2015年7月11日土曜日

モンゴル大草原、ゴビ砂漠ツアー6日目、7日目、8日目

ツアー残り3日間。
ホンゴル砂丘での4日目、5日目を終え、大砂丘からの夕日も見えて満足感、達成感さえ抱き、
もう文明に溢れるウランバートルに戻ってもいい頃だけど、7泊8日のツアーはまだ続く。
正確にはウランバートルに戻るまで2日かかり、道程の名所を廻っていく感じ。


ゴビ砂漠ツアー6日目。

砂丘と感情の起伏によりテンション上がりまくりの2日間が終了。
200メートルの大砂丘に2日連続登り、砂嵐とラクダ•ライディングを初体験し、
夕日も目の当たりにし、極限的な世界での出来事の連続で頭の整理ができていない状態。
でも体に刻まれた跡は鮮明であり、6日目の朝目覚めるとラクダ乗りで尻が痛く、
砂丘登りで両足が筋肉痛だった。

2晩お世話になった遊牧民家族と別れ、1日ぶりにバンで移動。
バンからのゴビ砂漠の車窓に飽きることなし。



モンゴル人が信仰するチベット仏教のモニュメントを立ち寄ったり、
地下水を汲み上げて野生の馬やラクダたちへの水飲み場に貯めるのを手伝ったりする。
過酷な環境なゴビ砂漠において人間と動物の助け合いは不可欠なようだ。



ホンゴル大砂丘からの夕日写真を撮りまくってゲルに戻った昨晩、ちょっとしたトラブル発生。
機内モードにしてカメラ撮影のみ使っていたiPhoneが5日目でついに力尽き、
予備も含めて2個携帯していたデジタル一眼レフのバッテリー残量もほとんど空になった。
残りの3日間写真撮影無理かと失望していたら、
この日はナッサの手作り料理でなく立ち寄った町にある食堂でランチ。
草原に民家やゲル、簡易的なスーパーだけが集まる小さな町だけれども食堂にコンセントがあった。
たかがコンセント、されど電気を供給してくれるコンセント。
久しぶりに見るコンセントは現代社会からかけ離れたゴビ砂漠から文明社会へのクモの糸のようだった。
早速食堂の女性に頼んでコンセントを借り、iPhoneとカメラバッテリーを充電してもらった。
充電中、食堂での久しぶりの肉野菜ご飯料理に時間をかけたのは言うまでもない。

iPhoneとデジカメの復活でエネルギー満タンの自分と裏腹に妊娠3週目のアンナの体調が悪化。
食事をした小さな町にナッサの友人が住んでおり、友人宅にお邪魔してしばらく休息。
アンナがベッドで休んでいる間、モンゴルのお茶の間ドラマをぼーっと眺めたりした。

遅い午後、6日目のハイライトであり、ゴビ砂漠最後の名所、レッドキャニオンを訪れる。
これまたモンゴルというよりアメリカ西部にあるような赤い渓谷が広がっており、
マッドマックスやスターウォーズ、西部劇映画の舞台のようだ。
人生初海外旅行で訪れたグランドキャニオンも想起させる。





アンナはバンの後部座席で横になって休んでおり、ミレンとともにレッドキャニオンを探索する。
まるでモニュメントバレーのような奇岩が連なり、渓谷を降りて下からも自然の驚愕すべき造物を眺めた。



ホンゴル砂丘での2日間が濃厚だったためあっさりと残りの時間が流れていく。
前夜までと同じようにゲスト用ゲルが並ぶ観光客向けの遊牧民家族経営のゲルに宿泊。
レッドキャニオンからそう離れていないので仕方がない。



それでも羊たちが戯れる草原は相変わらず素晴らしく、
遊牧民家族の子供達は仲良く遊び可愛らしかった。



本日で見納めのゴビ砂漠。
ナッサ手作りのモンゴル風羊肉入りスープ麺を食べ、夕暮れ時に近くのちょっとした見晴し台を訪れる。
雲が多くなってきており、西日は弱いが赤く染まる大地がゴビ砂漠の幕切れに悪くない。



ツアーで自分の日課となっている夕焼け観賞。
寝泊まりするゲルを遠方から眺める。
広大な大地にぽつんと取り残されたゲルはいつ見てもシュールだった。


地平線ギリギリで輝く夕日を見ながらゴビ砂漠に別れを告げた。




ゴビ砂漠ツアー7日目。

すでにゴビ砂漠から抜け出している。
前夜ドライバーのバットボールとジェスチャーやスマホの写真を見せ合いながら
自分の旅や故郷の北海道、生活していた東京について伝え、
緑豊かな山林部にログハウスを持ち、2歳の娘と奥さんと暮らすバットボールの暮らしを聞いたりした。
バンで居眠りばかりの自分とは違い、バットボールは朝からずっとゴビ砂漠を脱出すべく悪路を運転している。
同年代なのに頭が下がる。

実質上7泊8日のツアー最後の名所となる修道院の廃墟を訪れる。
かつて僧侶が多く住んでいた修道院もソビエトに破壊され、地震後の遺跡のように映った。


自分の中でもう終わってしまったも同然のゴビ砂漠ツアー。
が、最終夜のゲルはこれまでで最高の滞在となる。

ナッサが遊牧民老夫婦しかいないと思っていた大草原のゲルに学校の休みを利用して4人の孫が帰省しており、
ゲルはすでに定員オーバーだった。
急遽バンに積んでいたテント2つをゲル近く野原に設置してミレンとアンナがそれぞれテント泊し、
ナッサとバットボールはバンの後部座席に雑魚寝。
自分は遊牧民家族のゲルにお邪魔することに。
初めて遊牧民家族だけのゲルで一夜過ごすという貴重な経験になる。
食事前は老夫婦の孫4人とサッカーをしたり、デジカメ撮影方法を教えて逆に写真を撮ってもらったりと楽しんだ。






一番下の2歳の子は可愛らしい。
ちょこちょこと忙しなく歩き回り、たくさん食べるので顔がまん丸で体も大きめ。
いきなりゲルの前でズボンを下げて便を出し、出したばかりの便を靴で踏みつけたのは驚いたが…。



子供達の乗馬も眺め、ゲルでの最終夜、ベッド2つにおばさんと2歳の子、おじさんと少年2人がそれぞれ眠り、
もう1人の少年とおじいさん、自分が床で雑魚寝。
消灯してから孫たちのこそこそ話が聞こえ、かつて北海道の祖母宅で従姉妹たちと会って楽しんだ状況を思い出した。
やがて安らかな寝息が円形のゲルあちこちから聞こえ、自分も深い眠りに陥った。




ツアー8日目午前は運悪く近場の町からのバスを逃し、ナッサが手配してくれた車でウランバートルに戻る。
8日ぶりのモダン社会、インターネットに顔がにやけてしまいそうだ。










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