赤道に近い熱帯気候のため、深いジャングルがあり、街中でも太いヤシの樹木が目立つ。
また、ウィキによると、多民族国家のマレーシアでは
人口の65%がマレー系、24%が中華系、8%がインド系らしい。
ムスリムのマレー系の割合が大きいので、街中にはモスクが多く、
モスクからは異国情緒をかき立てる演歌のようなアザーンが流れ、
市場ではスカーフで頭を覆った女性が働いている。
仏教徒が多いラオス、カンボジア、タイからやってくると、
東南アジアというより中東のようなエキゾチックな世界に入った感じがする。
さらに、中国から渡ってきた華僑による旨い麺、粥、中華料理を食べられる
ナイトマーケット、茶室がムスリム世界にマイルドなフレーバーを与え、
インドから渡ってきた印僑によるカレー食堂が香ばしいスパイスをきかせてくれる。
あまりにも快適で、居心地よく過ごせるタイに比べ、
マレーシアはエキゾチックな旅の舞台としての魅力が際立っている。
バックパッカー向けのツーリストバスばかりで便利だが味気ない気もするラオス、
ベトナム、カンボジア、タイとは違い、
現地の人に尋ねながらローカルな交通手段で次の街に移動し、
街中を自分の足で彷徨い歩く中東やインド、アフリカの旅に近いかもしれない。
タイのイミグレのおじさんはパスポートにスタンプを押しながら、
ひたすらジャパン、ジャパンと言ってにやにやしていた。
ちょうどワールドカップで日本がグループリーグ敗退が決まった直後なので、
ジャパンという単語には喜べない。
徒歩でマレーシアに向かう人はほとんどいなく、
のんびりとした国境越え。
マレーシアの入国審査はあっさりとしたものだった。
パスポートにスタンプをもらうだけで、ビザ不要の3ヶ月滞在なので嬉しい。
タイで…正確にはバンコクだけでまったりと長居を満喫した後なので、
マレーシアでは精力的に旅して廻りたい。
予定では2ヶ月間。
マレーシアに入国後、国境からコタバルまでの市バスについて教えてもらったり、
売店でタイバーツから小銭のマレーシアリンギットを両替してもらったりする。
外国人に親切するという教えがあるイスラム教のおかげもあるが、
マレーシア人は昔から優しい人が多かった気がする。
1時間半のバスでコタバルの中心地にあるバスステーションに到着。
到着直前にいきなりスコールに遭遇したが、バスを降りた時は止んでいたので幸先がいい。
バスステーション近くのKBバックパッカーズロッジにチェックインし、街歩き。
その前に、すでに正午を過ぎているので、まずは食事をとる。
コタバルのセントラルマーケットはカラフルさで有名。
マレー系ばかりなので、女性のスカーフ、民族衣装率は9割以上である。
また野良犬ばかりのタイから来ると、
イスラム教の関係からか犬が少なく、
猫ばかりの光景に気が和む。
犬は嫌いではないが、外国人に反応して急に吠えてくるラオス、
タイの犬には何度もひやっとした。
マレーシア最初の食事はセントラルマーケットの屋内食堂街にてマレー料理を食べる。
どれもスパイスがきいて辛そうに見えるものの、タイ料理のような辛さはない。
タイの屋台と同じく、おかずを数種類選んでのぶっかけご飯とはいえ、
2ヶ月間食べ続けたタイ料理と違い斬新な味。
個人的に辛いタイ料理は大好きだが、マイルドなマレー料理に中華、インドと加われば、
マレーシアはタイを凌駕するグルメ天国になるかもしれない。
マレーシアでは2ヶ月滞在するので、
快適なネットライフを過ごしたいデジパッカーとしては
新しい国でのプリペイドSIMが必要。
バスステーション近くに携帯ショップが多く、
親切な店員にいろいろ聞きつつ、
MAXISという携帯会社のプリペイドSIMであるHOTLINKを購入した。
HOTLINKは通常サイズのSIMカード。
スカーフを巻いた店員さんにiPhone5S用のNANOサイズにカットしてもらい、
ちょうどいい大きさにするのに手こずりつつもSIM挿入完了。
とりあえず10リンギット(330円)分のクレジットをトップアップし、
プリペイドSIMとあわせて18.8リンギット(600円)払う。
一度、宿に戻ってから調べると、毎回トップアップすると高く、
プランで申し込んだ方が使い勝手が良さそうなので、
1ヶ月間で3GBの容量まで使えるプランを申し込む。
そのためには68リンギット(2200円)のクレジットが必要らしく、
再び携帯ショップに引き返し、残り60リンギット分のトップアップをお願いする。
ついでに1ヶ月間3GBのプランも申し込み完了までの手続きを行ってもらった。
これでマレーシアでもタイのようにいつでもiPhone5Sが使える。
宿で少しのんびりしていると、タイとマレーシアの間には1時間の時差があると気づく。
午後4時と思っていたらすでに午後5時だったので腕時計の時刻を直して街歩き。
GPSのおかげで自動的に現地の時刻に修正されるスマホはやはり便利だ。
夕暮れ時の哀愁を誘うようなアザーンが流れる中、マレー系ナイトマーケットを訪れる。
スーパーマーケットの裏の空き地に屋台が並び、
香ばしい串焼きの匂いが鼻孔をつく。
屋台ではテレビが流れており、
マレー系の人々がモスクでの祈りを終えてからテーブルで食事をしながらのんびり眺めるのかもしれない。
時間がゆったり流れる夕暮れ時に屋台でピンク色のスープの海鮮麺をすすりながら、
のんびりとビールを飲みたい気分だが、
ムスリムのマレー系ナイトマーケットでは甘いシロップジュースで我慢するしかない。
マレーシアは多民族国家なので、多くの街に中華系、インド系の人々が住む地域があり、
コタバルには中華系ナイトマーケットもある。
小さなチャイナタウンのような通りでは夜になると露店がでたり、
スカーフとは無縁の華僑の人々で賑わう食堂が連なっている。
尚、マレーシアの華僑はこれまで香港やカンボジア、タイで見てきた大陸からの中国観光客と比べて、
声のトーンは大きくないし、穏やかな人が多いように思える。
華僑のほとんどは中国の広東や福建から渡ってきたそうだ。
コタバルの中華系の言葉はなんとなく北京語とは異なるし、
食堂では中国大陸の簡易漢字ではなく、広東省や香港で見かけるような複雑な漢字表記が目につく。
さらに、コタバルの中華系フードコートの夜市スタイルは
本土では見かけない台湾、香港風だった。
中華系フードコートでは粥を味わい、
すでにエキゾチックであり、グルメ天国でもあるマレーシアに
最初のコタバルからして魅了されていった。
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