2015年12月13日日曜日

イスタンブールからブルガリアのソフィアへ(2015年11月18日)

アジアとヨーロッパ、中東の架け橋となっているイスタンブールから本格的なヨーロッパへ入っていく。
季節も朝晩の冷え込みが厳しい冬に突入。
ブリガリアのソフィアの寒さに昨年のオーストラリア、南半球の夏のおかげでパスできた冬の到来を2年ぶりに体感する。



イスタンブールの12日間、様々な表情を見せてくれる界隈を歩き回る。
東京丸の内のようにオフィスビルが立ち並ぶレヴェントでモダンなショッピングモールを訪れたり、
イスタンブールのハイソな紳士や淑女のための高級ブティックが集まるニシャンタシュを冷やかしたりする。





海霧で町並みが霞んでいた前半と違い快晴続きの後半にボスポラス海峡を見渡せるオルタキョイを訪れる。
平日でも賑わっており、アジア大陸とヨーロッパ大陸を繋ぐ橋も頭上にある。



ボスポラス海峡に面したオルタキョイ•ジャーミーと背景の橋はイスタンブールのイコンのよう。
オルタキョイ•ジャーミーの屋内に海からの陽光が差し込み、
イスタンブールで一番美しいモスクでないかと思ったりする。




東欧、ロシア、コーカサス、中央アジア、中東、アフリカ、と多国籍な人種が集まる移民街のアクサライに何度も通い詰め、西安からウイグル、キルギスタンやウズベキスタンでよく食べたラグメンに再会し、シルクロードの夏旅を懐かしんだりした。




2005年、2007年に続く8年ぶり3度目のイスタンブール長居も大満足。
やはりイスタンブールは旅の通過地点として世界最高の都市だと実感した。


ブルガリアのソフィアへ夜行バスで移動する。
事前にバスステーションのオフィスを三軒廻ると、最安値が18時発のバスで60リラ(2600円)。
でも午前3時にソフィアに到着したくないので、22時発の75リラ(3200円)のバスにした。
まるで大手の飛行機のように座席の前に音楽や映画、ゲームを楽しめるパーソナルエンターテインメントのスクリーンが付いており、飲み物とお菓子のサービスがある快適なバスだった。
24時頃、トルコとブルガリアの国境に到着。
ちょこっとバスから降りてパスポートにスタンプを押してもらう。
トルコ側とブルガリア側の間には免税店があり、余ったトルコリラで7ユーロ(1000円)のウーゾボトル1リットルを購入。酒代が高くなるEUに入る前にちょうどいい。
ブルガリア入国審査時、トルコからついにEU、本格的なヨーロッパ入りとあってか、
イミグレの男性にブルガリア滞在期間や泊まる宿、今後のルートなどちょこちょこと尋ねられる。
日がすでに変わった午前1時、無事ブルガリアに入国する。


熟睡に入った6時前に早くもソフィアのバスステーションに到着。
寝不足による怠さを感じながら外に出ると強烈な寒さにバスに戻りたくなった。
数日前のパリでの銃撃テロの影響か、いきなり警官にパスポートの提示を求められる。
まだ日が昇る様子もない暗黒なので待合室の椅子で仮眠をとることなく夜明けを待った。
小さなカフェからのコーヒーの香りに久しぶりのヨーロッパを嗅いだ気がする。

夜が明けた7時半頃から動き出す。
ソフィアに2日滞在してすぐギリシャへと向かうため、
バスステーションの小さなバス会社オフィスを廻る。
ヨーロッパ諸国にネットワークを持つ小さなバス会社が集まるバスステーションだけでなく、
隣接したセントラル•バスステーションでも調べる。
結果、安かった34レフ(2400円)のソフィア〜テッサロニキのバスチケットを購入。
午前8時発なのでまだ外が暗い早朝にバスステーションに向かわなければならない。
気温とテンションの低さでまじまじとヨーロッパ入りを実感してしまう。

ネット予約したEleganceホステルのチェックイン時刻は14時と記載されているが、
先にバックパックを預かってもらうためにバスステーションから歩いていく。
若干曇り空のソフィアはリュックとバックパックで体を挟んでいても寒く、
大きな野良犬やホームレスが徘徊し、薄汚れた建物に高揚感が湧いてこない。
1泊16レフ(1100円)でドミを予約したEleganceホステルにたどり着くと、
ドアは閉まっており、呼び鈴を鳴らしても誰も出なかった。
ルームレントでオーナーが不在らしく、オフィスアワーは12〜24時と記載されている。
まだ9時前であり、まだまだ待ち時間があるのでバックパックを背負ったまま外に出る。
尚、イスタンブールから使い終わったガイドブックやポータブル•ハードデスクのコピー、
小物を実家に送り、3.5キロの減量。
12キロくらいになったバックパックは免税で購入したウーゾボトルが入っていても軽い。

さすがに寒い午前中からバックパックを背負って街歩きする気力はなく、
ちょっとした公園のベンチに座って夜行バスでの疲れをとる。
太陽が現れると暖かみがあり、ほんわりとした陽光に包まれながらパーカーのフードを被って仮眠をとった。

1時間以上仮眠をとった後だろうか、いきなり後頭部に衝撃が走る。
何がなんだか分からずに振り返ってみると、パーカーのフードにトマトやキュウリがついており、
ベンチの向こうに高笑いしながら走り去っていく青年2人の後ろ姿があった。
ベンチの裏にはプラスチックの容器が落ちている。
どうやら青年2人にサラダが残ったプラスチック容器を後から投げつけられたらしい。
バックパックを降ろしているので追うわけにもいかず、
状況を把握しきれない苛立ちの中、パーカーに付着した生野菜のカスや汁を拭き取った。
いきなりのヨーロッパの洗礼という感じ。
腹立たしいの一言だけれども、治安が良いとはいえないヨーロッパの公共のベンチで寝ていた自分を反省した。
人が優しくて親切なイスラム圏から懺悔するだけで罪をあがなえるキリスト圏に入ると、
スリや置き引き、詐欺やイタズラもぐっと増えてくると悟った。


正午過ぎにようやくEleganceホステルにチェックイン。
ヨーロッパでよくある若者がパーティーのために集まるようなホステルと違い、
清潔なダイニングルーム、キッチンがあるアパートの一室のルームレントであり、
10人用ドミには旅行者とは思えない長期のアメリカ人と韓国人の二人がいるだけだった。



ソフィアの街歩き。
ブルガリアもトルコ同様、2005年のパリ〜バリ島へのユーラシア大陸横断の道程で滞在しており、10年ぶり。
とはいえ、町並みに大きな変貌はなく、キルギスタンやジョージアのような旧ソビエトの雰囲気が漂っており、建物は薄汚れている。
キリル文字表示が懐かしくもあり、ロシア語に近い言葉の響きにビシュケクあたりに戻ってきたようだ。
青空市場はトビリシと変わらない。



実はバルカン半島にイスラム圏があり、
マケドニアやアルバニア、コソボではモスクからアザーンが聞こえてくる。
東欧のイスラム諸国と近いからか、ソフィアにもモスクがある。
しかし、古びたモスクからアザーンは聞こえてこない。


モスクに変わって現れるのが教会。
見た目はトルコにあるような教会が道路の真ん中に鎮座していたりする。
静寂で重厚な教会内部は写真撮影が禁止とのこと。
こそっと撮ったりして注意されないようにしたい。



ソフィアで一番大きなアレクサンドル•ネフスキー大聖堂は黄金ドームが輝いている。


ブルガリアどころか、世界最大級の正教会の聖堂という。
内部も重厚であり、薄暗闇で光を灯すロウソクが神秘的。
モスクとは異なる教会の静寂にまたまたヨーロッパ入りを実感した。


ブルガリアはEUとはいえ、物価はトルコより安く感じる。
ランチタイムに列をなす食堂でチキンスープとフライドチキン煮込みを食べても7リラ(500円)。
市場の簡易食堂だと一食5リラ(350円)で十分だった。


ソフィアに2日滞在してから始まるギリシャ&キプロスでの1ヶ月間のバカンスを前に栄養をとっておきたい。





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