がある。
やはり全身びしょびしょになりながら見ているだけで満たされてくる。
はたから見れば水をかけ合っているだけだが、実際に体験してみるとクレイジーで楽しいの一言。
水を浴びて不機嫌な人はいなく、皆笑みを顔に浮かべ、ひたすらハッピーになれるソンクラーンである。
ソンクラーン2日目の夕方以降、3日目の日中は韓国に帰る前の友人とショッピングモールで時間を過ごす。
ちょっと濡れるだけで怒ってしまう友人なので水かけ祭りはNGだった。
友人と夕暮れ前に別れてからは昨年出会った別のタイの友人とカオサンで再会。
彼女の従姉妹も寺裏通りで合流し、
ソンクラーン3日目最終夜は世紀末の戦場地と化したカオサンで最後のパーティー。
普段とカオサンと違い、西洋人は少なく
…いや多いのかもしれないが、それ以上の10代のタイ人の数が尋常ではなかった。
どうみても中学生くらいのタイ人が酒を飲み、タバコを吸い、水かけ祭りで羽目を外しているようにも映る。
30代後半の語学学校仲間のタイの友人を誘っても来なかった理由が分かる気がする。
カオサン通り全体がクラブ、パーティー会場となり、
爆音のタイミュージックやEDMに合わせて水鉄砲を放棄した若者たちが踊り狂っている。
どこからともなくホースで行水されながらのダンス行進は海水浴しながらのパーティー。
何度も頭から水をかけられる眼鏡人間の自分は友人と離れないように肩に手をやって進むしかない。
他のタイ人も肩に手をやっておりムカデ人間。
先月のトラン沖の秘島エメラルド洞窟をムカデ人間で貫通したのを思い出してしまう。
何度も立ち往生し、お立ち台から水を浴び、わけも分からず踊り狂ってカオサンを縦断。
すでに午前1時近く。
多くのバーがお開きになり、10代のタイ人が雪崩のようにカオサンから流出していく。
海水浴とダンスの同時行進で一気に疲れた3人はすでに音楽が鳴り止んだランブトリ通りのバーで打ち上げ。
最高に楽しいソンクラーンとなった。
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