2015年1月25日日曜日

カイコウラで海と山とオットセイを見る(2015年1月24日)

ニュージーランド旅行最後のハイライトはカイコウラ。
南島にはクイーンズタウンをはじめ、最高峰のクック山、湖、氷河、フィヨルドなどがあり、
とても3週間ですべて見て回れない。
すでにクライストチャーチからシドニーへのフライトを1月27日で予約しているので、
ニュージーランド滞在の延長は不可。
そもそも物価がオーストラリアよりも高い国をこれ以上個人旅行するのは厳しい。
南島の残りは将来の楽しみとして潔く残り数日のニュージーランドを楽しもうと思う。

カイコウラは真夏のハイシーズンに混み合う観光地らしい。
海と山があり、高い料金を払ってツアーに参加すればクジラに出会えるという。
ただでさえ物価高のニュージーランドでヘリコプターツアーや
ホエールウォッチングのクルーズは無理なので、
見晴し台から運良く目の当たりにできればと願う。

ピクトンからインターシティバスに乗って、2時間でカイコウラに到着。
南太平洋に沿った海岸線を走るバスの車窓からはすでにオットセイが見えテンションが上がった。
が、カイコウラに到着してまもなく曇り始める。
スーパーで買った韓国インスタントラーメンを遅いランチにして
外に出るとなんと小雨が降っていた。
雨は夜まで降り続け、いきなり幸先の悪いカイコウラ初日となった。




翌日には雨が上がり、朝から晴れ渡っている。
昨夜灰色だった海も乳白色の青色で明るい。
ただまだ雲は残っており、山々の頂は見えない。




さっそく朝から
…正確には寝坊したので11時近くから南東に突き出した岬へ歩いていく。
岬の東端にオットセイのコロニーがある。
距離にして4〜5キロだろうか。
ミルキーブルーの海を見ながら歩くのは開放感があり、
距離を感じさせない。
クジラの骨のモニュメントがあったり、海を見ながらのんびり寛ぐ老夫婦がいる。
何年経っても仲良しで一緒に休暇を過ごせる夫婦はうらやましい。





1時間半ほど歩いて東端のオットセイのコロニーに到着。
多くの観光客は自家用車やレンタカーで訪れるらしく駐車場には子連れの家族が多い。
真夏のニュージーランドでは忘れがちだけれど、
西欧ではクリスマスから続くスクールホリデーが1月下旬まであり、
ニュージーランドの子供たちにとっては夏休み中。
どうりでニュージーランド旅行中に遊んでいる子供をたくさん見かけるわけだ。

駐車場近くの入口には看板がある。


英語ではオットセイをfur sealというらしい。
正直に言うと、このときまでオットセイとアシカ、アザラシの違いが分からなかったので、
慌ててその場でネット検索した。
カイコウラに生息しているのはアザラシやアシカではなく、
オットセイということで間違いないようだ。
ちなみにオットセイは耳があり、鼻が若干尖っているらしい。

小高い丘から離れて干上がった岩場を歩く。


岩場周辺にオットセイの姿はなく、海に近い遠方に進んでいくと浅瀬になる。
満潮時だと深そうだが、干潮なのでジーンズのすそをたくし上げて水に浸かって歩く。
サンダルで来て正解だった。



やがて浅瀬で寝そべっているオットセイが見えてくる。
威嚇しないようにゆっくりと近づく。
看板にも10メートル以上近づくなと記載されているとおり、
写真を撮れるまで近づくと逃げてしまった。



別の岩場に歩いていくと、いきなり寝そべっているオットセイが現れて逆に驚く。
起こさないように静かに眺める。
一見死んでいるように見えるけれども、
胴体がゆっくりと膨らんだりしているので一安心である。




愛嬌のあるオットセイは見ているだけで癒される。





浅瀬が深くなる前に駐車場付近に戻ってから丘のトレイルを歩く。
岬は南アフリカのケープタウンの背景であるテーブルマウンテンのように丘陵が海岸線を境にテーブル状に盛り上がっている。
一度、上まで登ると平坦なトレイルコースとなる。
子連れの家族が楽しそうにハイキングしている。




クジラを探しつつ、大海原を眺めることも忘れない。
せめてイルカでもと願うものの、目にするのは海水から突き出た岩山だけだった。
岩は海面から現れたり沈んだりするので紛らわしい。
おっ、と一瞬目を見開くもすぐに失望に変わってしまう。



ふと背景の山々に目を向けると、
午前中は完全に雲に覆われていた雪山の頂上がちらほらと見える。
雲が東側に流れていくにつれ、じょじょに景観が明らかになっていく。





クジラ探しは半ば断念して山を眺めながらテーブル上のトレイルコースを歩いた。
牛が戯れる牧歌的な草原に雄大な山々。
カイコウラはこれだけで十分と感じてしまう。





一度町外れにあるホステルに戻り、
夕方再びテーブル状の丘陵を歩き回る。
日が沈むのは21時直前で、20時頃から西日に照らされた草原がゆったりとした時間を演出してくれる。



また、高台から一望できるカイコウラも見とれてしまう。
弧を描いたミルキーブルーの海辺に雪を被った頂を持つ山々。


大きく傾いた西日を浴びる高台の花々は幻想的でもあり、
のんびりと帰路へ歩いていく牛の姿が哀愁的でどことなく北海道の田舎の風景を思わせた。






カイコウラからクライストチャーチに移動すれば充実していた20日間のニュージーランド旅行が終わり、
クライストチャーチからシドニー、
シドニーからシンガポールへと飛んでいくことでオセアニアの旅にピリオドが打たれる。
13年ぶりに訪れたオーストラリア。
ニュージーランドへの再訪は何年後になるのだろうか。







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2015年1月21日水曜日

ウェリントンからクック海峡を渡りピクトンへ(2015年1月21日)

温泉の鮮やかな色に魅せられ、自然の神秘を堪能したロトルアの次はウェリントンへ。
ウェリントンはニュージーランドの首都であり、
この旅においてニュージーランド北島最後の街。
ウェリントンからフェリーでクック海峡を渡って南島に移動し、
ニュージーランド旅行後半の8日間を過ごす。

ウェリントンはロトルアから来ると都会であり、
オークランドより小さく人口が少ないにもかかわらず、
街の中心がコンパクトにまとまっており凝縮されているからか活気があるように感じた。
モダンな建物が多く、洗練されている。
なんだったかのランキングで世界で一番クールな小さな首都と言われているだけはある。





首都ウェリントンの見どころのひとつに映画「ロード•オブ•ザ•リング」ロケ地のマウント•ビクトリアがある。
頂上へと続くトレイルコースの一部に「ホビットの隠れ道」というトレイルもあった。
三部作を見たのは昔なのでどのシーンで出てきたかは覚えていないが、
樹木におおわれた道を歩いていると確かに映画の舞台のような気がしてくる。




マウント•ビクトリアそのものも名所らしく、
頂上からはウェリントンの街並を360度一望でき、
山際に沈んでいく夕日が美しかった。





風が強い街と悪名高いウェリントンではときおり暴風にあおられながら歩き回り、
ニュージーランド北島最後の街として3日間過ごした。


南島にはブルーブリッジ会社のフェリーで向かう。
フェリーチケットはネットで事前に予約して53ドル(5000円)だった。
ウェリントンからピクトンまで3時間半ちょっとの航海。
2ヶ月前にいたインドネシアでは1000円以下で20時間以上のフェリーに乗れただけに高い。
当日の出発は午後1時半、チェックインは正午半だけれども、
宿を10時にチェックアウトしてからWi-Fiが繋がるブルーブリッジのフェリーオフィスでのんびりと待った。

チェックインし、バックパックを飛行機に乗るようにカウンターで預けてから再び待ち、
搭乗アナウンスが流れてからゲートをくぐって外に出る。
クック海峡を縦断するフェリーは意外にも小さいものだった。


料金が高いだけあって船内は清潔である。
どことなく今回の世界周遊の始まりである福岡から釜山へのフェリーを思い出させた。


乗ってもなかなか出航しないのが船旅ではあるが、
ブルーブリッジのフェリーはすぐに出航。
先進国のフェリーは違う。
早く船に乗り込み、窓際の席を確保したのでウェリントンの入り江を存分に見渡せる。



船旅はのんびりしていていい。
雲海や地上を見渡せる飛行機の旅や車道に沿った風景を堪能できるバスの旅も大好きだけれども、
ひたすら青い海をゆったりと満喫できるフェリーの移動もまた格別。
残念ながら船内の食事やスナック、ドリンクは高いので、
手持ちのクッキーを食べながら3時間の船旅を味わった。

ニュージーランドの南島に近づいてまもなく、
フェリーはマールボロサウンズと呼ばれる海岸線が複雑な入り江に入っていく。
両側に迫る入り組んだ山々と海面が落ち着いた水色の海が美しい。
マールボロサウンズのクルーズが堪能できるのもこのフェリーの移動のメリットだろう。





3時間半ちょっとのクック海峡縦断クルーズの幕切れは早い。
山々に囲まれた入り江が美しい小さな港町ピクトンに到着する。

ピクトンは想像をはるかに超える小さすぎる港町で数本の通りと小さな図書館、
大きなスーパーがひとつ、パブやカフェ、レストラン、モーテルが数軒並び、
10分もあれば歩き回れるほどこぢんまりしている。





とはいえ、夏のニュージーランドはハイシーズン。
小さな港町をたむろする観光客は多く、
ヨットが停泊するハーバーはちょっとした観光地を思わせる。
宿泊したアトランティス•バックパッカーズはドイツ人、フランス人で溢れ返っており、
窮屈なキッチンは自炊していて不快でならなかった。
もちろんキッチンのラッシュアワーは外して夕飯を作り、
夕暮れ時は静かな水辺で過ごす。




ピクトンの唯一の見どころは雄大なマールボロサウンズの山々。
夕暮れ時に午後8時の西日に照らされる雄大な景観を前にこれだけのためにピクトンに来て良かったと思う。




ピクトンでは貝殻が緑色のムール貝が有名らしい。
スーパーだと1キロで5ドル弱。
緑ムール貝6個で160円と格安だったので、韓国インスタントラーメンに入れて夕食にした。
食費がオーストラリアより高いニュージーランドなので自炊で美味いものを食べたい。




翌日はマールボロサウンズの風景を堪能するためにちょっとしたトレッキングをしてみる。
ピクトンのハーバー近くにトレッキングコースの入口があり、看板がある。
片道2時間ちょっとなので4時間以上はかかりそうだ。


トレイルコースは山肌に沿ってひたすら歩いていく。
陽光は強いが木々に覆われた山道なので快適である。
サンダルでも普通に歩ける道だけれども、落ちている枝に引っかかった擦り傷を負ってしまう。



しばらく進むとBob’s Bayという波が穏やかで透明な湾が現れる。
犬を泳がせる人がいたりと憩いの隠れ家スポットである。
トレイルを歩き始めてまだ30分だがついつい寛いでしまった。



再び山道に入り、小高い場所に出るとピクトン周辺の入り江を見渡せる。
青さと緑のコントラストがよく、朝早い時間からの海岸線歩きは開放感がある。



が、途中から岬の端、snout viewまでが遠かった。
山道を覆う樹海も深くなり、景色も隠れてしまう。
何度も引き返そうかと思ったが、とにかく前進して2時間強かけて端っこのsnout viewにたどり着いた。
いきなり目にしたのはダイビング中に亡くなった日本人の石碑だったりする。
20代の後半で亡くなり、どういう経緯で石碑が造られたか分からない。



先端のsnout viewからの眺めは確かに雄大だったが、
すでに途中のポイントからマールボロサウンズの入り江を見てきただけに
あまり感銘は受けないのが残念だった。



海のグラデーションとクック海峡へと続く遠景を眺め、来た道を引き返す。
ひたすら歩いたからかピクトンまでは2時間かからなかった。

ニュージーランド南島の最初の町としてピクトンに滞在するのは悪くない。






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