ホンジュラス、エルサルバドルは5日間ずつと駆け足で回ってきたのでグアテマラで3週間くらいのんびり過ごしたい。
白人のサーファー天国であまり居心地良くなかったエルトゥンコをすぐに離れてサンタアナへ。
サンタアナにはHostal Casa Verdeというロンプラで絶賛されている宿があり、
いかにも西欧人が好きそうなアットホームなホステルで清潔だけれども、
ベッド一つ一つにコンセントやファンが付いているドミは10ドルとちょっと高め。
また広い中庭やプール、ハンモックがあったりと寛げる空間が溢れているものの、
他に旅行者向けの宿が少ないサンタアナだからか西欧人で混み合っている。
一人でまったりと酒を飲みながらネットサーフィンしたり、
意気投合した人と旅話に花を咲かせるのが好きな自分にとって
若い西欧人バックパッカーが大勢集うロンプラに掲載されて人気の宿は向かない気がする。
サンタアナ滞在中に首都サンサルバドルを訪れてみる。
ニカラグアのマナグアのときと同様、サンタアナからバスに乗っての日帰り旅行。
あまり治安が良くない中米の首都においてバックパックを担いで宿を探し、
デジカメを入れたリュックを背負って街歩きするより
近郊の町に宿をとって手ぶらで日帰り旅行する方が身も心も軽い。
サンタアナから201番で西バスターミナルに行き、そこからダウンタウンまで歩いて往復。
炎天下喉の渇きに苛まれつつ歩いたサンサルバドルはチキンバスからの黒い排気ガスで空気が濁り、
有刺鉄線と鉄格子でガードされた建物ばかりの典型的な中米の都市だった。
バスターミナルに付随した安食堂の鉄柵に檻の中で食事をとっている動物の気分になるし、
落書きだらけのボロ屋や空き家に手ぶらで来て良かったと実感。
昼間から地元のおっちゃん達に混じってホームレスやずっと独り言を言っている気のふれた人が集う広場で休息する気になれず。
でも、広場を囲むコロニアルな建物や荘厳な大聖堂は訪れる価値がある。
外から見ると廃墟のような外観も薄汚れた教会もある。
が、中に入ってみると側面から天井に弧を描くステンドグラスが美しかった。
サンサルバドルのダウンタウンは市場や露店が占めており、活気がある。
薄汚れた町並みでも人通りが多い。
ビニール袋入りの水売りやケーキ売りが歩き回り、
いろんな商品が売られている青空市場は歩行者天国になっており、
ごちゃごちゃとした乱雑さが心地いい。
また、首都サンサルバドルだけあってダウンタウンを離れるとショッピングモールがあり、
ミスタードーナツやスターバックス、ファーストフード店が集まるフードコートに北米にさまよいこんだようだ。
荷物を持たない日帰り旅行だからそこ自由気ままに歩きまわれ、
治安に臆することなく探索できるサンサルバドル日帰り旅行となった。
エルサルバドルからグアテマラへの国境越えの日。
再びチキンバスを乗り継いで行く。
希望としては旅行者用のシャトルバスで一気にグアテマラのアンティグアまで行きたいところだが、
サンタアナからシャトルバスは見つからなく、自力で国境へ向かうしかない。
コスタリカ、ニカラグア、エルサルバドルとずっとローカルバスを乗り換えてきたので慣れてきているものの、
これまた治安が悪いと言われるグアテマラシティでアンティグア行きに乗り換えないといけないので不安もある。
早朝6時半過ぎにHostal Casa Verdeを去る。
バス乗り場は朝から賑わっている市場の近く。
並んでいるチキンバスから国境行きのバスに乗り換える町Ahuachapan行きの210番のバスを探す。
ちょうど走り出す瞬間だったので急いで乗り込む。
バックパックはいつものように頭上の狭い荷台に載せる。
途中多くの人が乗り込んできて通路に立っている人も多かった。
でも地元の人々は途中で降りていく。
チキンバスを何度も利用して思うのだが、始発バスターミナルから最終目的地までずっと乗っている人は稀で、
たいてい途中の道端でバスを止め、適当な場所でバスを降りていく。
そのためサンタアナから50キロもないAhuachapanまで1時間半以上かかった。
バス料金はたった50セント。
Ahuachapanの終着地で降りてから、国境行きのバス乗り場を尋ねる。
ジェスチャーで方向を指し、公園から出ると教えてくれる。
青空市場を歩いていくとやがて公園が見えてくる。
公園の門の反対側にて国境行きのミニバスも発見。
ミニバスも50セントと安い。
国境行きの乗合バスはゆっくりと進み、早朝起きのため睡魔もやってくる頃、
下る山道の路肩で停車した。
ここから国境まで歩くようだ。
イミグレらしき建物は道路脇にあった。
入国時と同様、パスポートをコンピューター上でチェックされるだけで出国スタンプはなし。
エルサルバドルに出入国したという履歴はパスポートに残っていないのが残念。
イミグレを出てから国境をなす川に架かる橋を渡る。
わずか5日間だけ滞在したエルサルバドルと早くもお別れ。
山奥ならどこにでもありそうな川を橋から眺める。
短い橋を渡りきるとグアテマラ。
中米6カ国目であり、今回の世界周遊において46か国目。
カリブ海諸国にたどり着く頃に50か国となるだろう。
無事グアテマラ入国と思っていたのも束の間、
橋を渡ったところにエルサルバドルのようにイミグレオフィスが見つからなかった。
道路脇には小さな商店があり、村が広がっているようで戸惑ってしまう。
午前中の早い時間帯でまだ暑くない中、山道を登っていく。
10分ほど登りきったところにようやくイミグレのような建物が見えてほっと一息。
イミグレに入ってみると窓口で並んでいる人がいない。
パスポートを見せるだけで入国スタンプを押される。
世界にはいろんな国があり、入国カードを記入して入れる国、
到着時、あるいは事前にビザが必要な国、ビザを持っていても入国時にいろいろ質問され、
荷物をくまなく調べられる国、と入国手続きもさまざま。
その中で中米ほど入国が簡単な場所も珍しい。
イミグレの建物を出てすぐにグアテマラシティ行きのチキンバスの客引きに案内される。
エアコン付きの大手の国際バスが2台並ぶその先にお馴染みのチキンバスがある。
ニカラグア入国時に初めて乗ってからもう何度も乗っている。
誰でも出し入れできる荷台のバックパックへの注意は忘れない。
出発時刻は不明だけれども、まだ10時前なので気長に待つ。
国境からグアテマラシティ、現地人がグアテと呼ぶ首都まで100キロもない。
料金は30ケツァル(450円)と交通費が格安だったエルサルバドルよりはちょっと高め。
人の乗り降りが激しいバスは曲がりくねった山道を進み、
やがて眼下に広がりのある盆地の町が見えてくる。
マンションやちょっとしたビル群も目立つ。
高層ビルがほとんどない低層な建物ばかりの中米の首都を見てきた後だと、
グアテマラシティは都会に感じられる。
サンサルバドル同様チキンバスからの排気ガスで大気汚染もひどそうだ。
街中に入るとファーストフード店や商店が並ぶ普通の中米の都会の光景である。
毎回不便なのが中米の大きめの町での乗り換え。
いろんな行き先のバスが集まったバスステーションがなく、
バスターミナルがあっても東西南北の目的地で分かれているケースが多い。
国境からのバスは全く不明で、多くの乗客は途中の幹線道路沿いで降りていく。
乗客が数人しかいなく不安になってきたので、
チキンバスの集金係にアンティグア行きのバス乗り場を尋ねるも分からない様子、
しかも車の修理工が集まる乱雑した辺鄙な場所で降ろされる。
どう見てもバックパックを背負って歩き回れる雰囲気でないし、
そもそもアンティグア行きのバス乗り場が不明なので中米の旅で初めてタクシーに乗ってみる。
交差点に停車したタクシーを捕まえる。
アンティグア行きの駅と伝えると知っているようだ。
料金は50ケツァル(750円)と言われたが、
どれくらいの距離走るのか分からないし、初めてのタクシーで相場も不明。
タクシーは鉄の塔のようなモニュメントが立つ交差点を越えて進んで行く。
地図を見てもどこを走っているか不明。
治安が悪いと言われるグアテマラシティでどこに向かっているのか把握できない状況は不安で仕方がないが、タクシードライバーに全てを委ねるしかない。
タクシーは一度チキンバスが停車しているガソリンスタンドに寄り、
アンティグア行きを尋ねている様子。
ガソリンスタンドの人は丁寧に教えてくれて、すぐにアンティグア行きのバス乗り場に到着。
地図を改めて見ても辺鄙な界隈にしか思えない。
正確にはチキンバスを収納している車庫のようで待っている人はほとんどいない。
でも確かにアンティグア行きと正面に記載されており、これが行くようだ。
周囲は人通りがほとんどない界隈で、自力でこの車庫を見つけ出すのは不可能。
タクシーに乗って正解だった。
すぐにバスが出発し、アンティグアまで快調に進む。
途中の幹線道路沿いで多くの人が乗り込んでくる。
他にも多くのチキンバスが停車しており、どうやら大きな道路と道路が交わるエリアでバスを捕まえるのがグアテマラシティのシステムのようだ。
窓から入ってくる涼しい風が心地よかったエルサルバドルから一転、肌寒くさえ感じる。
かなり標高が上がっている。
ファーストフード店やショッピングセンターが続くグアテマラシティを出て1時間半くらいで、
石畳のこぢんまりとした街に到着。
世界遺産のアンティグア。
コスタリカ以上に観光客が多く、洒落たツーリスティックなカフェやレストランの多さにいきなり戸惑ったけれども、
ここからグアテマラの旅が始まる。
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