2016年12月10日土曜日

サンクトペテルブルクでエルミタージュ美術館を見る(2016年11月27日)

3週間のロシア旅行の最後はモスクワよりもフィンランドやバルト3国に程近いサンクトペテルブルクで。
雨と雪に翻弄されながらも町歩きをし、世界三大美術館のひとつエルミタージュ美術館を訪れる。
ルーブルやメトロポリタンと異なり、絵画がオマケに思えるほどの豪華な内装に圧倒された。


モスクワからサンクトペテルブルクへ行くには列車が一般的なようだが、
日中のエコノミークラスで6000円以上するし、
寝台列車だとシベリア鉄道のように3等開放がなく、2等寝台で9000円近くもする。
86時間揺られて12000円くらいだったシベリア鉄道を体験した後だと異様に高く感じられる。
そこでより安い交通手段を求めて、夜行バスを探してみる。
まず訪れてみた地下鉄駅Schelkovskayaを降りてすぐのセントラル・バスステーションからはサンクトペテルブルク行きのバスがないらしくいきなり撃沈。
一度宿に戻ってネットで調べてみると、地下鉄駅Tushinskaya近くのバスステーションからもバスが出ているらしいので地下鉄6号線を北上する。


モスクワ郊外のように閑散としたTushinskaya駅を出て地図で調べた方向に進むと、
小さなバスステーションを発見する。


バスステーションらしい建物はなく、待合室の掘っ立て小屋があるのみ。
売店のようなチケット窓口とバス乗り場が並んでいる。


実際にサンクトペテルブルク行きのバス時刻がタイムテーブルに表示されているので窓口で購入。
21時半発8時45分着の夜行バスでなんと450ルーブル、800円以下と激安だった。


ちょっと残念なのはロシアのバスにおいて預け入れ荷物代別料金らしく、
当日120ルーブル余計に取られてしまった。


モスクワから12時間のバス移動でまだ暗い8時過ぎに到着したサンクトペテルブルク。
シベリア鉄道の長時間移動の後だと12時間があっという間に感じられる。
トイレ休憩が2回あるだけで食事タイムなどなかった。
バスステーションの待合室で日が昇るまで待ち、10時過ぎに外に出るとあいにくの雨。
モスクワからだいぶ北上したのにサンクトペテルブルクの気温は氷点下でないようだ。
どちらかというと、微妙な寒さの中傘をさして歩くよりも、
傘が不要な降雪の中氷点下に耐えつつ歩く方がいい。

エルミタージュ美術館から徒歩圏内の好立地であるWow Hostelにチェックインしてからもずっと雨。
初日からまさかの雨に流されるサンクトペテルブルクとなった。
それでもモスクワから来ると物価安であり、
Wow Hostelのドミが一泊200ルーブル(350円)、
ウラジオストクで何度も通ったロシア食堂のチェーン店Strobaya No.1だとスープとおかずで2〜300ルーブル。
ホステル近くに3軒もあるStrobaya No.1に毎日通ってしまう。



相変わらずホステル内でアルコール禁止となっているロシアだけあってなかなかルーブルが減らない。

気温が下がり、雨が雪に変わった夜にサンクトペテルブルク町歩き。
ヨーロッパ最高級の都市だけあってモスクワにない綺麗さ。



歩行者天国もヨーロッパの洗練された街並みである。
建物のライトアップが雨上がりの路面に反射するのがいい。


サンクトペテルブルクは北のヴェネチアとも呼ばれているそうで、運河もある。


より冬の寒さが深まれば凍結する川も流れている。
流氷が川辺で淀んでおり、ライトアップされたエルミタージュ美術館が川の向こうに見える。


雨が降った後の広場の景色もいいなあ、と日中は止まない雨を罵っていたのにつぶやいてしまう気まぐれさ。



幸か不幸か、翌日以降は雨でなく雪であり、
陽光が現れないモノトーンのサンクトペテルブルクをロシア最後の街として歩き回ることになった。






雨が降ろうが、雪が舞い落ちようが関係がないエルミタージュ美術館を訪れる。
パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館とあわせて世界三大美術館のエルミタージュ。
ネット情報によるとチケット窓口は大変混み合い、ネット予約したほうがいいそうだ。
早速公式サイトからネット予約を試みるとなんと18ドル弱もする。
チケット窓口だと600ルーブル(1100円)なのに二倍くらい高い。
当然、並ぶのを覚悟の上で窓口購入にする。
気合を入れて10時半〜21時半までと普段よりも開館時間が長い金曜日を選択する。
が、いきなり寝坊してしまい、また美術館内での食事は期待できないので早い昼飯を食べてから向かうとすでに11時過ぎだった。

外観からしてエレガントな冬の宮殿。


不安の中チケット売り場に直行してみれば、ほとんどどころか、まったく列がなく拍子抜け。
600ルーブルのチケットを待ち時間0分で買えてしまった。
リュックやダウンをクロークルームに預けてカメラだけ首からぶら下げていざ入場。
宮殿がそのまま美術館となっているので入り口からして豪華さは別格だろう。


多くの人が最初の階段で写真を撮っている。
美術館まで来て自分のセルフィー写真を撮りたいのかとついつい思ってしまう。
…思いつつも、自分は絵画鑑賞そっちのけで宮殿内部を撮影しまくり。



天井画を見ただけでも十分満足して帰れるかもしれない。


ルーブル美術館より迷いやすい巨大なエルミタージュなので地図を片手に順序よく回ってみる。
歴史に疎い自分だけれども、ロマノフ王朝時代の王宮である冬の宮殿の素晴らしさは否応なく実感できる。



平日でも恐ろしいほどの観光客で溢れかえっているルーブルやメトロポリタンほどの混雑さはなく、
ゆっくりと見て回れるのが嬉しい。
たまに中国人の団体客が足早に通過していく。


不覚にも予備知識なしで入ってしまったが、一目で有名な作品と分かる黄金の鳥に見とれてしまう。
後で調べたところ三種類の鳥で表現された黄金の時計だそうだ。


素晴らしい絵画が部屋に数枚でなく何枚も並べられて展示されていると、
さすがに一枚一枚じっくりと眺めるのが飽きてくる。
絵画よりエルミタージュ美術館の内装の方がメインになりつつあるので、
レンタルビデオショップでパッケージだけ流し見するような感じで通り過ぎていく。


たまに有名すぎる作品もあり、ついつい素通りしてしまいそうで危うい。
小さなサイズの絵画でレオナルドダヴィンチの『リッタの聖母』が飾られている。


展示されている部屋の方が豪華絢爛で、作品が見劣りしてしまうようなバックグラウンドだ。


他の建物で普通の回廊のような空間もいたってゴージャス。


 ロシア皇帝の王宮だけあってきらびやかな部屋が次から次へと現れる。
大玉座の間。


一個だけポツンと椅子が置かれているピョートル大帝の間。


一つの大部屋ごとが豪華絢爛であり、もはや絵画を一枚一枚眺めている場合じゃなくなってくる。





地図を見ながら廻る限り、構造としては思っていたほど複雑でないエルミタージュ。
冬の宮殿、大エルミタージュ、小エルミタージュを順番に歩き回ってから絵画をちょこちょこと見る。




別の階には古代エジプトのコレクションがあったり、
写真撮影禁止だが一時的な展示として日本の明治時代コレクションがあったりして興味深かった。


当初は閉館の21時くらいまで居座るつもりだったが、
6時間もひたすら美術品を見続けているとゴッドファーザー1、2、3を立て続けに見るみたいに疲れてくる。
まだ見るべきものはたくさんあると思うけどギブアップ。
よほどの美術館好きなら二日間かけて通うかもしれないが十分だった。





物価も安いし、寒さにも慣れてきて、
まだまだ好奇心が尽きないロシアなので3週間じゃ物足りないけれども旅は次のステージへ。
8年前はこ値段の高さと複雑さで断念したベラルーシビザを申請すべく、
リトアニアのヴィリニュスへ向かう。











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