2016年11月20日日曜日

ウラジオストクからイルクーツクまで69時間のシベリア鉄道前半(2016年11月11日)

ウラジオストクからイルクーツク、
イルクーツクでストップオーバーしてからモスクワまでのシベリア鉄道の旅が始まる。
前半は車内3泊、69時間の旅、
後半は車内4泊、86時間の旅となる。
疑いようなくこれまでの旅で経験してきた移動時間で最長になりそうだ。


始発のウラジオストク駅からモスクワ行きの列車は午前4時2分発。
列車時刻は全てモスクワ時刻であり、ウラジオストクとモスクワの時差が7時間、
つまり午前11時2分にウラジオストクを出発する。
寒いだけでなく、道が滑って危なく、上り坂でしんどい中、
バックパックを担ぎ、三日分の食料袋を持って駅へ歩いていく。
意外と乗客が少ないウラジオストク駅。
列車が近づくアナウンスが流れたので午前中の極寒に耐えつつプラットホームで待つ。



掲示板のモスクワ行きの表示にこれからイルクーツク滞在三日間を含めてモスクワまで10日間に及ぶ列車旅への想いを寄せる。


チケットに記載された車両の入り口で駅員にパスポートを見せてから暖かい電車に乗り込み、自分の寝台へ。
3等の開放寝台の中でも上段ベッドはさらに安く、イルクーツクまで115ドルだった。
バックパックを寝台上の棚に上げ、列車が動き出すのを待つ。



69時間に及ぶシベリア鉄道前半がスタート。
もちろんWiFiもなければシャワーもなし、充電コンセントもないものの、
トイレットペーパー付きのトイレはあるし、
カップ麺やお茶用の給湯器やいつでも横になれるベッドがある。
狭くてボロくて臭いバスに44時間乗り続けたインドネシアのスマトラ島からジャワ島への移動や
マリのバマコからセネガルのジガンショールまで60時間以上かけてぎゅうぎゅう詰めバスで揺られる移動よりずっとマシだろう。
中国やインドの長距離列車に比べて清潔感まであり、
意外と寡黙なロシア人とあってか静かで快適な列車旅になりそうだ。
走り出してまもなく海岸線を走り、寒々しいロシアの雪景色を暖かい車内から眺めつつ旅情を感じる。


飛行機のように機内エンターテインメントがあるわけでないので、
車内ではスマホにダウンロードした音楽を聴いたり、
ぼんやりと車窓を眺める以外にすることはない。
睡魔がやってきたらバス旅のように船をこがず、寝台によじ登って仰向けになればいい。
もちろん、下段の人が横になってしまうと座るスペースがなく、
仕方がなく自分も仰向けになるしかないけれども。
日照時間が夜の時間帯より短いため日中から寝てばかりいられない、というのが本音。


残念ながらシベリア鉄道で車内販売がない。
中国やインドの列車旅のように美味しい中華弁当やカレーにありつけられず。
3等だからかもしれないが、車両係員のおばさんからお菓子やお茶、ピロシキを買う以外には自分が持ち込んだ食料に頼ることになる。
朝はウエハウス、昼はポテトチップス、夜はカップ麺の繰り返し。
他の乗客も同じようにカップ麺だったり、パンだったり、プラスチック容器に入れたサラダやソーセージだったりする。
食事の楽しみもなくなってっくる。
あと、意外なことにビールやウォッカを飲んでいるロシア人がいない。
コンパートメントでなく、プライベートな空間がない開放寝台だからだろうか。
やはり実際に乗ってみて色々と学べるので、
モスクワまで通しでなく、イルクーツクで前半と後半に分けて良かったとすでに思っている。

軽食を食べたり、音楽を聴いたり、ぼんやりとシベリアの大地を見ていると、
単調な時間は瞬く間に過ぎていく。
夜はスマホで映画を見たり過ごし、日が昇ってようやく明るくなった9時過ぎに起き上がる。
顔を洗って軽食を食べて外を眺めながら行き先のない思考を巡らせる。
退屈でうんざりするのではという不安を覆し、
自由気ままに静かなシベリア鉄道での時間を過ごせる。




三日目の昼頃だろうか、
とある駅に到着し、多くの乗客が降り、アジア系の人々が多く乗ってきたと思ったらチタという町だった。
地図を見るとモンゴルに近い。


昨年夏、北京からモンゴルとの国境の中国側の街エレンホトまで列車に乗り、
ジープで国境を越えてからモンゴル側の街サミンウードから夜行列車でウランバートルに移動したのを思い出す。
ウランバートルのゲストハウスで出会った旅行者でイルクーツクから来た人やイルクーツクへ向かう人がいた。
昨年は難しいと思っていたロシア旅行をこうして東京で無事観光ビザを取得し、
自由気ままに列車で旅行しているのは不思議な感じがする。

ウランウデというモンゴル方面との分岐点となる町で再び多くの乗客が降り、
常に25度以上の保たれた車内にシベリアの冷気が入ってくることなく列車は進んでいった。




定刻通り69時間後、モスクワ時刻午前1時、イルクーツク時刻午前6時にまだ暗いイルクーツに到着した。
当初から諦めていたけれども、深夜の時間帯に走行してバイカル湖が見れなかったのが残念。
陽気な駅員に声をかけられて列車を降りると、強烈な冷気に目が覚める。
でも、天気予報を調べて心配していたマイナス28度の世界はまだ先のようで、
マイナス14度の表示に不思議と安心感が芽生えた。
とはいえ寒い事実は変わらないイルクーツクで三日間観光し、
食料を買い込んでからシベリア鉄道後半に挑む。






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