2014年8月16日土曜日

シンガポール初日(2014年8月15日)

2013年10月22日に福岡から韓国の釜山へ船で渡って以来、
ひたすら船、バス、列車と陸路続きの旅はシンガポールで終わる。
飛行機で簡単に世界中の街に飛んでいける時代だからこそ、
日本からシンガポールまでじっくり旅したのは価値があったと思う。
少なくとも、グラデーション的に変わっていく東アジア、東南アジアを
肌で感じることが出来た気がする。
もちろん、次のインドネシアもシンガポールやマレーシアから船でアクセスできる。
ただスマトラ島は以前横断して過酷だったし、陸路移動は安くない。
9月末にシンガポールで再会する日本の友人、中村さんと一気にジャカルタまで飛んでしまう。

来週で旅に出てから10ヶ月。
10ヶ月も旅の路上で過ごして、シンガポールがようやく10ヵ国目になる。

マレーシアの最終地マラッカでは5日間過ごし、
4日目には真円を描く赤い夕日を見れ、
最終日にはどんな印象派の画家も描けないような夕焼けを目の当たりにする。
有終の美といえるかもしれないマレーシアの旅の終わり方だった。




最終日の夜はマラッカ初日に偶然再会し、
一緒にバトゥハパへの日帰り旅行に行ったアキラ君と最後の晩餐。
ビールに酔いつつ、旅を感化する映画について話したり、
これからクアラルンプール、香港、台湾を廻って帰国するというので、
すでに懐かしい香港のチョンキンマンションについて話したりした。
思えば、70日滞在した香港を発ったのは2月15日だったので、
シンガポールはちょうど半年ぶりの先進国の大都市となる。
ついつい素晴らしすぎた香港の残像を求めたくなる。







アキラ君と宿の近くで別れてまもなく、
トラベラーズプラネットに入る際にアジア人のバックパッカーがちょうど現れる。
ひょっとしてと思って尋ねてみたら日本の方だった。
お盆の休暇でシンガポールとクアラルンプールを旅行されているヨウヘイさんで、
シンガポールからクアラルンプール行きのバスに乗ったはずが間違ってしまい、
マラッカのバスステーションに到着したときにはすでにクアラルンプール行きのバスがなく、
予定していなかったマラッカに1泊することになったらしい。
事前にFacebookでルートを確認している旅仲間以外で偶然日本人旅行者と会うことがほとんどないマレーシアの最後の最後で出会えて、これまた有終の美。
トラベラーズプラネットの居間で軽く話してから、
夕食につき合うため外に出たが、運悪くあいている食堂が見つからず、
なぜかジンバブエ人の学生が溢れるマクドナルドでお互いの旅についていろいろ話し合ったりする。
すでにアキラ君と屋台でビールを飲んでしまったし、
マクドナルドを出た時はすでに24時過ぎ。
これから一緒の飲みましょう、という言葉を飲み込んで部屋に戻った。

いよいよマラッカからシンガポールに向かう日。
昨夜の有終の美の余韻に浸りつつ、
10時頃にトラベラーズロッジの居心地いい食卓で朝食を食べる。
アジア系の若者もテーブルにつき、
てっきり中国人かと思っていたら、なんと新潟出身の大学生だった。
これまで日本人旅行者との遭遇率が限りなくゼロに近かったマレーシアで、
お盆の影響はあるものの、合計3人の旅行者に出会ったのは驚きである。
そういえば、3日前に幼いお孫さんとクアラルンプールからマラッカに移動してきた年配の日本人女性ともトラベラーズプラネットで会ったっけ…。

これからクアラルンプール、マレーシアと北上し、
タイ、ラオス、ベトナム、カンボジアと周遊する大学3年生のオギ君とも意気投合する。
オギ君は今回が初めての海外旅行だそうだ。
ちょうどこれからクアラルンプールに行くそうなので、
バスステーションまで一緒に行くことにする。
出発前にトラベラーズプラネットの居間で話していると、
午前中にマラッカを廻り、クアラルンプールに行かれるというヨウヘイさんが
タイミングよく戻ってきたので3人でマラッカのバスステーションに向かう。

バス停留所で市バスを待つがなかなか現れず、
マレー系女性がつかまえたタクシーのドライバーに誘われるままに3人で乗り込んだ。
一人だと割高のタクシーだけれども、4人だと安くて助かる。
ほんの少しの時間を共有したヨウヘイさん、オギ君とバス発着所で別れる。
一緒にクアラルンプールに行かれる2人がちょっぴりうらやましい。

マラッカからジョホールバルへのバスは20.9リンギット(630円)と少し高め。
財布のリンギットの残高が20リンギットだけだったが、少し負けてくれた。
バスはゆったりしており、乗客は少ない。


シンガポールに向けてテンションは高かったが、
何度か雨が降り、車窓が濡れている。
50日間一緒に過ごしたマレーシアが別れを惜しんで泣いている、
…ということはないだろう。



居眠りが続いたエアコンバスは3時間でジョホールバルのラーキンバスステーションに到着。
ここでシンガポールのクイーンズストリートにあるバスステーション行きの安いバスに乗り換える。
すでにマレーシアリンギットは使い果たしていたので、
あらかじめ手にしていたシンガポールの2ドルで乗り込む。
バスは高層ビルの建設が進むジョホールバルの市街が見えるやいなや、
国境に到着。
乗り合いバスはマレーシア国境、シンガポール国境でそれぞれ乗り降りするので、
切符はなくさずに持っていなければならない。
尚、同じバス会社であれば別のバスに乗って構わない。
自分だけバスに乗り遅れたり、他の乗客を待って時間が長引く心配がなく楽だ。



国境越えもまた簡単。
2002、2005、2011年にも利用したシンガポール〜マレーシア間の国境なので手慣れた感じがする。
また、他の地域の国境に比べ効率的だし、週末でなければ香港とマカオ、香港と中国のような民族大移動的な大行列もない。
ひょっとしたらパスポートを見せる手続きが必要な国境の中では一番簡単な国境越えかもしれない。




結局、正午にマラッカのバスステーションを発ち、
午後4時過ぎにシンガポールのクイーンズストリートのバスステーションに到着。
シンガポールの滞在期間はパスポートに押されたスタンプに8月15日から30日と書かれおり、予定の9月27日の滞在前に一度ジョホールバルに出る必要がある。

3年半ぶり4度目のシンガポールはより発展が進んでおり、
世界高層ビルのスカイランキングでは香港、ニューヨークに次ぎ世界3位なのも納得できる。
香港以来6ヶ月ぶりに先進国の都市に戻ってきたという感慨より、
東京を軽く越えた近未来都市にやってきたという浮遊感の方が大きい。
シンガポールは今回長居するだけあって香港、バンコク並みに大好きな都市であり、
クイーンズストリートから予約したカプセルホテルがあるサウスブリッジロードに向かって歩きながら、
シンガポールなら死ぬまで住めそう、と思ったのも束の間、
立ち寄ったセブンイレブンのコカコーラの500mボトルが2.9ドル(230円)だったり、
ようやくいっぱい飲めると思っていた缶のタイガービールが6.2ドル(500円)と
ドリンク代がマレーシアの3倍になり、いきなりたじろいでしまった。
東京よりモダンなシンガポールでは物価がすでに日本以上に高いのかもしれない。
平均月収が日本よりはるかに上位にランクインされている国だけはある、
…とうなずいている余裕などなかった。

宿はネットで予約したwoke home capusule hostel(ウォークホーム•カプセルホテル)。
正規料金は30ドル(2400円)だがネット予約により2000円になった。
マレーシアでは1000円前後、タイでは800円以下でシングルルームに泊まっていた身には高いけれども、
ドミトリーというよりはまさに日本のカプセルホテルと同じスタイルで、
各カプセルにプライバシーがあり、テレビがあったり、
パソコンをのんびりいじれるのがいい。
東京、福岡以来久しぶりのカプセルホテルでもある。
むしろ、日本のカプセルホテルのように
中に入るのに私服から囚人服のような寝間着に着替える必要がない分ずっといい。
今後はまだ分からないけれども、とりあえずウォークホーム•カプセルホテルに7泊する。


カプセルホテルは6階にあり、窓からは新宿副都心の高層ビル群を思わせ、
それでいて新宿よりも高層で近未来的なシンガポールのダウンタウンが見渡せる。
立地もよすぎるウォークホーム•カプセルホテルである。


シンガポール初日は観光せず、
現地人のように町並みに溶け込めるように準備。

まずはEZリンクカードを地下鉄窓口で購入。
関東のスイカや香港のオクトパスカードのように切符を買う手間が省けるので便利だ。
12ドル(1000円)のうち5ドルがカード代で、
香港のオクトパスカードのディポジットみたいにカード返却時に返金されないと言われ、ちょっと残念。
購入時の7ドルがなくなればコンビニや地下鉄の自動改札機ですぐにトップアップできるという。



そして、携帯ショップ探し。
香港、タイ、マレーシアと長居する国でのプリペイドSIMカード購入は必須になっている。
どういうわけか街中を歩いていてSingTelの携帯ショップがなかなか見つからず、
いろいろ人に尋ねまくって、わざわざブギスまで地下鉄を乗り、
ようやくSingTelの携帯ショップをブギスジャンクションのショッピングセンターで見つかる。
シンガポールでは英語が当たり前のように通じるし、丁寧に教えてくれるのであり難い。

SingTelにてiPhone5S用のNANOサイズSIMカードを購入。
SIMカードが38ドル(3100円)もするとはやはり他の東南アジアとは違う。
初回購入時に1GBの容量で7日間使えるらしい。
その後はいろいろプランがあるようだが、
20ドルの30日間1GBのプランはデータ容量が少ないし、
25ドルで7日間14GBのプランは高いので、
中間の7ドル(600円)で7日間1GBのプランを毎週延長しようかと思っている。
クアラルンプールではLTE回線が繋がり、高速インターネットに感動していたものの、
シンガポールでは東南アジアのどの国のゲストハウスの宿のWiFiよりも速い4G回線がどこでも繋がり、
目眩がしそうだった。
ちなみに、SIM開通手続きは若い女性店員がものの数分でやってくれた。



シンガポールのプチ滞在はまだ初日。
これからじっくりいろいろと見て回り、香港のように安食堂や安スーパーなどを探そうと思う。









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