特にマリーナベイサンズまで徒歩30分以内なので、
光と音と水のショーのワンダフルをベイサンズのショッピングモール正面から5回、
マリーナの遊歩道、エスプラナード、マーライオン側から5回と合計10回も見てしまった。
それでも飽きないのは音響の良さや最新CGによるクオリティーの高さによるものだろう。
ギネスブック認定と言われている香港ハーバーでの光と音のショーを軽く越えている。
ワンダフルの無料ショーが行われるのは夜なので、
日中はいろいろシンガポールの街を見て回る。
安めのバックパッカー用ホステルがあり、
小綺麗なシンガポールの印象とは裏腹に少しばかり小汚く、
カラフルでエキゾチックなリトルインディア。
インド人街はクアラルンプールやペナン、マラッカ、バンコクなどで見て来たが、
シンガポールのリトルインディアは広がりがあり、活気に満ちあふれている。
昔ながらのリトルインディア•アーケードはお土産屋が多く、
インドに行かずしてメイド•イン•インディアの雑貨やアクセサリーを買えたり、
インドお馴染みの甘い菓子を味わえる。
むしろ面倒だけど楽しい値段交渉はリトルインディア•アーケードの方が本場インドより楽かもしれない。
それでもはるかにインドで買うより高いけれども。
これまた昔から安いシンガポールの土産や腕時計、化粧品などの日用品を買えるムスタファセンターも健在。
ムスタファセンターではマレーシア人やフィリピン人などの外国人が目立つ。
シンガポール土産としてのマーライオン型チョコレートやドリアン味のクッキー、
インド産の甘い菓子やインドネシアのインスタントラーメンを買えるのは分かるものの、
トルコのデザート菓子、「I LOVE LONDON」のTシャツやマグカップがあるのは笑える。
シンガポールに来て誰がロンドンのお土産を買うのだろう?
また、ムスタファセンター周辺は2002年に訪れたときから変わらずちょこっと控えめに怪しい雰囲気がある。
路地には昼間からテレビを見ながらビールを飲める屋台風酒場があり、
何をしているのか分からないインド系の人々が集っている。
置屋街が残っている。
ピンクの蛍光灯がついた路地裏に開け放たれたドアを覗くと、
薄暗いロビーにおばちゃんたちが座っている。
もちろん挙動不審のインド系の男性も昼間からぶらついていた。
リトルンディアの一番大きな通りはヒンドゥー寺院があるセラングーン通りだろうか。
ヒンドゥー寺院からセラングーン通りを南下していくと、
ローカルな市場、Tekka centerがある。
Tekka centerの中にはシンガポールのあちこちにあるようなホーカーズがあるが、
ここは珍しくインド系一色のフードコート。
中華系一色のホーカーズが山ほどあるシンガポールにおいて貴重な存在である。
4.5ドル(380円)のマトン•ビリヤーニは本場インドの味で美味しかった。
シンガポールのインド文化を満喫した翌日はプラナカン文化に触れてみる。
シンガポール東側にはカトンという地域がある。
カトンはプラナカン文化が垣間みれる街らしい。
ちなみにプラナカンとは、
「欧米列強による統治下にあった(現在のマレーシアを中心とする)東南アジアの各地域(ヌサンタラ)に、
15世紀後半から数世紀にわたって移住してきたマレーシアに根付いた主に中華系移民の末裔を指す」
とウィキ先生が教えてくれる。
バスに乗って、カトンのメイン通りらしいイーストコースト通りに行く。
それぞれの外観や窓枠のパステルカラーが可愛らしく、
よく見ると装飾も繊細な母屋が続いている。
プラナカンについてほとんど知らない人間でも十分見て楽しめる町並みである。
カトンは伝統的な文化の観光地というよりはグルメの街の雰囲気が漂っているように感じる。
やはりカトンでのメインの目的は名物料理のラクサだろう。
マレーシアでも何度も食べてきたラクサの特上版がカトンのイーストコースト通りにあるという。
「328 katong laksa」という店。
メニューもラクサのみという老舗の感じがする。
また、これまで食べてきたラクサとは異なり、
箸がないのでおかしいなぁ〜と思っていたら、
麺が短く切られており、れんげですくって食べれるようになっていた。
本場のラクサは食べ方からして違うらしい。
箸で長い麺をすするのとは違い、れんげで食べるとスープと一緒に食べれるので、
ココナッツの味が浸みて旨い。
また、クアラルンプールやペナンで食べた時も入っていた赤い貝に加えて、
エビの味が濃厚でエスニック料理感が出ている。
最後の麺を食べ終わる頃にはちょうどスープも完全になくなる具合だった。
ちなみに「328 katong laksa」は一軒だけではなく、
同じイーストコースト通りに何軒かあった。
カトンには他にもラクサが食べれる食堂があるし、
イーストコースト通りには他にも上手そうなご当地グルメがありそうなのでまた訪れたい。
マリーナベイサンズからマリーナへの遊歩道に設置されたサンデッキチェアで飲む。
夕暮れ時の高層ビル群を眺めながら飲むビールは格別であり、
かれこれ10ヶ月以上もアジアを自分の意志がおもむくままに旅して廻り、
自由に日々を過ごしているという圧倒的な贅沢さを実感できる瞬間でもある。
日が暮れてからは毎晩のように20時や21時半から始まるワンダフルのショーをあちこちで見たり、
マリーナベイサンズ裏側にあるガーデンズバイザベイでも行われている無料の光と音のショーを見たりした。
すでに一週間経ってもまったく街歩きがたまらなく楽しいシンガポールである。
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