2015年6月28日日曜日

モンゴル大草原、ゴビ砂漠ツアー初日

モンゴル旅行のハイライトとしてゴビ砂漠ツアーに参加する。
ゴビ砂漠ツアーは3、4日の短い日程ではなく、一週間に及ぶものであり、
観光バスで名所を廻るツアーと異なり、道なき草原をバンで進み、
シャワーやトイレがない遊牧民家族のゲルに寝泊まりするアドベンチャーに近いものらしい。
せっかくモンゴルに来たのだから遊牧民家族のゲルに泊まってみたい。

北京から2泊3日かけてたどり着いたウランバートルではホンゴル•ゲストハウスに滞在。
家庭的なゲストハウスでドミトリー8ドル。静かで居心地いいゲストハウスだった。
ホンゴルゲストハウスにてゴビ砂漠ツアーを申し込むもなかなか人数が集まらず、
6〜7泊のツアーで1日70ドル以上と料金も高かった。
どうしようかと悩んでいたところ、
同じドミトリーでアジアを周遊しているマレーシア人と出会い、
ツアーを申し込むなら西洋人が多く宿泊しているゴールデンゴビ•ゲストハウスが安くて良いと教えてくれた。
別のゲストハウスのツアーを申し込むのは気兼ねしてしまうものの、
実際にゴールデンゴビ•ゲストハウスに立ち寄ってみると、
7泊8日で440ドルのゴビ砂漠ツアーのオファーがあった。
もちろん440ドルでもまだ高いけれども、
1日平均55ドルで3食付き、ゲル滞在なので割高でなさそう。
それよりも不安なのは7泊8日というツアー日程の長さ。
当初は3泊で十分と思っていたのに本格的なアドベンチャーになりそうだ。


ゴビ砂漠ツアー初日。

ホンゴル•ゲストハウスをチェックアウトし、
ツアーを申し込んだゴールデンゴビ•ゲストハウスにバックパックを預かってもらう。
メンバーは天童よしみを思わせるモンゴル人ガイドのナッサ、
英語は喋れないがまじめなドライバーのバットボール、
フランス人女性旅行者2人。
フランス人は高校時代からの友達同士であり、
モンゴルと中央アジアを周遊中のミレンと二週間の休暇を利用してミレンに会いに来たアンナ、ともに26歳。
久しぶりの友達との再会で盛り上がっているミレンとアンナのフランス語の会話に加わる余地はなかなかない。

自己紹介の後、食料や水、寝袋を載せたバンは出発。
しばらくウランバートル市内をぐるぐると廻り、
給油を済ませてゆっくりと広大なウランバートルから離れていく。
ウランバートル郊外も市内と同じく高層アパートの建設ラッシュが進んでいる。


ウランバートルから出ると早くも草原が広がり、
ゲルがぽつぽつと見えてくる。
遊牧民の移動式住居、ゲルはモンゴルのイコンのようだ。
草原で戯れる馬や牛に人間よりも動物の方が圧倒的に多いモンゴルを実感。




初日の午前中からして待望のモンゴル大草原とご対面。
広大な丘陵に無数の羊、ヤギが密集しており、
何もない大草原にゲルだけが唯一の人工物として存在している。




最初のランチタイム。
いったいどんなところで食べるのだろうと思っていると、
バンはアスファルトの道路を外れて草原に突入。
大自然一色の丘陵にて昼食を作ってくれるそうだ。
ウランバートルからそう離れていないため6月上旬でも肌寒い中、
ナッサがコンロで調理してくれるランチを待つ。




なかなか美味しいモンゴル風炒麺を食べる。
遠方の馬の群れを見ながらのランチは贅沢である。
このツアーでは当然8日間インターネットなし。
iPhoneやパソコンの画面ではなく、
果てしなく広がる草原を眺めていると視力も良くなりそうな気がする。





ランチタイム終了後、バンはひたすら南下し、
やがてアスファルトの道路から外れて草原に入っていく。
車のタイヤの跡だけを頼りに目印もない草原を運転するドライバー、バットボール。
モンゴル人の脳にはGPSが蓄積されているので目印のない草原でも迷わないそうだ。
初日のハイライトとしてマッシュルーム岩の密集地帯や自然の中の寺を訪れる。
7泊8日のツアーはゴビ砂漠だけを廻るのではなく、途中の名所にも寄ってくれる。
そもそもメインのゴビ砂漠に到着するのに2日かかるらしい。






まだまだ太陽が高い位置を漂う18時頃に初日の宿に到着。
モンゴル旅行のメインといえる遊牧民のゲルを初めて目の前で見る。
紛れもない本物のゲルである。
バンを降りて早々、なつっこい遊牧犬が近づいてきた。




まずは遊牧民家族のゲルに通され、
羊のミルクで作ったヨーグルトを頂く。
遊牧民の小さな男の子と女の子が恥ずかしがりながらもちらちらと見てくる。




ゲルに住む小さな男の子と女の子のそれぞれの両親は友達同士だそうで、
2家族のゲルとゲスト用のゲル、合計3つのゲルが並んでいる。
大人3人が横になれるのがやっとのゲルなので、
ナッサ、バットボール、ミレン、アンナを含めて5人が家族と一緒に寝泊まりできるはずもない。
想像していた遊牧民家族と一緒に一つ屋根の下、ゲルで過ごすというのは難しそう。



ナッサが遊牧民家族のゲルで夕食を作ってくれている間、
フランス人女性2人と泊まるゲスト用ゲルに荷物を運ぶ。
普段は子供達が使っているのか、
ぬいぐるみが置かれたタンスがあったり、可愛らしい内装である。
モンゴル人が信じる仏教はチベット仏教と同じそうで、チベット風の額も飾られている。




生まれて初めてのゲル周辺も探索。
水道や電気は当然なく、それでもテレビはある。
ソーラーパネルや衛星テレビアンテナを設置していたりとモダンな部分もある。
トイレはゲルから離れたところにある掘建て小屋
…ではなく、その隣の板で囲まれた穴だった。



もう一つ新たにゲルを設置するというので、家族の組み立て作業を見せてもらう。
ゲル一式セットの中から支柱、囲い柵などを次々と組み立てていき、
1時間ちょっとで白いビニールを天井に被せるまでに至った。
職人技を見ているようだった。




ナッサが作ってくれた羊肉入りのスープ麺の夕食を終え、日の入りは22時近くなので草原を歩き廻る。
羊たちの群れはすぐ近くにいるように見え、歩いて近づいてみるとかなり遠い。
モンゴル大草原に距離感覚が狂い始めている。





夕暮れ時の大草原で立ち止まってみる。
羊たちの声、風の音、女の子の泣き声が聞こえるだけで車や電子音は一切ない。
見渡す限り樹木がないからか、鳥のさえずりや虫の音も存在しない世界。
風がやむと耳がキーンとするような極限的な静寂がある。




念願のゲルにも泊まれ、初日から大満足のモンゴル大草原、ゴビ砂漠ツアーになった。
実際に砂丘が現れるのは4日目なのでまだまだ先が長い。






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2015年6月21日日曜日

北京からウランバートル、列車とジープでモンゴル国境越え(2015年6月4日)

北京からウランバートルへは料金が高いシベリア鉄道の直通列車ではなく、
中国側の国境の町エレンホトまで列車、国境越えのジープ、
モンゴル側の国境の町ザミンウードからウランバートルまで夜行列車で向かう。
料金も北京駅11時22分発、エレンホト21時半着の寝台列車が130元(2600円)、
エレンホトからモンゴル国境越え、ザミンウード行きの乗り合いジープが100元(2000円)、
ザミンウード18時5分発、ウランバートル翌朝9時着の寝台列車が35000トゥグルグ(2400円)
と合計7000円で済む。
途中エレンホトに一泊する二泊三日の移動となる。


毎日30度越えの北京にて8日間滞在し、飽きずに街歩きを楽しんでいよいよ出発。
北京駅11時22分発の列車なので、ラッシュアワーを避けた9時過ぎにMini Meカプセルホステルを出る。
ラッシュアワーを避けても混み合っている地下鉄をバックパックを背負って乗るのはしんどく、
そういえば東京の満員電車にバックパックを持ち込んだことはなかったなぁ、と思い出す。
東京の平日の朝晩に比べれば北京の地下鉄の方がましな気がする。

予定より早く北京駅に到着し、セキュリティチェックを終えて駅構内のプラットホームへのゲート近くに行くと西欧人が多かった。
自分が乗るエレンホト行きの車両はシベリア鉄道の列車K3に付け加えられたもの。
お金持ちそうな西欧人はウランバートルを経由してモスクワまで行くのだろう。
11時にゲートが開き、西欧人やモンゴル人とプラットホームに降りていく。


前方の車両は確かにシベリア鉄道の列車だった。
今回の世界周遊中にロシアに行くのであればシベリア鉄道に一度乗ってみたい。


エレンホト行きの車両のほとんどがモンゴル人。
中国人というより韓国人に顔つきが近い人々が乗っている。
言葉は通じないが同じコンパートメントのモンゴル人男性2人は気遣いしてくれる方だった。
モダンなビルと古く朽ち果てた建物のギャップが北京らしい車窓を眺める。
北京郊外に出ると寝台下段のおじさんが寝るというので自分も上段に登り仰向けになった。


目覚めたときにはトンネル内を通過しており、開いた窓からの風が肌寒い。
日中35度に達する北京をすでに離れたのを実感する。
車窓にはやたらと建設中のビルが多い街並が広がっている。
あるいは建設途中で放置されたコンクリートの塊かもしれない。
中国では辺境の小さな町にも高層ビルがあり、建設中の真新しい建物は蜃気楼にさえ見える。


小腹が減ってきた頃、列車内を歩いてみると西欧人のグループがディナーを食べる食堂車はあったものの、
弁当やカップラーメンの車内販売は見かけなかった。
モスクワ行きの車両に足を踏み入れてみる。
レトロな雰囲気が漂い、コンパートメントの中も簡素なエレンホト行きの車両とは違う。


なかなか日が沈まない夕暮れ時、車窓の風景は内蒙古省の大草原であり、
すでにモンゴルに入ったような錯覚さえ覚える。


寝台列車では昼間から眠り過ぎで10時間を感じさせない列車旅だった。
日も完全に暮れ、21時半にエレンホトに到着する。
中国の辺境の町、モンゴル国境にほど近いエレンホトの夜は半袖だとさすがに寒い。
これまでの中国で見たことがないようなこぢんまりとした駅前に出ると、
多くの乗客は知り合いの出迎え車やタクシーで去っていく。
自分は駅前に並ぶ旅館の赤いネオンに向かって歩き、
おばさんに呼ばれるまま一軒目の旅館に入る。
30元(600円)とこれまでの中国ではなかった安さ。
3つのベッドが無造作に置かれた部屋は広々として悪くなかったが、
3つのうち2つはシーツが交換されていないようだったし、
30元という格安さからシャワーなど体を洗う場所はない。
洗面器があり、食事を終えて戻ってから頭と顔だけでも洗おうとしたら蛇口から水さえも出なかった。
水溜めのバケツはあるものの、ムカデの死骸が浮いており顔を洗う気になれず。
エレンホト駅前の小さな旅館は寝台列車とさほど違いがなかった。




日中寝台列車で眠りまくったのにエレンホトの静かな旅館で熟睡。
朝は蛇口から水が出たので顔を洗うことできた。
9時前に起きると小雨が降っていたが予定通り宿を去る。
エレンホト駅から3ブロック南東に下り、
3ブロック南西に下った広場東の角の反対側から国境越えのジープが出ているらしい。


広場反対側のホテル前にジープの停留場があった。
何台かのジープが到着してはモンゴル人数人が降りて停留場近くの市場に消えていく。


バックパックを背負ってうろうろしていると女性に声をかけられ、
ザミンウード行きのジープにバックパックを入れておく。
人が集まってからの出発なので雨宿りをしながらのんびりと待った。



なかなか人が集まらないのでジープの窮屈な後席に座ってうたた寝。
目覚めるとすでに11時で、2時間近くも待たされていたことになる。
ようやく小柄な女性3人が荷物をたくさん持って現れて出発した。

中国側の国境にはすぐにたどり着き、
バックパックをジープに置いたまま小柄な女性3人とイミグレに歩いて行く。
他に国境越えの人はいないのかガラガラのイミグレ。
荷物チェックもあるようでないもので、
パスポートにスタンプを押してもらってあっさりと中国を出国した。
出国口を出てしばらくするとジープがやってきて再び乗り込む。
助手席には簡易椅子が置かれているだけで、
小柄な女性が座るたびに背もたれからひっくり返ってみな笑っている。
緊張感がまったくない和やかな国境越えである。

モンゴル入国も簡単でパスポートにスタンプを押されるのみ。
バックパックは終始持ち運ぶ必要なく楽な中国〜モンゴル国境越えとなった。

漢字の世界がキリル文字に変わり、言語が読めない新しい国に入っていく。
ザミンウード駅前でジープを降り、女性ドライバーに100元払って別れる。
モンゴル人は顔つきが日本人に近いとはいえ、
ファッションはロシア風だったり、数年前の韓国のようだ。
中国の町に比べると小さ過ぎるザミンウード駅。


すでにモンゴル国境のイミグレのATMでモンゴル通貨のトゥグルグを引き下ろしていたので、
駅近くの切符売り場の建物二階でウランバートル行きの列車チケットを購入する。
18時5分発なので6時間近くの待ち時間がある。
と思っていたら、モンゴルはサマータイムらしく5時間の待ち時間に縮まった。
モンゴルと日本はかなり離れているのに同じ時差とは不思議な感じだ。

モンゴル初料理は駅反対側の食堂で適当にキリル文字メニューを指差して出てきた炒めた麺。
パッタイのようだがとにかく大ボリュームで夜行列車に備える。


バックパックを背負ってザミンウードを歩き回る気にもなれず、
切符売り場の建物の待合室でのんびりと待つ。
慢性的な睡眠不足なのか、再び居眠り。
前日の寝台列車でも寝て、エレンホトの旅館でも熟睡、
午前中のジープ出発待ちでも眠ってばかり。

17時頃には濃厚な青い空の下、緑色の長い列車が待っていた。


20車両以上あり、自分は3車両目。
どういうわけか中国人の団体グループと一緒の車両で、
モンゴルに働きにいくのか男性ばかりの団体は大声で喋っているものの、
はしゃぐこともなく、スマホでゲームをしたり、カップラーメンを食べていた。

18時5分の定刻通り出発早々、車窓にはモンゴルの大草原が広がる。
そう、これが見たくてモンゴルに来たと言っても過言ではない。


ひたすら大草原を眺められる列車は贅沢そのもの。
スマホでゲームをしていた中国人もぼんやりと車窓に見入っている。
すでに西日が大きく傾いており、列車の影が草原に落ちている。



日が暮れる時間が近づくと、カメラを持って車両の連結部分に行き、
大草原に落ちていく太陽を見続けた。
途中、モンゴルには欠かせない移動式住居のゲルが見える。
馬に乗って家畜を世話する遊牧民も見える。
大草原にぽつんとたたずむ遊牧民のゲルに一度泊まってみたい。




列車が停車する町は町というより草原に点在する集落に近いかもしれない。
名も知れない町だけれども途中下車してみたくなる。



こんなに広々とした土地があるのに駅の近くには3階建てのアパートがあったりする。
草原では子供達が遊び回っている。



21時を過ぎてようやく日が沈んでいく。
モンゴルの地平線に沈む夕日が見れただけでもこの夜行列車に乗った価値がある。
二週間のモンゴル旅行の初日からして幸先がいい。





日が暮れてからは急に寒くなり、
毛布にくるまって列車と線路が織りなすリズムに身をまかせながらウランバートルに翌朝到着するのを待った。





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