2014年1月5日日曜日

香港で年越し(2014年1月1日)

バックパックを同じ部屋に置いてから3週間以上が経ち、長期滞在に馴染んできた香港でクリスマス、年末年始を過ごす。

たいていの街で朝から晩までほっつき歩いていると数日で飽きてくるものだが、香港では特別な目的を持たずに街中を歩き回っていても退屈することなく、歩き疲れたら公園でのんびりしたり、二階建てバスから道行く人を眺めたり、また、船に乗っているだけでも充実感を抱いてしまう。
高級ホテルに宿泊したり、レストランで豪華な食事をしなくても、ただのんびりと街中を探索しているだけでいい。有り余る時間を自由に過ごすことが最高の贅沢と実感できる街でもある。




とはいえ、飽きることはなくても人口が密集している九龍、香港島は人混みばかりで疲労やストレスを感じるのは事実。
平日のオフィス街のセントラルは言うまでもなく、オフィスが休みの日曜日でもフィリピン人のメイド達で溢れ返っているという有様である。
平日住み込みで働いているフィリピン人やインドネシア人のメイド達は香港人が家族で過ごす日曜日が休日となるので友達同士で集まるらしい。
ちなみに、セントラルはフィリピン人に占拠されているが、コーズウェイベイのビクトリア公園周辺はインドネシア人で埋め尽くされている。



人の多さにウンザリしてきたら、バスや船でちょこっと郊外に足を伸ばしてみると気分転換になる。

たとえば、香港島のセントラルのフェリー乗り場からランタオ島のムイオーに船で渡り、船着き場を出てすぐのバス停からバスに乗るとタイオーという町に行ける。
タイオーは高層ビルが建ち並ぶ香港のイメージからかけ離れた自然に囲まれた水上の村で、観光客向けのメインの通りを外れると、マレーシアやタイの田舎町に迷い込んだような錯覚を受ける。そういえば、東南アジアのブルネイにも似たような水上家屋の村があった。
タイオーもまた東洋のベネチアと呼ばれているようだが、マングローブに囲まれた村にベネチアは似合わない。




また、香港島の南側には美しいビーチがあり、セントラルからバスに乗って30分もかからずに行けるレパルスベイやスタンレーも気分転換にはいい。
レパルスベイは高級リゾートで南仏のコートダジュールを連想させる…といったら大袈裟だろうか。青い海はアジアの海というより地中海にさえ思えてくる。



一方、スタンレーは香港人や西洋人が憩いの場として訪れて、海沿いのバーでビールを飲んだり、ベンチで語り合ったりと、高級感溢れるレパルスベイよりカジュアルな感じがする。コンビニで買った缶ビールを海を眺めながら飲むのにもいい。
高層ビルの狭間からではお目にかかれない夕日をのんびり見ることもできる。




人口過密な都会でかいた汗を洗い流し、リフレッシュしてから再び街歩きを楽しむのに透明な海に触れるのは最高だ。船やバスで数十分移動すれば緑の大自然や青い海を堪能できるのも香港ならではの醍醐味かもしれない。
しかし、タイオーも含めて名の知れた場所には必ず団体ツアー客が押し寄せるので、午前中の早い時間か夕暮れ時じゃないとなかなか静けさは味わえないが。

中国本土からはもちろん、世界中からの観光客がやってくるクリスマス、年末年始は狭い香港がより一層過密になるものの、慌ただしい中に高揚感が混じり合うこのシーズンは気に入っている。
香港人はカウントダウンが好きなのか、大晦日の夜の年越し花火のときはもちろん、クリスマスイブにもカウントダウンをやって騒いでいた。ただ大勢で騒ぎたいだけかもしれないが、そんなシンプルな目的でも十分だと思った。
世界遊牧住み渡り最初の年越しは、2014年へのカウントダウンが始まる7時間前から騒いで楽しむ群集の中で高揚感に酔いしれながら御馴染みのスカイラインを眺めていた。








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