2015年5月9日土曜日

タイからミャンマーへ陸路国境越え、バンコクからマンダレーまで31時間の旅(2015年4月27日)

3週間ちょっとの快適で生ぬるいバンコク滞在を一度切り上げてミャンマー旅行へ。
すでにヤンゴンからバンコクに戻るエアアジアの航空券を5月12日で予約しており、
2週間ちょっと、ほんの16日間のミャンマー周遊となる。
日数的にタイトな旅は怠惰な居心地よさに浸ったバンコクからの転機として悪くない。

バンコクに戻る際は飛行機だけれども、
行きも帰りも空の旅だと味気ないので、行きは陸路でミャンマーに向かう。
タイ、ミャンマーの国境の町どうしは昔から歩いて国境を渡り、日帰り訪問できたが、
実際にタイから越境してミャンマーに入り、陸路であちこち旅行できるようになったのは最近。
昨年2014年、カンボジアで出会い、バンコクで再会した女子大生バックパッカーが
タイのメーソットからミャンマーに無事入国して旅を続けていた。
ただ越境してからの道は悪路で、一方通行の狭い山道であり、
奇数日、偶数日により進行方向が限られると言っていた。
カオサン通りの安宿に重いバックパックを置いて3週間以上経ってからの
最初の移動としてはちょっとくらい過酷な方がだらけた心身を鍛えるのにいいだろう。


またまた一時期の別れとしてタイ人の友人に中華街近くの老舗レストランで
牡蠣入りオムレツや辛い豚肉炒め、魚介スープのランチをご馳走になり、
まもなくバンコク最高峰の座を奪われてしまう高層ビル、バイヨークタワー裏側の線路沿い、
スクンビットのソイ1近くのこぢんまりとしたスラムで街歩きのウォーミングアップをした翌日、
5月25日。
22時発のメーソット行きの夜行バスでバンコクを発つ。
ガイドブックによると偶数日にミャンマー国境から他の町に迎えるらしい。
仮に逆だったら国境の町に1泊すればいい。




今回カオサン近くのバス停で乗り込んだ509番は北バスターミナルまで行かないと車掌に言われる。
メーソット行きのバスが出る北バスターミナルへは
以前カオサン通り近くから509番の市バスで直行できたはず…。
たまたま英語を話せるタイ人に助けてもらい、
戦勝記念碑があるロータリーでどういうわけか
別の509番に乗り換えてようやくモーチット近くの北バスターミナルにたどりつけた。
料理の鉄人に憧れているシェフの女性でミャンマーから戻ってきたらぜひレストランに寄ってとのこと。
バンコクを発つ最後にまた会いたいタイ人に出会えた。


土曜のタイ、ミャンマー国境の町への夜行バスは混んでおらず、
乗客の少ない快適なエアコンバスにてタイ最後の夜を過ごす。
すでにミャンマー人が多く、タイ語の会話は聞こえない。
西洋人カップルの外国人旅行者もいた。

適度にエアコンが効いたバスではすぐ眠りに陥り、
深夜のトイレ休憩以外ほとんど眠り続ける。
車窓から見えるセブンイレブン前の屋台で食事をするお馴染みの光景にすでにタイが恋しくなりそう。

バスがメーソットのバスターミナルに到着したのは6時直前。
バンコクから8時間弱のバス移動なので睡眠は十分ではない。
とはいえ、16日間のミャンマー旅行の初日であり、
できればバンコク行きのフライトが待っているヤンゴンではなく、
北のマンダレーまで直行したいと思っているので眠気を振り払って動き出す。
モーターバイクタクシーと交渉し、60バーツ(220円)で国境へ。
早朝のメーソットの風は気持ちよかった。

タイ側国境では夜明け間もないのに荷物を持ってイミグレへ向かうミャンマー人がいる。


ミャンマー人に続き歩いて行くと係員に9番と言われ、
外国人専用の窓口に通される。
寝不足顔の写真を撮られ、36日間過ごしたタイを出国。
タイ南部の島廻り、バンコクで多くの友人との再会、と今回も昨年の2ヶ月間の滞在に劣らず充実していた。
感慨に浸るまもなく川に架かる橋を渡る。
小さな川を挟んでタイとミャンマー。
ミャンマーに入ると左通行車線が右通行車線に変わるようだ。


川岸には銃を持った兵士が立っている。
昇って間もない太陽が両サイドを照らしている。



ミャンマー側のイミグレの手続きも簡単。
バンコクのミャンマー大使館で取得したビザを見せ、
入国書類にペンを走らせ、すぐにミャンマー最初の町に入る。
ミャンマー側の国境の町、ミャワディー。
1年半経過した世界遊牧住み渡りにおいて16ヵ国目。
2005年にヤンゴンだけ訪れたミャンマーであり、
人生訪問国数は依然カウントされず113ヵ国のまま。
イミグレを出て早々、ロンジーを巻いた男たちが目立つ。


少し歩くとシェアタクシーのようなトヨタのドライバーが声をかけてくる。
マンダレーまで行きたいことを告げると、Mawlamyine(モウラミン)までシェアタクシーで行き、
モウラミンでバスに乗り換えて行けるという。
ミャワディーからどうやってマンダレーまで行けるか分からなかったし、
バスがあるかどうかも謎。
とりあえずモウラミンから夜行バスでマンダレーに翌朝着ければ宿代も浮くし、
ミャンマー旅行最終目的地のヤンゴンに立ち寄らずに済みそう。

料金は15ドルから交渉して13ドルまで下がる。
あとから現れたメーソットまでのバス同乗だった西洋人カップルは
13ドルだと高いと言ってどこかに行ってしまった。
確かに地図で見るとミャワディーからモウラミンは150キロあるかどうかなので高過ぎかもしれない。
今年に入ってからニュージーランド、シンガポール、マレーシア、タイと
あまり値切りを必要としない国ばかり旅行していたので交渉能力が鈍っている。

驚いたことにミャンマーの国境の町ミャワディーにもATMがあった。
ミャンマーと言えば闇両替と思っていが、着実に新興国として発展している。
バンコクで用意したドル現金を使わずに国際キャッシュカードでミャンマーチャットを引き出した。


結局先の西洋人カップルは再び現れず、
自分一人のバックパックを載せたトヨタは動き出す。
すぐ近くの市場で女性3人が同乗し、大量の荷物を載せる作業で時間が経つ。
市場周辺はモダンなタイとは異なり、土の上をニワトリや犬がぶらついている。
排気ガスを出すオンボロ改造車が音を立てて通過していく。
昨年の東ティモールやインドネシア以来の第三世界の光景である。
もちろんエアコンはなく、窓全開。
バックミラーの片方は壊れている。
ミャンマーの仏様に交通安全を祈るしかない。



タイ時刻午前8時、ミャンマー時刻午前7時半にトヨタはミャワティーを発つ。
過酷な山道と聞いていたものの、
ミャワディーを出発してしばらくツルツルピカピカの舗装された道路が続く。
山を切り開いた曲がりくねった道は追い越しも余裕な幅があり、
三車線はあるだろうか。
おしゃべり好きのドライバーに聞くと、
タイ援助で出来たばかりのニューロードらしい。
悪路で狭いオールドロードと違い、幅の広いニューロードのおかげで
奇数日、偶数日で進行方向が変わることはないそうだ。


ドライバーは同乗の3人の女性や自分とひっきりなしに話している。
かつてエンジニアをしており、娘三人を持つ49歳のおじさん。
娘の1人は弁護士をやっており、いつか日本に行きたいと話していた。
自分が独身で旅していることを話すと爆笑していた。

それにしても検問が多い。
山道を少し進むたびに現れる検問には銃を持った若い兵士がおり、
おじさんは通過するたびに現金やタイのエネルギードリンクM150を渡している。
軽く10回以上チェックポイントがあったと思う。

出来立てのアスファルトのニューロードは途中の村で終わる。
この先の道路の舗装作業は現在進行形。
道は石がむき出しのガタガタの赤土に変わり、
反対方向からバスがやってくると土埃が全開の窓から入ってくる。
車の屋根に載せたバックパックも赤土に染まってしまう。


ちなみに、ヤンゴン〜ミャワディー間のバスを何回か見かけた。
シェアタクシーを使わずにバスでヤンゴンに行き、乗り換えてマンダレーに行くことも可能だろう。
また屋根にまで人を乗せたオンボロバス、○○幼稚園と書かれた日本の中古バスも見かけたので、
ひょっとしたらモウラミンまで安くバスで行けるのかもしれない。


13時くらいにようやくモウラミンに到着した。
ミャワディーを出てから通過してきた山村の町と異なり、
それなりの規模がある町。
だが、バスターミナルはゴミが散乱しており、子供が裸になって水たまりで遊んでいたりと、
ラオスやカンボジア、あるいはインドやバングラデシュに近い。
同時に昨夜までいたタイがいかにモダンな国だったかと実感してしまう。


トヨタのドライバーのおじさんは最後まで親切で、
モウラミン17時発のマンダレー行きの夜行バスチケットを買うまで付き添ってくれた。
モウラミンに住んでいる方でまた来ることが遊びにきてと名刺までくれた。

おじさんと別れ、バス会社にバックパックを預けてから小汚いバスターミナル周辺をうろつく。
バスターミナルの屋台でミャンマー最初の食事をとる。
タイのようなスパイスがない油っぽいカレーだが腹が減っており美味かった。


食後の3時間の待ち時間は粗末なカフェでインスタントコーヒーをすすってぼんやりしたり、
バス会社のトイレで足を洗い、洗面所で顔を洗い、
昨夜からの夜行バス2連発に備えたりする。
16時半前から荷台に荷物を入れる作業が始まる。
マンダレー行きの夜行バスは日本の中古バスではなく、
中国製の最新エアコンバス。
今の時代使い古しの窮屈な日本製のバスよりモダンで快適な中国のバスの方が重宝されそう。



小汚い屋外のバスターミナルとは不似合いのエアコンバス。
袈裟をまとったお坊さんが乗り、ロンジーを巻いた男性や女性が乗り、
ひたすらミャンマーポップやコメディードラマがテレビから流れるミャンマーらしいバスだった。

午前中のシェアタクシーとは打って変わり、快適なバスで眠りまくって、
午前5時という早すぎる時間にマンダレーに到着した。
バンコクからマンダレーまでバス車内2泊の31時間の旅となった。


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2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

この内容は大変参考になりました。次回、同じルートの旅を検討中ですので助かります。
新しく出来た道路の完成時期が判れば良いのですが・・・・6月頃を予定しています。

takakkinen さんのコメント...

船越様
ちょうど1年前道路工事中でしたが、タイとの国境からモウラミンに辿り着ければ、そこから容易にマンダレーやヤンゴンに行けます。6月のミャンマーは暑いですが体調を壊さす楽しんでください。