マダガスカルといえばバオバブの木。
アンタナナリボから片道13時間でモロンダバへ移動し、
キリンディ国立公園を含めてバオバブでの日の出と日の入りを見に行く。
モーリシャスでの3日間のバカンスを終え、
エールオーストラルでモーリシャスからフランスの海外県であるレユニオン島経由でマダガスカルに飛ぶ。
なぜか2時間も遅れて午後8時にモーリシャスを離陸し、わずか45分のフライトでレユニオン到着。
乗り継ぎの際にバックパックを預かってくれるわけでなく、フランス海外県だけあってEUのイミグレ手続きを終え、一度荷物をターンテーブルで受け取る。
レユニオン発アンタナナリボ行きのフライトは翌16時なので、のんびり空港泊しようと思っていたら、いまどき珍しく深夜0時で空港ターミナルが閉まり、再びオープンする朝5時まで空港外の椅子で待たなければならなかった。
南インド洋に浮かぶレユニオンだけあって蚊が寄ってきてとても眠れる状況でなかった。
翌日どうしても喉が渇き、腹も減っていたのでバックパックを背負ったまま空港近くのショッピングセンターに行ってみる。
歩いて20分くらい。
ようやく見つけたマクドナルドは普通のビッグマックのメニューが8ユーロ(1000円)もしてうんざり。
かつて訪れた南米のフランス領ギニアといい、フランスの海外県は本場パリより物価が高い気がする。
20時間近いレユニオンでの乗り継ぎ時間を過ごし、いよいよマダガスカルへ。
あんなに乗り継ぎ時間が長かったのにわずか1時間半でアンタナナリボへ降り立つ。
疲労と垢が蓄積されている中、イミグレの観光客だけの列に並び、
27ドル払ってマダガスカルのアライバルビザを取得。
つい最近までビザ代無料だったらしいので、27ドルでも痛手の出費となる。
空港を出てから事前に調べておいた市内行きのエアポートシャトルが見つからず。
アフリカ系の黒人というよりインドネシア系の丸みを帯びた顔つきのタクシードライバーと交渉し、30000アリアリ(1100円)で予約していたUnderground Madagascarというホステルへ向かう。
タクシードライバーはまったくUnderground Madagascarの場所を知らないようで、
途中から曲がりくねったアンタナナリボの道をスマホでナビすることになった。
ちょうど夕暮れときの田園風景はアフリカというより東南アジアを思わせた。
フランス人をはじめ、いろんな国籍の旅行者が集まるUnderground Madagascarはドミで一泊29000アリアリ(1100円)とそう安くない。
でも、蚊帳がそれぞれのベッドに設置されており、WiFiもそこそこ速く、
涼しい高地のアンタナナリボで温かいシャワーを浴びられるので悪くない。
マダガスカルの移動のハブとして何度か訪れるアンタナナリボは2泊のみ。
スリが多かったりと治安もイマイチなのでそう長居する場所ではなさそう。
マダガスカル旅行のメインともいえるバオバブを見るためにモロンダバへ急ぐ。
移動手段はタクシーブルースという乗り合いのワゴン。
すぐ近くのモザンビークや西アフリカ諸国同様、乗客がいっぱいになったら出発するシステムで、出発時間も到着時間もあてにならない。
また乾季と雨季で走行時間も違うようで、雨季の3月は時間がかかりそう。
過酷な移動を強いられそうな心配をしていたところ、
ドミ部屋で出会ったバングラデシュ人旅行者にCotisse TransportやSonatra Plusがいいと勧められた。
大手の会社のようで定刻通り出発するし、満員にならなくても出発するので快適とのこと。
Cotisse TransportとSonatora Plusはモロンドバ行きのタクシーブルースがたくさん集まるFasan'ny Karanaのバスステーションでなく、ノシベ方面のタクシーブルースが集まるAmbodivonaのバスステーション。
Underground Madagascarからそう遠くないので歩いて調べに行く。
呼び込みが激しく、カオスと化したAmbodivonaのバスステーションにおいて
一つの独立したオフィスにまとまったCotisseとSonatra Plusは別格だった。
値段も高いのだろうと思って聞いてみるとモロンダバ行きを1日1本運航しているSonatra Plusで45000アリアリ(1700円)。
出発時刻不明で満員になるまで待たなければならない普通のタクシーブルースの相場30000アリアリより高いけれども、最初なので快適な方に甘えてみる。
宿のバングラデシュ人に聞いていた通り午前7時出発で12時間くらいでモロンダバに着くらしい。
他のタクシーブルースよりスムーズなのだろうか。
当日、午前6時くらいに宿近くでタクシーを捕まえ、
まだマダガスカルの物価に慣れていない自分は10000アリアリ(380円)払ってAmbodivonaのSonatra Plusのオフィスへ。
フランス人バックパッカーと若いマダガスカル人女性を連れた中年のフランス人、
現地人6人でメルセデスワゴンに乗り込み、まだ席はガラガラなのに定刻の7時に出発。
新しいワゴンは清潔で、空いている隣席にリュックも置けるし、快適なタクシーブルースの旅が始まった。
窓側の席から眺める高地を流れる雲は低く、
風光明媚なマダガスカルの地形のテンションが上がってくる。
ワゴンの快適なシートではテレビに映る音楽を聴いたり、車窓の風景を眺めたり居眠り続き。
モロンダバに近づくにつれて高度が低くなり空気も暑くなってくる。
長袖姿の村人もいつの間にか薄着になっており、
顔つきもマレー系の血が混じった愛嬌ある顔からブラックアフリカで出会う普通の黒人に変わっている。
雨季の3月とは思えない綺麗な夕日に目を細くしながら西海岸のモロンダバへ進んでいく。
さすがに12時間でのスムーズな移動とはならなかったが、日が沈んで暗くなってからそう遅くない20時にモロンダバのSonatra Plusのオフィスに到着した。
16時間以上かかると言われていた距離を13時間で済んだのだからいい方だろう。
町のど真ん中のモスクの裏手の通りに面したメナベホテルに無事チェックイン。
広々としたプライベートルームでアンタナナリボのドミとほぼ同じ30000アリアリ(1100円)で、部屋でネットも繋がるし、何よりもレセプションの英語をしゃべれる若い女性が親切で居心地いい宿となった。
なんだかんだ13時間のワゴン移動で疲れもたまっており、午前10時くらいに起き上がる。
ネット情報によるとソニーという人がバオバブやキリンディ国立公園のツアーガイドとして有名なようで、多くの日本人旅行者が利用しているらしい。
ただ最近ではディポジットを騙し取られたりとあまりいい情報を見かけない。
いずれにせよ、ひとり者ではツアー代が高いし、サンセットに合わせてタクシーをチャーターしてバオバブ街道だけ見に行くつもりなのでソニーに用はない。
明るくて快適なメナベホテルを出てから、夕暮れ前にバオバブ街道を訪れるためにタクシーブルース乗り場近くでドライバーを探しに行く。
まだ起きて間もない頭で市場の方に歩いていくと、いきなり男から英語で声がかかる。
まさかと思ったがソニーだった。
タクシーでバオバブだけ見に行くから高額のツアーの申し込みする気はないと言おうと思っていたら、すでに他の日本人旅行者が明日のバオバブの日の出、キリンディ国立公園、サンセットの申し込みをしており、安い料金でツアーに便乗出来るという。
いかにも胡散臭い笑みを浮かべるソニーにたいして半信半疑だけれども、
せっかくマダガスカルの辺鄙な街で日本人旅行者がいるのなら会ってみたい。
ソニーに言わせるとワタルさんが泊まっている宿はちょっと離れているらしく、
インドにあるようなリキシャで向かった。
大学の卒業旅行でセーシェルとマダガスカルを旅行しているワタルさんと会い、
ツアー内容や料金を尋ねたりする。
ソニーに金額を確認すると一人150000アリアリ(5800円)。
個人でバオバブを見に行くだけなら70000アリアリ(2700円)くらいが相場と聞いていたのでちょっと、いや相当高い。
キリンディ国立公園にどれだけ価値があるか分からないけれども、
試しに一人130000アリアリの合計260000アリアリと値下げしてみるとすぐに安くなった。
日の出前の午前4時ごろピックアップ、キリンディ国立公園も周り、バオバブ街道でサンセットを見てからモロンダバに戻ってくるツアーで一人130000アリアリ(5000円)。
ソニーはガソリン代として130000アリアリの前金をねだってくるがトラブルの元になりそうなので当日朝払うと話し合をまとめる。
翌日のバオバブとキリンディ国立公園ツアーに備えてモロンダバでの暑い午後はメナベホテルの部屋でまったりし、今後の進路が確定しているワタルさんと色々話し合った。
だが、結果としてソニーのツアーに申し込まずキャンセルすることにした。
午後再びドライバーとメナベホテルに現れたソニーはどうしてもガソリン代が今日中に必要だとしつこい。
明日の朝は町中が停電になるのでガソリンスタンドも閉まっているという。
さすがに信じられないので宿のレセプションの女性に聞くと、朝停電になることはない、と。
そのことをソニーに伝えるヘラヘラしており、じゃあ明日で、と言う。
またソニーとドライバーの間のコミュニケーションがうまくいってないのかもめている様子。
とてもじゃないが、嘘を平気でつく男と明日のツアーを楽しめる気がしない。
レセプションの女性はソニーは信じない方がいいとアドバイスをくれるし、
別のガイドを紹介してあげてもいいとのこと。
一度ソニーとドライバーがホテルを去ってからレセプションの女性に電話でやりとりしてもらい、
ソニーの言い値より安い一人11000アリアリ(4300円)でオファーをもらう。
こちらの方が安心できそうだったので即決した。
市場の方に歩いていくとすぐに見つかったソニーにツアーキャンセルを伝え、
もちろん不服そうで文句言っており、あれこれとうるさいものの、
向こうから今日一日ドライバー探しなどでお前らのために時間を費やしたのだから一人10000アリアリ払えと言ってくる。
ここで10000アリアリ払っても翌日のツアーの方がソニーの疑わしいツアーより安いし、
報復などのリスクも考えて小さな手数料ですべてを終わりにした。
何かと面倒なバオバブツアーの交渉である。
バオバブ、キリンディ国立公園ツアー当日。
午前4時に部屋を出てメナベホテルのロビーでドライバーを待つ。
定刻通りの4時半に現れ、感じも良さそうだ。
ガソリン代がいるということで、渋々前払いする。
ガソリンスタンドでの料金表示は50000アリアリだったが、単純明快に二人で220000アリアリの半分の110000アリアリを前金として払った。
ちょっと厄介だったのが宿に迎えに来てくれたドライバーはあくまで運転する三菱パジェロの所有者であり、実際にキリンディ国立公園に連れて行ってくれるドライバーは別人だった。
ガソリン代を含めた前金110000アリアリを渡した三菱パジェロの所有者に残り110000アリアリと念押しして別れた。
うっすらと東側の空が明るくなり始めた頃、バオバブ街道に着く。
群青色の空を背景に巨大なバオバブのシルエットが浮かび上がり、
寝不足を忘れてテンションが上がる。
地平線が赤みを帯びている草原にもバオバブの木が点在している。
どこからかやってきた人懐っこい犬の集団を追い払い、
満月に照らされたバオバブを眺める。
バオバブ街道と呼ばれるだけあってこの一帯は巨大なバオバブが並木のように立っている。
世界広しといえでも、マダガスカルでしか見れない風景。
島国なのにアフリカ大陸の原風景のようなバオバブをただ眺める。
バオバブ街道は観光地のようだが、朝日を待っている外国人は皆無。
樹木の近くに普通に民家があり、朝起きてまもない村人が赤土の上を歩いたり、
子供達が座りながら日の出を待っている。
やがてゆっくりと眩しい光が地平線から昇ってくる。
道端に座っている子供達も朝日を浴びている。
日が昇ると、バオバブ街道の一日が始まる。
村人が牛やヤギを連れて動き出している。
朝日を浴びて神秘的でもあるバオバブの巨大な樹木たち。
最後まで眠たそうな顔をしているのに微笑みかけてくる子供達を眺めながらバオバブ街道を一度離れる。
次に向かったのが水たまりがある草原。
雨期にのみ現れる微動たりしない池に映し出されるバオバブはシュール。
地球と違う惑星にいるようだ。
ちょうど雨期の最後の3月は樹木を逆さまにして根っこを上にしたと言われるバオバブの頭も葉で覆われている。
二本のバオバブが絡み合った「愛するバオバブ」も緑茂っていた。
三菱パジェロは舗装されていないでこぼこ道を進み、
居眠りを繰り返してきた頃、ひときわ太いバオバブが立っている集落にたどり着く。
ワタルさんや村人と比べるといかにでかいか実感できる。
聖なるバオバブだろうか、柵に囲まれた敷地にも巨大で樹齢1000年を超えるバオバブがあった。
一通りバオバブを見終わってから赤土に覆われたぬかるみだらけの道路を走っていく。
雨が降ってまもない数日前なら三菱パジェロでも走行が厳しかったかもしれない。
波のように次から次へと現れる褐色の水たまりを超え、ようやくたどり着いたキリンディ国立公園。
なんとここで国立公園の入場料は110000アリアリに含まれていないと知る。
レセプションの女性に電話対応してもらったので仕方がないとはいえ迂闊だった。
ソニーにツアーを申し込んでも同じように国立公園入場料が別と思って割り切るしかない。
また、入場料35000アリアリ(1300円)払えば園内を自由に回れるわけでなく、
ガイドを雇う必要があるという。
ガイドなしだとジャングルに入るのが禁じられているので、さらにガイド料を二人で30000アリアリ、一人15000アリアリ(550円)払う。
でも、実際にガイドに引率されてジャングル内に入ってみると、
蚊やムカデ、アリやクモがわんさかいる道のない道を歩いていくので個人での探索がNGという理由を実感。
異様に蒸し暑い中、蚊に刺されないように長袖を着てついていく。
サンダルを履いてきたのでアリの巣を踏まないように注意する。
ガイドに言われて木の枝を見上げるとキツネザルを発見。
茶色の毛のキツネザルがメスであり、グレーがオスらしい。
意外と人間を恐れていないのか近くで見れる。
しばらく進んでいくと再び茶色の毛のキツネザルの集団が現れる。
枝から枝へジャンプし、首を傾けながら見つめてくるのは愛嬌がある。
ジャングルの中に生息するバオバブを見上げる。
ガイドは熱冷ましに使われる薬草を説明してくれた。
サウナのような湿気のせいか、倦怠感からか体が熱くて頭がぼーっとするので薬草を持ち帰りたいくらいだ。
そして今度は白いキツネザル、シファカが現れる。
毛並みの綺麗な白色が樹林の中で目立っている。
シファカにも出会えて1時間ちょっとのジャングル探索終了。
時間はまだ午前10時であり、夕暮れ時のバオバブ鑑賞まで時間があるので、
一度モロンダバに引き返して宿で休んでから再び出かけることになった。
ガソリンの追加料金として25000アリアリ請求されたが炎天下待っているよりマシだろうが。
夕方にドライバーがメナベホテルに向かいに来てバオバブでのサンセットを見に行く。
これでマダガスカル最大のハイライトのバオバブも見納め。
西日を浴びてピンク色に染まる巨大な樹木は荘厳であり、集落の子供達を見守っているようだった。
バオバブだけのためにアンタナナリボから片道13時間かけて訪れる価値は十分にあった。
アンタナナリボから片道13時間でモロンダバへ移動し、
キリンディ国立公園を含めてバオバブでの日の出と日の入りを見に行く。
モーリシャスでの3日間のバカンスを終え、
エールオーストラルでモーリシャスからフランスの海外県であるレユニオン島経由でマダガスカルに飛ぶ。
なぜか2時間も遅れて午後8時にモーリシャスを離陸し、わずか45分のフライトでレユニオン到着。
乗り継ぎの際にバックパックを預かってくれるわけでなく、フランス海外県だけあってEUのイミグレ手続きを終え、一度荷物をターンテーブルで受け取る。
レユニオン発アンタナナリボ行きのフライトは翌16時なので、のんびり空港泊しようと思っていたら、いまどき珍しく深夜0時で空港ターミナルが閉まり、再びオープンする朝5時まで空港外の椅子で待たなければならなかった。
南インド洋に浮かぶレユニオンだけあって蚊が寄ってきてとても眠れる状況でなかった。
翌日どうしても喉が渇き、腹も減っていたのでバックパックを背負ったまま空港近くのショッピングセンターに行ってみる。
歩いて20分くらい。
ようやく見つけたマクドナルドは普通のビッグマックのメニューが8ユーロ(1000円)もしてうんざり。
かつて訪れた南米のフランス領ギニアといい、フランスの海外県は本場パリより物価が高い気がする。
20時間近いレユニオンでの乗り継ぎ時間を過ごし、いよいよマダガスカルへ。
あんなに乗り継ぎ時間が長かったのにわずか1時間半でアンタナナリボへ降り立つ。
疲労と垢が蓄積されている中、イミグレの観光客だけの列に並び、
27ドル払ってマダガスカルのアライバルビザを取得。
つい最近までビザ代無料だったらしいので、27ドルでも痛手の出費となる。
空港を出てから事前に調べておいた市内行きのエアポートシャトルが見つからず。
アフリカ系の黒人というよりインドネシア系の丸みを帯びた顔つきのタクシードライバーと交渉し、30000アリアリ(1100円)で予約していたUnderground Madagascarというホステルへ向かう。
タクシードライバーはまったくUnderground Madagascarの場所を知らないようで、
途中から曲がりくねったアンタナナリボの道をスマホでナビすることになった。
ちょうど夕暮れときの田園風景はアフリカというより東南アジアを思わせた。
フランス人をはじめ、いろんな国籍の旅行者が集まるUnderground Madagascarはドミで一泊29000アリアリ(1100円)とそう安くない。
でも、蚊帳がそれぞれのベッドに設置されており、WiFiもそこそこ速く、
涼しい高地のアンタナナリボで温かいシャワーを浴びられるので悪くない。
マダガスカルの移動のハブとして何度か訪れるアンタナナリボは2泊のみ。
スリが多かったりと治安もイマイチなのでそう長居する場所ではなさそう。
マダガスカル旅行のメインともいえるバオバブを見るためにモロンダバへ急ぐ。
移動手段はタクシーブルースという乗り合いのワゴン。
すぐ近くのモザンビークや西アフリカ諸国同様、乗客がいっぱいになったら出発するシステムで、出発時間も到着時間もあてにならない。
また乾季と雨季で走行時間も違うようで、雨季の3月は時間がかかりそう。
過酷な移動を強いられそうな心配をしていたところ、
ドミ部屋で出会ったバングラデシュ人旅行者にCotisse TransportやSonatra Plusがいいと勧められた。
大手の会社のようで定刻通り出発するし、満員にならなくても出発するので快適とのこと。
Cotisse TransportとSonatora Plusはモロンドバ行きのタクシーブルースがたくさん集まるFasan'ny Karanaのバスステーションでなく、ノシベ方面のタクシーブルースが集まるAmbodivonaのバスステーション。
Underground Madagascarからそう遠くないので歩いて調べに行く。
呼び込みが激しく、カオスと化したAmbodivonaのバスステーションにおいて
一つの独立したオフィスにまとまったCotisseとSonatra Plusは別格だった。
値段も高いのだろうと思って聞いてみるとモロンダバ行きを1日1本運航しているSonatra Plusで45000アリアリ(1700円)。
出発時刻不明で満員になるまで待たなければならない普通のタクシーブルースの相場30000アリアリより高いけれども、最初なので快適な方に甘えてみる。
宿のバングラデシュ人に聞いていた通り午前7時出発で12時間くらいでモロンダバに着くらしい。
他のタクシーブルースよりスムーズなのだろうか。
当日、午前6時くらいに宿近くでタクシーを捕まえ、
まだマダガスカルの物価に慣れていない自分は10000アリアリ(380円)払ってAmbodivonaのSonatra Plusのオフィスへ。
フランス人バックパッカーと若いマダガスカル人女性を連れた中年のフランス人、
現地人6人でメルセデスワゴンに乗り込み、まだ席はガラガラなのに定刻の7時に出発。
新しいワゴンは清潔で、空いている隣席にリュックも置けるし、快適なタクシーブルースの旅が始まった。
窓側の席から眺める高地を流れる雲は低く、
風光明媚なマダガスカルの地形のテンションが上がってくる。
メルセデスワゴンはガソリンスタンドでのトイレ休憩以外スムーズに進み、
13時前に着いた中間地点でランチタイム。
アンタナナリボの屋台で食べる40円のミサウに比べ、作りたてのミサウはインドネシアで食べる焼きそば、ミーゴレンのようで美味かった。
モロンダバに近づくにつれて高度が低くなり空気も暑くなってくる。
長袖姿の村人もいつの間にか薄着になっており、
顔つきもマレー系の血が混じった愛嬌ある顔からブラックアフリカで出会う普通の黒人に変わっている。
雨季の3月とは思えない綺麗な夕日に目を細くしながら西海岸のモロンダバへ進んでいく。
さすがに12時間でのスムーズな移動とはならなかったが、日が沈んで暗くなってからそう遅くない20時にモロンダバのSonatra Plusのオフィスに到着した。
16時間以上かかると言われていた距離を13時間で済んだのだからいい方だろう。
町のど真ん中のモスクの裏手の通りに面したメナベホテルに無事チェックイン。
広々としたプライベートルームでアンタナナリボのドミとほぼ同じ30000アリアリ(1100円)で、部屋でネットも繋がるし、何よりもレセプションの英語をしゃべれる若い女性が親切で居心地いい宿となった。
なんだかんだ13時間のワゴン移動で疲れもたまっており、午前10時くらいに起き上がる。
ネット情報によるとソニーという人がバオバブやキリンディ国立公園のツアーガイドとして有名なようで、多くの日本人旅行者が利用しているらしい。
ただ最近ではディポジットを騙し取られたりとあまりいい情報を見かけない。
いずれにせよ、ひとり者ではツアー代が高いし、サンセットに合わせてタクシーをチャーターしてバオバブ街道だけ見に行くつもりなのでソニーに用はない。
明るくて快適なメナベホテルを出てから、夕暮れ前にバオバブ街道を訪れるためにタクシーブルース乗り場近くでドライバーを探しに行く。
まだ起きて間もない頭で市場の方に歩いていくと、いきなり男から英語で声がかかる。
まさかと思ったがソニーだった。
タクシーでバオバブだけ見に行くから高額のツアーの申し込みする気はないと言おうと思っていたら、すでに他の日本人旅行者が明日のバオバブの日の出、キリンディ国立公園、サンセットの申し込みをしており、安い料金でツアーに便乗出来るという。
いかにも胡散臭い笑みを浮かべるソニーにたいして半信半疑だけれども、
せっかくマダガスカルの辺鄙な街で日本人旅行者がいるのなら会ってみたい。
ソニーに言わせるとワタルさんが泊まっている宿はちょっと離れているらしく、
インドにあるようなリキシャで向かった。
大学の卒業旅行でセーシェルとマダガスカルを旅行しているワタルさんと会い、
ツアー内容や料金を尋ねたりする。
ソニーに金額を確認すると一人150000アリアリ(5800円)。
個人でバオバブを見に行くだけなら70000アリアリ(2700円)くらいが相場と聞いていたのでちょっと、いや相当高い。
キリンディ国立公園にどれだけ価値があるか分からないけれども、
試しに一人130000アリアリの合計260000アリアリと値下げしてみるとすぐに安くなった。
日の出前の午前4時ごろピックアップ、キリンディ国立公園も周り、バオバブ街道でサンセットを見てからモロンダバに戻ってくるツアーで一人130000アリアリ(5000円)。
ソニーはガソリン代として130000アリアリの前金をねだってくるがトラブルの元になりそうなので当日朝払うと話し合をまとめる。
翌日のバオバブとキリンディ国立公園ツアーに備えてモロンダバでの暑い午後はメナベホテルの部屋でまったりし、今後の進路が確定しているワタルさんと色々話し合った。
だが、結果としてソニーのツアーに申し込まずキャンセルすることにした。
午後再びドライバーとメナベホテルに現れたソニーはどうしてもガソリン代が今日中に必要だとしつこい。
明日の朝は町中が停電になるのでガソリンスタンドも閉まっているという。
さすがに信じられないので宿のレセプションの女性に聞くと、朝停電になることはない、と。
そのことをソニーに伝えるヘラヘラしており、じゃあ明日で、と言う。
またソニーとドライバーの間のコミュニケーションがうまくいってないのかもめている様子。
とてもじゃないが、嘘を平気でつく男と明日のツアーを楽しめる気がしない。
レセプションの女性はソニーは信じない方がいいとアドバイスをくれるし、
別のガイドを紹介してあげてもいいとのこと。
一度ソニーとドライバーがホテルを去ってからレセプションの女性に電話でやりとりしてもらい、
ソニーの言い値より安い一人11000アリアリ(4300円)でオファーをもらう。
こちらの方が安心できそうだったので即決した。
市場の方に歩いていくとすぐに見つかったソニーにツアーキャンセルを伝え、
もちろん不服そうで文句言っており、あれこれとうるさいものの、
向こうから今日一日ドライバー探しなどでお前らのために時間を費やしたのだから一人10000アリアリ払えと言ってくる。
ここで10000アリアリ払っても翌日のツアーの方がソニーの疑わしいツアーより安いし、
報復などのリスクも考えて小さな手数料ですべてを終わりにした。
何かと面倒なバオバブツアーの交渉である。
バオバブ、キリンディ国立公園ツアー当日。
午前4時に部屋を出てメナベホテルのロビーでドライバーを待つ。
定刻通りの4時半に現れ、感じも良さそうだ。
ガソリン代がいるということで、渋々前払いする。
ガソリンスタンドでの料金表示は50000アリアリだったが、単純明快に二人で220000アリアリの半分の110000アリアリを前金として払った。
ちょっと厄介だったのが宿に迎えに来てくれたドライバーはあくまで運転する三菱パジェロの所有者であり、実際にキリンディ国立公園に連れて行ってくれるドライバーは別人だった。
ガソリン代を含めた前金110000アリアリを渡した三菱パジェロの所有者に残り110000アリアリと念押しして別れた。
うっすらと東側の空が明るくなり始めた頃、バオバブ街道に着く。
群青色の空を背景に巨大なバオバブのシルエットが浮かび上がり、
寝不足を忘れてテンションが上がる。
地平線が赤みを帯びている草原にもバオバブの木が点在している。
どこからかやってきた人懐っこい犬の集団を追い払い、
満月に照らされたバオバブを眺める。
バオバブ街道と呼ばれるだけあってこの一帯は巨大なバオバブが並木のように立っている。
世界広しといえでも、マダガスカルでしか見れない風景。
島国なのにアフリカ大陸の原風景のようなバオバブをただ眺める。
バオバブ街道は観光地のようだが、朝日を待っている外国人は皆無。
樹木の近くに普通に民家があり、朝起きてまもない村人が赤土の上を歩いたり、
子供達が座りながら日の出を待っている。
やがてゆっくりと眩しい光が地平線から昇ってくる。
道端に座っている子供達も朝日を浴びている。
日が昇ると、バオバブ街道の一日が始まる。
村人が牛やヤギを連れて動き出している。
朝日を浴びて神秘的でもあるバオバブの巨大な樹木たち。
最後まで眠たそうな顔をしているのに微笑みかけてくる子供達を眺めながらバオバブ街道を一度離れる。
次に向かったのが水たまりがある草原。
雨期にのみ現れる微動たりしない池に映し出されるバオバブはシュール。
地球と違う惑星にいるようだ。
ちょうど雨期の最後の3月は樹木を逆さまにして根っこを上にしたと言われるバオバブの頭も葉で覆われている。
二本のバオバブが絡み合った「愛するバオバブ」も緑茂っていた。
三菱パジェロは舗装されていないでこぼこ道を進み、
居眠りを繰り返してきた頃、ひときわ太いバオバブが立っている集落にたどり着く。
ワタルさんや村人と比べるといかにでかいか実感できる。
聖なるバオバブだろうか、柵に囲まれた敷地にも巨大で樹齢1000年を超えるバオバブがあった。
一通りバオバブを見終わってから赤土に覆われたぬかるみだらけの道路を走っていく。
雨が降ってまもない数日前なら三菱パジェロでも走行が厳しかったかもしれない。
波のように次から次へと現れる褐色の水たまりを超え、ようやくたどり着いたキリンディ国立公園。
なんとここで国立公園の入場料は110000アリアリに含まれていないと知る。
レセプションの女性に電話対応してもらったので仕方がないとはいえ迂闊だった。
ソニーにツアーを申し込んでも同じように国立公園入場料が別と思って割り切るしかない。
また、入場料35000アリアリ(1300円)払えば園内を自由に回れるわけでなく、
ガイドを雇う必要があるという。
ガイドなしだとジャングルに入るのが禁じられているので、さらにガイド料を二人で30000アリアリ、一人15000アリアリ(550円)払う。
でも、実際にガイドに引率されてジャングル内に入ってみると、
蚊やムカデ、アリやクモがわんさかいる道のない道を歩いていくので個人での探索がNGという理由を実感。
異様に蒸し暑い中、蚊に刺されないように長袖を着てついていく。
サンダルを履いてきたのでアリの巣を踏まないように注意する。
ガイドに言われて木の枝を見上げるとキツネザルを発見。
茶色の毛のキツネザルがメスであり、グレーがオスらしい。
意外と人間を恐れていないのか近くで見れる。
しばらく進んでいくと再び茶色の毛のキツネザルの集団が現れる。
枝から枝へジャンプし、首を傾けながら見つめてくるのは愛嬌がある。
ジャングルの中に生息するバオバブを見上げる。
ガイドは熱冷ましに使われる薬草を説明してくれた。
サウナのような湿気のせいか、倦怠感からか体が熱くて頭がぼーっとするので薬草を持ち帰りたいくらいだ。
そして今度は白いキツネザル、シファカが現れる。
毛並みの綺麗な白色が樹林の中で目立っている。
シファカにも出会えて1時間ちょっとのジャングル探索終了。
時間はまだ午前10時であり、夕暮れ時のバオバブ鑑賞まで時間があるので、
一度モロンダバに引き返して宿で休んでから再び出かけることになった。
ガソリンの追加料金として25000アリアリ請求されたが炎天下待っているよりマシだろうが。
夕方にドライバーがメナベホテルに向かいに来てバオバブでのサンセットを見に行く。
これでマダガスカル最大のハイライトのバオバブも見納め。
西日を浴びてピンク色に染まる巨大な樹木は荘厳であり、集落の子供達を見守っているようだった。
バオバブだけのためにアンタナナリボから片道13時間かけて訪れる価値は十分にあった。
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