ふと彼がマレーシアの島を口にしてまもなく、
自身で話し始めたのに笑いが止まらなくなったのを覚えている。
感情を抑えられないほどきれいな海ということらしい。
その島の名前を何度も覚えようとしたが難しく、
実際に自分で訪れることでようやく覚えられた。
プルフンティアン島という。
コタバルの宿を7時過ぎに出て、
すぐ近くのバスステーションに行く。
プルフンティアン島にはクアラビスーという町からボートが出ているそうで、
クアラビスー行きの早めの時刻のバスは7時半だった。
乗客は自分とスカーフを被った女性の2人しかいないのにバスは定時に出発する。
乗客がいっぱいにならないと出発しない中国や他の東南アジアのバスとは違い、
先進国的なシステムで効率がいい。
コタバルからクアラビスーまでは2時間ほど。
乗り合いバスなので途中でバス停もない道端で人が乗ったり、降りたりする。
出発は定時だが、のんびり進むバスは東南アジアっぽい。
クアラビスーに到着すると、バスステーション、ボート乗り場周辺は
タオ島並みの西欧人バックパッカーだらけで驚く。
ムスリムが圧倒的に多いコタバルからやってくると、
地域性を無視した西欧人女性のタンクトップや短パン姿にウンザリしてしまう。
クアラビスーからのスピードボートは15人程の乗客で、
なぜか自分以外は若過ぎるイギリス、カナダの女性ばかりで、
修学旅行のようなノリに場違いに思えた。
30分ちょっとでプルフンティアン島に到着。
正確にはプルフンティアン島には
スモールアイランドとビッグアイランドがあり、
自分はバックパッカーが多く、宿が安めという
スモールアイランドのロングビーチに滞在する。
大きめのスピードボートは浅瀬のロングビーチに上陸できないらしく、
迎えにきた小さなボートにバックパックを持って乗り移る。
いきなり目にした海水は想像をはるかに越えた抜群の透明度だった。
小さなボートで上陸する前に一望できるロングビーチは純粋なビーチ。
ビーチ周辺にいくつかのレストランがあり、後方はジャングル。
ジャングルの手前にゲストハウスやバンガローが並んでいる。
とにかく、シンプルでひたすら透明な海水に魅了される。
思っていた通り、プルフンティアン島の宿泊施設は高く、
数軒料金を尋ねて廻り、最終的にはchempaka chaletsという
中庭がある1泊40リンギット(1300円)の安めの小屋。
値段のわりにはやはり設備は乏しく、
隙間だらけの小屋に蚊帳付きのベッドがあるだけ。
しかも、ところどころ破けている蚊帳で、
夜な夜な侵入してくる蚊に苦しめられることになる。
ボロ小屋では蚊を食べてくれるヤモリだけが味方である。
WiFiなどあるわけがないし、電気も自家発電のようだ。
また、コタバルで購入したばかりのMAXISのプリペイドSIMはほぼ電波が届かない状態。
バイクや車、道や村、商店すらないロングビーチは
カンボジアのロン島よりもワイルドである。
ビーチ前に並ぶ旅行者向けのレストランで本土の2倍の料金のカレー麺を食べ終わると、
あとは海水浴と日光浴しかない。
これまで見てきた海でダントツの透明度を持つプルフンティアン島では
泳げなくてもひたすら海で戯れる。
カヌーを漕ぐカップルや漂流ごっこする子供達もいる。
本土から運ばれる物資の積み上げに使われている桟橋からは
海底も余裕で見れる透明度もあって
熱帯魚の群れや宙に浮いたようなボートに見とれてしまう。
ロングビーチの端ではダイビングスクールの授業中。
タオ島同様、プルフンティアン島はダイビングライセンスが安く取れることで有名らしい。
この辺は魚が多いそうで、シュノーケリングしている人もいる。
波は穏やかだし、浅瀬なので、
カメラを持って魚を追い回したり、
人懐っこく、近寄ってきては足を突っついてくる熱帯魚と遊んだりする。
タオ島で日焼けして、むけ始めている古い皮膚に食らいついてくるのだろうか?
脱皮中の浅黒いボディを餌にして戯れていると、
思いっきり魚に噛まれたりした。
ロングビーチで3日間過ごしつつも、
東側のロングビーチから西側のコーラルベイまで島を横断できる小道があったので歩いてみる。
ジャングルを貫通する小道といった感じである。
途中、2メートルはあるコモド大トカゲを何度か目にした。
コモド大トカゲは宿の中庭にも出現する。
ジャングルにはリスなどの小動物もいるようだ。
10分ほど歩くと、西側のコーラルベイにたどりつく。
打ち寄せる波が強いからか、若干海水は濁っている。
それでも、ボート乗り場から見下ろすと、
海底に珊瑚がある海水は透き通っており、
珍しい熱帯魚も泳いでいる。
コーラルベイは若干レストランが安く、
昼食にハンバーガーを食べるのはよさそうだけれども、
海水浴には向いていないらしい。
プルフンティアン島では久しぶりにFacebookもチェックできなく、
ネットサーフィンもできないので、海水浴と日光浴を繰り返した。
食事は高いので昼と夜のみ。
何も考えず、デジパッカーであることも忘れて、
透明過ぎる海で寛ぐのも悪くない。
初日、2日目はスコールで夕日は見れなかったものの、
3日目は西側に面したコーラルベイから南国の島らしい夕焼けと
雷鳴とともにゆっくりと近づいてくる巨大な積乱雲を
砂浜で缶ビールを飲みながら眺めた。
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