2015年12月30日水曜日

オフシーズンのサントリーニで青と白の世界、赤いサンセットとワインを味わう②フィロステファニ、イメロヴィリ(2015年12月5日)

サントリーニ島のイアが夕日観賞スポットとして有名だし、
ポストカードやカレンダーで見馴れてるくらいのサントリーニの原風景となっているが、
個人的にはフィラから歩いて30分のフィロステファニ、
1時間のイメロヴィリの方が歩き回っていて楽しかった。
タツノオトシゴの形をしたサントリーニ島の腕に当たる部分のイメロヴィリ、すぐ南のフィロステファニ。
イアの見晴し台より100m以上高いイメロヴィリからの夕日も期待できる。




サントリーニ3日目。
前夜、6ユーロ(800円)もするのにあまりにも普通の中華風炒飯にがっかり。
いくらギリシャ料理が高くてもわざわざサントリーニ島で中華を食べたことを後悔してしまった。
空気が冷たい7時前に起き、震えながら日の出を眺め気を取り直す。
フィラのTatakiホテルからのサンライズは近くの建物がちょっと邪魔だった。


フィラから徒歩で廻れるフィロステファニ、イメロヴィリなので、中央アジア、イランで会い、
ギリシャで再会した日本人旅行者6人それぞれ自由行動。
今日は大人の格安バカンスをより演出するためにリュックにロゼワインのボトルとワイングラスを忍ばせておく。
日陰は寒くても日向はほんのりと暖かいフィラからゆっくりと北上していく。
フィラから眺めるカルデラもイアに劣らず絶景。
標高が高いだけあって迫力がある。
島北端のイアも遠方に見える。



フィラのカフェやレストランは崖に沿って造られているので、
ドアを開けてから階段を下ることになる。
窓からカルデラを覗けるドアはシュール。
まるで「どこでもドア」のようだ。


フィラから海に面した道を登っていくと可愛らしい教会が現れる。
青いドームの教会とひと味違う白とパステルカラーの教会。


教会を去り、来た道を振り返ってみるとフィラの絶景が広がる。
かつて見たアメリカのグランドキャニオンのように険しい断崖に白い街並が広がる光景もまたシュール。
こんな島、世界中旅して廻ってもふたつとないだろう。


フィロステファニが近づく頃、前方にイメロヴィリ、
その先のモニュメントバレーのような半島の向こうにイアが見える。
紺碧の海に縁取られるカルデラの境界線はエメラルドグリーン。
透明な海も火山活動で深そうだ。



休業中のホテルばかりのフィロステファニを歩く人はいなく、
原色のブーゲンビリアでより白さが際立つホテルのテラスで猫が日向ぼっこしている。



目が痛くなるほどの白さを持つフィロステファニ。
建物の白い煙突と青い海のコントラストがこの街のスカイライン。
21歳で訪れてから15年が経ち、かれこれ120ヵ国以上旅してきたけれども、
サントリーニを越える美しい島にいまだ出会えていない。




白い建物を縫う灰色の階段を上り下りする。
休業中のホテルはテーマパークの迷路のようで面白い。




高級感漂うフィロステファニにプールが似合っている。


雲が落とす影でまだらになる海を背景に眼下に見える教会と崖にへばりつく白い建物。


早くもワインボトルをリュックから出したくなる衝動を抑えて、
まずはワイングラスでミネラルウォーターを飲む。
逆さまになって水に映るフィロステファニの景色をそのまま持ち帰りたい。


フィロステファニの青いドームの教会もまたサントリーニの原風景だろう。


フィロステファニを去り、崖の頂上に向かって白い家屋が続くイメロヴィリに到着してからワインタイム。
オフシーズンで閉め切ったホテルのテラスに腰を下ろし、グラスに映り込んだ赤い絶景に酔う。




ほろ酔いの中、海へと続くような階段を下り、イメロヴィリを探索。
冬期改装中のホテルがあり、作業するギリシャ人、荷物を運ぶロバと通りすがったりする。
逆に他の観光客や村人を見かけることはない。




イア、フィラ、フィロステファニより標高が上のイメロヴィリから望む海は群青色だった。
誰もいないプールサイドで絶景を独り占めしたいものだ。




夕暮れまでまだまだ時間があるのでモニュメントバレーのような半島に向かってみる。
その前に再びロゼワインでエネルギー補給。




教会から半島への石段を一気に下っていく。
西日が強いので汗がにじむ。


西に突き出している半島では海からの風が強く、
ワインのほろ酔いも薄れていく。
イメロヴィリの先にあるのはイアだけで、
北西に伸びる細長い岸壁に粉雪のようなイアがトッピングされている。
タツノオトシゴ形状の頭にあたるイアを遠くから見ると、
海に寝そべるドラゴンの首に見えなくもない。


一方、南側にフィロステファニ、フィラを載せたカルデラの断崖が連なる。


半島をさらに下った先端にある教会は使われているのだろうか。
無人島に残された一軒家のように佇んでいる。





半島でタカヤさんと合流し、お互い写真を撮りつつイメロヴィリで夕日観賞スポットを探す。
最終的に決めたのはやはり休業中のホテルのテラス。
オフシーズンだからこそいろんなリゾートホテルに踏み込める。


サンセットを待ちつつ再びワイングラスにロゼワインを注ぐ。
飲んでばかりのサントリーニ島3日目。


お酒を飲めないタカヤさんもワイングラスを片手にご満悦。
自分も気取ったポーズでタカヤさんに写真を撮ってもらう。
長期旅行者はロマンチストなのだろう。



白かったイメロヴィリが黄金色に変わっていく。



気温がじょじょに下がっていき、西日もゆっくりとエーゲ海の水平線に近づいていく。



あまりにも充実したフィロステファニ、イメロヴィリでの一日に祝杯をあげる。


この日は細くたなびいた雲に夕日が隠れる。
夕日観賞用のワインも残りわずか。



一度雲に隠れた太陽がすぐにまた顔を出す。
サントリーニのサンセットは何とも心憎い演出を見せてくれる。



上空を貫く飛行機雲もまたしかり。


前日のイアにもまして丸い太陽がエーゲ海に沈んでいく。
気がつくとタカヤさんは別の場所に撮影しにいっている様子。
イアの見晴し台と違い観光客一人いなく、
完全に独り占めのイメロヴィリのサンセット。



この日も水平線に吸い込まれるようにピンクの夕日が沈んでいった。





サントリーニ3日目の夜でメンバー解散。
コウスケさんとタカヤさんは翌早朝便でアテネに戻り、すぐにイタリア、アルバニアへ。
アヤさんとナナさんは翌夜便でアテネに戻り、数日後にハンガリー、ブルガリアへ。
自分とサチコさんはもう2泊し、サントリーニ5日目にアテネに戻り、キプロス、レバノンへ。
中央アジアやイランで最初に会ってからあちこちで再会を繰り返したシルクロードの旅人ともギリシャでお別れ。
東から西へとルートが似通っている中央アジア、イラン、コーカサス諸国、トルコと異なり、
ヨーロッパ、中東においてはそれぞれ行き先も滞在日数も異なる。
またどこかで再会出来れば…と思いつつ、最後の晩餐をちょっと高めのギリシャ料理店で食べ、
Tatakiホテルの部屋でワインやウーゾを飲んで語り、笑い合った。
大人の格安バカンスとして最高の舞台のサントリーニ島。
アルコールの気だるさで目覚めた4日目も、夜便でアテネに戻る5日目も再び訪れたイアやフィロステファニの断崖から眺めたサンセットは最高だった。














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