2015年5月24日日曜日

バガンの仏塔遺跡廻り(2015年5月1日)

ミャンマー旅行ハイライトともいえるバガンの仏塔遺跡を廻る。
カンボジアのアンコール遺跡群、インドネシアのボロブドゥールと並んで
東南アジア3大遺跡の一つとなっている。

バガンは暑い。
昨年のほぼ同時期、4月後半にアンコール遺跡群を廻ったときも暑かったけれども、
天気予報によると毎日40度越えのバガンで朝から夕暮れまでずっと遺跡廻りは自殺行為に近い。
カンボジアのシェムリアップの町からアンコールワットの入口まで5キロ以上あり、
そこから数キロごとに点在する遺跡群を自転車で廻りつつ
各々の遺跡内を歩いて探索しなければならないアンコールとは異なり、
宿があるニャウンユーの町を含めて5キロ四方に収まっているバガンなので
日の出と日の入りの2回の時間帯にわけてアクセスしてみる。


移動手段は西洋人がよく乗っている電動バイクが魅力的。
とはいえ電動バイクのレンタルは5000チャット(550円)であり、
おのずと一日レンタル1500チャット(170円)の自転車に誘われる。
ただ移動距離は昨年のアンコール遺跡群に比べて短そうだし、
何時間も自転車を漕ぐことはなさそうなので楽だろう。
遺跡廻りは自分の足で自由気ままに移動できる自転車に限るかもしれない。


4月最終日、そしてバガン初日。
前日の午前4時起き、マンダレーからバガンへのエーヤワディー川下りの疲労と
前夜からの軽い下痢で日中はゲストハウスで休息。
確かに強烈な日差しの中、遺跡を見て廻る気になれない。
生ぬるいバンコクで3週間以上居心地よさに浸っていた後遺症がまだ抜けないでいる。

今朝から移った宿はShwe Na Diゲストハウス。
前夜リキシャードライバーに案内された日本人に人気のゲストハウスと比べて10ドルと安く、
しかも部屋は清潔、Wi-Fiは部屋の中でも繋がる。
残念ながらマンダレーよりも回線速度は遅いけれども…。


昼寝をして3時前に起き上がると胃の調子が落ち着いており、
予定通り夕暮れ前のバガン廻りに行く。
近くでレンタルした自転車は1000チャット(110円)。
埼玉県の防犯登録証シールが貼られている使い古されたママチャリだった。


若干雲が出ており、強烈な暑さを感じずにサイクリングを楽しむ。
10分も漕げばホテルや食堂が集まるニャウンユーの町から脱出し、
野原から突き出る仏塔群が見えてくる。


バガンには4000ほどの仏塔があるそうで、
巨大で有名な寺院をiPhoneの地図アプリでチェックしながら訪れてみる。
ニャウンユーから15分、自転車レンタル店から2キロ強で
Htilominlo Pahtoというすぐに忘れそうな名前の寺院が現れる。
46メートルの高さがあるらしい。
確かにでかい。



いきなりバガンの難点にぶちあたる。
午後3時半では雲が多くても日射が強く、
サンダルを脱いで歩かなければならない遺跡の床は熱い。
急いで寺院屋内や日陰に移動しないと足の裏が火傷しそう。
Htilominlo Pahto裏側から出るとちょっとした展望台があるものの、
床が熱すぎて段ボール紙が数カ所に敷かれているほどだった。



せっかくの自由気ままなサイクリングなので名もない遺跡群にも立ち寄る。
草原に放置された仏塔群こそバガンの原風景っぽい。




ニャウンユーから4キロ、一際豪華絢爛なAnanda Pahtoに到着する。
やはりバガンの自転車廻りはアンコール廻りよりずっと楽でいい。
自転車を降りてから仏塔内部をちょこっと歩くだけなので、
アンコールワットみたいに遺跡の入口に着いてから長時間歩かずに済む。




Ananda Pahtoからオールドバガンのゲートをくぐり、すぐに見えてくるShwegugyiへ。
それにしてもバガンの遺跡群の名前は発音しづらく、名前も覚えにくい。
Shwegugyi内部の階段からテラスに登れる。
たまたま前日のエーヤワディー川下りのスローボートで一緒だったフランス人の婦人と再会。
Shwegugyiは他の有名な寺院よりもサンセットタイムが混み合わないそうで、
日の入り1時間半前からのんびり待っているという。
ちなみにご一緒の夫は疲れてホテルに戻ってしまったそうだ。
テラスからの見晴らしは素晴らしく、夕日観賞スポットの候補にしておく。



テラスを降りると、日陰で談笑している日本人男性3人がいた。
それぞれ仕事の休暇を利用してミャンマーを旅行されているそう。
気がつけば日本ではゴールデンウィークが始まっている。
2週間前のバンコクのソンクラーン以上に日本人を多く見かけ、
長期の学生旅行者や世界周遊者とは異なる現役社会人の旅行者と会話できて興味深い。
日本を発って1年半も経過すると、旬の日本の情報も知りたくなる。

すでに前日夕日を見られた方におすすめスポットを教えてもらい、
Shwegugyiから巨大なThatbyinnyu Pahtoを通過し、
Shwesandaw Payaに向かう。
日の入りの18時半まで1時間ある。



お勧めされるだけあって、急勾配の階段をよじ登った頂上付近にはすでに西洋人やシンガポール人が場所取りをしていた。
混雑した最上段で窮屈さを我慢してサンセットを待ち続けるのは微妙。
一つ下の段で場所をとる。
仏塔を一周してみると360度バガンの風景を見渡せる。
野原からぽつぽつと突き出ている無数の仏塔群。
傾いた陽光を浴びる仏塔群の陰影礼賛。




夕焼けにあわせて観光客や現地人、お坊さんが階段を登ってくる。
小坊主さんも見とれるバガンの絶景。



やがて雲間から顔を出す。



と思ったら、すぐまた雲に隠れてしまった。


前日のスローボートからの日の入りも太陽の隠れんぼだったので辛抱強く待つ。


するとギリギリになって再び夕日が現れ、
周囲の人々の感嘆とシャッター音の中、すぐに沈んでいった。
何とも味があるバガンの日の入りとなった。




2日目はサンライズ観賞に挑戦。
頑張って4時半起き。
夜明け前の起床は2日前のスローボートに続きミャンマーで2回目。
日の出を見るための夜明け前起きは1年半経過の世界周遊中において
香港、ベトナムのムイネー、アンコールワット、
他にあっただろうか…。
夜行バスや海を渡るフェリーから偶然朝日を見たことがあっても、
早起きが苦手な人間が自らの意思でサンライズ観賞はほとんどない。

前夜、Shwe Na Diゲストハウスで借りておいた自転車のヘッドライドのおかげで夜明け前の走行もスムーズ。
日中の40度が信じられないほど夜明け前は涼しい。
見上げると満点の星空が広がっていた。
日の出に期待感が湧く。

30分漕いで昨日訪れたShwegugyiに到着。
まだ誰もいない寺院近くでいきなり4匹の犬が暗闇から現れ驚く。
吠えもせず、自転車を素通りしてどっかに行ってしまった。

寺院のテラスからライトアップされた他の仏塔を眺める。
遠方にホッパ山も見える。




しばらくして他の人もテラスに現れる。
オールドバガンのリゾートに宿泊されているという日本人男性2人組だった。
なかなか昇らない太陽を待ちつつ雑談していると、
水平線よりかなり上空から日の出が始まった。



2日前の船からの朝日といい、ミャンマーで見るサンライズは格別。
今回の旅で最後の東南アジアの国としてミャンマーを訪れて正解だった。
仏塔と日の出のコラボレーションにカメラのシャッターを押すのが精一杯で、
感慨に浸っている余裕もない。



ゆっくりと昇っていく赤い真円は明るさをまし、
周囲の遺跡群も色彩帯びてくる。



再びの早起きに大満足な一日の始まり。
同時に新しい月の始まりでもある。
Shwegugyiでサンライズを堪能し、
生まれたての陽光で濃厚な立体感を滲み出している仏塔群を見て廻る。
まだ気温も低く、寺院の床も熱くなく、人気のない時間帯は遺跡廻りにちょうどいい。





午前8時を過ぎるとじょじょに暑くなり、腹も減ってくる。
朝食タイムの後は宿で休息し、前日同様夕暮れ時にまた自転車を漕ぎ出そうと思う。






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