当初は東京から直接ウラジオストクに飛ぶつもりだったが、
日本発ダイレクトの航空券代が高いこともあって、東京→沖縄→ソウル→ウラジオストクと周遊してきた。
おかげで人生初の沖縄で南国空気を味わえ、
3年ぶりのソウルでグルメ三昧したりと充実した遠回りだったと思う。
後半は若干気温が上がり、最低気温でも10度を下回らないソウル街歩きを堪能。
Seoul Myeongdong Stayという居心地いい宿では仲間との出会いであっという間だった日本一時帰国での慌ただしさの反動からダラダラと過ごしたりした。
名残惜しみながら10泊したSeoul Myeongdong Stayを去り、
明洞駅近くからエアポートバスに乗り仁川空港へ。
ソウルからオーロラ航空でウラジオストクに飛ぶ。
東京発が3万円以上するのでソウル発の14000円で購入したが、
わずか2時間のフライトなのでそう安くないかもしれない。
辛くて美味い韓国料理最後はトランジットルームのフードコートで食べるちゃんぽん。
80000ウォン(750円)もするのに麺のコシがなく味気なかった。
韓国人とロシア人しかいないであろうオーロラ航空に乗り込む。
窓側の席でない場合、寝るしかやることがない。
軽食のサンドイッチを食べ終わるとすぐに着陸態勢。
前回の沖縄からソウルへのフライト同様、かなりの揺れに参った。
着いて早々、外に広がる凍てついた滑走路は極寒のシベリア鉄道の旅の洗礼のようだ。
ビザなし入国不可だけれど、
東京の大使館で二週間待って無料の観光ビザさせ取得していれば楽勝の入国審査。
アメリカやイギリスのようにイミグレでの質問は一切なし。
ターンテーブルで荷物を受け取り、
ロシアのイメージからかけ離れたモダンなウラジオストク空港のアライバルホールに出る。
ATMから簡単にルーブルを降ろし、
空港からウラジオストク駅までのエクスプレス電車のチケットを220ルーブル(350円)で購入。
ロシアの個人旅行は難しいという偏見もすぐに払拭。
また、かつて1ルーブル=3円以上だったのが、1ルーブル=1.6円まで下落している現在、
物価高のロシアが安く感じてしまう。
実際に宿代を払い、食堂でローカルなロシア料理を食べていると、
タイやマレーシアと物価が変わらないのではと思ってしまった。
エクスプレス電車の車窓に雪化粧のロシアの大地が流れ、
空のそれほど低くないところに弱々しい夕日が浮いている。
つい数時間前までいたソウルとかけ離れた風景。
ちょうど二週間前はまだ蒸し暑い沖縄にいたのが遠い過去のようだ。
やがて闇がやってきて、18時半頃ウラジオストク駅に到着。
駅を一歩出ると今年一番の寒さ。
いや、これまでの住み渡り3年間で最も寒いだろう。
夜の氷点下をダウンとバックパックで紛らわせるも、凍結した路面はしんどい。
滑って転倒し、硬い地面で怪我しないように注意しなければならない。
30分近くかけてなんとか予約したLike Hostel近くに到着するものの、
高層団地があるだけでホステルの看板が見つからず。
団地に住んでると思われる人に数回尋ね、
最後は通りすがりの車のおじさんに英語で説明してもらってようやく見つかった。
ホステルに入って早々曇るメガネに極寒のロシアを改めて体感した。
ルーブル下落の恩恵を受け、清潔なヨーロッパのホステルなのに一泊500ルーブル(800円)。
マイナス6度という気温を感じさせない暖かいベッドだった。
シベリア鉄道での移動開始まで二日あるのウラジオストクの町をぶらついてみる。
一面の雪景色に怖じ気つくどころか、高揚感が湧く。
思い返すまでもなく、もう長らく雪を見ていなかった。
日本、韓国と同じ格好では寒すぎるので手袋と耳を守る帽子を探す必要がある。
看板もない無機質な建物は懐かしく、
昨年夏旧ソビエト諸国が集まる中央アジアで見てきたもの。
宿を出てしばらく歩くと現れる教会。
黄金ドームの教会はいかにもロシアっぽい。
日曜日だからか厚着したロシア人が多くお祈りに来ていた。
寒さに弱い猫は屋内にこもっているはずなのに雪の上を戯れているのが不思議。
未知なる国ロシアでこれからもっと奇妙な光景に遭遇していくのかもしれない。
坂を下っていくと、こぢんまりとしたウラジオストクの繁華街に到着。
ちょっとしたデパートが並び、中国人や韓国人がぶらついている。
駅方面に向かい、昨晩夜到着だったため食べられなかったロシア料理にありつく。
キルギスのビシュケクで何度も通ったスタイルの食堂で、
トレイを持ってガラスケースに並ぶサラダやおかず、スープを選んで注文していくもの。
ロシア語が喋られなくても指差しで簡単に好きなものにありつける。
サラダとボルシチ、クリーミーなチキンにライスで210ルーブル(340円)と安い。
昨年の中央アジアのキルギスより安いような気がする。
二日後に69時間かけてイルクーツクまで走るシベリア鉄道前半戦の出発地点となる駅を下見する。
www.russianrail.comというサイトからネット予約すると115ドル(12000円)と安かった3等開放寝台のEチケット。
バーコードが付いているEチケットをプリントアウトすればそのまま列車に乗れるようだが、
なかなかプリンターを置いている店が見つからないので切符窓口で紙のチケットを発券してもらう。
英語が通じなくてもジェスチャーで意思が通じたけれども、
発券手数料で150ルーブル(240円)もとられてしまった。
食事代が安いだけに高く感じる。
なお、ウラジオストクからモスクワまでの世界最長の9297キロの鉄道をシベリア鉄道と一般的に呼ぶそうだが、
北京からウランバートル経由でモスクワへ向かう列車もシベリア鉄道として有名。
北京〜ウランバートル間は昨年ローカル電車と国境越えジープを乗り継いで往復したので今回乗らず。
ゴビ砂漠では6月でも雪が舞っていたくらいだから、この季節のモンゴルに再訪したいとも思わない。
人生最長の電車旅を迎えるにはそう巨大でないウラジオストク駅。
駅先の船乗り場からウラジオストク観光名所のような橋が見える。
暖かければ歩いて横断してみたい。
町の広場にいかにもといった感じの像が立っている。
でも人がまばらな雪に覆われた広場。
目抜き通りを歩いていると確かにヨーロッパの雰囲気が漂っている。
東京や札幌からソウルより近いのにアジアの喧騒と皆無の街並み。
カラフルなモニュメントもアジアでお目にかかれないものだろう。
すぐ近くに教会もあり、つい前日までいたソウルとの大きな違いを実感。
こういった世界と世界の差異に驚き、心踊らされ、
好奇心を掻き立てられるからこそ旅はいつまでたってもやめられない。
ウラジオストクは軍事都市として栄えていたこともあり、
その面影を展示されている軍艦から察してみる。
日本海と反対側になるが、湾の上空で輝く太陽を見る。
カリブ海や沖縄で直視できなかった陽光と異なり、弱々しい輝きである。
湾の向こうに薄っすらとロシアの大地が見える。
ずっと西に進んでいくと一度中国との国境にぶつかり、
ハルビンが見えてくるのかもしれない。
水平線よりずっと上でフェイドアウトしていく夕日を眺めながらシベリア鉄道の度に思いを馳せた。
ちょうど3年前は韓国の仁川港を離れ、中国の大連行きのフェリーに乗っていたが、
3年後に今度はシベリア鉄道に乗ろうという計画は頭の片隅にもなかった。
シベリア鉄道前半戦はウラジオストクからイルクーツクまで69時間、車内3泊の旅となる。
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