2016年1月6日水曜日

オフシーズンのエーゲ海、最後はロードス島で(2015年12月19日)

旅仲間と訪れたザギントス島、サントリーニ島、1人でのんびりと過ごしたキプロス島に続き、
季節はずれのエーゲ海、大人の格安バカンスの第4弾、最後はロードス島を訪れる。
キプロスからアテネに戻りロンドンに飛ぶまで7日間もあるので他に良い場所はないかと探していたところ、
ライアンエアーでアテネ〜ロードスの往復が30ユーロ(4000円)と安かった理由もある。
小汚さと寒さ、野良犬が多く街歩きの高揚感が湧いてこないアテネ。
毎日のように入れ替わり寝泊まりしているアラブ系の人々がレセプションでもめているzorbasホテルも快適さから無縁。
そんなギリシャの首都からのエスケープにもロードス島はよさそうだ。


今回選んだライアンエアーのロードス行きの便が早朝出発であり、前夜アテネ空港泊する。
予めオンラインでチェックインしてボーディングパスをプリントアウトし、
バックパックはzorbasホテルに預けてリュックだけで乗り込むフライト。
早い段階でトランジットルームに入って仮眠をとった。
さすがにサントリーニ、キプロスと3週連続のエーゲ海空路なので真新しさはなく、
日の出前の45分間のフライトで夢うつつの世界を彷徨った。

午前8時前にロードス空港に降り立ち、空港前でなかなか来ない市内行きのバスを待つ。
朝晩の気温が5度前後まで下がるアテネから来ると、寒さが厳しくないロードス島。
大人の格安バカンスの締めくくりとして悪くない。
ホテルのチェックインは14時からだし、手荷物はリュック1つなので午前中からロードスを歩き回る。
メインの街ロードスに海が奇麗なタウンビーチがあり、
世界遺産に登録されている中世の城塞都市がある。
なかなか雲間から陽光が差し込まないマリーナ。
夏場クルーズ船やトルコからの観光客で賑やかそうだけれども、
12月中旬を過ぎると閑散としている。


マリーナすぐ近くのタウンビーチ。
気温が低い午前中であり、雲が多いからと言う理由だけでなく、ほんとんど人がいない。


砂利を敷きつめたビーチは小奇麗であり、
穏やかで透き通った波が押し寄せている。


大型船が横切って行く中、年配の方が泳いでいる。
お世辞にも海水はぬるくない。
より寒いヨーロッパからの観光客だろうか。


地元の島人は着込んで釣り糸を垂らしている。
ハイシーズン中、人で埋め尽くされるであろうリゾートで釣りをしている姿にオフシーズン感が漂う。


世界遺産の旧市街も同様、ほとんどの店がシャッターを下ろしており、
逆にそれらしい雰囲気が漂う石畳の城塞都市。



騎士団で有名な中世の小道や路地は観光客で溢れていない方がいい。



城塞都市の中程にあるmedieval roseホテルにチェックインする。
人の気配が感じられない冬期閉鎖中のようなホテルだが、
呼び鈴を押すとアジア系の女性が迎え入れてくれた。
キプロスのラルナカやパフォスのキッチン付きのホリデーアパートに敵わなくても、
清潔感溢れる居心地良いホテル。
ここ2泊で30ユーロ、一晩15ユーロ(2000円)なのでコスパがいい。


残念なのが天気。
午後からは本格的な雨模様になり、
日が暮れてから雷雨に見舞われるほどだった。
中世の城塞都市に鳴り響く雷は映画のシーンのようで趣がある
…なんて悠長に言ってられない。
折り畳み傘をアテネのzorbasホテルに預けたままなので雨がやむまで夕食に行けないし、
大人の格安バカンスに必要なワインもスーパーに買いに行けない。
また停電でWiFiすら一時的に繋がらなかったりと
中世の生活の不便さを実感する世界遺産の中のホテルだった。


2日目も天気予報で雨。
朝方強い雨の音で目を覚ましてから諦めて二度寝する。
それでも11時前に深い眠りから起き上がったとき陽光が射していた。
旧市街を歩き回ってみる。
相変わらずシャッターを下ろした店ばかりだが開いているカフェやレストランがある。
中世の城塞都市では曜日によって店が開いたりするそうだ。



ロードス島に猫が多い。
サントリーニ、キプロスでも多かったけれども、
ロードスの旧市街の猫は住民より多い気がする。
まるで自分らの街のように石畳のあちらこちらを食卓とし、
寝床とし、用を足すトイレに使っている。




自動車やバイクはもちろん、
歩行者とも滅多に行き違いにならない石壁の小径やトンネル状の路地を歩くのは楽しい。
時が止まったような世界で紀元前から繰り広げられてきた戦いを想像するのはできないけれども。




ローマ帝国や騎士団、オスマントルコ帝国の征服、
あるいはヴェネチア帝国の支配など、城塞都市で流れてきた歴史を知るはずもないが、
ついついつぶやいてしまう。

夏草やつわものどもが夢のあと




城塞の外にエーゲ海がある。
レゴブロックのような城壁が海辺に影を落としている。



青空が広がるロードスのマリーナを歩いてみると、
ヴェネチア帝国の影響が見られなくもない。




午後三時の時点で淡い西日を浴びるタウンビーチ。


透き通った海水に映る自分の影に季節外れのエーゲ海の島廻りの終わりを実感する。


島廻りのフィナーレにサントリーニで見た赤いサンセットをもう一度
…とはいかないようだ。


ロードス島で有終の美を飾れなくても、
満足すぎるほど充実していた今年2015年。
シドニーでカウントダウン花火により年明け、
派手すぎるシンガポールの旧正月、
シンガポールからの格安モルディブ旅行、
クアラルンプールで再会した父と初めての海外親子旅行、
泳げないのにシュノーケルにはまったタイの秘島廻り、
ひたすら濡れまくったバンコクのソンクラーン、
朝日と夕日が美しかったミャンマーの旅、
360度見渡す限り何もない大自然に囲まれたモンゴルのゴビ砂漠、
ビザ取得耐久戦のさながら多くの旅人と出会い、飲み語ったビシュケク、
絶景ばかりのパミール高原、
西安〜ウズベキスタン〜イランと続いたシルクロードの旅、
アジアとヨーロッパの狭間に立ち寄ったカタールとクウェート、
何度訪れても飽きないアジアとヨーロッパ、中東の架け橋イスタンブール、
そして、オフシーズンでも美しかったエーゲ海の島々…。

尚、2015年の有終の美はロンドンでの年越し花火に期待していた。
残念ながら昨年から年越しカウントダウン花火を鑑賞出来る会場へのアクセスがチケット制になっており、
慌てて公式予約サイトをチェックした時にはすでにエントリーチケットが完売…。
観覧車を舞台とした花火を見ることを断念せざるをえないロンドンでの2015年有終の美は叶うだろうか。









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