2015年12月26日土曜日

オフシーズンのサントリーニで青と白の世界、赤いサンセットとワインを味わう①イア(2015年12月2日)

世界一というのはなかなか決められないと思う。
世界一住みたい街は季節や物価、食事や宿で変わってくるし、
世界一美しい海も天候や観光客の多さに左右される。
世界一の夕日なんかはそのときの気分やロケーションでころころ変わる。
それでも、世界一美しいと信じている島が自分の中に存在している。
21歳の地中海旅行で8日間滞在し、青と白の世界に惚れ込んだサントリーニ島。
タツノオトシゴのような三日月の島の形状、断崖絶壁の上に雪を散らしたような白い街、
高台から眺めるエーゲ海に沈んでいく真っ赤な夕日…。
季節外れのエーゲ海、大人の格安バカンスの第二弾として15年ぶりのサントリーニを訪れる。


雷雨に苛まれた先週のザギントス島と異なり、快晴続きの天気予報。
当初予定していたアテネ〜サントリーニのフェリーではなく、
往復で20ユーロ(2600円)と格安だったライアンエアーでサントリーニへ向かう。
1人でのバカンスを計画していたけれども、旅仲間に声をかけているうちに同行者が増え、
メンバーは合計6人。
ザギントスでも一緒だったサチコさん、コウスケさん、
テヘランのサッカー球場で初めて会い、エスファハーンやイスタンブールでも再会したタカヤさん、
同じくテヘランで会い、エスファハーンでの時間を共にしたアヤさんと友人のナナさん。
皆、1日前後、早朝便、夜便と発着のフライトは違うけれども同じ格安ライアンエアーで予約済み。
中央アジアやイランでちょくちょく会ってきた旅仲間と世界一美しいと思っているサントリーニ島で再会出来るのだから楽しみが倍増する。

15年ぶりのサントリーニ島滞在期間は4泊5日。
重いバックパックをスタッフが親切なZorbasホテルに預かってもらい、
リュックだけで大人の格安バカンスに出発。
晴れ渡るアテネをシンタグマ広場からの市バスX95番に乗り空港へ向かう。
初めて利用するライアンエアーはオンラインで搭乗手続き後、
ボーディングパスを事前にプリントアウトしなければならなかったり、
荷物制限が厳しかったりと乗る前から気合いが入るLCCだけれども、
国内線だからかチェックインカウンターでのVisaチェック手続きが不要だったりと意外とスムーズだった。



サントリーニ島の起点として中心の街フィラに宿をとる。
すでに早朝便でコウスケさんとタカヤさんがチェックインしているTatakiホテルに夜便でアテネを去った自分とサチコさんが合流。
なぜか空港のアライバルでTatakiホテルの無料送迎があったりと幸先がいい。
カルデラに面したオーシャンビューでないけれども、部屋はリゾートにふさわしい清潔さと設備で、テラスにジャグジーがある。



尚、初日ぬるま湯に浸かったジャグジーはスーペリアルームのプライベートのものだったらしく、
2日目以降入ることが出来なかった。
もともとカルデラの反対側の緩やかな傾斜に向いているジャグジーであり、
湯船で夕焼けを眺めながらワイン…という妄想が叶わなかったので諦める。

サントリーニ初日からオフシーズンのデメリットを味わう。
営業中のレストランは少なく、そもそも安めの食堂が皆無。
6人のメンバーのうちコウスケさん、タカヤさん、サチコさんが集うも、
1.8ユーロ(240円)のたいして美味くないギロスにアテネで毎日食べているパキスタンカレーを欲してしまう。
1.5リットルで4ユーロ(550円)のロゼワインをスーパーで買ってサントリーニでのグルメを忘れるしかない。
オフシーズンの大人の格安バカンスなのだから。



サントリーニ2日目は朝から快晴。
Tatakiホテルからフィラの町並みを眺めつつ、
一週間前に雷雨で苦しんだザギントスとのギャップににんまり。


早朝の便でやってくる残りのメンバー、アヤさんとナナさんを待つ間、
サントリーニ唯一の歓楽街イアをちょこっと探索。
ハイシーズンの9月に訪れ人混みにウンザリした2000年と打って変わって閑散としたフィラの路地。
シャッターを下ろした店の方が多い。



だからかフィラから一望できるサントリーニのカルデラと青い海を独り占め。
ここから白い建物に覆われる断崖絶壁の絶景が続くサントリーニの日々が始まる。





エスファハーン以来にアヤさんと再会し、初めて会うナナさんと自己紹介してからフィラの小さなバスステーションへ。
フィラ〜イアを2時間に一本くらいのペースでバスが運行しており、
11時30分のバスに日本人旅行者6人が乗り込む。
1.8ユーロ、20分のバス旅。
進行方向右側の方がカルデラ反対側の青い海に沈んでいく傾斜の車窓を堪能できる。

2000年に訪れた際に7泊したイアに到着する。
三日月の頂点、タツノオトシゴの頭にあたる街イアは夕日観賞スポットNo.1として有名。
あまりにも有名すぎて最北端にある見晴し台の混雑ぶりにウンザリしたのを覚えている。
バスを降りて路地を抜けると、おとぎ話の世界のような白い街が現れる。
青いドームの教会がサントリーニにいると実感させてくれる。




青いエーゲ海を包み込むカルデラ地形の絶景に皆言葉を失って撮影しまくる。



そしていきなり現れるサントリーニの原風景。
青いドームの教会とエーゲ海の写真はポストカードで見慣れているけれども、
実際に目の前に広がると口元が緩んでしまう。



車もバイクも走っていないイアの魅力はアップダウンの階段を上り下りしてこそ満喫出来る。
ヨーロッパに入って以来初めて半袖になれる暖かさがテンションも上げてくれる。
右を向いても左を向いても、視線を下ろしても上げても絵になる風景ばかり。
陽光が照り映える建物の白い壁が眩しすぎる。





夏に観光客でごった返すイアといえども閑散しているオフシーズン。
冬期休業中のホテルも多く、勝手にホテルのテラスに侵入して寛いだりできる。
人がほとんどいないおかげで記念撮影もし放題。
まさに貸し切り状態のサントリーニである。





白い建物にトッピングを添えたようなブーゲンビリアのピンク、ハイビスカスの赤が夢物語へ誘ってくれる。
さすがオフシーズンでも韓国人や中国人、インド人の新婚さんに人気あるだけある。



白と淡いクリームカラーの家屋の向こうに見晴し台が見える。


ここもまたオフシーズンの恩恵で数人の観光客がいるだけ。
もともと海で泳ぐよりもカルデラの絶景と白い街歩きが目的のサントリーニはオフシーズンの方がいいかもしれない。
見晴し台から青いドームが点在する南側の風景、風車がある北側の風景を眺める。
何度シャッターを押しても飽きずにファインダーを覗いてしまう。





もともとレストランが高く、ギロスを食べられるファーストフード店も休業しているイアでランチを望めず。
ようやく見かけたスーパーで各自チーズやハム、パンに缶ビールを買って高台から海に降りる。
サントリーニ島のカルデラに面したリゾートがある街、フィラ、イア、フィロステファニ、イメロヴィリ。
すべての街が断崖絶壁の頂上に雪が降ったように点在しているが、標高が若干異なり、
高いイメロヴィリで300m以上、低いイアでも200m近く。



イアから小さな船着場に降りるだけでも新宿の高層ビルを階段で登り降りするようなものだ。
荷物を運ぶロバに道を譲りつつ、またロバの糞の匂いに堪えながら石段をゆっくりと下っていく。



小さな漁港にたどりつく。
上から見ると青いだけの海も近くで見ると澄んでいる。




波止場で安くて美味くないハムやチーズを食べていると猫たちが集まってくる。
猫に貴重なランチを取られないように食べるしかない。



でも、可愛らしい猫についついチーズをあげてしまう。




遅いランチを終え、缶ビールを飲んでまったりと陽光が心地よい昼下がりを過ごし、
誰もいない岩場の海水浴場を見てからいよいよイアでの夕日観賞。




5日間滞在し、最終日のフライトは夜便なので4度のサンセットタイムがある。
サントリーニでの夕日観賞初日を北の見晴し台から。
かつて人が多すぎて見晴し台に侵入するのも苦痛だったトラウマがあるが、
オフシーズンで思っていたほど混雑していなかった。
日の入り直前にやってきて日が沈むと同時に去っていくやかましい中国人の団体グループをのぞいて。



自分ら6人は見晴し台の石段によじ登って西日に映えるイアの街並を眺める。
現実のものと思えない光景に口数も減る。




カルデラの向こうに沈む夕日を前にしてただただシャッターボタンを押すだけ。




エーゲ海の水平線ギリギリに太陽が沈んでいく。
沈み始めたらあっという間に真円が半円になっていく。




太陽が完全に水平線に隠れてからピンク色に染まるイアの風車を眺めながらしばらく撮影休止。
タイムラプス撮影中のiPhoneのバッテリー残量が大丈夫かチェックする。
騒ぎながら写真を撮っていた中国人団体客が去ると見晴し台は元の静寂を取り戻す。
カメラを持った西欧人は日が沈んだ方向をじっと見ている。
夕暮れが最も美しくなるのが日の入り10〜15分後だと知っているのだろう。



水平線の赤がピンク、紫と変わっていくグラデーションに世界一美しいと信じているサントリーニで眺める夕焼けも随一かもしれないと思う。




30分近く続く残照にイアからフィラに戻るバス最終時刻が18時半とまだまだ時間があることに安堵。


そして、まだまだサントリーニ2日目。
明日も明後日も極上のサンセットに期待出来る大人の格安バカンスになりそうだ。













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