水曜日と日曜日にマンダレーからバガンまでスローボートが運航されている。
スローボートは午前5時半にマンダレーを発ち、夕暮れ後に到着するらしい。
逆にバガンからマンダレーへのエーヤワディー川上りは木曜日と月曜日、
2日間かかる船旅だという。
料金的にも毎日運行されている40ドル以上のスピードボートより15ドルと安いし、
朝日と夕日も期待できる。
難点は朝起きの苦手な人間が4時過ぎに起きられるかどうか…。
マンダレーのAD1ホテルでスローボートのチケットとホテルから船着場までのモーターバイクタクシー代を手配してもらい、
サービス料と含めて20ドルだった。
アラームで午前4時15分に起き上がり、急いで支度をする。
いつものようにベッドでぐずついている暇はない。
脳が覚醒していなくても忘れ物チェックを怠らないようにする。
ホテルのロビーに行くとちょうどモーターバイクのドライバーが着いたところで、
宿の男性からビニール袋に入った朝食を受け取って出発する。
マンダレーの夜明け前の暗闇は深い。
夜中雨が降ったようで涼しい空気の中に土臭さが漂う。
午前5時のチェックインの時刻より早いからか船内はがらがら。
数人のミャンマー人がすでにデッキで雑魚寝している。
5時を過ぎるとちらほら現地人や外国人が乗り込んできた。
乗客は少ないので広々としたスペースを確保できる。
基本外国人はプラスチックの椅子に座り、ミャンマー人は風呂敷に座っている。
週2回運行の安いスローボートのわりに旅行者は少なく、
ヨーロッパ人がほとんどで合計10人ほどだった。
船旅では珍しく定刻の5時半に汽笛を鳴らして出航。
まもなく空が赤みを帯びてきた。
まずは朝日。
東側の川辺向こうの山際から昇る丸い太陽を目の当たりにし、早朝に起きて船に乗った甲斐がある。
海の船旅から朝日を見ることはあっても川からはなかなかない。
インド亜大陸と東南アジアに挟まれたミャンマーにふさわしい濃厚な赤い日の出だった。
昇った太陽はすぐに雲間に隠れてしまう。
雑魚寝していたミャンマー人も起き上がり朝飯を食べたりしている。
西側の川辺には仏塔群がぽつぽつと現れ、遠くに橋もある。
地図でチェックするとSagaingという町らしい。
朝から黄金に輝く仏塔を目の当たりにできてお得な船旅。
単なる移動手段ではなく、エーヤワディー川のリバークルーズといえる。
Sagaingに架かる巨大な橋下をくぐるのは圧巻。
穏やかな水面に映る二本の橋は東南アジアとインドを結んでいるような錯覚に陥る。
靄っぽい川の風景に早朝リバークルーズ大満足。
ホテルでもらったフルーツやゆで卵の朝食を食べ、船内でインスタントのミルクティーを買って、
ゆっくりと移り変わるエーヤワディー川の風景を眺めながら夢うつつの世界に入る。
最初はカメラ撮影に熱中していた他の外国人旅行者も眠っている。
ミャンマー人はスマホをいじったり、新聞を読んだり、爆睡、と各自の時間を過ごしている。
しばらく眠り、けたたましい汽笛で目覚める。
スローボートは途中の川沿いの村に停泊しながら進むようで最初の村に近づく。
船が川辺に近づくにつれ、頭にフルーツやお菓子のトレーを載せた女性がわらわらと寄ってくる。
乗客も数人いるかたわら、川の水で洗濯している女性がいたりと穏やかな川岸である。
物売りが一斉に船内に入ってきて、外国人にも積極的にバナナやココナッツ入りの蒸しパンを売りにくる。
せっかくなので少女からココナッツ入りの蒸しパン2つ買う。
交渉せずに1000チャットを渡すとお釣りはなかったが、正確な金額だったのだろうか。
わずか10分ほどの乗り降り時間。
スローな船内にちょっとしたカオスをもたらした売り子たちは
バランスよく頭にトレーを載せたまま川岸にかけられた板橋を歩いていった。
何度か川沿いの町に停泊し、その度に人々の様子を眺める。
いたって穏やかで平和なエーヤワディー川。
乗客や物売りの女性とともに村の子供達も船への積荷作業を見つめている。
先週の今頃、交通渋滞が激しいバンコクで市バスに乗っていたのが遠い過去のようだ。
だいぶ船旅を満喫してから昼食をとる。
油に浮いた豚肉、豆、スープにご飯は腹が減っていると美味しい。
スローボートではそよ風もあって快適だからか食欲も涌き、
いろいろ食べまくった。
だからかバガンに到着した翌日は軽い下痢になってしまう。
遅い午後になってものんびりとエーヤワディー川を下る船。
変わらない川の風景でも飽きることはない。
まるで儀式のように船が停泊するたびに積荷作業と人々の様子をデッキから眺めた。
小さなボートが近づき、ボートから船に荷物を運んだりしている。
何度か眠り、目を開いている時間は何もせずに川をぼーっと見る。
やがて長い鉄橋をくぐる。
地図をチェックすると、Pakokkuという町を通過したところで、
最終目的地バガンの旅行者が集まる町、ニャウンユーが近い。
すでに17時半近くであり、マンダレーを発ってからちょうど12時間が経過する。
時の長さを感じさせないのんびりとしたリバークルーズである。
ニャウンユーが近くなり、
エーヤワディー川下りのクライマックスは夕日。
が、多少雲があり、水面に火柱を照らしてしばらく経つと雲間に沈んでいった。
完全なる夕日を見れずに残念と思うのも束の間、
たなびく雲から再び太陽が現れる。
朝日以上に真っ赤なミャンマーの夕日。
真円ではないけれども、船旅の終わりに十分すぎる演出だった。
日が完全に暮れて暗くなった20時頃にニャウンユーに到着。
バガン入域料の20ドルを船をチケットオフィスの小屋で払い、
リキシャーに乗って連れていってもらった安宿は満室。
残念ながら初日は18ドルもするのに古く、Wi-Fiも繋がらないゲストハウスに宿泊となった。
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