2016年7月13日水曜日

エメラルドグリーンのプールが階段状に連なるセムクチャンペイ(2016年6月17日)

人気があるわりに見所がそう多くないグアテマラで有名な観光スポットはアティトラン湖、
ティカル遺跡、そしてセムクチャンペイ。
山奥にあってアクセスが容易でないけど、グアテマラの秘境というには大げさなセムクチャンペイを訪れる。
写真で見る限り棚田のような川が流れ、段ごとのプールがエメラルドグリーンの風景がセムクチャンペイらしい。


グアテマラの日々は淡々と過ぎていく。
スペイン語学校に通っている人が集まるアンティグアのペンション田代に4泊、
長期滞在者ばかりのケツァルテナンゴのタカハウスに6泊、
オーナーは不在中だったけれども料理が上手いタカコさん、
気さくなクロさんカップルが管理人をされていたおかげで居心地良かったサンペドロララグーナのカサデナガレに5泊、
さらにパナハッチェルの日本人経営のエルソル・ホテルに2泊、
と、二週間以上日本語が通じる空間でパナマからエルサルバドルまでの中米諸国の旅の疲れを癒した。
さすがに日本人宿廻りばかりだったからか、
アンティグアに戻って普通のホステルのドミトリーに泊まってみると、西欧人ばかりで戸惑ったりした。
でも、英語堪能のロシア人のおばさんとおじさんが経営するアンティグアのCaptian Tom Hostelは家庭的で、
ディープなアメリカ人やインド人旅行者がいて面白く、
最終夜にカサデナガレで出会った日本人旅行者の一人ユキコさんと再会できて楽しかった。
やんちゃな子犬や毛むくじゃらの犬が愛嬌ある宿でもあった。


まったり、ゆったりの日々をアンティグアで終えて、中米の旅再開。
アンティグアからセムクチャンペイに近いランキン、ティカル遺跡に近いフロレスと移動し、
フロレスからベリーズ、メキシコと進んでいく。
アンティグアからランキンまで旅行者用のシャトルバスを利用して125ケツァル(1800円)。
これまでチキンバスばかり乗っていたからか高く感じる。
アクセスの悪いランキンからフロレスまでもシャトルバス、フロレスからベリーズまでもシャトルバスと思われるので、
中米で何度も揺られてきた窮屈なチキンバスの旅はパナハッチェルからアンティグアまで乗って最後かもしれない。
尚、エルソル・ホテルで教えてもらったパナハッチェルからアンティグアへの直行チキンバスはいくら待っても現れず、
途中の街で何度か乗り換え、乗り継ぎのために降りる場所が間違っていたりして、
4回の乗り換え、5本のチキンバスに乗る羽目になった。
パナハッチェルからアンティグアまで4時間、5本も乗ると例えチキンバスでも合計48ケツァル(700円)と安くなかった。

安全性と気楽さで旅行者用のシャトルバスは悪くないけれども、
ホテルのピックアップ廻りで1時間以上かかったりとルーズな中米タイムに呆れそうになる。
アンティグア8時発で7時間でランキンに到着すると聞かされていたが、
乗客のピックアップが完了しアンティグアを出発したのが10時過ぎ、
山道を進んでコバンという町でのランチタイムが15時、
未舗装の山道を下って最終的にランキンに到着したのが19時だった。
シャトルバスが走り出して早々の旅の高揚感もすでに薄くなっている。

無数の羽アリとホテルの客引きが集まるシャトルバスで一泊無料に誘われて辿り着いたのがHostal El Retiro。
川に面してバンガロー風の小屋が並び、ハンモックがあったりと居心地良さそうな宿だけれども、
初日は若いアメリカ人の集団がたむろしており、夜遅くまでやかましく幻滅だった。
山奥の村ランキンの宿なのにWiFiがあり、朝夜の時間限定でかろうじて繋がった。
Facebookは開くがウェブサイトは繋がらない遅さが残念。
あくまで二泊寝るだけのドミトリーで合計50ケツァル(700円)。
50〜60ケツァルでBBQディナーを食べられるが、
西欧人パーティーに参加したくなければランキンの村で20ケツァルの定食を食べた方がいいだろう。
El Retiroからランキンの村の中心に向かう際に右側に現れるローカル食堂で
煮た鶏肉とライス、瓶ジュースを頼んで25ケツァルはお得。


宿のシンプルな朝飯で35ケツァル払うより安い。



午前8時のピックアップでランキンの宿からセムクチェンペイへ。
西欧人には洞窟探検、タイヤのチューブでの川下りが含まれたツアーが人気のようだが、
一人で満足するまでセムクチャンペイを高台から眺めていたいし、
のんびりと自然のプールで水浴びしたいのでツアーに参加せず。
正直、若い西欧人の集団にアジア人が一人ぽつんと混ざり、
暗い洞窟でキャーキャー叫びたい衝動に駆られない。

4WDの荷台に乗り、急勾配で崖に沿ったガタガタ道を下る。
立ちながら4WDの荷台に設置された鉄棒にしがみつかないといけないので疲れる。
セムクチャンペイの入り口まで11キロで20分強。
往復で50ケツァル(700円)、帰りは入り口に停車している4WDにある程度人が集まったら出発する。

同じピックアップ4WDの15人くらいがツアーに参加のため洞窟に向かう中、
自分を含めて5人が直接入場料50ケツァルを払い、セムクチャンペイに入る。
グアテマラは雨季に入り、ここ毎日午後は大雨だけれど、午前中は晴れている。
標高2300メートルのアティトラン湖、1500メートルのアンティグアから来ると、
暑いセムクチャンペイ。

個人で回る場合のルートとして二つあり、
登った高台から棚田のような全景を見下ろすもの、実際に川の淵まで行って泳いだり、行水するもの。
せっかくの快晴だから先に高台へ登ってみる。
山道の上り下りで汗をかいた後に水浴びした方が清々しいだろう。
山道は石の階段で整備されており、
もう1年近く履いているゴムが伸びきったサンダルでも大丈夫そう。
山登りというより完全な階段登り。
段差があるので登りより下りの方がふくらはぎにくる。


暑い中、木の葉を運ぶアリのマーチに遭遇。
やはりアリは働き者である。


現地のグアテマラ人も観光客に水やスイカを売ったり、
石の階段を掃除したりと働いている。
遊んでいるのは汗をかきながら階段を上がる旅行者だけ。
ひたすら階段を登り続けて30分ほどで見晴台に到着。
人工的な柵に近づくと、眼下にエメラルドグリーンのプールが階段状に連なるセムクチャンペイが広がる。


大雨が降ると濁ると聞いていたので駄目元と思っていたのに綺麗すぎるエメラルドグリーン。
一つ一つの段が作るプールの水は限りなく透明だと高い台からも見てとれる。


よく見るとプールとプールの段差を小さな滝が流れている。


周囲の新緑に溶け込んだ棚田のようなエメラルドグリーンは何度見ても絶景。



高台からのセムクチャンペイに満足し、階段の淵まで下る。
登り以上に時間をかけて下り、間近に現れるプールの水は透き通っており、
これまたエメラルドグリーン。


綺麗な自然のプールで泳ぐ魚たちもくっきり。


また近くから見ると階段を順番に降りていく水が大小さまざまな滝を形成している。


吸い込まれそうな透明なエメラルドグリーンにすぐにでも行水したい衝動を抑えて、
まずは写真に収める。


すでに多くの人が温泉に浸かるように寛いでいたり、
一つ下段のプールに飛び込みしている。
小さな滝壺のあるあたりは結構深いようだ。



プールの段差のギリギリまで歩いていくと、
水に浸かっている部分の岩がヌルヌルしており、
滑りやすいので注意が必要。


転倒しないように滝を眺める。


ラオスのバンビエンからアクセスできるブルーラグーンも良かったけど、
セムクチャンペイはより透明で、しかもプールがいくつもあり、
エメラルドグリーンを見るだけために来た価値がある。




強い日差しの中、山奥の川だけあって冷たい水に浸かる。
浸水した石面は滑るのでゆっくりと徘徊。
両足を伸ばしていると、小魚たちが寄ってきて皮膚を突っついてくる。
自然のドクターフィッシュ・マッサージだ。
最初はくすぐったいけれども、虫刺され跡や日焼けで汚い足を一新してくれるようでありがたい。


セムクチャンペイの冷水で心身ともにリフレッシュする1日。
久しぶりに強い日差しを浴びたからか、体が赤みを帯びてくる。
いつものように積乱雲も近づいてきそうな雰囲気なので午後3時前にはセムクチャンペイを引き上げた。









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