2014年11月11日火曜日

小さすぎるギリ島の珊瑚ビーチ(2014年11月8日)

ロンボク島の北西に小さな島が3つある。
ギリ島と呼ばれる3島は直径が1〜2キロほどの小さな島で、
バリやロンボクに比べると水滴のような点でしかない。
ギリ島は昔から西洋人やバックパッカーに人気があるそうだ。
パーティーアイランドや珊瑚に囲まれた美しい島と形容されている。
ギリ3島はロンボクに近い東側からギリアイル、ギリメノ、ギリトラワンガン。
すでに雨期に入っているが、美しい島をこの目で確かめるべく、
安宿が多いらしいギリトランワンガンに向かう。



ロンボク島のマタラムからの移動は料金が高めのシャトルバスサービスではなく、
ローカルな交通手段のベモを乗り継いで行く。
マタラムのメインの通りで東側に向かうベモに乗り込む。
メインの通りは一方通行で東側にマタラムのマンダリカバスターミナルがある。
マンダリカバスターミナルまで5000ルピア(45円)とローカル料金は安い。

バスターミナルでベモを降りて早々、客引きのおじさんたちに声をかけられ、
ギリ島まで150000ルピア(1400円)とふっかけられる。
バリ〜ロンボクで有名な旅行会社peramaと同じく高いので、
ベモを乗り継いでいくと告げると、
なぜか半額の75000ルピア、最終的には60000ルピア(540円)まで安くなった。
ベモでプメナンという町まで自力で行き、
プメナンからギリ島への船が出るバングサルまで移動し、
ギリ行きのボートチケットをバングサルの港で買う方が安いものの、
60000ルピアでマタラムからギリトランワンガンまで行けるのであれば楽だ。
ミニバンの乗客は自分一人だったので、
後で余計に金を請求されるのではないかと多少不安はある。
結果的には無事プメナンを通過し、
バングサル港手前のレストランのようなところで降ろしてくれた。

バングサルにたむろする連中は怪しかったり、腹立たしい輩が多い。
レストランにて他の西洋人バックパッカーと共にギリ島行きの船を待っていると、
ひっきりなしにギリ島からバリへのファーストボートのチケット購入を勧誘をしてきたり、
ギリ島から旅程は未定なので帰りのチケットはなだ買わないと言うと日本人はケチだと文句を言ってきたり、
ギリ島からの帰りのチケットを購入しないならボートに乗せないと脅してきたり…。

また、いよいよ船出港の時刻になると、
なぜか自分だけ別のところに呼ばれ、
港までは遠いのでシドモという馬車タクシーに乗るように促される。
しかも、料金は50000ルピア(450円)と高く、
交渉しても20000ルピア(180円)までしか下がらなかった。
早く乗らないとボートに乗り遅れるなどと脅され、
最終的にはシドモの近くでニヤニヤやりとりを眺めていたバイクタクシーにまたがり
10000ルピアでバングサルの港へ行くことを妥協する。
なんとバイクタクシーに乗ったと思ったらすぐに船着場到着。
レストランで見かけた他の西洋人は普通にバックパックを背負って歩いている。
港手前のレストランから船着場までは余裕で徒歩圏内だった。
20000ルピアも払ってシドモに乗らなくて良かったと思った反面、
バイクタクシーに乗り10000ルピアを払ってしまったこと、
日本人だからかカモにされたことに怒りが込み上げていた。
ティモール島、フローレス島では人がいいインドネシア人としか会っていなかったので
気が緩んでいたのかもしれない。
観光客ばかりのバリ島、ロンボク島では注意が必要である。

バングサル港で乗り込んだギリトランワンガン行きのボートは西洋人バックパッカーが多い。
外国人皆無だったクパン発エンデ行きのフェリーや、
数人バックパッカーを見かけただけのラブアンバジョ発サペ行きのフェリーとは雲泥の差。
ボートの乗車率は100%を超えており、沈没しないか心配になってくる。



すでにギリ3島は見えている。
小さな島だけあって平で細長い。


バングサルからギリトランワンガンまで波のアップダウンが大きく、
ボートは大きく揺れ、船内に水しぶきが入ってくる。
20分ほど揺られて到着したギリトランワンガンの海は確かに美しい。
今回の世界周遊中にカンボジアのロン島やマレーシアのプルフンティアン島など
海水が奇麗な島を訪れてきたが、ギリもそれらに匹敵すると瞬間的に実感する。
バングサルでの不快感も忘れてニンマリしてきた。





小さなギリ島では喧しいモーターバイクが存在せず、
自らの足で島を歩くか、
馬車タクシーのシドモが唯一の交通手段。
自転車レンタルしている西洋人も多い。



外国人旅行者をほとんど見かけないティモール島からフローレス島に渡り、
コモド島に近いラブアンバジョで西洋人旅行者が増えたと思ったら、
ギリトランワンガンはタイのピーピー島やタオ島並みの白人天国で戸惑ってしまう。
パーティーアイランドのギリトランワンガンでは2日後にフルムーンパーティーがあるそうで、
西洋人バックパッカーの数は島の住民より圧倒的に多そうだ。
同じくフルムーンパーティーとカンボジアの旧正月が重なったロン島にて
旅行者が多すぎて空き部屋探しに大苦戦した悪夢が蘇る。

でも、今回はボートを降りると、
宿の客引きのおじさんから声がかかり助かる。
朝食はつかないシンプルな安宿pondok ricko homestayは125000ルピア(1100円)と小さな島にしては良心的な値段。
pondok ricko homestayは島の波止場から徒歩10分くらい。
海沿いのバーからは離れているので閑静かと思ったら、
斜め向かいにあるモスクからの早朝アザーンや日中に長々と流れるコーランに苦笑いだった。




確かにギリトランワンガンは白人天国で、
海沿いには洒落たレストランやバー、シーシャカフェ、旅行会社、ダイビングショップが連なり、
東南アジアのリゾートにありがちな無国籍な南国雰囲気はお馴染みのものだが、
東から西に島を貫通するために内部に入ると、人はほとんど見かけず、
ヤシの木々の木陰で牛たちが戯れる牧歌的な光景が広がっている。




ギリトランワンガンの西側は船着場や店が並ぶ東側に比べ穏やか。
人も少なく、ビーチもプライベートビーチに近い。
砂浜は白く奇麗だが、珊瑚で形成されたビーチらしく、
裸足で歩くと痛い。
海水に浸かっても同様で、尖った珊瑚の床を歩くのはしんどかった。




ギリ3島の中でギリトランワンガンは一番大きい。
それでも南北2キロもない小ささ。
せっかくなので西側から時計回りに一周してみる。

北側は波が強く、東に進んでいくと穏やかになってくる。
ビーチを歩くのが痛いというデメリットを抜かせば、
ただただ美しい海である。
珊瑚があまりにも島に近いために間近でシュノーケリングできるそうだ。
逆に裸足では浅瀬すら歩けない海となる。




夕暮れまで時間があるのでのんびりと島を時計回りに歩き、
東から南、そしてサンセットポイントの西側に戻ってきた。
潮が引くと浅瀬に残された海水は微動だにせず、
海面に反射した夕日は美しかった。





島での食事は困るときがある。
ギリトランワンガンは小さな島であり、人口も800人くらいという。
いわゆる他のインドネシアの町にあるようなローカル食堂がほとんどない。
海沿いにはシーフードのBBQレストランや洒落たイタリア料理店があり、
西洋人がビールやカクテルを飲みながら美味しそうな焼き魚やパスタを食べているが、
値段はやはり高い。
リゾートなので仕方がないかと諦めようとしていたら、
船着場の近くにナイトマーケットが出ていた。
屋台街の客のほとんどは西洋人バックパッカーで、
瓶ビールを飲みながら焼き魚や鶏肉のサテ、好きなおかずを選んでご飯にぶっかけるインドネシア料理を食べている。
値段も15000〜40000ルピア(130〜360円)くらいと本土とそう変わらない。


ギリトラワンガンに滞在した3日間はナイトマーケットに毎晩通い、
野菜にピーナッツソースをかけたガドガドや焼いたナマズ、
サテやぶっかけご飯を食べた。




3日間のうち1日は他の島に行ってみる。
ギリアイルもギリトラワンガンのようにパーティーアイランドらしいので、
静かでのんびり寛げるというギリメノを訪れることにした。
不便なことにギリ3島間の交通手段は1日2本の船のみ。
9時半にギリメノ行きの船が出て、
15時20分にギリメノからギリトラワンガンへの船がある。
これを逃すと宿泊しているギリトラワンガンには戻れなくなる。

9時半発のボートはギリメノだけでなく、
さらに隣のギリアイルにも向かうため、
船内は異様に混み合っており、
席が足りずバックパックに座っている旅行者もいる。
ギリ島間の遊泳は禁止だけあって波は強く、
超満員のボートは転覆するのはないかとひやひやである。


ギリメノで降りたのは数人。
自分のようにリュック一つで訪れている日帰りの女性、
バックパックを背負ったカップル2組。
残りの大勢は皆ギリアイルに向かっていった。

ギリトラワンガンから一転して無人島のように閑散としたビーチ。
人気がないわけではなく、
海の透明度や珊瑚のビーチの白さはギリトラワンガン以上。
同じ船に乗っていた日帰り女性しか歩いている人はいない。
ギリメノもまた裸足で歩くのが痛い珊瑚の地面だった。



滞在時間の6時間はゆっくりと島巡りをする。
海パンを用意してきたので海水に浸かってみるも、
足の裏が痛すぎて海水浴どころではない。
シュノーケリングをやる人は浅瀬からして歩かずに泳いでいる。

それにしても見ているだけで癒されるビーチだった。
ポストカードでしか見たことがないような白い砂浜と透明な青い海。
ビーチにゴミはないし、ビーチチェアやパラソルもなければ、売り子も皆無。
寝そべっている人も数人だけ。




ギリメノにはギリトランワンガンのような海沿いのレストランは極端に少なく、
ときどき高級そうなリゾートホテルが場違いにあったりする。


手軽にランチを食べれる食堂はなかなか見つからず、
船着場の近くの海に張り出したレストランで値段の割に美味くはない野菜炒めを食べた。
味はおいといて、レストランからの海の眺めはいい。
東側に面しているのでお隣のギリアイルが見える。




残念ながらロンボク島に着いてから本格的な雨季のようで午後は毎日雨が降る。
ギリメノもまた正午過ぎから曇り始め、
午後3時半のギリトランワンガンに戻るボートに乗る頃はスコールに近い雨だった。
ギリメノ東側のビーチは尖った珊瑚が少なく、
細かく奇麗な白い砂浜だったため天気がよければもっとのんびりしていたいと思った。





アジアの旅の最後の最後で再び癒される海を目の当たりにし、
オーストラリア、ニュージーランド滞在後に再びアジアに戻る楽しみができた気がする。






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