2015年12月16日水曜日

ブルガリアからギリシャのテッサロニキ、メテオラへ(2015年11月23日)

寒かったソフィアを2日で去り、避寒地として1ヶ月ちょっと過ごすギリシャ&キプロスでエーゲ海の島廻り。
観光客が少ないであろうオフシーズン、季節外れのバカンスとなるはず。
ロンドンでクリスマス、年末年始を過ごす前に一時的に冬を忘れさせてくれるかもしれない15年ぶりのギリシャに期待を寄せる。


まだ日が昇っていない7時前にソフィアのEleganceホステルを去る。
夜明け前の闇はいいにしても4度という寒さが意識を覚醒させる。
ヨーロッパ中へのバスが発着するバスステーションに到着し、小さなオフィスで8時発のテッサロニキ行きのバスを待った。
ソフィア〜テッサロニキ5時間の移動で34レフ(2400円)。
オフィスではベオグラードへ向かうアフガニスタン人やブダペストを向かう英語を話す人がいたりと多国籍なバルカン半島、東欧を感じる。

単調なバス移動中、早起きのため居眠り続き。
食事休憩時に外に出る以外は車内で夢うつつとなった。
ブルガリア〜ギリシャの国境でイミグレの係員がバスの乗ってきて、
自分の仕事やギリシャの滞在期間などちょこちょこ尋ねてくる。
係員がオフィスにパスポートを持っていき、戻ってきたパスポートページを見ると、
ブルガリアの出国スタンプが押され、ギリシャの入国スタンプが押されていた。
ギリシャからシェンゲン圏に入るからかもしれない。



いずれにせよ、面倒な税関申告書を何度か書き直されたり、
1時間近くバックパックの中身やiPhone、パソコンの写真データをチェックされるウズベキスタンなんかに比べると簡単すぎる入国手続き。
今回の世界周遊において31ヵ国目となるギリシャ。
大学生の夏休み中の地中海旅行以来15年ぶりのギリシャに入国した。
尚、ブルガリアを去り、ギリシャ入国から適用されるシェンゲン協定。
前後すべて含めて180日間のうちシェンゲン圏に90日までしか滞在出来ないというルールだが、
ギリシャ&キプロスに1ヶ月ちょっと滞在してからロンドンだし、来年年明けてのモロッコ、チュニジア周遊後に再びシェンゲン圏のマルタ、イタリア、スペインに入っても物価高なEU諸国なので長居無用。
心配無用のシェンゲン協定だろう。


テッサロニキに到着すると、避寒地と期待していただけあってイスタンブールやソフィアより温暖。
夜になっても10度を切らないのがありがたい。
来週からのザギントス島、サントリーニ島、キプロス島での大人の格安バカンスに向けてテンションが上がってくる。


尚、カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イランで旅の日々を長らく共有したバンコク在住のまささんがバンコクからパリ経由で遊びにくるのでアテネで合流し、ザギントス島に一緒に行こうとイランにいた時点で話し合っていた。
さらにキルギスタン、ジョージア、アルメニア、イランで一緒だったサチコさんが現在キプロス周遊中であり、同じくアテネにて合流でザギントスも一緒。
サチコさんとはその後のサントリーニ島のバカンスも事前に格安航空券を予約して共にする。

ブルガリアと隣同士のEU圏でも通貨がユーロのギリシャに入ると急に物価が上がる。
ネット予約したテッサロニキ最安のドミトリーThessalonikiルームレントで16ユーロ(2000円)もする。
コーヒー、ジュース、卵、ソーセージ付きの朝食が付いているのが救いか。



歩き回ってもそれほど西欧臭がしないギリシャ第2の都市テッサロニキ。
ブルガリアのソフィアのような無味乾燥なソビエト風の建物は消えたけれども、
アゼルバイジャンのバクーで目の当たりにしたようなヨーロッパらしさがあまりない町並み。
唯一町の中心にある広場だけいかにもヨーロッパ風に造られている。



普通のアパートが続くテッサロニキだけど、不意に教会や遺跡が住宅街の一角に現れるのがギリシャっぽい。




それでもエキゾチックなウズベキスタン、イラン、旧ソビエト圏のジョージア、アルメニアに比べると歩いていて目に留まるものが少ない。
テッサロニキのメインはあくまでエーゲ海。
夕暮れ時のエーゲ海は寒さもなく、ただただ立ちすくんでしまう。
釣り人やカヌーを見ているだけでエーゲ海にやってきた実感が湧く。




テッサロニキに3日滞在し、毎日見たエーゲ海に沈む夕日はアジアにはない種類の穏やかさがあった。





テッサロニキでEUの物価に馴れつつ、「住み渡り」の「渡り」の部分より「住み」の部分に近くなったギリシャ4日目、メテオラに移動する。
街中からテッサロニキのバスステーションに市バスで簡単に移動出来る。



やってきた32番バスに乗り、ドーム型のマケドニア•セントラル•バスステーションに到着。


テッサロニキからメテオラの起点となる町カランバカまでトリカラ乗り換えで21ユーロ(2700円)。
4時間弱のバス移動でこの値段は高い。
尚、カランバカ〜トリカラ〜アテネのバスチケットは距離にして260キロなのに31ユーロ(4000円)。
夜行バス10時間で1000円くらいのイランの物価が染みついているときつい。
オフシーズンのせいか、テッサロニキ発トリカラ行きは8時半の次が12時。
他に選択肢はなく、12時のバスに乗り込むとトリカラには15時頃到着する。
乗り継ぎのトリカラ〜カランバカが16時15分とオフシーズンで効率が悪いギリシャ旅行になりそうだ。

最終的に日が暮れる直前にカランバカに到着した。
バスを降りて早々、ホテルの客引きのおじいさんがやってきて20ユーロ(2600円)のルームレントを紹介してもらう。
ホステルのないカラバカのホテル料金は高めで、ネットで調べても25ユーロが最安値。
朝飯をつけると+5ユーロだったりする。
ただ物価高のユーロ圏内でシングルで20ユーロは安い方なのかもしれない。


ただ20ユーロの部屋からメテオラの奇岩は見えなかった。



午前10時からメテオラの奇岩、修道院廻り。
空はどんよりとしている。
前夜の雨のせいで暖房がない部屋は寒かった。
天気予報では午後から降水確率30%。
夕焼けに期待するどころか、早い時間から精力的に廻りたい。

カランバカの小さな町の背景に断崖絶壁の奇岩がそびえている。



カランバカの街を西に向かって歩き、西の外れで見た案内板によると、
メインのグレートメテオラの修道院まで直線距離は2キロ、実際は3キロくらいだろうか。



でもシンガポールや西新宿の高層ビル群より高い奇岩の頂上まで登らないといけないのでかなり遠い。
ちなみに夏場、オンシーズンだと上までいけるバスがあるそうだ。
オフシーズンはバスドライバーも働かないのがギリシャっぽい。
ストライキ、経済破綻と騒いでいる前に朝から晩まで一生懸命働いてほしい。

進行方向の北側にメテオラの奇岩が連なり、
南側に今頃紅葉している森林が広がっている。
曇っているものの、時々雲間から陽光が射したりする。



途中人懐っこい子犬につけられたり、番犬のような犬に吠えられつつ、
カランバカの中心から40分ほど歩いて山登りコースの入口にたどり着く。
紅葉の木々のさらに上空に修道院がある。
まさに宙に浮いているようも見える。
比較的楽そうな車道に沿って歩く方法もあるが、
婉曲したアスファルトの車道は3キロ以上ありそうなのでトレッキングを選ぶ。



昨夜の雨のせいで湿っぽく、小さな虫が寄ってくる。
蚊が少ないのが救い。
トレッキングコースからの景色にトルコですでに冬に突入したと思っていたのに、
懐かしい穏やかな秋の雰囲気を感じる。


ひたすら落ち葉に覆われた石階段を登っていく。
15度前後の気温のおかげで暑くもなく、寒くもなく、
薄らとにじむ汗とひんやりとした空気が絶妙のトレッキングの組み合わせである。
山道の静寂を乱すものは自分の足音くらいで、
立ち止まると内からの鼓動と下界で犬が吠えているのが聞こえる。


なぜか亀を見かけた。
山登りで亀を見かけるなんて幸運でも寄ってくるのだろうか。


奇岩に立つ修道院も近くなる。
グレートメテオラは頭上にあり、山登りコースから見えるのはお隣のVarlaamという修道院だそうだ。


早いピッチで20分くらいで頂上まで登り詰める。
いきなり中国人数人のツアーグループがいて戸惑ったが、
すぐに消えていき、元の静寂に包まれる。
入場料3ユーロ(400円)には目をつむり、グレートメテオラへ。
修道院へ登る階段からメテオラの奇岩と別の修道院が望む。
天気予報を良い意味で裏切ってくれた陽光が立体感を添えてくれる。


気まぐれな陽光に期待を抱きつつ、グレートメテオラに入る。
オフシーズンとなって観光客は少ないのだろう、数名のギリシャ人やスペイン人、
韓国人と中国人とカップルを見かけるくらい。
修道院の博物館や猫を見たりする。



断崖絶壁の頂上の修道院からは眼下の街も見渡すことが出来る。
メテオラの奇岩とわずかな秋、いや冬の日光に照らされる街のコラボが惹き付ける。


グレートメテオラを出てすぐ隣りのVarlaam修道院へ。
グレートメテオラの修道院を見て廻ると、新たに3ユーロ払って別の修道院を訪れる気にはなれない。
外見のみを満喫する。




やがて陽光は隠れ、雲が多くなる。
多少雨粒が落ちたりする。
それでも帰り道はメテオラの景色を見ながらのんびりと5キロ以上の車道を歩く。




山道に沿って宴曲した道は5キロ以上距離があり、カランバカに戻るまで時間もかかる。
それでもエーゲ海のバカンス前に紅葉に染まった絶景を味わえるメテオラだった。









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