パナマのボカスデルトロ以来2カ月近くもご無沙汰だったカリブ海をベリーズで見る。
中米諸国を北上していると、メキシコ、ベリーズ、グアテマラと自分の逆ルートで旅している人と出会う機会が多く、
いろいろと情報を教えてもらった。
中でもベリーズのカリブ海の写真は魅了されるもので、
多くの旅行者が絶賛のキーカーカーをメキシコ入り前の中米諸国周遊最後のハイライトにしておいた。
3週間以上過ごしたグアテマラを去り、中米の最後の小国ベリーズに入る。
グアテマラのフロレスから旅行会社で予約したバスで一気にベリーズシティまで向かう。
4時間の移動で150ケツァル(2200円)。
チキンバスや狭いシャトルサービスのバンばかり利用してきて中米で久しぶりにエアコンが効いた大型バス。
快適なバスなのに旅行者6人だけでガラガラ。
1時間ちょっとでグアテマラとベリーズの国境に到着。
バスを降りてバックパックを持って自分たちで国境を越えなければならないようだ。
バス内でもらった出国用紙をイミグレで渡し、難なくグアテマラ出国。
雨ばかりだったけど、快適な宿に恵まれたグアテマラは楽しく、充実していた。
イミグレを出てすぐにベリーズのイミグレが目の前にある。
他の中米諸国のように国境に川が流れているわけではない。
地図で見るとグアテマラとベリーズの国境は人工的な直線だからかもしれない。
ベリーズの入国においても記入した入国用紙を渡し、
質問の類一切なく入国完了。
中米7カ国目、世界遊牧住み渡り47か国目のベリーズ。
フロレスで乗ったバスはイミグレの先で待っており、
ドライバーがグアテマラ人からベリーズ人に変わったようだ。
山道ばかりだったグアテマラから一変、緑の樹海を貫通するまっすぐな道をひたすら進む。
ベリーズは中米諸国で唯一イギリスの植民地だったため英語圏。
スペイン語ばかりのラテンアメリカから英語表記のベリーズに入るとほっとする。
国境から2時間ちょっとでベリーズシティに到着。
フロレスからの国際バスはキーカーカー行きの船乗り場前で停車する。
乗客のほとんどがそのまま船でキーカーカーに行く中、
自分はベリーズシティで二泊する。
せっかくなのでベリーズ最大都市のベリーズシティを見ておきたい。
また、かつてのベリーズシティから首都が移ったベルモパンも日帰りで訪れてみる。
残念ながらベリーズシティに安宿はなく、
ロンプラに載っている船乗り場近くのSea Breezeゲストハウスのシングルで50ベリーズドル(2700円)と高い。
唯一の救いはWiFiが遅いグアテマラから来るとネット回線が速く感じられることだろうか。
ベリーズ最大とはいえ人口6万人ほどのベリーズシティ。
これまでの中米と異なり、カリブ系の黒人、ラテン系、印僑、華僑が混ざりあった多国籍な街である。
教会ばかりの中南米で珍しく印僑が通うヒンドゥー寺院もある。
Sea Breezeゲストハウスの経営者もインド系だった。
キーカーカー行きの船乗り場近くに橋が架かっており、ここが街の中心のようだ。
橋から見える水路は小汚い。
海が見える場所まで行くとカリブ海が目の前に開けるものの、
パナマで見たような綺麗なカリブ海は沖合の島に行かなければ見れないようだ。
カリブ海に浮かぶ島キーカーカーに向かう前に、
ベリーズシティから首都ベルモパンを日帰りで訪れる。
市場近くのバスステーションからもう乗らないだろうと思っていたチキンバスで1時間ちょっと。
片道5ベリーズドル(280円)。
人口1万6千人ほどのベルモパンは田舎町のようだ。
首都だけあって政府関係の建物が多いけれどもこじんまりとている。
ちょっとメインの通りを外れれば平屋が点在する光景に首都の住宅街とは思えない。
バスステーション近くにあるちょっとした屋台街もランチタイムだけで午後には閉まっていた。
これまで120以上の首都を訪れてきたけどベルモパンほど小さく、退屈な首都はない気がする。
当然首都だけあって各国の大使館が集まる地域がある。
国旗がなければ普通の住宅地のようだ。
ベルモパンで間違いなく一番でかく、一番立派な建物であるアメリカ大使館を素通りして日帰り旅行終了。
にわか雨に翌日のキーカーカー行きの雲行きが怪しくなる。
ベルモパン日帰り旅行の翌日。
ベリーズのバリアリーフに浮かぶ島キーカーカーに向かうというのに朝から雨。
テンション低めでベリーズシティのSea Breezeゲストハウスをチェックアウトし、
すぐ近くの船乗り場へ行く。
キーカーカー行きの往復ウォータータクシーが25ドルと言われて購入。
ちなみに25ドルとはアメリカドルのことで実際の支払いが50ベリーズドル(2600円)。
料金を訪ねる際にアメリカドル、ベリーズドルでどちらか尋ねておかないと二倍の価格で驚いてしまう。
ウォータータクシーと呼ばれるだけあってスピードボートでキーカーカーへ向かう。
乗客の大半はキーカーカーの先のサンペドロというリゾートを目指すようで、
1時間弱で到着したキーカーカーで降りるのは西欧人バックパッカー数人だけ。
キーカーカー上陸後も小雨が舞い、白い水たまりだらけで憂鬱にさえなる。
しかもロンプラに載っていた安宿は潰れており、適当に教えてもらったホステルにチェックインすると、
夜な夜なドミ部屋のドア開けてすぐのバーでやかましいホステルでうんざり。
グアテマラから来るとやはり高い一泊25ベリーズドル(1300円)の狭苦しく、
やかましいドミトリーのJuan in a millionというホステル。
キーカーカーの滑り出しからしてすでに気分が失速している。
雨が止んでから灰色の空の下のカリブ海を見つつ、翌日の天候に期待するしかない。
誤解が生じないように言えば、キーカーカーの海自体は思っていたより透明で綺麗。
特に北端のスプリットは陽光に当たらなくても青さがあり、カリブ海の潜在能力を知る。
旅行会社でツアーを探しがてら天気予報を訊ねると翌日も同じだろうと言われて期待していなかったものの、
二日目起きてみると晴れている。
一日中の雨模様でどんよりとした気分も晴れ渡る。
偶然同じ部屋のドミで知り合った日本人旅行者で、中国の大連に長く住んでいたケンタロウさんと朝一で近場の旅行会社を訪ね、
シュノーケリングのツアーを申し込む。
せっかくの晴れなので奮発してホルチャン国立海洋公園も含めて一日ツアーを120ベリーズドル(7000円)で申し込むも、
ツアー開始の10時半前に再び旅行会社に行くと人数が集まらなかったので決行されないとのこと。
青空の下、時間を無駄に過ごしたくないので半日のシュノーケリングツアーを申し込んだ。
3時間のバリアリーフの三箇所でシュノーケリリングできるツアーで60ベリーズドル(3500円)。
ツアーボートのメンバーは自分とケンタロウさん、前夜EU離脱が決まったばかりのイギリス人カップルのみ。
昨日と打って変わって、船着き場の桟橋からして青いカリブ海を一望できる。
船頭も含めて5人の小型ボートが出航。
意外と波が高く、水しぶきがボート内に入ってくる。
思っていたほど透明な海水でないキーカーカーの島を離れ、
世界第二の大きさと言われるベリーズのバリアリーフに近づいていくと、
とある境界線からいきなり海の色がクリスタルブルーに変わる。
ボートはエンジンを止め、クリスタルブルーの海で最初のシュノーケリング。
それにしてもなんて青さだろう。
これが見たかった本場のカリビアンブルー。
オーストラリアの西海岸で見た透明な淡いブルー、
タイの南の島のエメラルドブルー、
透明度抜群のモルディブのクリスタルブルー、
マルタ島で見た地中海の濃厚すぎるサファイアブルー。
どれも最高だったけれども、キーカーカー沖の青さはこれまで見たことない色をしている。
シュノーケリングを忘れて見入ってしまいそうだ。
イギリス人カップルに続きシュノーケル開始。
泳げない自分はマスクにフィン、ライフジャケットも借りてフル装備で飛び込む。
水温は適温で、とにかく透明度抜群の海の世界を堪能する。
しばらく進むと珊瑚が現れ、カラフルな魚が泳いでいる。
眼鏡がないせいで若干ぼやけているけどマスク越しにカリブ海の水底を見て回った。
この周辺は結構浅いので珊瑚の上にフィンをつけないように気をつけなければならない。
自分のデジタル一眼レフで当然海の中を撮影できるわけがなく、
同行のケンタロウさんの防水カメラの写真を後でもらった。
第一のシュノーケリングスポットを去って向かったのはサメとエイがうじゃうじゃいる場所。
他のツアーボート同様、ガイドの船頭さんが餌付けする。
池の鯉よりもたくさんのサメがボート付近に集い、餌を奪い合っている。
また、サメへの餌を狙って海鳥たちもボート真上を舞っている。
さらに水底すれすれをエイが徘徊しているのをクリスタルブルーの海を通して確認できる。
再びのシュノーケリングタイム。
餌付けが終わらないうちに水中に入り、目の前で食事をがっつくサメの集団を眺める。
温厚なサメのため人間を襲うことはないが、触るのはダメらしい。
水底で戯れたり、優雅に泳ぐエイたちを間近で見られるのが現実でないようだ。
ダイビングの経験がなく、シュノーケリングも今回の旅で挑戦して間もない自分にとって、
海底は未知の世界だ。
水中マスクのおかげで息つぎの心配もなく、ライフジャケットのおかげで溺れる可能性もないので、
自由気ままに珍しい魚と見つめあったり、サメの群れを追いかけたりした。
半日ツアーにおいてシュノーケリング回数は3度。
物足りなさが漂う中、ボートは三つ目のシュノーケリングスポットに移動し、
キーカーカーで最後のシュノーケルを味わう。
いろんな種類のサンゴに見とれてしまう。
カラフルな熱帯魚が数センチ先まで近づいてきてフレンドリー。
こんなに水中世界で魚を見たことはなく、最後の最後までテンション上がりまくりだった。
10時半に出航して13時半にキーカーカーに戻るツアーは西欧人がトドのごとく寝そべる北端のスプリットを通過してフィナーレとなった。
キーカーカー二泊した翌日にベリーズを去り、メキシコに入るプランだったけれども、
半日ツアーで見たカリビアンブルーと海底世界があまりにも素晴らしく、
また知り合ったケンタロウさんはすでに三日滞在を決めており、翌日一日ツアーにリベンジされるようなので、
悩んだ末に一泊延長することにした。
半日ツアーで60ベリーズドル(3300円)払い、翌日の一日ツアーで120ベリーズドル(6600円)も出費するのは痛手だが、
海亀や運が良ければマナティも見えるホルチャン国立海洋公園も行けるという。
三日目起きると前日に続き青空が広がり、綿雲もまばら。
キーカーカー延泊を再度決意し、朝一で旅行会社に出向くと、
すでに4人集まっている一日ツアーがあり、早速120ベリーズドル払って申し込んだ。
これで当初行きたかったホルチャン国立海洋公園にも寄れる。
この日のツアーも少人数。
日本人二人とアメリカ人の4人家族、船頭兼ガイド、ガイドの助手の青年の8人。
沖合に出ると晴れているのに波が強く、水しぶきを浴びる。
海は昨日見たまんまのカリビアンブルー。
いきなり波が高い場所で今日のツアー最初のシュノーケリングタイム。
どうやら皆で固まって泳いでマナティを探しに行くらしい。
運が良ければ見られると言われたマナティを目の前で見れたらラッキーであり、
ベリーズ5日間の旅で有終の美と言える。
とにかく巨大な波が押し寄せてくれるので、ただでさえ泳げないカナヅチ人間にとってしんどい。
皆に遅れながらついていき、深い海底の魚を見る。
深く青い海底で戯れる魚たち。
ガイドが指差す方向を見てみると、
アザラシのような生物が二匹ゆっくりとうごめいているのが見えた。
なんと早くも奇跡のマナティと遭遇。
あまりにも近づくと逃げてしまうそうなので、ギリギリまで迫って間近で眺める。
二匹のマナティが青い海で戯れている。
5カ所に立ち寄る一日ツアーで一つ目から大満足だった。
荒れる海を頑張って泳いでボートに戻り、次は難破船が見れるというスポットへ。
前日のバリアリーフでの半日シュノーケリングツアーと異なり、
二倍の料金を払っているだけあって内容も濃厚。
ボートが難破船スポットに到着すると確かに海面下に黒い物体が横たわっているのが分かる。
でも沈没船を見るためには実際に水中に入らないと無理。
防水カメラを持っているケンタロウさんに写真撮影をお願いして、
自分は水中マスク越しに見る。
シュノーケリングを見るとすぐに沈没船が真下に現れる。
潜って船体を触っている人もいて深さは3メートルくらいだろうか。
錆びついた沈没船に魚が住み着いているようで、
甲板に開け放たれたドアを行き来する魚たちがいる。
海藻が寄生した沈没船は水中でしか見られない神秘的な光景でもあった。
一日ツアー三つ目は昨日も見て興奮したサメへの餌付け。
ただしサメや餌付けを狙ってやってきた魚の数は昨日以上。
早速シュノーケリングで餌付けのすぐそばに近づくと顔面スレスレをサメたちが行き交い、
餌を食べるのに必死になっている。
サメの数もさることながら、魚の数も尋常でない。
水中カメラを借りてケンタロウさんを撮影しようと思っても、
魚が邪魔でなかなか撮れないという滑稽なもの。
気がつくとエイも現れ、サメと魚とエイの餌とり合戦が海底で繰り広げられている。
すぐ目の前で迫力ある光景が見れてテンションも上がりまくり。
ランチを餌付け場所で終えてからホルチャン国立海洋公園の美しすぎる珊瑚礁をガイドに引率されて回る。
クリスタルブルーの海は波があるものの綺麗で、泳いでいる魚をボートからでも見つけられる。
シュノーケリングで水中に入ると、これまで以上に深くて透明な海底世界が広がる。
青く透きとおったウォーターワールドは幻想的。
次から次へとサメや熱帯魚が眼下に現れる。
そして珊瑚世界のツアーの締めくくりは海亀。
水族館以外で海亀を見るのはむろん人生初であり、
すぐ目の前でくつろぐ海亀と対面しているのが信じがたい。
一日ツアーのために延泊して価値のあるキーカーカーとなった。
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