2016年5月22日日曜日

パナマの穏やかなリゾート、ボカスデルトロから無人島サパティーヤ島へのボートツアー(2016年4月28日)

パナマのリゾート地であるボカスデルトロ諸島にはバックパッカーが集まるコロン島や熱帯雨林に覆われた島が点在し、
コンビニやマック、土産屋とは無縁のマングローブに縁取られた水上世界が広がっているという。
太陽が一度も出なかったサンブラス諸島での失望感を払拭するためボカスデルトロへ向かう。



サンブラス諸島への日帰り旅行も含めて7日滞在したパナマシティをついに去る。
ニューヨークを発ち、新天地である中米の旅が始まってまもないのにパナマシティで沈没するわけにはいかない。
正直、スタッフがほとんど不在のためずさんな管理で、清掃もあまり行われず、
蒸し暑くて蚊が多いSpanish in the cityというAlbrookターミナルからそう遠くないゲストハウスだが、
長居しているコスタリカ人とエクアドル人とおじさんはフレンドリーで、
他の宿泊客がほとんどいないため自分の時間を確保できた。
ただ周辺には小汚い市場しかなく、ジュースや菓子を買えるスーパーもないし、
街の中心まで歩くのにスラムのような団地を素通りしなくてはならず、立地が悪かった。

前日にAlbrookターミナルでパナマシティ発アルミランテ行きのバスチケットを購入しておく。
夜行バスしかないらしく、18時半発。
つまり、早朝にボカスデルトロへの船乗り場があるアルミランテに到着することになる。
11時間程度の移動で28ドルだったので先進国より安いけれども、
にんまりするほど物価安でない中米。
必要以上にエアコンが効いて寒い夜行バスの乗客の半分は西欧人やラテン系のバックパッカーで、
東南アジアの夜行バスを思い出させた。

まだ夜が明けない5時頃に誰もいないアルミランテのバス停に到着。
バス停から船着場まで十分に歩いて行ける距離。
が、ほとんどの西欧人バックパッカーがタクシーで移動していく。
一人誰もいなくて暗いバス停に取り残されるのはいい気分じゃないし、
タクシーを他の旅行者とシェアすると一人1ドルだったので乗り込んだ。
まるで儀式のように旅行者がコロン島行きのボートチケットを窓口で買っている。
あまりにも早い時刻から宿探しは控えたいものの、
自分も半ば自動的にチケットを買ってしまった。
片道6ドルのシェアボート。
ちょうど夜が明ける頃に出航する。
あいにく朝から曇っており、40分の船移動で到着したコロン島のメインの町、ボカスデルトロは雨が降っていた。
ちなみにボカスデルトロ諸島で一番賑わっているのがコロン島で、
コロン島の旅行者の集まる町の名前もボカスデルトロというようだ。
ダメ元で目星をつけていたゲストハウス、Hostal Hansiに早朝6時に行ってみるとすでに開いており、
18ドルの部屋を提供してくれた。
残念ながら14ドルのバスルーム共同の安めの部屋は埋まっているとのこと。
18ドルは安くなかったが、バスルーム付きのシングルルームだし、
夜行バスの早朝着で寝不足だったので妥協してしまった。
先週ドミで40ドルするニューヨークに滞在していたこと思えばコスパがいいと開き直れそう。




リゾートの中心地であるボカスデルトロ。
碁盤の目状のシンプルな町にはエアコンが効いているファーストフード店やコンビニや一切なく、
バックパッカーや個人旅行者が泊まるこぢんまりとしたゲストハウスやホテル、
オープンバーやレストランが並んでいる。


東南アジアのタイやマレーシア、インドネシアのリゾートに比べると全く開発が進んでない感じ。
カリブ風のカラフルな木造家屋が並び、ラテン系や西インド諸島からの人々が混在し、
ゆったりとした時間が流れている。


ボカスデルトロの中心は1ブロックの公園で、
西欧人旅行者や地元のおじさん、おばさん、学生がのんびりと寛いでいる。
都会のパナマシティとあまりにもかけ離れた世界に気が和む。


少し歩けば島人が暮らす穏やかな雰囲気となり、
ここがリゾート地であると信じ難い。


不思議なことにメインの通りでは必要以上にスーパーが多く、
ほとんどが中華系に運営されているようだった。
華僑だろうか、小規模なボカルデルトロを占める中国人は少なくない。
ただ、スーパーの品はリゾートだからか、島だからか、ペットボトルの水が1.5ドルだったりと高い。
食事処として西欧人向けのレストランやバーは高めなので、
ローカルな人が集う食堂で昼も夜も食べる。
鶏肉と野菜のスープとライスで3ドル半、
肉とサラダと豆とご飯のセット料理コミーダで4ドルちょっと。



残念ながらボカスデルトロの町近くにたいしたビーチがない。
町から歩いて北西にあるビーチは小汚く、海水浴場と呼べる代物ではない。


コロン島から離れたところに綺麗な海があるようで、
船着場で声をかけてきたツアー客引きに誘われるように
ボカスデルトロ諸島東沖にあるcoyas zapatillas(サパティーヤ島)へのボートツアーに参加することにした。
ツアー料金30ドルにサパティーヤ島への入園料10ドルを5ドルにまけてもらい、
合計35ドル。
サンブラス諸島の日みたいに天候が悪くないのを祈るのみ。


サパティーヤ島へのツアー当日は快晴でないものの陽光が差し込んでいる。
デジタル一眼レフ、日焼けクリーム、水ボトル、財布をリュックに入れ、
海水浴スタイルで出発。
10時前にカリブ風のカラフルなボカスデルトロのボート乗り場を離れていく。


10人ほどのボートツアーにペルー人カップルやスペイン人夫婦、ドイツ人やアメリカ人の若者が同乗しており、
毎度のことながら一人でのツアー参加者は自分だけだった。


ボカスデルトロを離れてまもなく、
マングローブに縁取られた熱帯雨林の島々を抜けていく。
海というよりアマゾン川の支流を走っているようだ。


ボートがエンジンを止めたので何だろうと思っていると、遠方でイルカが泳いでいるのが見える。
イルカの生息地でのイルカウォッチング。
たまに飛び跳ねるイルカも目撃する。
なかなかボート近くに現れず、カメラ撮影は難しい。


周囲には他のツアーボートも集まり、
水面から顔や背ビレを出すイルカをゆっくりと追いかけていた。


イルカウォッチングの後、水上家屋のある場所で休息。
サパティーヤ島はこの先にある。



水上バーや食堂、トイレが桟橋で繋がれている。


再び船に乗り込み、ボートツアーの目玉であるサパティーヤ島へ。
急に海水の色が変わり、エメラルドグリーンになったり、高揚感も大きくなる。
そして現れる平たいサパティーヤ島。


と思ったら、似たような島が迫っていた。


cayos zapatillasと複数形だけあって二つのサパティーヤ島があるようだ。


無人島のサパティーヤ島に上陸する際にあまりにも透明なクリスタルの海水に顔が緩む。
見たかったカリブ海は灰色の空の下ではなく、日光を浴びて宝石のように輝いているものだ。


2時間の無人島でのフリータイムを満喫する。
雲が多い晴れとはいえ、淡いグラデーションが美しいカリブ海。
透明度は今回の世界周遊中に魅了されたマレーシアのプルフンティアン島、
タイの秘島リペ島と変わらない。



サパティーヤ島の砂浜の白さはプルフンティアン島やリペ島を超えるもの。
白いビーチを何度も洗浄する穏やかな透明なさざ波が綺麗で見とれてしまう。




サパティーヤ島そのものは1キロ弱の細長い小さな島で、
小さいと言えどもサンブラス諸島のペロ島やモルディブの1島1リゾートのように一周歩いて1分とはいかない。
島の大部分は手つかずの熱帯雨林に覆われており、人工物が一切ない無人島。



浅瀬の海にサンゴがあり、熱帯魚が泳ぎ、ときおり魚たちが足に密集してくる。



まさにカリブ海に浮かぶ楽園。
数日前のサンブラス諸島のうっぷんを晴らすようにサパティーヤ島のクリスタルブルーの海を堪能した。





サパティーヤ島でツアー終了ではなく、
13時頃から別の場所でシュノーケルタイム。
犬かきしかできないくせにジャケットなしでシュノーケリングしてみると、
案の定泳げなくてしんどかった。
また、眼鏡人間にとって水中マスクを通してのサンゴや魚はぼやけて映ってしまう。



再び水上バーのある桟橋で休息後、
ボートはマングローブ沿いを走り、熱帯雨林の目の前で停泊する。


船頭が樹海の上を指し、何か言っている。
しばらく凝視していると木の上からこちらをじっと見るナマケモノを発見。
野生のナマケモノを見るのはもちろん人生初。


しばらくすると腕を伸ばして動き始めた。


人間の手が入っていないボカスデルトロの熱帯雨林だからこそ見れる大自然だった。



イルカやナマケモノも見れて大満足のサパティーヤ島ボートツアー。
10日間過ごした中米最初の国パナマに満足し、
次はコスタリカへと向かう。








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