メキシコシティからバスで28時間かけてカンクンに戻り、キューバのハバナへ飛ぶ。
アメリカと国交を開いて間もなく、昔ながらの社会主義国キューバは今しか見れないということで
観光客で溢れかえるキューバを8月の夏休みシーズンに2週間かけて横断する。
メキシコシティ最終日にソチミルコにある人形島を
ペンションアミーゴに泊まっている日本人の学生、
世界周遊中の韓国人を誘って見に行った。
2年前にネットか何かで知り、いつか行ってみたいと思っていた世界7大禁断スポットの一つと言われる人形島。
ペンションアミーゴから地下鉄と路面電車、
さらにソチミルコ駅近くから人形島行きのボート乗り場までの市バス合わせて片道4時間。
ソチミルコの遊覧ボートのチャーター代は1時間350ペソ(2000円)だが、
人形島まで片道2時間の道程なので往復4時間、チャーター代は1400ペソ。
なんとか交渉して4時間1200ペソ(7000円)で手漕ぎボートに乗り込んだ。
ゆったりとした手漕ぎボートに揺られながら三人で瓶ビールを飲みながら人形島到着を待つ。
あまりにもゆったりとした船旅にオカルトスポットがこの先にあるとは思えない。
積乱雲が近づいてきたからか、急激に温度が下がり、
冷たい風が吹き始めた頃、人形島に到着する。
幸い雨に当たらなかったものの、人形島に到着して早々の雷鳴は世界7大禁断スポットにふさわしい演出だった。
いきなり現れる無数の吊るされた人形に酔いが覚め、高揚感が沸き立つ。
生命が宿っているような不気味な人形の視線が突き刺さる。
運河で溺水した少女の霊を供養するために吊るされているらしい人形たち。
まるで霊が乗り移ったかのようで不気味だった。
メキシコシティ最後に訪れる価値があった場所である。
往復8時間の移動はきつかったが。
ソチミルコの人形島を見た翌日、16時半発のADOバスで一気にカンクンへ。
距離が長い分高額のメキシコのバスだけれども、
早めに購入したらプロモーションで半額の999ペソ(5500円)とお得だった。
エアコン付きで快適とはいえ、食事休憩やトイレ休憩がなく、
唯一他の町のバスターミナル停車中にスナックを買うくらいしかできなかったので、
空腹感に苛まれつつ28時間のバス移動に耐え忍び翌21時前にやっとカンクンに到着した。
キューバに飛び立つまで三日間、日本人宿ロサスシエテに宿泊。
7月の間にユカタン半島、メキシコ南部を周遊して1ヶ月ぶりにロサスシエテに戻ってきたことになる。
ちょうど1ヶ月前のカンクン滞在時と違い、夏休みシーズンなのに宿泊者は少なく、
これからキューバに向かうのも自分くらいだった。
一人カンクンのオールインクルーシブのホテルが並ぶラグーンを訪れ、
メキシコでの38日間を締めくくった。
ハリケーンのような低気圧の塊がユカタン半島に近づいてくる中、
ロサスシエテの人々に飛行機が飛ばないと脅されつつも当日目覚めると晴れ渡っている。
前日の夕暮れ時の激しい雷雨が嘘のようである。
ハバナへは多くの旅行者のように安いインタージェットのフライトを利用する。
片道130ドルと確かに安めの航空券。
カンクンの空港に到着し、インタージェットのチェックインカウンターの向かいで
キューバ入国に必要なツーリストカードを購入する。
ツーリストカードの値段は250ペソ(1400円)。
メキシコペソしか利用できないと言われるが、クレジットカードならOKだった。
キューバでの両替においてヨーロッパ旅行で準備していたユーロ紙幣を使うので
メキシコペソはすでに使い果たしていた。
また、メキシコ陸路入国時に399ペソの税金を支払った際に受け取った用紙にイミグレオフィスでスタンプをもらってからチェックインカウンターに並ぶ必要があるようだ。
アメリカのように搭乗手続きを終えると、セキュリティチェック後の出国審査の窓口がないメキシコならではの手続き。
若干遅れて飛び立ったインタージェット。
窓側の席からユカタン半島の美しい海岸線が見えた。
雷雨を伴う巨大な積乱雲もすぐ横を流れている。
カンクン〜ハバナの距離は500キロちょっと。
30分も経たずにキューバ西端が眼下に見えてくる。
ベリーズ、メキシコ同様、キューバのカリブ海も綺麗そうだ。
キューバのイミグレはスムーズ。
夏休みシーズンだけあって西欧人観光客ばかりの中、
ターンテーブルで自分のバックパックが出てくるのを気長に待つ。
バックパックを受け取り、荷物チェック等なしにアライバルホールに出ると、
ちょうど外でにわか雨が降っていた。
空港二階の出発ホールの両替所で50ユーロをCUC53に変えてもらう。
キューバでは二種類の通貨CUCとCUPがあると有名。
外国人が受け取れるCUCはCUC1=CUP25で地元通貨に両替できるらしい。
慣れるまで戸惑ってしまう通貨システムだ。
ちなみに数日も経てば、ハバナのほとんどの店においてCUC使用のみで問題なく、
あまりにも安いローカル食堂やジュースだけ地元通貨CUPの方が便利だと気がつく。
空港からCUC20(2200円)もするタクシーを利用する気になれず、
空港を出て左手に見えるバス停で地元の人と同様バスを待つ。
両替所でゲットしたのはCUCだけだが、ロサスシエテでバス運賃ようにCUP1コインをもらっていたのでバスに乗れる。
CUP0.4のバス運賃ということはわずか2円くらいで市バスに乗れる計算になる。
行き先が分からず適当に空港前からの市バスに乗り込み、ハバナ市街に向かうためによく分からないバス停留所で降ろしてもらい、
バス待ちのおばさんに聞いてP14という市バスで日本人と韓国人旅行者のたまり場と言われる宿近くのカピトリオへ向かった。
ローカルバスは時間がかかり、常時満員で汗臭く、空港から2時間近くかかってカピトリオへ到着。
アメリカのホワイトハウスを想起させるカピトリオの外装が工事されているようだ。
カピトリオの北側、廃墟と化したカピトリオ劇場の隣の建物の二階に有名な宿、
カサ・カピトリオ、別名ホナキナの家がある。
が、ホナキナの家は満室。
宿のおばさんが親切にも他のカサに電話してくれるも満室ばかり。
どいういうわけか、若い韓国人旅行者ばかりが泊まっており、
ガイドブックに載っているような有名なカサは韓国人に占拠されている様子。
結局ホナキナさんの友達というソニアさんのカサを紹介してもらう。
同じく韓国人旅行者に占拠されているシオマラの家の近くで、
部屋はドミでなくエアコン付きの個室。
それでいて料金はCUC10(1100円)なのでホナキナの家やシオマラの家よりお得な気がする。
すでに夕暮れ時なので廃墟のようなぼろい建物が並ぶ路地を歩き回ってキューバの雰囲気を感じた。
住人が路地で遊ぶハバナの街並みは前にテレビや写真でしか見たことがなかったものだった。
ネットが繋がらなくても初日早々購入したハバナクラブのおかげで夜更かしになってしまい、
いきなり寝坊のキューバ最初の街歩きの日。
快適なエアコンルームから出ると、午前中からして蒸し暑いハバナ。
キューバ名物のクラシックカーに少女がもたれている。
廃墟のように老朽化した建物が多いせいか、一見インドのコルカタのような街並みだけれども、
改装されて綺麗になった劇場やコロニアルな建築が目立つ。
ちょこっとアジアっぽさもある異臭とカリブ諸島の明るい空気の混ざり具合が新鮮である。
カラフルなクラシックカーがたくさん停まっていると思ったら観光客用のタクシーのようだ。
アメリカとの国交を開いたばかりで、
今後見れなくなるであろう古き良きキューバを見ようとする西欧人観光客が歩行者天国オビスポ通りを埋め尽くしている。
オビスポ通りのレストランの値段表示はCUCのみであり、どこもそれなりに高い。
ライブミュージックが流れるレストランは高くて入る気になれず。
もちろんメインの通りを外れた場所にあるローカル食堂は安い。
焼いた肉2枚と豆ライス、ちょっとしたキュウリとキャベツでCUP30(120円)。
社会主義国家だけれども食事に困ることはなさそう。
日差しがきつく、蒸し暑さに負けずハバナ街歩き。
北側の要塞を眺め、映画『ブエナビスタソシアルクラブ』の冒頭で現れるカリブ海沿いの遊歩道マレコンへ。
マレコンのずっと先に新市街があり、
いかにも社会主義国家のようなソビエト風の高層建築が見える。
海はそう綺麗でないものの、海水浴している地元の人々がいる。
マレコンを一度離れ南下していくと新市街に入り、
近代的な高層建築も見かける。
そして、かなり歩くとハバナで有名な革命広場に到着する。
ホセ・マルティ記念塔がそびえる革命広場。
またキューバ関連の写真で必ず見るチェゲバラの肖像が描かれた内務省の壁。
隣の情報通信省の建物にはカミーノの肖像が加えられている。
風になびく赤と青のキューバ国旗がまたいい。
メキシコではファンが回っているだけのドミトリーばかりだったが、
エアコン付きの安い個室に宿泊しているハバナ。
一度カサに戻って休憩してから夕暮れ時の街歩き。
多くの人が路肩でくつろいでいる光景はハバナっぽい。
老朽化して廃墟同然の建物に味がある。
まるで戦争でボロボロになったような街並みだ。
コロニアルな住宅街を貫通してマレコンへ。
日中の暑さが和らぎ、マレコンから見るカリブ海に沈む夕日にただ見入るだけだった。
インターネットが利用できないキューバにおいて
かつてスマホもパソコンも持たずに世界周遊した時のようにアナログな旅を続ける。
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