2015年6月7日日曜日

10年ぶりのヤンゴンからバンコクへ(2015年5月13日)

2週間ちょっとのミャンマー旅行最終目的地のヤンゴン。
ヤンゴンからエアアジアでバンコクに戻る。
そして今回のバンコク滞在にて2014年3月ラオスから始まり、
オーストラリアとニュージーランドを挟んで合計1年間過ごした東南アジアを舞台とした住み渡りが終了する。
今後はバンコクから北京、モンゴル、中国西部、中央アジアとユーラシア大陸を横断していくので
快適で愛着が湧く東南アジアと完全にピリオドを打つ。


本格的なミャンマー周遊は今回が初めてだけれども、10年前にヤンゴンを訪れている。
ロンドンからバリ島まで9ヶ月以上かけてユーラシア大陸を西から東へ横断していた2005年、
インドのカルカッタからバンコクに飛ぶ際に当時のミャンマーの首都にストップオーバーした。
ヤンゴンとバゴだけの7日間の滞在にもかかわらず
インド亜大陸から東南アジアに変わっていくグラデーション的な国としてのミャンマーを見た気がする。
特にインド、バングラデシュで浅黒く彫りの深い顔立ちの人々にもまれて旅した末にミャンマーにやってくると
人々は日本人の顔つきに近く、性格も穏やかで、ようやく東南アジアに戻って来たと実感したものである。
また、イラン、パキスタン、バングラデシュと続いたムスリム世界から仏教国にたどりつくと安堵感も滲み出る。
イスラム教徒は親切な人が多いが厳格な宗教観にストレスが生じることも何度かあった。

あれから10年が経ち、ミャンマーの観光地バガンやインレー、
田舎の風景に触れた後にヤンゴンを再訪する。
2005年ミャンマーの首都だったヤンゴンはその機能をネーピードに受け渡したとはいえ、
建設ラッシュを迎えているというミャンマーの都市に期待感が湧く。

チャイティーヨーからエアコン付バスで5時間以上かけてヤンゴンのバスターミナルに到着。
チャイティーヨーで一緒だった日本人と街中のスレーパヤ行きのバスに乗り込む。
窓全開のオンボロ中古バスは日本製。
日本と反対の右側通行のため乗降口が車体右側に移された改造中古バスが走っているなんて
当時の製造者は想像すらできなかっただろう。
10年ぶりのヤンゴンは交通量が多くなったけれども、
いまだ高層ビルはたいしてないし、
路上は2005年と同様小汚いままで目につく変貌ぶりは感じられなかった。



以前3ドルで泊まれたホワイトハウス•ホテルは当然値上げされており、
今回はスレーパヤ近くのオキナワ•ゲストハウスへ。
新しくできたオキナワ2は割高で、オキナワ•ゲストハウス旧館に5泊する。
ドアがなく、下宿部屋のようなカーテンつきのシングルルームで12ドル(1450円)。
最初から最後まで値段が割にあわないミャンマーのゲストハウスだった。
部屋にカギはなく、カーテンで仕切っているだけでセキュリティーに不安はあるものの、
仏壇が置いてあるので盗難の心配はないはず。
バンコクに戻るまでの5日間、オキナワ•ゲストハウスで猛暑を避けて休養をとる。



久しぶりに満足できるWiFiの回線速度があり、
バンコクの次の北京、モンゴル行きについて情報を調べつつも
40度を超えない午前中と夕暮れ時にヤンゴン街歩きをする。
イギリス植民地時代の建物が並ぶ旧市街は10年の歳月をまったく感じさせない。
むしろコロニアル調の建物の壁はより小汚くなったようだ。



人々は2005年と同様地面に露店を出し、野菜や携帯電話を売っていたり、
屋台で食事をしたり、路上カフェで談笑している。




幸か不幸か人々も当時のまま。
人力車が走り、頭に売り物を載せた女性が歩き、プラスチックの椅子に座って作業している人がいる。
想像していたスーツ姿のサラリーマンやOLは見かけず、都会でもロンジーを巻いている人がほとんど。
ここまで変化していないと安心してしまうから可笑しい。




何よりの安堵は人々の穏やかさ、純粋な笑みが変わっていない事実。
カメラを向けても変な目を向けられることなく、微笑み返してくれるのがただただ嬉しく癒される。
ミャンマーの田舎からやってきても都会的な冷たさに悩まされないヤンゴン。
都市の発展に人々の純粋なスマイルが飲み込まれなければ、と自分勝手に思ってしまう旅行者である。




前回訪れたとはいえ、イルミネーションを見るためにヤンゴン最大の観光スポットのシェダゴンパヤ再訪。
8000チャット(900円)に入場料が値上げされているのは目をつぶり、境内へ。
西洋人や中国人の観光客、ミャンマー人の訪問客で溢れている。



夕暮れ時の仏塔はもちろん、黄金のイルミネーション、
ロウソクの炎に囲まれた仏塔も暑い夕暮れ時に汗をかきながら歩いてきた価値がある。





ヤンゴン滞在は5日間あり、あてもなく旧市街をぶらついたり、
観光客が集まるお土産、織物、金銀宝石マーケットを冷やかしたり、
一周するのに3時間もかかるヤンゴン環状線に乗ったりする。
見どころが少ないと言われるヤンゴンでも特に目的を決めずに歩き回っているだけで面白い。
これまで1年半のうち1年に及ぶ住み渡りの舞台となった東南アジアの最後をヤンゴンの街歩きで締めくくる。
ヤンゴンからバンコクに戻れば北京に飛ぶまでの2週間、また怠惰で居心地のいい日々がまっているのだから
猛暑と戦いながら東南アジアの旅を満喫したい。
むろん午後1〜5時はゲストハウスでくたばっているけれども。
ヤンゴンの路上で流れる空気はどこまでも穏やかで気だるく、東南アジアの象徴のようだった。








5月12日。
2週間ちょっとのミャンマー周遊を終えてバンコクに飛ぶ。
楽しかったミャンマー旅行を振り返ったり、
快適さに溺れるためにバンコクの時間を一時停止したいけれども、
旅の時間は無情にも同じスピードで過ぎ去っていく。
旅人は次の国の下調べ、準備をしつつ今現在という時間を大切に過ごすことしかできない。
前にしか進めない旅だからこそ、過ぎ去っていく土地、思い出が愛おしく感じる。
次回いつ戻れるか分からないバンコクでも時の流れに身をまかせて100%旅世界を満喫したい。







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