同時に日本人宿クロマーヤマトゲストハウスでの飲み会も続く。
当初は5泊の予定だったシェムリアップ滞在は
深夜までのアルコール浸かりで1日延びたり、
アンコール3日券による日の出を3回見るチャンスが1回になったりする。
でも、世界遊牧住み渡りと勝手に名付けた世界周遊が始まってちょうど半年が経過し、
ベトナムのフエ以来の日本人宿なので旅行者との交流が楽しい。
また、5年前の世界周遊と違い、
今回は学生や若い人ばかりに出会うので自分がどれだけ歳をとったのか実感してしまう。
自分からすると、20代からの自身の旅スタイルが
アナログパッカーからデジパッカーになった以外に変わっていないように思うものの、
周りからは20代のバックパッカーには当然見えない。
東京で生活していた4年間の旅のブランクは浦島太郎の逆バージョンのようだ。
シェムリアップ3日目。
写真専門学校の作品づくりを進めながらアジアを周遊する学生、
独自のプロジェクトでアジアの日本人をインタビューしながら旅する学生、
世界のフリーターと豪語するユニークな若者と深夜まで過ごした翌日、
むろん朝日のために早起きが出来るわけがない。
ゆっくり朝食を食べてから自転車でアンコール遺跡に向かう。
朝から太陽光は強く、寝不足もあってもう疲れを感じている。
アンコール遺跡廻り2日目はところどころで休みつつ、
特に有名でない遺跡やこの日のメインのタプロームを見て回った。
有名でない遺跡群は観光客が少ないのでゆっくり満喫できる。
遺跡に巨大な樹木が寄生しているようなタプロームでは
人工物と自然のコラボレーションに魅了されてしまう。
遺跡廻り2日目は夕日を見るどころではなく、
夕方過ぎから雨が降り始め、急いでシェムリアップに戻った。
クロマーヤマトゲストハウスでの出会いは日に日に増える。
イケメンだけどひょうきんで、絵描きで旅費を稼ぐ若者、
休学して世界周遊&ボランティアをする女子大生、
自分と同じように仕事を辞めて世界周遊する男性、
陽気なフランス人とも新しく出会い、
シェムリアップのナイトマーケットを散策したりする。
翌日にベンメリアに行く4人のメンバーはすでに前日そろっていたが、
さらにこの4人が加わり、日本人旅行者7人、フランス人バックパッカーの合計で8人、
トゥクトゥク2台チャーターして行く。
4月24日のベンメリア往復道程はまさに遠足気分だった。
シェムリアップ4日目の4月24日。
ベンメリアに向かうのは午後1時なので、
2日間連続のアンコール遺跡、灼熱の自転車廻りの疲労を回復すべく、
正午まで眠り続けた。
ひょんなことから、エアコン付きの10ドルの部屋に6泊することになったが、
この暑さを考えると値段の安いエアコンなしからのグレードアップもたまにはいい。
ベンメリアはアンコールの遺跡群に比べ、
比較的最近発見されたという。
そのため、修復されて原型を留めているアンコール遺跡群や、
ディズニーランドのアトラクションのようなアンコールワットと違い、
ほぼ崩壊されたまま形でジャングルの中に放置されている。
足場の悪い遺跡の中をインディージョーンズ気分で探索するので、
観光客はそんなに多くない。
入口からして侵入を拒むようで圧倒される。
気がつくと、どこからか現れたのか、
ガイドのカンボジア人に8人は率いられている。
回廊は崩壊した柱や天井の石に埋め尽くされ、
無造作に積み重ねられた石柱を上り下りしながら、道のない道を進んで行く。
バイヨンやタプロームが見て楽しむ遺跡なら、
ベンメリアはジャングルジムのように遊び回って体験する遺跡だろう。
復元された遺跡は一目で認識できるイコンのようで美しいが、
崩壊して形のなくなった遺跡はイメージとして記憶できなくても、
美的感覚として体で吸収できる。
崩壊した石から石に飛び移り、苔むした岩肌を触って探索していると、
ベンメリアという遺跡を直接味わえる。
多少の擦り傷や翌日の筋肉痛も悪い思い出にならないかもしれない。
タプローム以上に樹木が遺跡を侵食している。
ベンメリアはジャングルの宿主に思えてくる。
ガイドに引率されるままにわずか1時間ちょっとでベンメリアを探索し、
メンバーでの記念撮影を終える。
帰路はカンボジア人に迷惑ながら、トゥクトゥクで騒いで踊って、
シェムリアップまでののんびりとした田舎の風景を眺めた。
最後にはトゥクトゥクの後輪が重量に耐えきれず壊れてしまう。
というより、はしゃぎ過ぎて壊してしまったが…。
夜はメンバーの1人が去ることもあり、
ベンメリア行きの打ち上げもかねてまた深夜まで宴会。
ビールだけでなく、ワインや日本酒一升瓶もあり、
シェムリアップ5日目は休養日になってしまった。
シェムリアップ6日目。
朝日はシェムリアップ最終日に一発勝負。
自転車でのアンコール遺跡廻り3日目は頑張って4時過ぎに起きる。
オーストラリアでのワーキングホリデー前にタイ、カンボジア旅行中のカップル、
遺跡好きじゃないのにたまたまアジア旅行3日間の候補地としてアンコールを選んだOL、
ベンメリア行きのメンバー4人の合計8人で夜明け前から自転車をこぐ。
これだけ人数がいれば、トゥクトゥクの方が良かったかもしれない。
…と、ちょっと後悔。
多少雲はあったものの、
アンコールワットをシルエットにした朝日は早起きの価値あり。
両サイドに侵入してきた中国人旅行者と競い合うように写真を撮るのは、
中国大陸で群集にもまれながら始まり、
ちょうど半年が経った世界遊牧住み渡りの節目としてふさわしいかもしれない。
朝日鑑賞が終わり、早朝からのアンコールワット廻りに疲れてしまい、
休憩がてらバイヨンやタプロームを歩き回った。
1人でのんびりと遺跡廻りするのもいいけれど、
やはり何人かで遠足気分で楽しむのは充実している。
途中でスコールに遭遇したりと、濃厚なアンコール遺跡廻り最終日となる。
最終夜は誰かが提案したというわけでもなく、打ち上げのような晩餐。
シェムリアップのパブストリートはバンコクのカオサンを思わせるほど賑やかだった。
シェムリアップで深夜2時過ぎまで飲み続けた早朝、
バッタンバンに移動し、何もないのんびりとした街で休息する。
福岡から釜山に船で渡ってから半年がようやく過ぎ、
中国、インドシナ半島の旅が終わって、
いよいよタイでの2ヶ月間の長居がスタートする。
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