スローペースで旅行。
それぞれの街に数日滞在した方が馴染みが出てきて面白いし、
無理がないように体調管理もできる。
それでも、情けないことに、
合計8日間滞在するホーチミンシティで風邪をひいてしまった。
快適に過ごせるように選んだエアコンルームがあだになったのか、
夜中寒さで目覚め、朝起き上がった時には喉の異変とだるさがあった。
運が悪いことに、その日はメコンデルタツアーに参加する日。
だるいが熱はなさそうなので、朝8時からのツアーには参加する。
モーターバイクがやかましいホーチミンを歩くよりは、
ただついて行くツアーの方が精神的にも肉体的にも楽そうだ。
シンツーリストで申し込んだ日帰りメコンデルタツアーでは、
40人以上の人々がいるものの、珍しいことに西洋人は一人、
日本人も自分一人だった。
韓国人のカップルや大学生グループが9人いたのはいいとして、
残りは遠足気分のベトナム人の若者の団体なのには参った。
バスの中からして騒がしいし、
メコンデルタのツアーが始まってからはあちこちでポーズを撮りながらの記念撮影大会。
ゆったりとメコンの流れとデルタに暮らす人々の生活を眺めるツアーからはほど遠い。
中国人、タイ人、フィリピン人といい、どうしていろんなポーズを撮りながら
何枚も何枚も自分の写真ばかり撮りたがるのだろう?
西洋人はあまり自分たちの写真を撮っていないし、
日本人はピースをしながら数枚撮って終わりの気がする。
そんな小さな疑問を流してしまうようにメコン川は支流は巨大だった。
ツアーなのでボートでメコン川の中州、島々を訪れる。
ココナッツ村では健康そうなココナッツが茂っており、
ココナッツで作られたアクセサリーや手工芸品が売られている。
また、ベトナム料理でよく食べるライスペーパーを作っている場所を見学できたりと興味深い。
ベトナム人の若者ばかりのツアーだけあって、
観光客向けというより学生向けの社会科見学のようだ。
ツアーガイドのおじさんは英語とベトナム語の両方で説明して忙しそうだ。
ちなみに、ツアーガイドのおじさんは昔アメリカ空軍に従事していたそうで、
沖縄基地にも行ったなど教えてくれた。
今は家族とホーチミンシティで幸せに過ごしているという。
島でのランチタイムの後は再びボートに乗り、
川幅の狭い自然の運河に入っていく。
両脇にはヤシが差し迫っており、
たびたび開放されたボートにむちのように攻撃してくる。
ジャングルアドベンチャーのように面白く、
ボートの舳先で例のごとくポーズをとって撮影するベトナム人の若者に紛れ込んで、
シャッターを押す。
気がつけば体調が悪いのも忘れている。
次に上陸した村では蜂蜜が有名のようで、
蜂蜜製造中のハチ箱を見せてくれたりする。
社会見学として蜂蜜入りのお茶を試飲できるが、
あくまでツアーなので、試飲の後は蜂蜜の販売が始まる。
残念ながら若者ばかりのツアーなので本日の売り上げは低いだろう。
メコンの島々ではココナッツ以外にも南国の果物が木々の枝からぶら下がっている。
若者達はぶら下がっている果物をもぎとって喜んでいる。
途中、馬のカートに乗って村を移動したり、
フルーツを食べながらの村の民謡生演奏があったりした。
思っていた以上に見学地が多く、
飽きることがない濃厚のツアーである。
おそらく、ツアーのハイライトはボートでは狭過ぎて入っていけない運河を小舟でゆったりと移動することかもしれない。
4、5人ずつ小舟に乗り、
ベトナム傘帽子のおばちゃんや若い娘さんが漕いでくれる。
ヤシが運河を囲むトンネルのようになっており、
以前南インドのケララで乗ったバックウォーターツアーを思い出させてくれる。
やはり、という思惑があたり、
若者グループはおばちゃんからオールを奪い、
カヌー大会を始めている。
ただ、経験の浅い若者がおばちゃんに敵うはずがない。社会科見学ツアーとして相応しい。
ココナッツで作られた飴はメコンデルタの熱気のようにねちっこく、
甘すぎるものだった。
帰りのバスでは若者のペースに紛れ込んだ疲労でホーチミンに着くまで熟睡だった。
8日間過ごしたホーチミンシティでの滞在もまもなく終わる。
自然と調和し、のんびりとした生活が垣間みれるメコンデルタを遡り、
大都市ホーチミンシティで一番高いビル、ベテクスコファイナンシャルタワーに登る。
メコンの流れがバイクの流れで彩られる町並みは急速に発展するベトナムを実感させてくれる。
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