2014年9月2日火曜日

シンガポールでリトルマニラ、リトルヤンゴン、リトルバンコクを見る(2014年9月1日)

シンガポール滞在も2週間が過ぎ、
定宿もオフィス街のウォークホーム•カプセルホテルから
リトルインディア近くにあるB88ホステルに移った。
快適さと立地の良さからはウォークホーム•カプセルホテルが一番だが、
8日間滞在して、翌週分延長しようと思ったらネット予約では満室で、
レセプションに尋ねても空きはなかったので、
気分転換とリトルインディア周辺の探索もかねて
別のホステルにも泊まってみる。



B88ホステルは5階建てなので宿泊客が多く、
特に近隣国から多くの人々が訪れる週末はロビーが混雑しまくりであまり快適ではない。
ネットで予約すると、料金はウォークホーム•カプセルホテルとほぼ同じ1泊2000円。
正規料金は16人の半カプセルドミトリーで26ドル(2300円)。
B88ホステルでの2週間分、合計14泊分をネット予約する。
そして、宿代が高騰するF1シンガポールグランプリ滞在期間分9/18〜9/21は
ウォークホーム•カプセルホテルの1泊3000円を4泊分予約済みなので、
改めてB88ホステルからウォークホーム•カプセルホテルに戻ってからの1泊2000円、
12泊分もあわせてネット予約した。
これでシンガポールでの1ヶ月以上の宿泊先は確保できたわけだが、
その都度延泊分を払えた香港のチョンキンマンションやバンコクの安宿と違い、
ネット予約しないと安く泊まれないシンガポールは面倒。
バックパッカー泣かせの都市だけはある。


シンガポールは出稼ぎ労働者で成り立つ街。
あちこちの建設現場ではインド人やバングラデシュ人、
住み込みのメイドはフィリピン人、インドネシア人、ミャンマー人という。
つまり、安い賃金で外国人労働者を雇い、
経済の発展を促しているのがシンガポールらしい。
高収入のシンガポール人が発展途上国からの外国人を低賃金で働かせる。
なんとも言い難い、賛否両論のシステムである。

シンガポールにはこうした外国人労働者が集まる界隈や雑居ビルが多い。
たとえば、リトルインディアには出稼ぎ労働者と思われるインド人や
バングラデシュ人が集まる、なぜかプロレスをテレビで流す食堂があったりする。

また、香港同様、平日は住み込みで働き、
唯一の休みの日曜日にオーチャードロードに溢れるフィリピン人のメイドの数は凄まじい。
香港島のセントラルの日曜日がフィリピン人女性に占拠されている光景が思い浮かぶ。
香港セントラルで休日を友達同士で過ごすフィリピン人の台風の目がワールドワイドハウスという雑居ビルだったのと同様、
シンガポールのオーチャードロードにはラッキープラザというビルがある。
リトルマニラとも呼ばれているらしい。


平日はそうでもないが、日曜日のラッキープラザはメイドさんだらけで、
ビル全体にタガログ語がこだましていた。



ビルの中に沢山ある海外送金のカウンターはどこも長列。
メイドとして稼いだお金を祖国の家族に送っているのだろう。


また、ラッキープラザにはフィリピン人用のスーパーや美容室、
香港で懐かしのフィリピン食堂も多く、
どこも満席で座れない状態。
残念ながら、シンガポールのフィリピン食堂の料理はそう安いものではないので食べなかったけれども。


ラッキービルの最上階にはフィリピンではマクドナルドよりも人気の地元ファーストフード店Jollibeeがある。
ハチのマスコットが入口に立っているJollibeeの混雑さ、長列は
知らない人が見かければどれだけ有名な店なのだろう、と勘違いするかもしれない。
外国人の自分にとってはマクドナルドやKFCの方が好みに合うが、
フィリピン人にはたまらないナショナルフードなのだろう。



ラッキープラザには外国人が出入りするフィリピンパブもあったりして、
もはやビル全体がフィリピンそのもの。
リトルマニラと呼ぶには巨大すぎるフィリピン人御用達のラッキープラザだった。
ただ、安いフィリピン料理が食べられる香港セントラルのワールドワイドハウスと違い、
旅行者が何度も訪れる場所ではなさそうだ。


ラッキープラザに似たようなビルが市庁のすぐ近くにもある。
ペニンシュラ•エクセルシオールホテルの向かいの雑居ビル、
ペニンシュラプラザ。
ビルに入る前から分かるのだが、
看板の文字は視力検査に使われる丸のようなミャンマー語。
ビルに入ると、見た目では他の東南アジアの人々と区別がつきにくいものの、
喋る言葉はマレー語でもタガログ語でもタイ語でもなく、
どことなく控えめなミャンマー人ばかりだった。





メイドばかりのラッキープラザと異なり、
ペニンシュラプラザでは男女とわずのミャンマー人といった感じ。
ミャンマー行きの航空券を扱う旅行会社、ミャンマー食品のスーパー、
ミャンマー食堂に満たされた雑居ビルである。
売っている新聞や雑誌もミャンマー語。
ラッキープラザがリトルマニラなら、
ペニンシュラプラザはリトルヤンゴン。



また、ビルの通路にあぐらをかいてビールを飲んでいる男達がいるので、
ミャンマースーパーに入ってみると、
セブンイレブンよりはるかに安いビールが4ドル(340円)程度で売られていた。
ここで安い缶ビールを買って、近くのクラークキーやマーライオンがある石段で飲むのもいいかもしれない。


ビルの中には高めのミャンマー食堂ばかりだったが、
ペニンシュラプラザの地下はフードコートになっており、
しかもどの店もミャンマー料理という、
生まれて初めて目にするミャンマーフードコートだった。
ミャンマー人に混じって、ガラスケースのおかずを2品注文すると、
7ドル(600円)もした。
安いホーカーズでの中華料理、潮州料理のおかず3種類ぶっかけご飯が3ドル程度なので
2倍以上の金額に愕然。
それでも久しぶりに食べるミャンマー料理はおいしかった。



ペニンシュラプラザもリトルヤンゴンと呼ぶにはスケールが大きすぎる。
別の日の日曜日に再訪してみると、ラッキープラザ以上にミャンマー人が溢れていた。



日曜のミャンマー食堂では注文するのにも長列で、
整然としたシンガポールで東南アジアのカオスに触れた気がした。




フィリピン、ミャンマーときて東南アジアで忘れてならないのがタイ。
リトルマニラのラッキープラザ、リトルヤンゴンのペニンシュラプラザ、
そして、リトルバンコクのゴールデンマイル•コンプレックス。

ゴールデンマイル•コンプレックスはブギスの東、ビーチロード沿いにある。
控えめな雑居ビルのラッキープラザやペニンシュラプラザより巨大な感じがする。


ゴールデンマイル•コンプレックスの表にはバス会社が多く、
ここからマレーシアの各地やタイのハジャイ、バンコクまでバスが出ているようだ。
ビルの表にはバス待ちの人が多く、ほとんどがタイ人だった。


ゴールデンマイル•コンプレックスに入ると、
整然としたシンガポールから雰囲気ががらりと変わる。
地上階では半屋台風のタイ料理食堂が連なり、
タイ人がテレビで放映されているムエタイやタイ歌謡曲に熱中している。



ゴールデンマイル•コンプレックスはタイの地方都市やバンコクの郊外にある昔ながらのショッピングセンターの雰囲気が漂っており、
ナンプラーや香草、タイのスパイスの匂いが充満している。
さすがリトルバンコクのアイデンティティは違う。
タイ食堂ではタイ人だけでなく、地元シンガポール人も食べている様子。
だからか、バンコクの屋台のように気軽に入れる安さはなかった。



ビルの2階には巨大なタイ食材のスーパーがあり、
なんとタイのシンハビールが2.7ドル(220円)、レオビールが2.3ドル(190円)で売られていた。
もちろんタイに比べるとぼったくり価格だけれども、シンガポールでは最安値のビールのはず。


ビルの2階にはタイの田舎風歌謡曲が流れるカラオケバーがいくつかあり、
また、バーの外にテーブルを並べた半屋台風の食堂ではタイ人がビールを旨そうに飲んでいる。


ビルの通路に座り込んで仲間同士で瓶ビールを飲んでいる人達や、
缶のレオビールを片手に談笑している男達もいる。
ゴールデンマイルコンプレックスで戯れるタイの子供たちからもサバーイ、サバーイの空気を感じる。


リトルバンコクをぶらぶら探索していると、
5月、6月と2ヶ月間滞在していたバンコクのまったりとした空気が蘇ってくる。
自分も先のタイスーパーで安いシンハビールを買って、
エスカレーターを上り下りするタイ人を眺めながら缶ビールを飲む。
ショッピングセンターの中でビールを立ち飲みするなんて、
本場タイでも味わったことがないゆるゆる感である。
何かと規制が多いシンガポールで息苦しくなったらリトルバンコクを訪れればよさそうだ。



多国籍のシンガポールではまだまだ街歩きが飽きそうにない。







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