2015年8月26日水曜日

パミール高原をゆく①キルギスタンのオシュ〜タジキスタンのムルガブ(2015年8月21日)

長かった中央アジア諸国のビザ待ち滞在の呪縛が解け、
イシククル湖とアルマティへの週末旅行を除いても7月9日から35日間居座ったビシュケクをついに去る。
タジキスタン、ウズベキスタン、アゼルバイジャン、イラン、トルクメニスタンの5つのビザがそろった達成感に浸るまもなく、
ビシュケクからオシュにシェアバンで移動し、パミール高原に向かってタジキスタンに入る。

毎晩遅くまで長期沈没旅行者と飲み語り、怠惰な合宿生活のような日々を送った南旅館ともお別れ。
サクラゲストハウスで出会って以来5週間も一緒に過ごしている神戸出身の誠さんと朝早くチェックアウトする。
朝起きるのが遅い人ばかりの南旅館でも午前7時から起床している方がいて、
玄関で見送ってくれたのが嬉しかった。
これまで多くの日本人が集まる世界中のゲストハウスに泊まってきたけれども、
ビザ待ちという旅の任務に並行して同じメンバーがだらだらと過ごし、
まるでシェアハウスの同居人のように朝から晩まで一緒に時間を共有した宿はない。


ビシュケクからオシュまでの車の中ではひたすら居眠り。
南旅館で怠惰が浸透してしまった気質はそう簡単に治らない。
それでも、予約したオシュゲストハウスで一泊した翌日から積極的にオシュを歩き回る。
まずはオシュからタジキスタンのムルガブ行きの交通手段を手配しないことには始まらない。

運が悪いことに宿泊客は5人のみ。
そのうち2人は自分と誠さんがチェックインした翌朝去ってしまった。
もう1人はアルマティのホステルで出会ったイタリア人の青年アレクサンドロ。
ほぼ3週間ぶりの再会を喜ぶと同時に、彼もまたタジキスタンに行くと言うので3人一緒に交通手段を探す。
オシュゲストハウスで手配できる車は1台225ドルと3人だと高すぎるので却下。
オシュゲストハウス近くのタージマハル•ホテルに他の旅行者を探しに行くも宿泊客がゼロだった。

ちょっと離れているBiy Ordoゲストハウスという評判が良く旅行者が多そうなゲストハウスを訪れてみる。
残念ながらBiy Ordoゲストハウスにも一緒にムルガブへ行く旅行者はいなかったが、
親切なレセプションの女性が電話をかけてくれて、地元の人とシェアする4WDを手配してくれるという。
料金は一人2000ソム(4000円)。
思っていたよりずっと安いので宿泊中のオシュゲストハウスには悪いけれどBiy Ordoにムルガブ行きの交通手段を手配してもらった。


8月21日。
中国のカシュガルからサリタシュに到着して以来、1ヶ月半滞在したキルギスタンを去る。
前夜ドライバーとの段取りで決めておいたオシュゲストハウス近くの待ち合わせ場所に午前7時に行くと、
しばらくして4WDが現れた。
メンバーは自分とタジキスタンでの道程も共にする誠さん、イタリア人のアレクサンドロ、
タジク人の老夫婦と孫のような少年、若者1人、ドライバーの8人なのでかなり窮屈。
自分はほぼ体育座りを強いられながら後方席に座る。
窓側なので写真撮影も可能。
オシュからサリタシュまでの岩山を撮りまくる。




まだ11時だがサリタシュで早めの昼食。
長い移動に備えて美味くない120ソム(240円)のマントゥを食べておく。


中国からキルギスタンに入ったときも見たサリタシュ周辺の雪山が遠方に望む。




サリタシュから1時間ほどでキルギスタン側の国境に到着。
出国手続きはドライバーにパスポートを預けて待つだけ。
荷物チェックもなくあまりにも簡単な国境越えだった。
ロンドンからモンゴルのウランバートルまでのラリーがあるらしく、
若いイギリス人がタジキスタンからキルギスタンへの入国審査を行なっていた。


キルギスタンを出てから無国籍地帯に入る。
タジキスタンのイミグレはずっと先にあるらしい。
ここからパミールの旅が始まり、パミール高原の絶景続きとなる。




パミール高原は西欧人のチャリダーに大人気のようですでに何人もの自転車乗りを見かけた。
苦行にしか映らない自転車旅行は自分には無理。
車窓からパミールハイウェイを眺めるので十分である。



タジキスタンの入口と思われるモニュメント発見。
皆車から降りてヤギの像などを見る。
ここは標高4500m以上でちょっと動くだけで息苦しくなる。
高山病にならないかちょっと心配。



タジキスタン側のイミグレでも手続きは楽勝。
4WDを降りて日本の援助で建てられた小さなイミグレオフィスに並ぶ。
難なく世界遊牧住み渡り20ヵ国目のタジキスタンに入国。
中央アジアは未知なる国ばかりで国数カウントも増える。
人生117ヵ国目のタジキスタン。
第一印象は雪を頂にのせた山ばかりのパミールの世界。




しばらく走ると湖が現れる。
ここもかなり標高が高いらしく、胸の動悸が激しく、頭にも違和感がある。


4WDの同乗者と記念撮影もする。





キルギスタンのオシュから10時間、まるで荒野の辺境のようなムルガブに到着した。



タジキスタン最初の宿はパミールホテル。
1泊12ドルと割高で、もちろんWi-Fiなし。
朝食もシンプルだが夜でも電気が走っている唯一まともなホテルかもしれない。

たまに子供をみかけるゴーストタウンのようなムルガブを夕暮れ時にうろつく。
タジキスタンの子供達は人懐っこい。



ネットも繋がらないムルガブでパミール高原の本格的な旅が始まった気がする。



 




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