5週間のニューヨーク滞在を終えてパナマへ飛び立つ。
新天地である中米を北上する旅がパナマから始まる。
快適で居心地良かったクイーンズのシェアハウスを引き払い、
ニューヨーク最後の週は札幌の実家からはるばる会いに来てくれた父と一緒に過ごす。
マンハッタンのど真ん中、タイムズスクエアまで歩いて3分の日本人用のアパートに滞在しつつ、
自由の女神やワンワールドトレードセンターを訪れたり、
バックパッカーからかけ離れたニューヨークのグルメを体験させてもらった。
60歳後半になった父との6日間、
自分一人でニューヨーク巡りしている時以上に歩き回ったと思う。
だからか、再び一人になる日の朝、目覚めると体がだるく風邪の症状があり、
父をJFK空港に見送りに行くとそのまま空港のベンチでダウンし、
3時間も眠ってしまった。
シェアハウスで過ごした4週間はあまりにも怠惰な生活を送り、
恥ずかしながら体力が低下していたのかもしれない。
それでもニューヨーク最終日の夕方頃、締めとしてロックフェラーセンターに登り、
エンパイアステートビルをど真ん中にしたマンハッタンの夜景を味わった。
父が来るまでの4週間はヨーロッパの冬のように寒かったニューヨークだけれども、
最後の週だけ気温が一気に上がり、日中の20度越えは暑いほど。
寒さを感じずにロックフェラーの屋外展望台からの夜景に魅了される最終日となった。
一ヶ月以上プチ滞在し、働いたり、勉強したりしてないものの、
生活している実感が湧いたニューヨークは再び戻ってきて住みたい街。
ワーホリを過ごしたシドニー、語学留学していたロンドン、旅の道程2〜3か月過ごした香港、バンコク、シンガポール同様、
ニューヨークもアナザースカイと言えそうな気がする。
まだ風邪が完治しておらず、
未知なる中米の旅をスタートする上で万全な体調でないが、
地下鉄とエアトレインを乗り継いでJFKへ。
JFKはターミナルが6つもあるので自分が乗るコパ航空がどのターミナルかあらかじめ確認しておく。
なお、パナマ入国に際して片道航空券のみでは難しいと言われている。
料金支払いが完了していない仮予約の段階なのに予約番号が発行されるアメリカン航空のウェブサイトでダミーチケットをあらかじめ用意しておく。
案の定、コパ・エアラインでのチェックインの際にパナマ滞在期間や往路の航空券の提出を求められた。
予約番号が記載されているとはいえ、ダミーチケットなので保留中とも記載されている。
スマホのスクリーンショットに残している画面は日本語なので保留中であることを突っ込まれることなく、
無事ニューヨーク発パナマ行きのボーディングパスを発券してもらった。
世界最高レベルのセキュリティーチェックを抜け、
免税店が並ぶ開放的なトランジットルームに入ると、気が和む。
ゲート近くには今回乗るパナマの航空会社コパ・エアラインの小さな飛行機が見える。
ニューヨークを去るという感慨や新天地の中米に向かうという緊張感が湧かないまま搭乗手続き。
窓側にしてもらったので離陸して早々、青い太平洋が眼下に広がる。
コパ・エアラインはLCCでなく大手の航空会社のようでモニターで映画を見たり、
機内食を味合う。
ウィスキーやウォッカを飲みたいところだが、5時間強のフライトでパナマシティ到着は夜だし、
風邪も完治していないので我慢する。
それでも眠ってしまうから不思議だ。
目覚めた時には夕焼けが窓の外を流れていた。
せっかくの窓側席なのに青いカリブ海を見られなくて残念。
着陸して空港に入ると何よりも懐かしい匂いが鼻腔をつく。
東南アジアや南アジアの熱帯都市の空港特有の濃厚な香り。
エアコンが効いているのに生ぬるく、肌にまとわりつくような空気。
先進国のニューヨーク、アメリカに車で過ごしたヨーロッパからかけ離れた世界。
新天地のはずなのに既視感がある空港の造り。
風邪によりもうろうとしていた前日までの思考はクリアになり、
久しぶりに熱帯の旅が始まる予感にテンションが上がっていく。
イミグレは厳格なアメリカと違い、係員同士が暇そうに談笑しているもの。
でも、イミグレの女性は全く愛想がなく、スペイン語でパナマの滞在期間を訪ねてから、
入国カードに記載した宿名を訝しげに見つめながら文句を言ってくる。
「Spanish in the city」という名前のゲストハウスだから仕方がないのかもしれない。
スマホのbooking.comの予約表を見せるとブツブツ言いながら入国スタンプを押してくれた。
空路入国だと出国チケットは改めてイミグレでチェックされないようだ。
日本語表記のダミーチケットなので文句を言われずに良かった。
ターンテーブルでバックパックを拾い、アライバルホールに出ると早速タクシーの客引きが来る。
久しぶりに先進国を離れて第三世界に来た感がある。
空港を出てからまた声をかけてきたタクシードライバーのおじさんにバスでパナマシティに行くと伝えると、
親切にバスの乗り場を教えてくれた。
すでに夜だし、バス乗り場はかなり分かりにくく、おじさんが教えてくれなければ分からなかっただろう。
また、パナマのメトロバスの乗車においてメトロカードが必要。
空港内でメトロカードを購入するのは不可能で困っていたものの、
無理を承知でバスドライバーに現金で払おうとすると無料で乗車させてくれた。
融通が利くのも堅苦しいアメリカと違うところ。
途中スラムのようなボロな家屋が密集する地区を横切ったりとびくびくしながら車窓を眺める。
トクメン国際空港から予約したゲストハウス近くのAlbrookターミナルに向かうバスで緊張感に包まれる。
Albrookターミナルに着いてから暗闇をホステルまで歩くわけにも行かず、
交渉してタクシーにしようかどうか模索しながらスマホの地図を見ていると、
運良くゲストハウス近くの停留所にさしかかったので急いで降りた。
近いといっても、人気が全くない道路脇で怯えながらもゲストハウスの住所を頼りに真っ暗な坂道を登っていくとすぐにSpanish in the cityが見つかった。
すでに21時を過ぎており、暗闇で分からなかったが、
翌日ゲストハウスがある周辺が閑静な住宅街と分かり、一安心。
完全なるアウェーの中米の最初のホステルで偶然にも日本人旅行者と出会えてさらに安堵。
メキシコから中米を下ってきた方で、自分がまさに辿るルートの逆だったので色々と情報を教えてもらった。
パナマ初日の夜はベッドで仰向けになっているだけで汗が滲み出てくる蒸し暑さの中、
中米の旅情報を聞き入った。
気がつけば風邪も良くなった気がする。
一夜明けてからパナマの原風景のような新市街の高層ビル群を見に行く。
ゲストハウス近くの歩道橋からすでに乱立する高層ビルが見える。
その手前には歩き回る気になれない雑多な団地がある。
高架道路を隔てて眺めてみると、スラムのような団地であり、
入り口に座っている人々もいる。
東南アジアのバンコクやジャカルタのスラム街を探索したことがあるものの、
治安の悪さで有名な中米ではうかつに怪しい地区に近寄らないようにする。
ゲストハウスからそれほど遠くないAlbrookターミナルまで歩き、
ショッピングモールに連結したターミナルでメトロカードを無事購入。
パナマシティのバスは一回25セントで乗れるので安い。
海沿いの遊歩道でバスを降りると、密集した高層ビル群に圧倒される。
香港に続き世界2位の高層ビルの数を誇るニューヨークから飛んできたばかりでも、
パナマのモダンなガラス張りのビル群、高層コンドミニアムは高い。
高層ビル好きにとって、東京やシンガポール、ソウルを凌駕するようなスカイラインを眺めながら遊歩道を歩いているだけで満足できるパナマシティ。
湿気が高すぎるからか、青空がない。
遊歩道を外れて新市街に入ってみると、斬新なねじれたガラス張りのオフィスビルが目立っている。
また、古い建物が多いヨーロッパやニューヨークで見かけなかったモダンなショッピングモールがあり、
東南アジアの大都市のようだ。
夕暮れ時の交通渋滞とビル群に急発展しているパナマシティを実感する。
パナマシティでは何よりも有名なパナマ運河観光も忘れない。
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