2014年1月22日水曜日

夜明け前の香港(2014年1月21日)

初めて夜明け前に起きて早朝の香港を歩いてみた。

福岡を釜山行きのフェリーて発ってからちょうど3ヶ月経つが、朝日を見ることはなかった。もともと早起きが苦手だが、今回の旅ではまだ日の出る前のバスや列車に乗っていないのもある。
夜行バスや船では目覚めたらすでに日が昇っていた。
明るくならないと目が開けれない質なのかもしれない。
思えば、旅立ち前、東京で暮らしていた4年間も朝日を見たことはなかった。
忙しい日常生活において、早起きして日の出を見る気力はなかったし、そうしようと思う余裕もなかったのだろう。

ネットで調べたところ、日の出時刻は7時5分ということで、5時20分のアラームでベッドから出る。
部屋はまだ闇に包まれている。



常にインド亜大陸やアフリカからの男たちで溢れているチョンキンマンションも夜明け前は静まり返っている。
人がほとんど歩いていないネーザン通りを歩くのは不思議な気分である。人混みにもまれる経験しかないネーザン通りから一転して別の惑星に飛んできたようだ。
たまにタクシーが通る以外は、横断歩道の信号機の音が他の惑星にシグナルを送るかのように響いているだけ。
久しぶりの早起きで頭はぼんやりしているものの、五感は普段より研ぎ澄まされている。

脇道に入ってみると、24時間やってる店もある。




6時前から中国人観光客が4人、建物の入り口の前に座っていた。
こんな早朝から何を待ってるのだろう、と思ったらJenny Bakeryがある建物だった。
開店前からクッキーを買うのを待っているらしい。
なぜJenny Bakeryのクッキーがそんなに人気があるのか謎だが、昼間は異様な長列ができている。

意外だが、香港の夜明け前はあまりにも静かだ。
6時前後の東京であれば、通勤する人や朝帰りの人を電車や街中で見る気がする。
また、タイやベトナムの早朝は屋台で飯を食べている人が多い。
香港人は朝が苦手なのか、MTR構内は人が少ないし、市場では花屋と一軒の屋台しか開いてなかった。





1月ということで空気はひんやりとしている中、生ゴミの匂いが温かみをもって漂っている。
こんな時間までやってるバーからは若者のカラオケが聞こえてくる。
6時過ぎの闇は深夜まで輝いてるネオンと別の光景を演出してくれる。
決して動き出すことがないマネキンや人形なんかに生命が宿っているように思ってしまう。
やはり人が少ないスターフェリー乗り場を自由に歩けるのは微笑ましい。




日中だと人が多すぎてじっくり眺められないアベニューオブスターズのブルースリーなどの像を間近で見たりする。
7時になるとようやく空が明るくなり始め、ジョギングする人や通勤する人をちらほら見ながら香港で初めての朝日を待つ。
巨大なクルーズ船にも迎えられ、1ヶ月以上毎日のように見ているビクトリアハーバーで新しい1日の始まりを実感した。









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