青い地中海のリゾートといえば、スペイン、フランス南部の海岸線やイタリア、ギリシャが有名だろう。
昨年12月に訪れたギリシャのサントリーニ島、ロードス島で見た地中海の青さは確かに濃かった。
ヨーロッパと中東、アフリカに囲まれた地中海。
アフリカ側の地中海も青くないわけがない。
山脈により砂浜が少ない海岸線とはいえ、モロッコの地中海リゾート、アルホセイマを訪れてみる。
モロッコ、チュニジア、マルタ、イタリアの後に訪れるアメリカ合衆国。
アメリカの法改正により2011年以降イラン、シリア、スーダン、イラクに渡航歴がある場合、
ビザ免除プログラムによる渡米が1月21日からできなくなり、
急遽カサブランカのアメリカ領事館でビザ申請手続きをせざるを得なくなてしまい、
モロッコでの旅程も大きく変更となった。
モロッコ内陸部のティネリールからサハラ砂漠があるメルズーガ、迷宮都市フェズ、
北上して地中海のアルホセイマや青い町のシャウエン、同じく地中海に面したタンジェに寄ってから
大西洋側をカサブランカまで南下しようと思っていたが、
サハラ砂漠は断念して一気にカサブランカへ。
アメリカビザ申請料金を払い込んでから面接予約待ちなどでカサブランカ近辺で一週間が流れてしまった。
ビザ取得の有無にかかわらず面接前に銀行で払い込まなければならない160ドルの出費も痛い。
ようやくカサブランカのアメリカ領事館で面接を終え、
ビザ取得の結果待ち、パスポート返却までさらに一週間かかるので、
待ち日数を利用してアルホセイマとシャウエンを訪れる。
カサブランカからアルホセイマまではCTMの夜行バスで約11時間。
料金は200ディルハム(2400円)。
カサブランカを19時半に発ち、夜のラバト、フェズを経由していくルートだった。
まあ、2008年のモロッコ旅行でラバトもフェズも訪れているので眠っているうちに通過しても悪くない。
朝焼けが美しいアルホセイマに到着。
アルホセイマも2008年に続いて二度目。
当時は街中の広場を囲んだバス会社前に停車していたけれども、
7年も経てばバスステーションが新しく出来ていた。
おかげで街中まで坂道を歩く羽目になってしまった。
ホテルはかつてバス会社が並んでいたリフ広場近くの安ホテル街にて。
以前も宿泊したAl Hanaホテルに泊まる。
小綺麗な部屋だがWiFiはなく、50ディルハムから70ディルハム(900円)に値上げされていた。
喧噪と小汚さが目立つ都会のカサブランカから来ると、こぢんまりとした印象を受けるアルホセイマ。
旅行者どころか外国人も皆無で、だからかこれまでのモロッコの観光地にはないほど人が親切だった。
通りすがりの人が洗濯屋を案内してくれたり、
携帯ショップの店員が丁寧にSIMカードのチャージの仕方を教えてくれる。
見知らぬ外国人が突然入ってきた安食堂の人も優しくメニューを説明してくれた。
Al Hanaホテルと同じ通りにある魚のフライ食堂は2008年も繁盛していただけあって
7年半ぶりに訪れても美味しかった。
骨までぱりぱり食べられる小魚フライ、ライスにスープで20ディルハム(240円)。
アルホセイマのメインがケマドビーチ。
切り立った崖に挟まれた入り江にあり、
100mほど小高いアルホセイマ市街から階段を下って行くとビーチにたどり着く。
岸壁の町から見下ろすと昨年訪れたギリシャのザギントス島、
紅の豚の隠れ家といわれるナヴァイオビーチに似ていなくもない。
入り江のビーチに人がまったくいなく、波が荒れているのもナヴァイオビーチを想起させる。
思えば、温暖なモロッコとえども2月はオフシーズン。
12月のギリシャの島々と同様、海水浴をしている人がいるはずがない。
2008年の7月に訪れたアルホセイマの写真と見比べても違いが明らか。
ジェットスキーもなければ、リゾート雰囲気もない。
長い月日による変化は他にもあり、
断崖絶壁の先に展望台があったり、ケマドビーチのすぐ後に高そうなリゾートホテルが造られていた。
現在閑散としているが、夏場のハイシーズンの宿泊客が多いのかもしれない。
夕暮れ時にケマドビーチに下ってみると、やはり誰もいない。
オフシーズンの地中海が寂しく、
少なからず憂鬱さを感じるのはアメリカビザ取得の有無の不安のせいだけでないだろう。
断崖絶壁の上の町はサントリーニ島のように見えなくもないが、
さすがにそれは大袈裟すぎる。
アルホセイマを歩いていてモロッコらしさをあまり感じられない。
地震により旧市街が崩壊してしまい、エキゾチックなメディナが存在しないからかもしれない。
これまた活気に欠ける漁港も訪れる。
暇そうなおじさんたちが静かに語る漁港。
地中海を訪れるのは夏場に限ると実感してしまった。
アルホセイマ2日滞在後は以前からバックパッカーに人気があった青い町シャウエンに向かう。
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