2017年7月1日土曜日

カシミールからラダックへヒマラヤ山脈をゆく② カルギル〜ラマユル(2017年6月10日)

インド最北部カシミールとラダックの周遊はジャンムー、シュリーナガル、
カルギル、ラマユル、中心地レーと時計回りで山道を移動し続ける。
住民のほとんどがイスラム教徒のラダック第二の町からチベット系が住む村ラマユルへ。


一泊したカルギルを早々に発つ。
安くて快適な宿がなかったし、ごちゃごちゃとした街中で長居したい気分になれない。
前日に購入した午前6時発のバスでラマユルに向かう。
ローカルなバスはシェアタクシーより安いけれども、
予約のための席確保において途中のラマユルで降りる場合でもカルギル〜レーのバス料金400ルピー(700円)を払わなければならなかった。
アムリトサル〜ジャンムーの6時間の移動が200ルピーだったことを考えると、
ラマユルまでの4時間のバス移動は高い。
どうせ予約するなら窓際の席を強調しておく。
すでに夜が明けた5時半前にカルギル中心の駐車場に行くとバスが止まっていた。


定刻6時に出発し、途中で乗客を集めてほぼ満員のバス。
渓谷を登っていくと朝から絶景が見える。
残念ながら曇っているものの、灰色の空の下でも壮大さがある。


1時間半くらい経った頃、いきなり現れるチベット仏教のゴンパ。
ラダックに入ってようやく目にした仏塔に熱いものがこみ上げてくる。
ムスリムの世界からチベットの世界に突入したようだ。
道程の村で乗ってくるおばさんたちは厚手の衣服に身を包み、
いろんなアクセサリーをつけている。


朝飯どきか、一回だけ休憩がある。
簡易な道路沿いの食堂で乗客がチャイと丸いナンのようなものを食べている。


自分も肌寒い外のテーブルで温かいチャイをすする。


チャイを飲みながら山々を見るのは朝から贅沢だ。


ラマユルへの道はほとんど舗装されており、昨日のでこぼこ道の振動はない。
風景も大きく変わり、裸の岩山がずっと続いている。
生物の存在を感じさせない荒野は別の惑星のようだ。


地図上だとそう距離がないものの、曲がりくねった山道を走るのでかなりスローペース。
再びジグザグの峠に入り、標高は4000mに達する。



4000mの視線の先に雄大なヒマラヤがある。


ヘアピンカーブだらけの道を下っていくと断崖絶壁に立つゴンパが見えてくる。
ラマユル到着。
700人しか住んでいない渓谷の村なのでバスから降りるのは自分一人だった。
降りて早々、道路脇にいたおばさんから声がかかる。
あまり期待できないがWiFiとホットシャワーもあるそうだしついていく。
ゲストハウスというよりホームステイっぽいTharpalingゲストハウスの窓から山々が見える部屋が400ルピー。
100ルピーでチベット系の家族と夕食を食べられるので申し分ない。


ただ電気が使える時間帯が限られているし、WiFiは家族用のダイニングルームでかろうじて繋がる程度。
標高3500mの村でネットが繋がること自体奇跡と思いたい。

午前10時過ぎに綺麗な部屋に荷物を降ろして早々、村歩き。
車やバイクのクラクションがまったく聞こえない大自然の中で耳がキーンとする。
あまりにも静かな空間に入った時の症状である。
ゲストハウスを出るとすぐに仏塔が見えた。


ネパールなんかで見たマニ車にチベット圏を実感する。
右から左に回すと一周するごとに鐘の音が静かに響き渡る。


崖に立つゴンパは絵になる風景。
本物のチベットに行ったことはないけれども本物はもっとすごいのか。
あるいは、チベットよりチベットっぽいと言われるラダックの方が素晴らしいのだろうか。


小高いゴンパからムーンランドと呼ばれる月世界のような景色が見られる。


分厚い衣装に身を包み、しわが多いチベット系の老人やネパール人の若者がゴンパを訪れている。


チベット文化特有のカラフルな布の旗、タルチョー。
インドのダラムサーラやネパール、モンゴルでも見かけた。


靴を脱いで寺院の中も見る。
小坊主さんたちが可愛らしい。
ちなみに寺院内の撮影は禁止となっている。


曇っていた空から雨が降り出す。
高地の天候は移ろいやすい。
雨脚が強くなってきたので仏塔を見てから一度宿に戻った。


夕暮れ時からまた歩こうと思っていたら、
急に悪寒が走り、体がだるくて軽い頭痛もある。
じょじょに標高に体を慣らし、2700mのカルギルから3500mのラマユルに移動したのに軽い高山病。
初日はベッドで休むしかなかった。


軽い頭痛に苛まれ、連続的な浅い眠りと幻覚のような夢を繰り返した翌日。
宿のおじさんのドアのノックで目覚める。
8時から朝飯をゆっくりと食べる。
頭痛はなくなったが体はだるく、食欲も湧かない。
午前中しばらく部屋で休養をとっていると日差しが差し込んできたので出発。
青空が出ていると明るいラマユル。


ゴンパの向こうに昨日曇っていて見えなかった険しい山々を望む。


断崖絶壁に立つゴンパと山々が青空のコントラストで美しい。
まさにチベットで見たかった風景。


ゴンパからさらに小高い丘を登る。
瞑想センターがあるらしく、いくつかのストゥーパが見える。


風になびくチベットのカラフルな旗。


小高い丘で耳に入るのは風の音。
山道をゆっくり進むトラックのエンジン音以外に子供や女性の声が聞こえ、
断続的なマニ車の鐘の音がどこからか流れてくる。
たまに通り過ぎるハエの羽音が生命を感じさせる。



ときどき年配の方を見かける瞑想センターのさらに上に尖塔があるがアクセスできない様子。


瞑想センターを下り、別の方向からもゴンパを眺めて村の探索終了。


二日滞在したラマユルで夕焼けはお目にかかれなかった。
インド最北部のカシミール、ラダックの時計回りの周遊はレーにたどり着けば前半戦が終わる。










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