2015年9月13日日曜日

タシケントからシルクロードの中心サマルカンド、青い古都歩き(2015年9月5日)

ウズベキスタン最初の町テルメズから夜行列車でタシケントに移動し、
3泊したタシケントを特急アフラシアブ号で去り、サマルカンドに到着する。
北京〜モンゴル〜西安から始まったシルクロードの旅の中間地点。
サマルカンドを見るために中央アジア経由でユーラシア大陸横断していると言っても過言でないかもしれない。



ウズベキスタンの首都タシケントにてカザフスタンのアルマティで会い、
これまたビシュケクのサクラゲストハウスで10日以上一緒に過ごしたバンコク在住のまささんと再会。
ドシャンベにてビシュケク初日からずっと一緒だった神戸出身の誠さんと別れてわずか3日、
再び日本人旅行者と旅の道程を共にする。
タシケントの最初の夜、宿泊中のアートホステル近くの韓国料理店で美味いサムギョプサルとチゲ鍋で再会を喜んだ。


独立記念日を挟んだタシケント3日間は人通りの少ない市街を歩いたり、
375mのタシケント電波塔を見上げたり、旧市街の市場をうろついたりした。
9月に入り気温が下がったタシケントは歩きやすい。
先月まで最高気温48度あったのがうそのようで、むしろ朝晩は長袖がないと肌寒い。




いかにも旧ソビエト風で体温が感じられない無機質な建物が点在するタシケント。
9月2日の独立記念日はまるでゴーストタウンのように閑散としていた。
地下鉄に乗る際の荷物チェック、パスポートチェックが面倒。
チェックというより警官の暇つぶしにつき合っているようだ。



独立記念日が終わると一変するタシケントの街並。
白いワイシャツやブラウス、黒いズボンにスカートの学生が目立つ。
思えばキルギスタンに入国して以来ずっと夏休みだったので学生服を初めて見る。
人通りが少なかったタシケントに学生が増えて急に人間味の溢れる町になったようだ。



また、タシケント2日目の夜、つまり独立記念日の夜にアートホステルへ日本人が6人やってきた。
2人は現地のJICAの女性、4人は『地球が遊び場』というFacebookの旅グループのメンバー。
バンコク在住のまささんも『地球が遊び場』のメンバーらしく、
今回ウズベキスタン、タジキスタン、キルギスタン、カザフスタンを1ヶ月かけて旅する『地球の遊び場』代表者のモッチーさんと日本で会ったそうだ。
4人はタシケントに着いて間もないのに、翌早朝アラル海ツアーに向けてヌクスに飛び立つようだ。
JICAの2人に案内された屋外レストランで夕食を食べつつ、ビシュケク以来の飲み会。
大の旅好きのグループだけあって話が合って面白い。
『地球の遊び場』メンバー4人とまたブハラで再会できそう。





9月3日木曜日。
特急アフラシアブ号に乗り2時間ちょっとでタシケントからサマルカンドへ移動。
快適な列車内にて渡されたイヤフォンで音楽を聴きつつ眠りに陥る。
エコノミー席で50000ソム(1350円)とお得。


市街から離れたサマルカンド駅で降り、駅前の市バスでレギスタン広場へ。
まささんが前回泊まっていた別名バホディールホテル2、Abdurahmonホテルに宿泊。
初日のツインは25ドル、
まささんが先にブハラに旅立ってからのもう2泊は14ドル×2で小綺麗なプライベートに泊まらせてもらう。
レギスタン広場が見えるテラスでの朝食はボリューム感満点。
Wi-Fiの回線スピードはキルギスタンに遠く及ばないが、タジキスタンよりずっとマシで、
不安定でなかなか繋がらないタシケントのアートホステルに比べて普通にネットサーフィン、
写真のアップロードができる。



自分より先にウズベキスタンに入り、サマルカンドにすでに6泊しているまささんはバホディールホテル2で作業中。
かれこれ10年前から憧れているサマルカンドのイコン、レギスタン広場は自分ひとりで感慨に浸りながら向かう。
途中、広場近くのカフェで中央アジアお馴染みのラグマンを食べる。
制服姿の女子高生が集まるカフェだったがラグマン、サラダ、チャイで14000ソム(400円)と割高感がある。
ウズベキスタン随一の観光地だからだろう。


そうそう。
公共トイレがほとんどなく終日の街歩きは厳しいウズベキスタン。
レギスタン広場でさえトイレがなさそうなので、
広場近くの大きなスーパーで頼んで従業員用のトイレを借りておいた。
余計な心配がなくなってから3時間は居座るつもりでレギスタン広場に入る。
入場料は外国人7ドル。
ドルしか受け取らないと頑固な係員だったが、こちらも粘ってウズベキスタン通貨のソムで払う。
ソムだと18000ソム(500円)と安い。
というのも、公式レートではUS1ドルが約2600ソム。
自分がタシケントで両替した闇レートではUS1ドルが4600ソム。
1.7倍以上得なので1000ソム札の束ばかり渡されても闇両替を利用しない価値はない。


写真で何度も見てきたレギスタン広場が目の前に開ける。


全体を一望できるデッキに上がってみると、先週のサマルカンド音楽祭ステージの後片付け作業に視界が遮られる。
それでも青い空、トルコ石色のドーム、デコレーションが美しいマドラサにひきつけられる。


意外と観光客がほとんどいないのでじっくりと眺められる。
サマルカンドはタシケントより肌寒く、日中でも陽光が当たる場所でちょうどいい。




インドやモロッコ、他の中東諸国のように厚かましくない土産売りがのんびりと雑談している3つのマドラサの中庭をぶらつく。
西欧人旅行者数人いる以外は地元の観光客のみ。
たまに土産屋から日本語で声をかけられるものの、日本人旅行者は目にしない。
話によると音楽祭の時期やお盆中はもっと観光客が多かったらしい。




マドラサの装飾のきめ細かく、イスラムアートは新鮮である。
キルギスタン、タジキスタンになかった中央アジアの原色。
特に北側のティッラカーリー•マドラサ内部の黄金張りの天井は見とれてしまう。



ティッラカーリー•マドラサのトルコ石色ドームも中庭からじっくり眺めた。



夕暮れ時再度訪れたかったレギスタン広場。
残念ながら18時半で閉まるので、日が暮れてからのライトアップを柵がある外から撮影。
初日から惚れ込んでしまうサマルカンドになった。




翌日はシャーヒズィンダを訪れる。
シャーヒズィンダは偉人の霊廟が並ぶ道で、レギスタン広場に並びサマルカンドでは有名。
途中ビビハニム•モスク近くのシアブ•バザールに立ち寄ってみる。
サマルカンド3日目に中に入ってみる予定のビビハニム•モスクの外観も素晴らしい。
中央アジアで最大のモスクだという。



ゲートをくぐってシアブ•バザールへ。


観光客向けの土産屋が周囲に並ぶ中、ナツメヤシやドライフルーツ、ピスタッチョがいっぱい並んでいる。
ムスリム帽子を被ったおじいさんがウズベキ風パンのナンやブルーベリージャムを買っていたりする。
ロシア風のキルギスやカザフスタン、タジキスタンのバザールに比べて
中国新疆ウイグル自治区カシュガルで嗅いだような西アジアの香りがする。
シルクロードの匂いと言ってもいいかもしれない。




カラフルなウズベキ民族衣装を着たおばさんたちが露店で野菜やフルーツを売るバザール。
シルクロードの中心サマルカンドらしい風景である。



小さな古都のローカルなバザールだけあって買物をするご婦人が多い。
キルギスタン、カザフスタンのように日本人に近い顔立ちとは異なり、
若干彫が深く、中東に近いウズベク人。
ちょうどシルクロード、ユーラシア大陸の中間地点のサマルカンドで
アジア〜中東〜ヨーロッパと人種がグラデーション的に変わってきているようだ。



地元の学生たちもバザールで金曜の午後を過ごしている。
学生服はそれぞれの好みのデザインを選んでいるようだ。
若さに溢れるシアブ•バザールでは売り子の少年も忙しく、
観光客のカメラ撮影に微笑んでいる暇がなさそう。





シャーヒズィンダへの入口はバザールを出てから坂道を下っていくのだが、
ムスリム墓地の小道を経由すれば入場料徴収のチケット窓口を通過せずに入れるという。
なんともせこい方法とはいえ、観光名所その都度入場料を払うサマルカンドなのでたまにずるしたい。
洒落たモスクを左手に坂道を進み、ムスリム墓地の立派な門をくぐって中に入る。


亡くなった方の肖像が彫られた墓が並んでいる。


墓地のベンチで休んでいるとなぜかカップルに写真を撮るように頼まれる。
ウズベキ人はこれまでの中央アジア諸国にないフレンドリーさ。
10年ぶりのイランがぐっと近くなった感じ。


墓地の小道を5分も歩けば霊廟のオニオン型ドームが見えてくる。


墓地から霊廟を見下ろし、階段を下りていく。
ここが無料で入れるシャーヒズィンダの裏口。


中央アジアにしては珍しくツアー団体がいるものの、思っていたほど観光客が少ないサマルカンド。
シャーヒズィンダもローカルな訪問客ばかりで西欧人が溢れている東南アジアの観光名所とは異なる。
ウズベキスタン取得の面倒臭さが幸いしているのかもしれない。
修復されデコレーションがきめ細かい霊廟がいくつも並ぶ。




おとぎの世界というよりRPGの世界に迷い込んだようだ。
青いタイルに囲まれた小道は地中海沿いのスペイン、イタリア、モロッコのかわいらしい町よりロマンチック。




後から修復されたとはいえ、タイルの装飾、模様を見ているだけで飽きない。
イスラムアート好きにもたまらないだろう。
レギスタン広場以上に青の魅力にぞっこんになるシャーヒズィンダ。




それぞれの霊廟の内部もまた素晴らしく、天井を見上げたまま立ちすくんでしまう。





やがてウズベキ人の団体がやってくる。
東アジア人が珍しいからかおばちゃんたちに写真をせがまれたりする。
カラフルなウズベキ民族衣装を着たおばちゃんたち。




シャーヒズィンダはゆっくり二往復してもまだ見て廻りたくなるほど魅せられる。
期待を遥かに上回るウズベキスタンの旅はブハラ、ムイナク、ヒバと続いていく。










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