2016年1月14日木曜日

ロンドンの年越しカウントダウン(2016年1月1日)

世界遊牧住み渡り3年目の年越しをロンドンで迎える。
香港のヴィクトリアハーバーを見渡せる遊歩道での2014年、
シドニーのハーバーブリッジを見渡せるブルースポイントでの2015年に続き、
大晦日は花火観賞スポットの場所取りから始まる。


ロンドンで過ごす年末年始は今回で2度目。
11年前のロンドン語学留学中に2005年の年越しカウントダウンに参加すべく、
多くの人が集まるトラファルガースクウェアで午後8時くらいから待っていた。
大勢でのカウントダウンは確かに興奮したけれども、
新年を祝う花火は一切見えず、トラファルガースクウェアに設置された巨大スクリーンに観覧車からの花火が映し出されるだけ。
つまり、この時初めてロンドンの年越し花火はロンドンアイで上がると知った。

語学留学を終え、ロンドンを去ってから近い将来に再訪した際、
ロンドンアイ正面のカウントダウンを夢見たり、
日本の元旦のテレビニュースの映像やYouTubeで花火動画を眺めながら
必ずもう一度ロンドンで年越しを迎えたいと思っていた。
そして、2011年東京での残業中、 
会社のパソコンの前で「世界遊牧住み渡り」と勝手に名づけたこの世界周遊を思い立ち、
年越しの場所としてすでに決めていたロンドン。
トラファルガースクウェアでロンドンアイから花火の存在を知り11年、
香港やシドニーでの年越しのように何時間前から良い場所を確保してカウントダウンに挑むつもりだった。


が、衝撃的な事実に夢が玉砕する。
2015年からロンドンアイを見渡せるメインの観賞スポット、
ウェストミンスター周辺、ヴィクトリア•エンバークメント、
ウォータールー•ブリッジまで10ポンドで購入できるチケット制になっており、
12月中旬のギリシャ滞在時に慌ててチケット予約の公式ウェブサイトを開いたとき、
すでにチケット完売となっていた。
4年前から楽しみにしていたロンドンアイ正面の年越しカウントダウン花火なので、
メインの場所から遠くてもどこかしこから見てみたい。



ネット検索してみると、セントポール大聖堂近くのミレアニム•ブリッジはチケット必要ゾーンでなく、
多くの人が集まるらしい。
でも実際にミレニアム•ブリッジからロンドンアイは遠すぎるし、建物の影で観覧車があまり見えない。


ツーリスト•インフォメーションにもチケットなしで花火を見られそうな場所を尋ねる。
チケット必要ゾーンのウォータールー•ブリッジを外したミレアニム•ブリッジまでの川沿い、
ウェストミンスター•ブリッジの一本南のランベス•ブリッジも人気があるようだ。
ウォータールー•ブリッジに近い川沿いは確かにロンドンアイが見えるが、
観覧車背面なのであまり惹かれない。
でも大晦日の候補地としてとっておく。


もう一方のラベンス•ブリッジもチケット必要ゾーンのウェストミンスター•ブリッジに比べると遠い。
とはいえ、チケットなしで鑑賞出来るスポットとしてはここがベストのように感じる。
テムズ川の両脇にビッグベンとロンドンアイを望む。


インフォメーションの方にランベス•ブリッジも早い時間から混み合うと言われたので、
昼間から場所取りに挑もうと思う。




2015年12月31日、大晦日。
宿泊中のSafestay Holland Parkの同室で出会った青島出身の19歳の学生、ホワンと場所取りに行く。
ホワンは高校時代3年間をトロントで過ごし、語学堪能。
Safestay Holland Parkで一緒に飲んだりした。
2013年大晦日は香港で7時間待ち、昨年末はシドニーで16時間待ち、
どちらも1人だったので同行者がいると助かる。
近くの公衆トイレが午後4時で閉まるランベス•ブリッジで場所取りをするのだから尚更である。

リュックにポテトチップスやブランデー入りコーラのペットボトルを詰めて出発。
多くの人がチケット必要ゾーンに向かうだろうし、
ランベス•ブリッジはメインの観賞スポットでないだろうが、
正午過ぎに宿を出る。
トイレに行きたくなるのを抑えるため朝から水分は取らないようにする。
また、冬のロンドン。
他のヨーロッパよりマシとはいえ、気温は4〜10度なので、
暖かいシドニーで16時間ハーバー前で陽光を浴びながら待つよりずっと寒いだろう。
ヒートテックや長袖を4着装備し、その上にダウンを着る。
ジーンズの下にパジャマ、靴下も二足で完全防寒の準備OK。
さすがにバスでランベス•ブリッジ近くまで移動中は暑すぎた。

気になるのが一週間前からチェックしていた天気予報。
ロンドンでは毎日のようにどこかの時間帯で雨が舞う。
しかも大晦日はにわか雨が予報されている。
折り畳み傘は数日前の強風で壊れてしまい、
薄いウィンドブレーカーしか持っていないので雨が一番の不安要素。

午後1時半過ぎにウェストミンスター寺院とロンドンアイを南側から眺められるランベスブリッジに到着。
チケット購入できなかったことで夢見たロンドンアイ正面にアクセスできないのが悔やまれる。
ロンドンアイ側面からでも全貌が見渡されるだけマシというべきか。


さすがに早すぎたのか午後2時の時点でランベス•ブリッジで場所取りしているのは自分とホワンだけ。
ランベス•ブリッジに座れる石ベンチがあってじっくりと待てる。
弱々しい陽光が温めてくれる。
2016年カウントダウンまで残り10時間。



目を閉じてうとうとしていると太陽も建物の影に隠れてしまう。
午後3時半頃、韓国人女性2人が橋に現れる。
石ベンチに座って一緒に待っていいかと尋ねられ、
自分とホワン以外に早い時間帯からわずか10分の花火を待っている人がいて驚く。
ランベス•ブリッジで場所取りしているのは自分ら4人だけ。
韓国人女性2人はマドリッドでスペイン語を勉強しており、
休暇で数日間ロンドンを訪れているスリムとスージ。
4人でいろいろ話していると待ち時間が一気に過ぎていく。
1人でないので公衆トイレに行けるし、
2人で場所取りし、残りの2人がスタバで暖かい飲み物を買いに行ってくれたりと助かる。
スタバのホットチョコレートにホワンが持ってきたウィスキーをミックスして寒さに耐える。

年越しカウントダウンから8時間前からランベスブリッジにも人が集まってくる。
石ベンチは少ないので多くの人は橋で立ちながら待っている。
石ベンチを確保し、スリムとスージが持ってきたシーツを敷き、
毛布を4人でかぶって待てるのが嬉しい。

そして午後5時頃やはり雨が降ってきた。
これまたスリムとスージの傘に入らせてもらうものの、
風と雨足が強く、毛布が濡れてくる。
通り雨が30分くらいでやんだときは靴やズボンにも浸水していた。
寒いロンドンで雨に震えながら過ごす大晦日ほど悲惨なものはない。


順番に近くのパブやカフェのトイレを借りに行き、冷えきった体を少しでも温める。
濡れてしまったズボンや靴は回復不能で、これから6時間も濡れた服でカウントダウン待ちすると思うと気が重い。
新年早々風邪をひくのも覚悟するしかない。

雨がやみ、午後6時以降になるとランベスブリッジも混雑してくる。
すでに橋の最前列は埋まっている。
自分ら4人で確保していた石ベンチも他に2人日本人とメキシコ人が加わり、ぎゅうぎゅう詰め。
カウントダウン5時間前にはもう車道を挟んだ反対側の歩道にも人が溢れていた。



午後8時過ぎ。
濡れた靴の不快感もなくなる。
…というより冷えきった足の感覚が麻痺してきている。
スリムにもらった日本製ホッカイロで身体を温める。
ホワンが持ってきたMacBookで映画を見つつもストーリーが頭に入ってこないので、
石ベンチに座って1年間をフラッシュバックしたり、
石ベンチを隣のアルゼンチン人カップルに少し譲ってちょこちょこ話したりして待つ。


午後9時頃からロンドンアイ周辺のチケット必要ゾーンからパーティーミュージックが流れてくる。
昨年のシドニーでの年越しカウントダウン待ちのときと同様、
長い365日も残すところ2時間ちょっとで、
そう遠くない場所から流れてくるEDMを聞きながら花火があがる舞台を眺める高揚感がたまらない。


共に10時間待ち続けているホワン、
ランベスブリッジで偶然知り合い、助け合いながらカウントダウン待ちしているスージとスリムとも記念撮影。
ちょこちょこと身体を温めるために回し飲みしたホワンのウィスキーボトルも空になる。



午後11時。
身体の感覚がなくなってきたのか、疲労のせいか寒さが感じなくなってきた頃、
香港、シドニーでの年越しと同様最前列を確保しているので
ゴリラポッドを使ってマニュアル撮影の準備をする。
花火が始まったらファインダーを見たり、ピントを合わせる暇はないので、
入念にマニュアルでピントを合わせ、シャッタースピードと露出の組み合わせを3通り決めて設定しておく。
動画撮影用のiPhoneは石段の上に固定し、カウントダウン一分前からビデオを回しておけばいいだろう。
あくまでこの目でカウントダウン花火を体感したい。


10分前が近づくともうお互い語ることはなく、
EDMが流れ、ライトアップされたロンドンアイを見つめるのみ。
いつの間にかテムズ川はパーティークルーズ船でいっぱいになっている。



そして、2015年12月31日23時59分。
ロンドンアイ背後のビルに映し出された大きな数字が60秒からカウントを始める。
観覧車もカウントに合わせて光っている。
皆にカウントダウンの秒数が40秒を切ったことを伝える。



10秒から周囲が一帯となってのカウントダウン。
4年間待ち望んだロンドンの年越しカウントダウン花火は見る場所が遠くても最高だった。









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