2015年5月15日金曜日

だだっ広いマンダレー街歩き(2015年4月28日)

バンコクから夜行バス2本とシェアタクシーで31時間かけてたどり着いたマンダレー。
ミャンマー第2の町であり、壕に囲まれた王宮を持ち、道路が碁盤の目状の古都。
京都やタイのチェンマイを想像させるマンダレーはだだっ広く、
古都のイメージに反して土埃が舞う小汚い町だった。

バスターミナルからモーターバイクタクシーでミャンマー最初の宿、AD1ホテルへ。
確かにホテルではあるが、立地は市場近くの界隈の路地に佇んでいて見つけにくい。
朝7時前なのに部屋はあいており、清潔なファン付きのツインルームで10ドル。
バスタオルや歯ブラシ、石けんが完備された安ホテルはマレーシアやタイでなかなか泊まれない。


さすがに疲労困憊で朝一から歩く気力はなし。
窓全開のトヨタで全身土埃まみれだし、夜行バス2連続で軽いエコノミー症候群になり、
体は痛く、足はむくれている。
冷水で汚れを洗い流し、朝から爆睡した。

正午頃目覚めるとファンが止っており、暑苦しかった。
停電ではなく、ホテルのスタッフが外の元電源のスイッチを切っていたようだ。

早速の街歩き。
AD1ホテル近くのZegyoマーケット周辺をぶらつく。
バンコクからやってくるとマンダレーはかなり埃っぽく、
チェンマイやベトナムのフエ、インドネシアのジョグジャカルタのような東南アジアの古都よりもインドやパキスタンに近いものを感じる。
ゴミや糞尿の臭さがたまに漂うのもインドっぽい。
自転車、三輪車、モーターバイク、屋台のカート、
排気ガスを出す古い中国製の三輪バイクがひっきりなしにうごめいており、
バンコクから10年前のインド辺りにタイムスリップした感覚になる。





人々はミャンマーの民族衣装のロンジーを巻き、
子供や女性は日焼け防止
…というよりもはやファッションのようなタナカと呼ばれる白い粉を顔に塗っている。
二週間前のバンコクのソンクラーン中に顔に塗られたものにそっくりだ。




バンコクではタイ人に見間違えられるほど現地人に同化して他人の目が気にならなかったものの、
マンダレーでは首からカメラをぶら下げているだけあってちらりちらり見られる。
久しぶりに外国人に戻ったようで人々からの注目が嬉しい。
ミャンマー人は穏やかで、それでも親切な人々が多いからかわずかなコミュニケーションで癒される。
無愛想な人が多いバンコクから来ると、
外国人馴れしていないのに愛想がいいミャンマー人が新鮮である。




薄暗い食堂でなんだかよく分からない固くて黒い物体と辛いチキンをご飯と食べる。
これで2200チャット(250円)とタイよりもコストパフォーマンスが悪いと思うけど気のせいだろうか。




マンダレーの地図を見ると一辺2キロの正方形の壕に囲まれた王宮が中心部を占めている。


夜行バスで到着した当日にかかわらず王宮まで歩く。
ひたすら外壕を歩くと距離の長さにウンザリしてくる。
幸い曇っているからいいものの炎天下では脱水症状になってしまいそう。
しかも王宮へのアクセスは宿に近い西側ではなく、
東側からのみであり、外壕を半周、ただただ4キロを歩くはめになる。
窓口でチケットを買ってから正方形の中心部にある王宮までまた歩き、
初日から5キロ、帰りの分も合わせて10キロ以上歩かされる古都マンダレー。


王宮自体は思っていたとおりまあまあで、
王宮観光に来たミャンマー人やお坊さんを眺めながらのんびり見て回った。





小高い尖塔があり、頂上の見晴し台は涼しく、
高いビルがほとんどないマンダレーを一望できる。




初めて訪れたマンダレーで観光名所を外せないものの、
個人的には王宮の正方形の壕を出てから立ち寄った市場で売られているものを見たり、
屋台で50円もしない麺をすすっている方が有意義である。
ローカルな市場歩きはどんな町でも楽しい。





また、路上カフェでインド風のチャイを頼んでゆったりする。
ミャンマーの食堂やカフェではポットに入った温かい中国茶が無料で、
食事中はもちろん、コーヒーやコーラを頼んだときもお茶も一緒に飲める。
チャイと中国茶を並べると、地理的にもインド亜大陸、東南アジアに挟まれたミャンマーで
スパイスが効いた南アジアと穏やかでスローな東南アジアをごちゃ混ぜにするのではなく、
適度にミックスし、共存させているのだと実感。
そういえば、ヒンドゥー寺院も見かけるマンダレーでインド系の顔つきの人々も多く見るけれども、
ハーフはいただろうか。
チャイとお茶をブレンドせずに順々にすすりつつ、ふと思ったりした。



翌日は初日以上の街歩き。
だだっ広いマンダレーをひたすら歩かなければならない。

メコン川、チャオプラヤ川に並ぶ東南アジアの大河エーヤワディー川(イラワジ川)を見る。
まだ雨季ではないためか、水量は少なそう。
それでも十分な川幅があり、川辺は村落のようになっている。
言葉が悪いが、数日前に歩いたバンコクのスラムより粗末で簡素な造りである。
水上村と言った方がふさわしそう。





子供がわらわら寄ってくるインドやインドネシアと異なり謙虚なミャンマー人。
水遊びをする子供、洗濯する女性、船で作業をしている男性、
テーブルゲームをする若者を眺めながらのんびりとイラワジ川の土手を歩いた。




夕方前にマンダレーの一番の観光名所マンダレーヒルを登る。
200メートルちょっとの小高いマンダレーヒルの頂上へは
丘の入口でサンダルを脱ぎ、階段を上りつつ境内を貫通していく。
途中、仏像やミャンマーのイコンのような尖塔を通り過ぎていく。




マンダレーヒルの前に立ち寄った寺院でいきなり日本語学校に通う生徒たちのグループに囲まれ、
質問の嵐、順番順番の記念撮影で一躍スターになった気分だった。
せっかく巡り会った日本人が小汚い格好をし、無精髭を生やした男で申し訳ない限り、
と思いつつも自分もセルフィーを撮らせてもらう。
可愛らしい女生徒に写真をねだられるのはやはり嬉しい。



それにしても日本語学校に通うだけあってそこそこ日本語を喋れるのが驚きで、
粗末な水上家屋を見た後に生徒皆がスマホを持っているのも驚愕だった。
最後は生徒たちが日本語で歌ってくれたが、自分が知らない歌で一緒に歌えずこれまた申し訳なかった。

40分ほどで登り切ったマンダレーヒルの頂上からは平坦でだだっ広いマンダレーを見渡せる。
自然に囲まれた古都は穏やか。




あいにく夕暮れ前に太陽が雲に隠れてしまい夕日は見れず。
マンダレーヒルで生活している人々を横目にゆっくりと下った。


マンダレーの次は午前4時半起きでエーヤワディー川を下るバガン行きの船に乗る。





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