2014年8月5日火曜日

クアラルンプールでの日常生活(2014年8月3日)

都会好きにとってクアラルンプールはたまらない。

雄大な山々や広大な砂漠、透き通った青い海、
ロマン溢れる遺跡、のんびりとした古都や田舎ももちろん好きだが、
大都市は旅の舞台として楽しめるだけでなく、
少しばかり旅から離れたシティライフも演出してくれる。
観光地廻り、食べ歩き、カフェでの休息、
ローカル市場歩き、路地探索、出会った人々と雑談、
さらには映画鑑賞、スポーツバーでのF1観戦、
WiFiが繋がるコンビニでのネットサーフィン…、
旅と日常生活の狭間にいるような多様性に包まれた自由を満喫できるのも大都会ならではだと思う。

今回は10日間、
いや、ひょっとしたらそれ以上滞在するかもしれないクアラルンプールでは
他のマレーシアの町と同じように街歩きを旅の日課としつつも、
プチ滞在しているような、
あるいは、旅人であることを忘れてしまうような浮遊感を味わう。
住み渡りらしい(?)生活ごっこかもしれない。
でも、2日前の出来事や食べたものを思い出すのに、
ちょっと時間が止まってしまうような感覚も悪くない。
今のところ、香港の70日間やバンコクの1ヶ月半の出来事、
毎日食べたものを時系列で思い出せるけれども、
この記憶はあとどれくらい続くのだろう?


ペナンからクアラルンプールに戻ってきた初日の夜は
バンコクのカオサン通りで出会った世界一周中のマサキさんと再会。
マサキさんは日本を出てから3ヶ月ほど東南アジアを旅しており、
その3ヶ月間で僕が1年かけて訪れようとしている国々をすでに廻っている。
一つの街に長居することなくテンポよく周遊しており、
自分と2日間会った翌日には早インドのカルカッタに飛んで行ってしまった。
中華街外れのマレー料理の屋台で今後の世界一周のルートや
日本から続けられているというネットビジネスについて話し合ったりした。
また、噴水ショーを見るために訪れたKLCCにて
たまたまマサキさんが好きなSTEP UPシリーズの最新作が封切りということで
誘われるままに映画館に入った。
なんと映画のチケットは14リンギット(420円)と安く、
それでいて設備は日本と変わらなかった。


この安いクアラルンプールの映画館にはまってしまい、
すでに公開中の呪怨3を観に行ったり、
まもなく公開されるハリウッド映画を数日後に観に行こうと思っている。



尚、多民族国家マレーシアでは映画字幕がマレー語と中国語の2つ。
呪怨3は日本語音声なので、上記に英語字幕まで加わり、
画面下が三列の字幕でうるさかった。


クアラルンプール在住のヨルダン人のラメスとも再会。
マレーシア西海岸旅行前のクアラルンプール滞在時には
エベちゃん、みさこさんと一緒にラメスのもてなしを受け、
イエメン料理をご馳走になったり、夜のメナラタワーに登ったり、
魚マッサージやピラミッド型ショッピングモールに連れて行ってもらったり、
最終夜はイラン風カフェでシーシャを吸いつつ楽しんだ。

今回はKLセントラルからさらに南にあるミッドバレーメガモールでぶらぶらしていると、
いきなりラメスから電話がくる。
今夜会えるというので中華街のゲストハウスの前まで迎えに来てくれるという。
自分が今ミッドバレーメガモールにいることを告げると、
驚いたのはラメスの方で、ちょうど今こちらに向かっているところだった。
ラメスは毎日ミッドバレーメガモールにあるジムに通っているそうだ。

というわけで、ラメスに誘われるままにジムに入る。
着替えは用意していないし、バックパッカースタイルのまま
どちらかというと高所得者向けの洒落たジムに入るのは恥ずかしい。
細身の自分がジムに入ったことはなく、
生まれて初めていろんな器具、
というよりトレーニングマシーンに触れて筋トレ。
35歳のへなちょこバックパッカーにはこたえる。


ラメスは黙々と日課としての筋トレを行っている。
バンコクで初めて会ったときはマッチョ姿に何者だろうかと驚いたが、
ジムで毎日トレーニングをしている様子に納得してしまう。



たぶん1時間はトレーニングマシーンにしごかれていたので、
次の日は間違いなく筋肉痛だろう。

ジムでのトレーニングの後はサウナで汗を思いっきり流してからシャワーを浴びる。
住み渡りの直前、東京のカプセルホテル宿泊時以来のサウナにのぼせてしまう。
また、ジムのホットシャワーは中華街のゲストハウスのシャワーとは比べものにならないほど快適。
ランカウイでの日焼け跡を克服すべく垢こすりに精を出し、
長い間ホットシャワーを浴びていた。
明らかにジムの使い方が間違っていると思う。


ジムの後は夕暮れ時のドライブで、
途中仕事帰りの奥さんと合流し、
ブキットビンタンのショッピングモール、パビリオンにて久々に日本料理を食べる。
まるで東京で日常生活を過ごしているようだ。
いや、明らかに日本ではなかなか食べられない豪華な寿司を味わっている。



しかも、日本男児としては面目ないことに和食をご馳走になってしまう。
いろいろお世話になっているので、
日本料理くらいは多めに払おうと思っても受け取ってもらえず。
尚、お礼にチケット代を出すから現在公開中の呪怨3を観ようと誘ったものの、
ラメスも奥さんもホラー映画はちょっと…と苦笑いされてしまった。



さらに食後のドライブで連れて行ってもらった郊外の山は
車なしでは行けない秘密スポットで、ツインタワーを含んだ夜景が素晴らしかった。
宝石箱をひっくり返したような夜景…、
という使い古された表現はこういうときに使うべきかもしれない。
いきなりミッドバレーメガモールで合流したため、
ゴリラポッドを携帯しておらず、いい写真が撮れなかったのが悔やまれる。



さすがに毎日お仕事をしているラメス夫妻に
遊んでいるだけのバックパッカーと毎日つき合ってもらうわけにはいかないので、
日中は一人旅ごっこ…
いや、日常生活のような旅を楽しむ。

マレー系が多いチョウキットの市場探索は面白い。
KLCCやブキットビンタン周辺のモダンさからかけ離れたローカル雰囲気が漂っている。
はっきり言ってインド並みに汚いかもしれない。



チョウキットの市場では圧倒的にマレー系の人ばかり。
マレーシアだから当然とはいえ、
中華街やインド人街ばかりで過ごしていると感覚が逆転してしまう。



市場では特に目的なくぶらつき、
ローカル食堂をのぞいたり、
働いている人々を眺めたりする。
やはり大都会クアラルンプールの市場だからか、
田舎のようにおじさんやおばさんが暇そうな旅行者に声をかけてくることはない。




自分が大都市好きな理由はやまほどあるが、
大都市の要素として欠かせないものに高層ビル群がある。
はっきり言って高層ビルフェチ。
モダンで斬新な高層ビル、
高層ビル群が形成するスカイラインはそれぞれの都市の顔のようだ。
年々新しい高層ビルが建設され、スカイラインも変貌していくので、
同じ都市の再訪は待ち遠しい。
大都市を何度訪れても楽しい理由がここにありそうだ。

凄まじいスピードで表情を変えていくバンコクや上海のスカイライン、
近未来的な高層ビルの登場で一気にスタイリッシュになったドバイやシンガポール、ホーチミンシティ、
また、昔からの顔立ちは変わらなくても
メイクアップやアクセサリーで奇麗になっていく西新宿、東京丸の内の高層ビル群、
香港なんかも高層ビルフェチにはたまらない。
映画に一瞬映るスカイラインだけで識別できる
ニューヨーク、ロサンジェルス、シカゴ、ミネアポリス、サンフランシスコなどのアメリカの都市、
イコンのような有名すぎるビル一つで顔が世界に知れ渡っている
シドニー、パリ、ロンドン、台北も可能であれば毎年訪れたい。

ちょっと探せば街角からペトロナスツインタワーがすぐに見えるクアラルンプールは
ラメスが「ツインタワーがなければクアラルンプールではない」と言うほど
強烈なアイデンティティを持っている。
でも、高層ビルフェチの旅行者にとってはペトロナスツインタワー以外にもいいものがたくさん見つかる。
まるで新宿を歩くようにビル街の狭間をぶらついたりする。








人生6度目のクアラルンプール滞在はまだまだ飽きそうにない。





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